2022/07/23

大阪キタと中之島 歴史の現場読み歩き。

 【書 名】大阪キタと中之島 歴史の現場読み歩き。
 【著 者】松井宏員
 【発行所】株式会社140B
 【発行日】2022/6/23
 【ISBN 】978-4-903993-46-1
 【価 格】1800円


毎日新聞大阪府内版に連載している「わが町にも歴史ありー知られざる大阪」を元にした本です。


■大阪天満宮
星合の池ー明治の中頃に亀を売る店があり、池に放して慈悲の実践をしました。この亀が夜になると店に戻ってくるので仕入れはなし、伝書亀になっていました。


北森町ー摂社の大将軍社は天満宮より300年も古い創建で明星池近くにあり、このあたりが北の森と呼ばれていました。大坂夏の陣を避けるために天満宮が吹田に疎開してから戻り、大将軍社も天満宮境内に移り、北の森もなくなり、南森町だけが残りました。


■太融寺
大坂夏の陣で自刃した淀君は鴫野神社に祀られましたが、明治10年に城東練兵場を作る時に移転にあたって太融寺に移されます。四天王寺が候補にもなりましたが家康本陣に近いから淀君も嫌がるだろうと太融寺に移ったそうです。鴫野神社は生國魂神社に引っ越しています。別の説では鴫野神社移転によって社の下を掘ると人骨が出てきたので淀君の骨だと太融寺に移されたとありますが供養塔ですし、そもそも大坂城は燃えて骨も分からなくなっています。


■淀屋
大名の借金が1億両になり恐れた幕府が淀屋に難癖をつけてつぶした説もあります。淀屋は事前に鳥取県倉吉市に疎開していました。淀屋4代目が番頭に「牧田淀屋」の名前で倉吉で開業させていました。牧田3代目の時に北浜に木綿問屋「淀屋清兵衛」を開いて淀屋を復活させました。幕末には大坂と倉吉の店をたたんで財産の9割を倒幕資金に献じました。


■大朝、大毎
速報は号外しかなかった時代。石炭をたいて輪転機をまわしていたため号外の準備が始まると煙が出ます。大毎と大朝は近いので朝日から煙が出ると毎日では大騒ぎになりました。


■堂島
河村瑞賢が堂島川の改修をしましたが改修で出た土砂を堂島に盛って宅地造成。5つの橋をかけて交通の便をよくして造成した土地を売り、改修費用をまかなおうとしました。

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2022/03/10

「それから」の大阪

 【書 名】「それから」の大阪
 【著 者】スズキナオ
 【発行所】集英社新書
 【発行日】2022/02/22
 【ISBN 】978-4-08-721203-7
 【価 格】924円


コロナ禍の大阪をまとめた本です。


■石切神社
刀剣乱舞のなかに石切丸という石切剣箭神社に伝わる宝剣をモチーフにしたキャラクターがいて、ファンも集まっています。


■立ち飲み「こばやし」西九条
閉店に際して客のメッセージが書き込めるポスターが作られましたが、作ったのは店の常連でもあり大阪万博ロゴを作ったシマダタモツ氏。


■船場センタービル 横に寝たエンパイヤ・ステート・ビル
完成は1970年。中央大通りが作られる時に小さな繊維問屋の移転問題に。そこで道路を高い所を通して、その下に商業施設を作ることになり1号館~10号館まで出来上がりました。


■ちんどん通信社
チラシを配って宣伝しますが演奏、口上、姿、ふるまいを通じて縁起のいいものとして1枚のビラを神社のお札のようなありがたいものに見せることを行っています。


■ポップ工芸 八尾
道頓堀に存在する立体看板の7割ほどを制作。あそこよりも目立つやつということで、どんどん増えていきます。

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2022/02/11

歴史家の案内する大阪

 【書 名】歴史家の案内する大阪
 【著 者】仁木宏・般下徹
 【発行所】文理閣
 【発行日】2021/10/20
 【ISBN 】978-4-89259-890-6
 【価 格】1800円


■四天王寺
西側は上町台地の崖、南は河堀と呼ばれる幅の広い低地が拡がっていたため北と東を守るために戦国時代は堀と土塁が整備されていて発掘調査で見つかっています。


■浜路
天神橋商店街から下寺町(茶臼山近く)まで続く古道で難波京に西京極通りを継承している模様。中世には天神橋の前身となる渡辺橋が重源の勧進によってかけられます。近くには熊野一之王子である渡辺(窪津)王子があった模様。後に茶臼山にある堀越神社に移された模様。


■平野 正覚寺廃寺
旭神社の近くにあったのが正覚寺で畠山国清が開山した模様。足利尊氏、直義が後醍醐天皇や元弘以来の戦没者を慰霊するため夢窓礎石のすすめで全国66ケ国に安国寺を建立したが、この一つが正覚寺の模様。各国の守護の菩提寺などが安国寺として指定されました。畠山義就の重臣である神保氏の館があり、これが正覚寺城でした。百ケ所の矢倉があったと伝わっています。ここで畠山政長が戦死したため墓があります。


■田原レイマン 田原城
天正三年(1575年)に織田信長と対面したのが三箇マンショ、結城ジョアン、田原レイマンとフロイスが記載しています。田原レイマンの墓碑が見つかったのが田原で天正九年、礼幡と記載されていました。三箇マンショは三箇城の城主、結城ジョアンは岡山・砂の領主でした。


■枚方 百済寺
百済寺跡から北に行ったところに禁野本町遺跡公園があり百済寺の北門からまっすぐ行った所にあり斎宮のような街区が整備されていたようです。


■河内源氏
頼朝の祖が河内源氏で羽曳野市の壺井が源流です。源頼信が壺井里を本拠として活躍し藤原道長から受領を歴任し前九年・後三年の役で頼義、義家が活躍。頼義は通法寺と壺井八幡軍を創建します。頼義や義家の墓が残っています。


■日根野荘
関空近くにあるのが日根野。九条家の荘園がありました。戦国時代は武士が侵略してきたため九条政基は老齢ながら家臣を連れて日根野荘に在住して荘園の権益を守りました。

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2020/12/02

ぶらり大阪高低差地形さんぽ

 【書 名】ぶらり大阪高低差地形さんぽ
 【著 者】新之介
 【発行所】140B
 【発行日】2020/11/16
 【ISBN 】978-4-903993-43-0
 【価 格】2000円

大阪の各地を高低差地図とともに紹介しています。

■平野の語源
環濠都市として有名で杭全神社に環濠の遺構が残っています。もともと百済などの渡来氏族が堤防などを備え開発した土地でした。坂上田村麻呂の子供である廣野麿が杭全荘を賜り、廣野が訛って「ヒラノ」になったと言われています。中世は平野商人が活躍します。秀吉が大坂の城下町をつくる時、平野から商人を移住させています。

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2019/08/23

仲野教授のそろそろ大阪の話をしよう

 【書 名】仲野教授のそろそろ大阪の話をしよう
 【著 者】仲野 徹
 【発行所】ちいさいミシマ社
 【発行日】2019/08/05
 【ISBN 】978-4-909394-24-8
 【価 格】1,900円

ダイエー発祥の地・千林生まれの仲野教授による大阪をよく知る12名との対談です。

■八十島タイタニック説(高島幸次)
大阪城、石山本願寺の前にあったのが生玉神社。上町台地の先端で行われていたのが八十島祭です。台地の先端で天皇の着物を入れた箱を開け風をあて海の風を受けた衣を着ることで、日本の支配をする権利を得るという儀式です。映画タイタニックのような光景なので、これが八十島タイタニック説だそうです。

■秀吉の大阪改造計画
当初は上町台地の北にある大坂城から南へ城下を延ばす予定でしたが慶長の大地震で堺の南が壊滅してしまい、計画は頓挫。西へ延ばすことになり東横堀川を掘った土で湿地帯を埋めて船場の町にしました。梅田の語源も埋田です。

大阪城は豊臣時代の城と信じられていた時期が長く、指定もいまだに豊臣大坂城になっています。昭和34年の学術調査で地下から豊臣時代の石垣が発見され、現存している石垣は徳川時代にものと分かりました。この時に大阪市からしばらく発表しないように要請があったそうで、理由は石垣が徳川製と分かると大阪市民がショックで倒れるからということでした。

■大阪人のコミュニケーション
東京へ引っ越した大阪人がギリギリ配達圏外ですが、ピザを頼むと案の定、ダメという返事。「家の前に出て、配達エリア内に立っとくから」と粘ってもダメ。「ピザは熱々やけど、心は冷たいんですね」と言ったのに流されます。配達を断られたことよりも最後の言葉を流されたことに腹が立つのが大阪人です。

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2019/01/01

重ね地図で愉しむ大阪高低差の秘密

 【書 名】重ね地図で愉しむ大阪高低差の秘密
 【著 者】梅林秀行
 【発行所】宝島社新書
 【発行日】2018/12/24
 【ISBN 】978-4-8002-8866-0
 【価 格】1,100円

■キタ、ミナミの由来
大阪は梅田付近をキタ、難波あたりをミナミといいますが、もともとは組の名前。大坂三郷で大阪以北を天満組、大川から本町までを北組、本町以南を南組としました。これが由来となります。

■山崎の鼻
中之島の東端は天神橋筋付近ですが江戸時代は中央公会堂当たりです。備中成羽藩の山崎氏の蔵屋敷があったため山崎の鼻と呼ばれています。

■公儀橋
幕府が作った橋はわずか12で、他は淀屋が作った淀屋橋など民間で約200ほどありました。公儀橋は高麗橋、本町橋、農人橋があり欄干に擬宝珠をつけることができました。天満橋は天正14年(1586年)以前に掛けられていたことがルイスフロイスの記録に残っています。

■空堀
総構の後といは一概に言えず、大坂冬の陣の和睦の条件で総構は埋められてしまいました。大坂の復興をまかされた家康の孫である松平忠明は寺島藤右衛門に命じて、このあたりを瓦の製造拠点にしたようです。土取場として削られていくことになります。その名残として瓦屋町という地名が残っています。この瓦職人がついでに素焼きの土人形を焼いたことから人形のまっちゃまちができることになります。

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2018/12/16

大阪的

 【書 名】大阪的
 【著 者】井上章一
 【発行所】幻冬舎新書
 【発行日】2018/11/30
 【ISBN 】978-4-344-98522-3
 【価 格】800円

大阪といえば、おもろいおばちゃんが出てきて、知り合いとの話の最後にオチをつけるというイメージが先行しますが、もともとは「まいどワイド30分」というテレビ大阪の番組で商店街などで買物に来ていたおばちゃんたちにインタビューしたことがきっかけ。面白いおばちゃん達だけを編集して放映したので、大阪のおばちゃんは面白いというイメージが定着したようです。

食い倒れも本来の意味は食道楽がいきすぎて破産することです。コナモンのメッカと言われる大阪ですが船場の旦那衆をうならせるグルメの街という側面はあまり取り上げられずタコ焼きばかりとなってしまいました。

明治維新を推し進めるにはお金が必要ですが供給したのは大阪商人です。イメージ先行の大阪ですが本来の大阪はどんな街だったのかを解き明かしてくれます。

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2018/10/27

地図と地形で楽しむ大阪淀川歴史散歩

 【書 名】地図と地形で楽しむ大阪淀川歴史散歩
 【著 者】都市研究会
 【発行所】洋泉社
 【発行日】2018/10/19
 【ISBN 】978-4-8003-1539-7
 【価 格】950円

淀川水系をテーマとした一冊です。仁徳天皇が手掛けた大治水工事の一つが茨田堤で淀川沿いに堤防を築きました。堤根神社の土塁がこの時の名残と伝わっています。もう一つの工事が難波の堀江で現在の大川ではないかと言われていますが長堀川という説もあります。古代から治水には苦労した暴れ川でした。

奈良時代には瀬戸内海への水運を確保するために淀川から安威川へ抜ける運河が作られます。神崎川ですが現在の流路と違って摂津の江口から分かれていました。造ったのは和気清麻呂です。

豊臣秀吉が行った治水工事が文禄堤で京阪・守口市駅近くに700メートルほど残っています。工事をしたのは毛利一族で枚方から大阪まで27kmにわたる大工事でした。

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2018/08/02

大阪高低差地形散歩広域編

 【書 名】大阪高低差地形散歩広域編
 【著 者】新之介
 【発行所】洋泉社
 【発行日】2017/09/19
 【ISBN 】978-4-8003-1289-1
 【価 格】2,200円

紹介されているのは豊中、箕面、茨木、交野、古市、二上山、神崎川・守口、尼崎、枚方、高槻・富田、大山崎、池田、岸和田・貝塚、富田林が紹介されています。

古代、京都や奈良は古大阪湾とつながっていましたが生駒山地、六甲山地の隆起により古京都湾、古奈良湾は消滅していきます。

■花園
大和川の付け替えが行われましたが河内花園駅近くまで流れてきた玉櫛川がこのあたりで吉田川と菱江川に大きく分かれていました。この吉田川の痕跡が花園商店街のカーブとして残っていて、そのままラグビー場の方につながっているそうです。

■尼崎
弥生時代の海岸線は現在のはるか北でJR東海道線の北にありました。名神高速の南側が微高地になっていて、ここが当時の砂州跡。尾浜という地名も残っています。尼崎には時代によって三列の砂州列があり2つ目の列には難波熊野神社、熊野八幡神社などが砂州列沿いに並びます。


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2018/05/16

阪堺電車 177号の追憶

 【書 名】阪堺電車 177号の追憶
 【著 者】山本 巧次
 【発行所】ハヤカワ文庫
 【発行日】2017/09/20
 【ISBN 】978-4-15-031296-1
 【価 格】640円

大阪と堺を結ぶ路面電車をテーマに昭和8年から平成29年までの物語がつづられていますが、これが物語通しがうまくつながって、しかも毎回ちょっとした、どんでん返しがあって楽しめる一冊です。

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