斎宮
【書 名】斎宮
【著 者】榎村 寛之
【発行所】中公新書
【発行日】2017/09/25
【ISBN 】978-4-12-102452-7
【価 格】920円
天皇の代替わりごとに占いで選ばれ派遣されるのが斎王で、住まいとしたところが斎宮です。飛鳥時代から鎌倉時代まで660年わたって続きました。
■斎宮
斎宮は方格地割になっていて一区画が120メートル四方で東西に七つ、南北に四つありました。区画の間の道路幅は15メートルで古代伊勢道の官道が9メートルでしたので、それよりも広い道路でした。平安時代には斎宮北路、斎宮南路があり南路は江戸時代の伊勢街道と重なっており、北路は発掘調査でわかり一部が再現されています。
■斎宮は斎藤さんの故郷
芥川龍之介の小説に「芋粥」があり、主人公は摂政・藤原基経の役所に勤務する40歳過ぎの小役人。腹いっぱい芋粥を食べたいという希望を言っていたところ、藤原利仁が領地の敦賀で食べさせてやると連れていってもらいましたが、大騒ぎの宴会のなかでの食事となり食欲が失せてしまい、芋粥が食べたいなと思っていた昔を懐かしむ小説です。
芋粥を食べさせてやるといった藤原利仁は武人で”りじん将軍”と呼ばれていました。この人の息子の一人が藤原叙用で、斎宮頭に任命されます。平将門の乱などの後で治安の問題から武人が任命されたようです。この藤原叙用が斎宮頭の藤原氏ということで斎藤氏を名乗ることになります。
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