2017/05/13

学校では教えない「社会人のための現代史」

 【書 名】学校では教えない「社会人のための現代史」
 【著 者】池上彰
 【発行所】文芸春秋
 【発行日】2013/10/15
 【ISBN 】978-4163766409
 【価 格】1620円

副題が「池上彰教授の東工大講義 国際編」ということで講義録が本になっています。中東問題などを理解する場合、イギリスが中東でおこなった二枚舌外交やサイクス・ピコ協定などが発端となっています。映画「アラビアのロレンス」でも描かれていますが、現代史を理解するための背景を分かりやすく説明しています。

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2017/03/29

南朝研究の最前線

 【書 名】南朝研究の最前線
 【著 者】日本史史料研究会
 【発行所】洋泉社歴史新書
 【発行日】2016/07/18
 【ISBN 】978-4-8003-1007-1
 【価 格】100円

信長、秀吉、家康に続き最新の研究をもとに南朝の実像について書かれています。

南朝といえば鎌倉幕府を滅ぼし建武の親政がはじまったが、公家中心の政権だったため、不満をもった武士が足利尊氏を中心に集まり、後醍醐天皇に対立し室町幕府を成立させたというイメージですが、最新の研究では全然、違うそうです。

建武の親政は公家中心の政治ではなく、武士よりの政権で反対に公家の方が不満をもらしています。足利尊氏も反旗をひるがえすつもりがなく、どちらかといえば場当たり的に対応していて、最終的に後醍醐天皇と対立するところへ追い込まれたようです。新田義貞は当時は足利一族と考えられていたようで、いつのもにか足利氏と肩を並べる新田氏というイメージができあがりました。などなど目からうろこの話が多いですね。武士は大義などよりも、まずは自分の利益を考えて動きますから、複雑な歴史の動きになってしまいます。

室町幕府が発足すると敵の敵は味方ということで北条氏の生き残りと南朝が組んだりもします。南朝が陸奥や遠江へ拠点をつくろうと伊勢の大湊から出港しましたが暴風雨にあうなど苦難になります。北条時行は義良親王と行動を共にして遠江の井伊に入ったそうで、大河ドラマ「井伊直虎」の検地のシーンで川名の隠し里が見つかり、「南朝の御子様が隠れてお住まいになった場所です。なので、井伊の領地であって、井伊の領地ではない」と返答しますが、このことだったんですね。

この時、懐良親王が九州に入り、ここだけは成功し、九州一国が南朝方となり征西将軍府が成立します。もう少しで室町幕府とは別の国家ができた可能性もあったようです。

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2016/10/15

お金の流れで見る戦国時代

 【書 名】お金の流れで見る戦国時代
 【著 者】大村 大次郎
 【発行所】KADOKAWA
 【発行日】2016/09/10
 【ISBN 】978-4-04-601711-6
 【価 格】1400円

「お金の流れで読む日本の歴史」の続編で、なかなか面白い本ですが室町幕府や信長のところは「お金の流れで読む日本の歴史」とほとんど同じで、そこだけは工夫してほしかったですね。武田信玄が死なずに西に向かっていたら信長は危なかったという説がありますが、経済的に見ると武田信玄はかなり追い込まれていたようです。明智光秀が起こした本能寺の変についても荒木村重となぞらえて経済的観点での謎解きをしています。


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お金の流れで読む日本の歴史

 【書 名】お金の流れで読む日本の歴史
 【著 者】大村 大次郎
 【発行所】KADOKAWA
 【発行日】2016/03/12
 【ISBN 】978-4-04-103220-6
 【価 格】1400円

歴史の事件をお金の流れから解き明かす一冊。幕末、日本の経済を握っていたのは江戸幕府です。倒幕派には金がありません、そこで始めたのが贋金作り。幕府の万延二分金の贋金を作り、外国から武器などを買う時の支払にあてます。これが明治になってから外交問題に発展。結局、二百数十万両の贋金の引き換えを行いますが、当時の国家予算の10%もありました。

太平洋戦争の発端となったのがアメリカによる在米日本資産の凍結。国際貿易ではドルが唯一の国際通貨でしたので、実質的に日本が国際貿易から締め出されることとなり、横浜正金銀行ニューヨーク支店が破綻することで日米開戦が避けられなくなりました。軍部の台頭などのほかに、こんな経済の話が背景にあったんですね。


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2016/08/19

そして、メディアは日本を戦争に導いた

 【書 名】そして、メディアは日本を戦争に導いた
 【著 者】半藤一利/保阪正康
 【発行所】東洋経済新報社
 【発行日】2013/10/11
 【ISBN 】978-4492061916
 【価 格】1,620円

原題通りにメディアが日本を太平洋戦争に導きましたが、そもそもは日露戦争などで反戦の記事を書いたらどんどん部数を減らし、背に腹はかえらずと戦争の記事を書いたら部数が伸びた経験があったからです。国際連盟脱退や真珠湾攻撃を大々的に盛り上げると新聞の部数が伸びました。朝日新聞にしろ皆、イケイケドンドンで煽っていました。

ただし少数ですが本当のジャーナリストもいて桐生悠々は「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」という記事を書き、防災演習なんか必要なく、そもそも帝都に空襲がないように軍が戦うべきで空襲があった時点でアウトだろうと至極まっとうなことを書きましたが在郷軍人会が新聞の不買運動を始めたため退社させられます。もう一人は東洋経済新報の石橋湛山でした。

明治の初めころは佐幕派がジャーナリストでしたので政府に対して健全な批判をしていましたが、付和雷同的な日本人の資質もあってどんそん商業主義になっていきます。本質的に今も変っていません。

本にも書かれていますが、最近の記者もひどいもので、「石橋湛山が好きです」「石橋湛山のどの本に感銘を受けたの?」「...」、ネットかなにかで石橋湛山について調べただけで本の1つも読んでいない

。5.15事件について予備知識もないのに昭和史の取材をしている記者など、あきれる例が出てきます。なかにはしっかり勉強している記者もいるのでしょうが、なさけない記者も多いようです。


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2016/05/23

古寺に秘められた日本史の謎

 【書 名】古寺に秘められた日本史の謎
 【著 者】新谷尚紀
 【発行所】洋泉社歴史新書
 【発行日】2016/03/18
 【ISBN 】978-4-8003-0879-5
 【価 格】860円

仏教が伝わった飛鳥時代から近代までお寺を中心に歴史などを解説した一冊です。仏教の公伝は日本書紀に552年と書かれていますが、この年は仏教で末法に入る年になるので、それを想定して書かれたのでしょう。実際は元興寺縁起に書かれている538年が有力視されています。

東大寺はもともと聖武天皇と光明皇后の子供で夭折してしまった皇太子の菩提を弔うために金鐘寺が最初。ところが国分寺を作る時に奈良の金鐘寺が国分寺となり、金光明寺と改称し、これが東大寺になります。特に東大寺は総国分寺になります。東京の浅草寺は意外に歴史が古く、創建は628年で薬師寺創建よりも古くなります。


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2016/01/12

石原莞爾 アメリカが一番恐れた軍師

 【書 名】石原莞爾 アメリカが一番恐れた軍師
 【著 者】早瀬利之
 【発行所】双葉新書
 【発行日】2014/08/06
 【ISBN 】978-4575154467
 【価 格】907円

満州事変を引き起こした石原莞爾について描いています。満州で起きている報告を受けても切迫感がなく有効な手を打たない本部。現場が先走り満州事変を起こしてしまいますが、当初の理想とは別に官僚や政治家が東京からやってきて、ひっかきまわすことになります。当時の日本は不作などで餓死するような地方もある国情だったため満州はまさに生命線でした。


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2015/11/21

ぼくらの近代建築デラックス!

 【書 名】ぼくらの近代建築デラックス!
 【著 者】万城目学、門井慶喜
 【発行所】文春文庫
 【発行日】2015/05/10
 【ISBN 】978-4-16-790375-6
 【価 格】790円

大阪市中央公会堂など大阪、京都、神戸、横浜、東京、台湾の建築散歩です。百万遍にある進々堂や神田にある一誠堂書店が入っているのがいいですね。

面白かったのが神戸の旧和田岬灯台。設計したのはイギリス人のリチャード・ヘンリー・ブラントン。この人、本当は鉄道技師だったんですね。幕府がイギリスに灯台と作りたいので人を派遣してほしいと依頼し、ブラントンが来た時は幕府が滅びていたので新政府と契約。このブラントンさん、イギリスでは鉄道建設が一巡して仕事がなかったようでまずはインドの灌漑技術に応募しますが落選。そしたら日本の灯台に合格したので、猛勉強して日本へやってきたようです。今では日本の灯台の父と言われています。


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2015/09/28

日本人の給与明細

 【書 名】日本人の給与明細
 【著 者】山口 博
 【発行所】角川ソフィア文庫
 【発行日】2015/08/27
 【ISBN 】978-4-04-409224-5
 【価 格】880円

古代から江戸時代まで、皆、いくらぐらいの給与をもらっていたのかを計算した1冊。

■山上憶良の年収は1400万円
貧窮問答歌で有名なため、貧乏だったイメージがありますが、なかなかどうして1000万円以上の給与でした。遣唐使で唐へ行った時に見つけたのが王梵志という詩人の作。貧窮田舎男という詩があり、これを日本流にしたのが貧窮問答歌だったんですね。

■岡 左内
蒲生氏郷に仕えますが、せっせとお金を貯めます。同僚にもたくさんお金を貸していました。ただ守銭奴ではなく、小田原の北条征伐では血統付きの名馬を買います。仕事に役立てるために高級車を買うようなものです。蒲生氏郷も感心して加増します。蒲生氏郷が亡くなって浪人になっていたのを招いたのが上杉景勝。関ヶ原の合戦では敵方の伊達正宗と切りあいます。ところが西側についたので上杉景勝は減封されたので浪人。敵だった伊達正宗にも来ないかと誘われますが、蒲生家に戻ります。病没する前、同僚に貸していた借用書もすべて燃やしてしまいました。なんともイキですね。


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2015/07/17

続 誰も書かなかった日本史「その後」の謎

 【書 名】続 誰も書かなかった日本史「その後」の謎
 【著 者】雑学総研
 【発行所】中経の文庫
 【発行日】2015/06/28
 【ISBN 】978-4-04-601305-7
 【価 格】650円

日本史で話題となった人物のその後や子孫について書かれています。

■冷泉家
同志社大学の隣にあり、和歌で有名な家です。藤原定家の息子が藤原為家。この為家の助手になったのが阿仏尼で、やがて為家の側室になります。為家がなくなった後に起きたのが本妻側との相続争い。鎌倉の問注所(裁判所)まで持ち込まれて争われますが、阿仏尼が生きている間に決着はつきませんでしたが、最終的には阿仏尼の息子である為相が勝利。そして冷泉家を起こし和歌の家を継承していきます。

■プチャーチン
幕末、日本との通商条約を結ぶために来日したのがロシア海軍提督・プチャーチン。条約を締結する前に起きたのがディアナ号沈没事故で、プチャーチンを乗せたディアナ号が下田に入港中に、安政東海地震で津波による被害を受けます。修理ができる戸田(沼津)まで航行することになりますが、途中で沈没しそうになったところを戸田の住人が親身に助けてくれます。

プチャーチンはロシアに戻っても恩を忘れず家紋に侍を描き、亡くなった後はプチャーチンの長女が戸田を訪れます。遺言に遺産の一部を戸田の住民に渡してほしいとあったためです。


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