2008.06.18

日本を創った12人

 【書 名】日本を創った12人
 【著 者】堺屋太一
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】2006/2/17
 【ISBN 】4-569-66560-8
 【価 格】724円



日本の独自性に影響を与えた12名を紹介しています。初詣に行き、クリスマスを祝い、お寺で葬式をする宗教には節操のない日本人ですが、こんな日本人の独自性を与えたのが聖徳太子です。日本で起きた純粋な宗教戦争といえば物部氏と蘇我氏との争いぐらい、ところが聖徳太子は習合の思想を広め、これが「ええとこどり」の気風を生みました。宗教もよいところを取り入れるという世界でも珍しい宗教観を持つ日本人を作りあげることになります。

他に
光源氏、源頼朝、織田信長、石田光成、徳川家康、石田梅岩、大久保利通、渋沢栄一、マッカーサー、池田勇人、松下幸之助が紹介されています。

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2008.05.24

読み忘れ三国志

 【書 名】読み忘れ三国志
 【編 集】荒俣 宏
 【発行所】小学館文庫
 【発行日】2007/11/11
 【ISBN 】978-4-09-408220-3
 【価 格】533円

日本人の大好きな「三国志」のエッセンスについて書かれた本ですが、面白い見方ですね。劉備玄徳という名前ですが、姓は劉で名は備、字(あざな)は玄徳です。この名が実名で、うっかりこの名前を教えて呪詛につかわれてはということで「名」をあかすことはまれなんです。そこで使われたのが字で、今で言うニックネームだったんですね。

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2008.01.26

効率が10倍アップする新・知的生産術

 【書 名】効率が10倍アップする新・知的生産術
 【著 者】勝間 和代
 【発行所】ダイヤモンド社
 【発行日】2007/12/13
 【ISBN 】978-4-478-00203-2
 【価 格】1500円

副題が「自分をグーグル化する方法」で、本屋でも平積みされ、よく売れているようです。読み始めていると知り合いの名前が出てきたので驚きました。「シゴタノ」の大橋さんです。

■情報主義
資本主義に対抗して、情報主義が唱えられています。情報主義とは「情報を持っていない人から、情報を持っている人へ、お金が移動する仕組み」です。株のインサイダー取引は極端にしても、確かにそうですね。

■情報には空、雨、傘がある。
筆者がマッキンゼー時代に学んだそうです。

空-事実 晴れている
雨-解釈 雨雲が出てきたので、雨になりそうだ
傘-解釈に対する行動 雨になりそうなので、傘を持っていこう

情報にはこの三段階があるので整理しないといけないということです。

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2008.01.13

ある日海外赴任

 【書 名】ある日海外赴任
 【著 書】福永佳津子
 【発行所】ジャパンタイムズ
 【発行日】1990/7/1
 【ISBN 】4-7890-0522-4
 【価 格】1505円

ある日、突然海外赴任を会社から命ぜられたら!

家をどうするか、子供の教育をどうすればよいのか悩まないといけないことが山のように出てきます。夫の転勤で6年間ニューヨークで暮らし、ニューヨークで日本語電話相談カウンセラーを担当した筆者がいろいろな相談をまとめた一冊です。

■コミュニティ・カレッジ
フルタイム・スチューデント、パートタイム・スチューデント以外に聴講生コースがありますが、多彩なコースが用意されているんですね。「あなたの魅力を100%引き出し、あなたに合う色、体型にあった洋服選びをお手伝いします」、「年齢不詳、パートナーがいなくても手をつなぎ、輪となって一緒に世界各地のフォークダンスを踊ってみよう」などなど。

■救急車は有料
救急車は有料で1回の出動で最低130ドルほど請求されるそうです。日本では緊急性がないのに救急車を呼ぶ例もあり、いっそうのこと有料化してしまう手もありますね。

■学校区住民の高い税金
学区によって教育レベルはまちまちなのは日本と同じですが、伝統的に高いレベルの公教育を支えているのが学校区に住む住民の高い税金です。学区の公教育を受ける日本人子弟にも一人当たり年間1万ドル以上の地域税が教育費として支払われます。
ただ時代を担うアメリカ市民のための投資のはずが、日本人子弟は日本の学校戻ってしまい問題視されているそうです。

本が書かれたのは20年近く前で97年に9刷りされた本を古本屋さんで見つけてきました。

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2007.12.22

フリーランスのジタバタな舞台裏

 【書 名】フリーランスのジタバタな舞台裏
 【著 者】きたみりゅうじ
 【発行所】幻冬舎文庫
 【発行日】2007/12/10
 【ISBN 】978-4-344-41050-3
 【価 格】495円

SEを辞めイラストと文筆でフリーランスの道に入った著者のドタバタ劇なんですが、読んでいるとなんか身につまされますね。独立するということは自分で営業から受注、制作、納品、請求など全部自分でやらなくてはなりません。またサラリーマンのように保証された世界ではありません。

特に独立したばかりの頃は不安だらけですね。私は今も不安だらけですが(笑)これがはたから見ると気楽に見えるんでしょうね。

本にも出ていますが。独立するとローンも組めず。クレジットも落とされ、明日の食い扶持に悩み、サラリーマンのように無条件に控除してくれる経費がないので、せっせと領収書をかき集めることになります。確かにそうですね。

これから独立を目指す人には最適な一冊です。

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2007.12.19

アジア「極楽旅」のススメ

 【書 名】アジア「極楽旅」のススメ
 【著 者】長崎 快宏
 【発行所】三笠書房
 【発行日】2000/05/20
 【ISBN 】4-8379-6036-7
 【価 格】495円

長崎快宏さんのアジア巡りです。副題に「ケチケチ旅行王の格安裏情報と抱腹絶倒レポート」とあります。

台湾、韓国、タイ、香港、ベトナムのふだん旅行者がいかない現地レポートです。

ベトナムでは日本人が経営しているインターネットカフェへ行くと、顔見知りの若いウェイトレスが「ちょっと寄っていって」という声に誘われて店内へ。そしたら「明日、私の家に遊びに来てね」と住所を書いたメモ用紙を渡されました。

そこで翌日、ルンルン気分で出かけると該当住所にあったのは彼女の実家は実家でしたが、地元の人向けのカフェでした。カフェは昼間の営業で、夜はインターネットカフェでアルバイトしているそうです。

さてカフェに入るとインターネットカフェでよく顔をあわせる外国人旅行者が4、5人いて、「おまえもかあ」という顔をして筆者を見ることに。(笑)

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2007.12.01

ジャーナリスト漱石発言集

 【書 名】ジャーナリスト漱石発言集
 【著 者】牧村健一郎
 【発行所】朝日文庫
 【発行日】2007/11/30
 【ISBN 】978-4-02-264422-0
 【価 格】660円

夏目漱石が留学でロンドンへ着いたのが1900年10月末、また朝日新聞に入社したのが、ちょうど100年ほど前の2006年、漱石40歳の時です。

この頃に書かれた文章や講演の発言集などを集めたものですが、漱石の小説とは違った漱石と出会えます。

雑誌「太陽」が行った名家投票(一般投票)に関する批判や文学博士辞退などいろいろと騒動を巻き起こしていますが、首尾一貫、序列など簡単につけられるものではないという考えだったんですね。また博士といっても専門性が進みすぎて、広くいろいろな教養を身につけた人物が博士というわけではないと看過しています。

後ろには講演録が載っていますが、テープレコーダーもない時代ですので、速記して原稿にしたんでしょうね。導入部もなかなか見事でうまく聴衆をひきつけています。和歌山でも講演をして和歌の浦に泊まっていますが、当時、東洋第一海抜二百尺と書いたエレベータが山の上まで通じていたんですね。

新刊なんですが、大阪駅前第4ビル地下にある汎書店の書棚にありました。ラッキーでしたね。

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2007.11.09

雑学図鑑 知って驚く!!街中のギモン110

 【書 名】雑学図鑑 知って驚く!!街中のギモン110
 【著 者】日刊ゲンダイ(編集)
 【発行所】講談社+アルファ文庫
 【発行日】2006/3/20
 【ISBN 】4-06-281009-3
 【価 格】552円

日刊ゲンダイに連載された「街中の疑問」をまとめたものです。

■三角パックはどこへ行った?
昔、牛乳と言えば三角パックでした。めくってストローを差し込んで飲んだものですが、この三角パックを目にすることなくなりましたね。できたのは1956年で、瓶よりも扱いやすく普及しましたが、現在の直方体にその座をゆずりました。現在、日本でただ1軒だけ三角パックの牛乳を作っているのが北海道の「べつかい乳業」というところだけだそうです。

■水族館の海水はどこから運んでいる?
葛西臨海水族園は海運会社と契約し、八丈島へ荷物を運んだ貨物船が船を安定させるために積むバラスト水を買っています。港に着くとレーラーで運びます。

それよりも水族館は世界に500ケ所ありますが、その5分の1は日本なんだそうです。水族館の好きな国民なんですなあ。

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2007.09.28

「粉もん」庶民の食文化

 【書 名】「粉もん」庶民の食文化
 【著 者】熊谷真菜
 【発行所】朝日新書
 【発行日】2007/9/30
 【ISBN 】978-4-02-273165-4
 【価 格】740円

日本コナモン協会・会長 熊谷さんの最新刊でコナモンの話題満載です。大学の卒論に「たこやき」をテーマに選んで以来、コナモン一筋ですね、単なる食いしん坊ではという説もありますが(笑)知らない話もたくさん出てきます。

■1957年家庭用たこ焼き器が発売
その前には花街でお座敷たこ焼きもあったそうで、道頓堀の食いだおれで「たこ焼き御膳」がありますが、その前からあったんですね。

■アメリカ小麦粉戦略
戦争が終わり食糧難となった日本に救いを差し伸べたのがアメリカですが、背景には小麦粉の生産能力が高まり、余剰になっていた背景があったんですね。そのため、日本に有利な条件で提供されることになりました。こんな背景があったんですね。


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2007.08.30

チームハックス

 【書 名】チームハックス
 【著 者】大橋悦夫、佐々木正悟
 【発行所】日本実業出版社
 【発行日】2007/8/1
 【ISBN 】978-4-534-04264-4
 【価 格】1500円



前回の『スピードハックス』に続き、今回はチームをテーマに仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術が紹介されています。

■チームミーティングのコツは予定ではなく実績を共有
昨日はこういう成果を出したと報告をすることで、予定を守るよりも成果を出すことに集中できるようになります。チームにとってのメリットは予定を守ることも成果を出すことも同じです。

■思考停止語ではなく行動促進語を使う
(思考停止語)がんばってください、参考になります
(行動促進語)どうしたら楽になりますか、取り入れるとこういうふうに役立ちそうです

■朝の1時間 not = 夜の1時間
退社時間が18時から19時になっても生活リズムにはそれほど影響がありませんが、出社時間が9時から8時にするには生活リズムを根本から変えなければなりません。同じ1時間でも不思議ですね。この本では皆で1時間早出する方法を紹介しています。

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2007.07.03

論語 珠玉の三十章

 【書 名】論語 珠玉の三十章
 【著 者】ゆはず和順
 【発行所】大修館書店
 【発行日】2007/04/10
 【ISBN 】978-4-469-23301-8
 【価 格】1,400円



中学、高校時代の同窓生が北海道大学で教授をしていますが、その最新作です。専門は中国古代学術思想で時たま掲載論文などが送られてきますが、内容は読んでも皆目分かりません。(笑)

この本は論語を平易に解説してほしいという経営者の依頼から始まっていることもあり、実に分かりやすいですね。

論語と言えば

朋有り、遠方より来たる
四十にして惑わず
巧言令色、鮮なし仁と
朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり

など、よく耳にする言葉ですが、どんな場面で、どんな意味で孔子が言ったのか分かりやすく解説されています。

例えば、「父親が羊を盗んだと村の正直者の息子が証言した」と葉公が孔子に言いますが、孔子は「正直者とは息子は父親のために隠しかばい、正直はその中にある」と答えています。

孔子は人が本来もっている自然の感情の行動を容認しており、密告社会的な社会は容認しずらかったのですね。

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2007.06.03

人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方

 【書 名】人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方
 【著 者】牟田静香
 【発行所】講談社プラスアルファ新書
 【発行日】2007/4/20
 【ISBN 】978-4-06-213906-9
 【価 格】800円



知的生産の技術研究会・関西のセミナーを月一回開催しており集客用のチラシを作っているのですが、この本を読むと、もっといろいろと工夫しないといけませんなあ。

大田区の男女平等推薦センター「エセナおおた」で数々のヒット講座を連発している著者です。基本は集客のターゲット層を考え、そのターゲット層が自分のことだと手に持ってもらえるような講座のタイトルを考えることにあります。また年代別に惹きつけられるものが違い、団塊の世代は「プロに学ぶ料理」や「蕎麦打ち」なんだそうで(笑)

■タイトルのヒント これは参考になりますね
「その一言を伝えるコミュニケーション術」「自分をのばす...」「ズルイほど...」
「あふれるほど...」「しびれるほど...」「○○になる3つのコツ」

またココロ、キモチなどカタカナも有効です。

■チラシ作成の基本
タイトルに斜体は駄目、太ゴシックがおすすめ
フォントの種類は3つまで

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2007.04.22

さわかみ流 図解長期投資学

 【書 名】さわかみ流 図解長期投資学
 【著 者】澤上 篤人
 【発行所】講談社アルファ文庫
 【発行日】2006/7/20
 【ISBN 】4-06-281041-7
 【価 格】686円



長期投資で有名な「さわかみファンド」の代表です。ディトレードという言葉がはやり、個人投資家は皆、短期売買というようなイメージがありますが、実際は長期投資する投資家がほとんどです。

長期投資するには世の中の動きをマクロで見る必要があり、それをフローチャートして紹介していますが、本当にマクロの動きですね。環境や生活者に根ざした経済の時代になるなど大きな見方が示されています。

→ 『さわかみ流 図解長期投資学』

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2007.04.08

奈良の寺 世界遺産を歩く

 【書 名】奈良の寺 世界遺産を歩く
 【著 者】奈良文化財研究所 編
 【発行所】岩波新書
 【発行日】2003/6/20
 【ISBN 】4-00-430841-0
 【価 格】780円



平城京跡、法隆寺、薬師寺、興福寺、春日社、元興寺、唐招提寺、東大寺、西大寺、西隆寺、法華寺、大安寺が取り上げられています。

西隆寺と大安寺はなくなってしまいましたが、他のお寺は堂が炎上しても再建され今に法灯を伝えています。

■唐招提寺
唐招提寺は解体修理中で、覆屋がかかっていますが、ここの講堂は平城京にあった東朝集殿を移築したものだったんですね。移築した時に講堂の形に変更しましたが、唯一、当時の宮殿建築が残っています。

■西大寺
近鉄西大寺駅のすぐ近くに西大寺があり、今はそれほど広くありませんが昔は大伽藍でした。
西大寺が出来たきっかけは聖徳太子の四天王寺と同じだったんですね。藤原仲麻呂(恵美押勝)の乱が起きた時に称徳天皇が対仲麻呂戦の勝利を祈願して、四天王寺の発願をしました。物部守屋との戦での聖徳太子に習ったのでしょうね。乱がおさまり約束通りに四天堂を建立。これが西大寺に発展していきます。

→ 『奈良の寺 世界遺産を歩く』

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2007.04.05

日本地酒紀行

 【書 名】日本地酒紀行
 【著 者】奈良本辰也
 【発行所】河出文庫
 【発行日】198-8/6/25
 【ISBN 】4-309-47138-2
 【価 格】520円



古本屋さんで見つけました。歴史で有名な奈良本氏の地酒の蔵めぐりのお話です。

愛知県の「考の司」の醸造元・柴田酒造場は奥深い山の中にあるそうですが、明治37年に家事があり、家も酒造場も皆、焼けてしまったそうです。

酒蔵が焼け、樽の酒が流れ出し、下の川に流れ込んでしまいました。川下に向かってかぐわかしい芳香が川の水とともに漂い、遠く岡崎にまで香が届いたそうで、まるで養老の滝のような現象が

川沿いの集落の人は、この山奥にうまい酒を作っているところがあるということで、岡崎まで出荷するようになった
のは、この火事の後なんだそうです。

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2007.03.21

日本の歴史を騒がせたこんなに困った人たち

 【書 名】日本の歴史を騒がせたこんなに困った人たち
 【著 者】小和田哲男
 【発行所】祥伝社
 【発行日】2003/02/20
 【ISBN 】4-396-31243-1
 【価 格】619円



歴史上の人物を面白い切り口で取り上げています。

例えばこんな上司はいやだなということで織田信長、源義経、後醍醐天皇が取り上げています。織田信長の門閥政治を打破した成果主義はいいのですが、実際に織田信長の部下として働くとなるとベンチャー企業以上に大変だったでしょうね。

歴代の家臣といえども成果を上げなければ佐久間のように追放されてしまいます。本能寺の変には色々と説がありますが、明智光秀もほとほといやになったという部分があるのでしょう。

■生類憐みの令
綱吉の生類憐みの令で庶民が迷惑をこうむったのは事実ですが、よい面もあったんですね。それが街道での旅です。追いはぎや山賊など庶民が旅に出るとなると命がけの時代が続きました。ところが「生類憐みの令」が出たことによって、生類には人間も入るため、人を殺してはいけないということが徹底されることになります。結果として女性の一人旅や子供だけの抜け参りが出来るような世界でも珍しい旅文化が花開くことになります。

→ 『日本の歴史を騒がせたこんなに困った人たち』

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2007.03.14

いちご白書

 【書 名】いちご白書
 【著 者】ジェームズ・クネン
 【発行所】角川選書
 【発行日】1970/9/30
 【価 格】500円(古書値)



古本屋さんで見つけてきました。初版は昭和45年ですが、買った本は昭和52年の十二版です。

副題が「ある大学革命家のノート」になっています。ユーミンが作って、バンバンが流行させた「いちご白書をもう一度」の映画「いちご白書」の元になった本です。

ベトナム戦争当時、コロンビア大学で起きた紛争がテーマですが、話があっちへいったりこっちへいったりや当時の状況も分からないせいか、内容的にはよくわかりませんね。

同じように学園紛争について書かれた高野悦子の「20歳の原点」の方が感情移入しやすかったですね。

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2007.03.08

スピードハックス

 【書 名】スピードハックス
 【著 者】大橋悦夫、佐々木正悟
 【発行所】日本実業出版社
 【発行日】2007/2/10
 【ISBN 】978-4-534-04183-8
 【価 格】1500円



大橋悦夫さんは昔からの知り合いで、「シゴタノ」というブログを書かれています。

副題は「仕事のスピードをいきなり3倍にする技術」になっています、効率的に仕事をするいろいろなやり方が紹介されています。

例えば、自分の作業時間を測るというのは面白い視点です。自分ではしっかり仕事をしたつもりが時間計測するとそうでもないことがあります。本に書かれていますがアメリカの調査では1日に合計して2.1時間は何らかの原因で業務を中断しています。原因の一つがメールチェックで、どうしても一定時間が経過すると新しいメールが届いていないかチェックしてしまいます。そこからまた仕事に復帰するのは実際、大変ですね。

→ 『スピードハックス』

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2007.03.01

宰相の指導者 哲人安岡正篤の世界

 【書 名】宰相の指導者 哲人安岡正篤の世界
 【著 者】神渡良平
 【発行所】講談社アルファ文庫
 【発行日】2002/1/20
 【ISBN 】4-06-256577-3
 【価 格】880円



安岡正篤と言っても若い方にはピーンと来ないと思いますが、昭和史に大きな影響を与えた人物です。今も与えていますね。我々が使っている「平成」の命名者でもあります。

■東大阪へ
近鉄東大阪線・新石切駅から北に行くと阪奈道路の入口があるのですが、ここらへんが善根寺(ぜんこんじ)という土地で、安岡正篤は幼少の頃にここに住んでおりました。

生まれは大阪市内でしたが、父親は商売をやっており、友人の手形の保証人になっており、そのあおりから倒産し、東大阪の善根寺に移ってきました。善根寺のすぐ近くが神武天皇が奈良に攻めた日下(くさか)で、すぐ北が四条畷です。

安岡正篤が幼少の頃に住んだ家が今も残っています。この土地で、地元の碩学に陽明学などの手ほどきを受け、これが大きな影響を与えていきます。

郷土の偉人ということで、東大阪の図書館には司馬遼太郎コーナーと共に安岡正篤コーナーがあります。

■青年思想家へ
一高から東大へ進み、やがて就職せずに、青年思想家として活躍することになります。

特に戦後は、各宰相の相談役として活躍することになります。吉田茂、佐藤栄作、池田勇人、田中角栄、大平正芳、中曽根康弘ら、いわゆる吉田学校です。保守本流の宏池会も安岡正篤の命名です。終戦の詔書の手直しをされたことでも有名です。

昭和史を理解するには欠かせない一冊です。

→ 『宰相の指導者 哲人安岡正篤の世界』

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2007.02.20

「分かりやすい表現」の技術

 【書 名】「分かりやすい表現」の技術
 【著 者】藤沢晃治
 【発行所】講談社ブルーバックス
 【発行日】1999/3/20
 【ISBN 】4-06-257245-1
 【価 格】800円



第1刷は1999年ですが、買った本は2004年発行の20刷でした。よく売れているんですね。副題は「意図を正しく伝えるための16のルール」になっています。

マニュアルや交通標識など一目見て分からない表現がたくさんありますね。そういった実例を元に何が問題なのか、どう改善すればよいのかが書かれています。私も原稿書きをしていますが、初めての人にわかるように書くって実は一番難しいですね。この本を参考にもっと改善してみます。

→ 『「分かりやすい表現」の技術』

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2007.01.24

強奪されたロシア経済

 【書 名】強奪されたロシア経済
 【著 者】マーシャル・J・ゴールドマン
 【発行所】NHK出版
 【発行日】2003/10/25
 【ISBN 】4-14-080819-5
 【価 格】2600円



日本などがサハリンなどに敷設していたパイプラインにロシア政府から横槍が入り、結局ロシア政府系ガスプロム社が権益の過半数を獲得しましたが、この本を読むとさもありなんという気になりますね。

いかに国家の財産をオリガルヒなどが強奪してきたか歴史的に詳細に述べられています。一番面白いかったのが創業の手続きでドイツの場合は手続きがほとんどなく2時間ほどで行えますが、ロシアでは手続きの山で、全ての手続きを忠実に行うと1,365日かかるそうです。

知的生産の技術研究会・関西で訳者の鈴木博信先生にこの本を踏まえて講演していただきました。

>> ソ連崩壊とロシア政治史のサイクル 2006年6月

→ 『強奪されたロシア経済』

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2007.01.21

日本の社会戦略

 【書 名】日本の社会戦略
 【著 者】稲盛和夫、堺屋太一
 【発行所】PHP新書
 【発行日】2006/11/29
 【ISBN 】4-569-65805-9
 【価 格】740円



副題が「世界の主役であり続けるために」になっています。日本の大局的な方針として「徳」と「富」のある国づくりを提言しています。

稲盛和夫氏は日経ビジネスで西郷南洲の連載をしていましたが、この本でもいくつかの言葉を紹介しています。

その一つが「命もいらず奈もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るもの也。この始末に困る人ならばでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られるなり」で、この頃の官製談合事件などの報道を見るとまさにそうですねえ。メザシの土光さんのような人物はなかなか出てきません。

■ご理解ください
堺屋太一氏が経済企画庁長官時代の面白い逸話が紹介されています。官僚が法案をもってきて、反対すると最後は決まって「ご理解してください」と言うんだそうです。

ある日、「理解しているから反対しているんだ、ご理解してくださいとは失礼じゃないか」と諭したところ「また明日ご説明にうかがいます」。こうなると漫才ですなあ。日本の官僚は1つの案だけですがイギリスやフランスの官僚は複数の案を出し、政治に選ばせるそうで、どれだけの案を出せるかが評価されるそうです。

■貢献面産業分類
堺屋太一氏が提唱する新しい産業分類です。
物財産業-農業、製造業、建設業
位置産業(物財の位置を変える産業)-運輸業、流通業、金融業、賃貸業
時間産業(時間に貢献する産業)-映画、テレビ、レジャー、医療、健康
知識産業-教育、情報産業、デザイン創造
おもしろい分け方ですね。

■タックスペィヤーへの意識
アポロロケットの打ち上げでテレビのアナウンサーが「このシーンを見るためにアメリカ国民は一人当たり39ドルずつ払っています。」としゃべったそうで、日本ではタックスペィヤーの意識が低いですね。

→ 『日本の社会戦略』

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2006.12.26

国民の知らない歴史

 【書 名】国民の知らない歴史
 【著 者】夢枕 獏+高橋 克彦ほか
 【発行所】ワニ文庫
 【発行日】2001/5/5
 【ISBN 】4-584-39125-4
 【価 格】552円



古代から近代にかけて歴史のいろいろな裏側の話が15編おさめられています。

■本能寺の変の後の京都
明智光秀が本能寺の変を起こした後、京都の民に対しては地租を免除したこともあり市民からは大歓迎でした。安土の光秀の元に勅使が着き、「京都の治安について万全を期すように」という命を受け、光秀が入洛。これを公家の重要メンバーが皆、迎えました。比叡山や本願寺も法敵が消えたと万々歳。

この世論を一生懸命替えたのが秀吉です。『明智討ち』という謡曲を作って天皇などの前で上演したり、『信長公記』を太田牛一に書かせたりとメディア・ミックスで世論を替えさせました。昔も今もイメージの払拭が大きなテーマだったんですね。

■真珠湾攻撃は特撮で
真珠湾攻撃を映像で残すことも考えられましたが、撮影条件の悪さなどから当初からあきらめていました。海軍の頭にあったのは特撮です。真珠湾攻撃の日に東宝東京撮影所の円谷英ニを呼び出し、特撮で再現することを依頼しました。

できたのが「ハワイ・マレー沖海戦」です。劇映画で予科練習生が主人公ですが、クライマックスは真珠湾攻撃と2日後のマレー沖海戦でした。東宝の撮影所に4000分の1の真珠湾のセットが作られ、円谷の特殊技術を導入した作品は迫力満点だったそうです。

こんな歴史の裏側の話があったんですね。

→ 『国民の知らない歴史』

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2006.12.25

名歌で読む日本の歴史

 【書 名】名歌で読む日本の歴史
 【著 者】松崎哲久
 【発行所】文春新書
 【発行日】2006/6/20
 【ISBN 】4-16-660448-1
 【価 格】760円



和歌が読まれた状況や時代から日本の歴史を振り合える、面白い視点の本です。有名な歌からあまり知らない歌までいろいろ掲載されています。

■八雲立つ 出雲 八重垣妻籠みに 八重垣つくる その八重垣を
一番最初は神話の時代、須佐之男命の歌から始まっています。

■銀(しろがね)も黄金も玉も何せむに 優れるたから子にしかめやも
山上憶良の有名な歌です。701年には遣唐小録として長安にも使いをしています。その時も子供の待つ日本へ早く帰りたいと歌っていますね。万葉の時代からこういう歌が残っているのは昔も今もかわりませんね。

■五月(さつき)待つ花橘の香をかけば 昔の人の袖の香ぞする
古今和歌集におさめられた読み人知らずの歌です。御所に桜と橘が植えられていますが、左近の桜は散り際から「武」を右近の橘は香りから「文」を象徴しているそうです。

■人は城、人は石垣、人は掘 情は味方、仇は敵なり
武田信玄というとこの歌ですが、「いかで思う心のそこの夢ならば さめてもえやは人にかたらん」という「忍恋」という歌も残っています。無骨な武将というだけではなかったんですね。

■世の人を我をなにともゆはばいへ わがなすことは我のみぞしる
坂本龍馬らしい歌です。

→ 『名歌で読む日本の歴史』

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2006.12.17

質問力

 【書 名】質問力
 【著 者】齋藤 孝
 【発行所】筑摩書房
 【発行日】2003/03/25
 【ISBN 】4-480-81626-7
 【価 格】1200円



坂本龍馬が西郷隆盛を釣り鐘に例え、小さく叩けば小さく響き、大きく叩けば大きく響くと説明していましたが、質問も同じです。

的確な質問をすれば、相手から大きく引き出せますが、ヘタな質問をすれば、小さくしか引き出せません。質問力に関する本です。

■社会で生き抜いていくために必要な力
 まねる(盗む力)段取り力、コメント力でコメント力とは要約したり質問できる力です。

 「知識について出題する側にまわると、その問題について熟知するようになる」という言葉が出てきますが、これはまったくその通りですね。

■セミナーの質問
 講演中に質問したいことをメモをし、質問する時はその中でもグレードの高いものから聞いていく。ベストな質問をする力を養うことができる。

■プロに聞く質問
ある時、劇的な変化や成長を経験するので、それを問う。

→ 『質問力』

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2006.11.11

質問力

 【書 名】質問力
 【著 者】飯久保廣嗣
 【発行所】日経ビジネス人文庫
 【発行日】2006/02/01
 【ISBN 】4-532-19334-6
 【価 格】648円



ケプナートリゴー法を日本向けにしたEM法を開発された筆者です。論理的に質問するにはどうすればよいかトレーニングできます。

■質問のコツ

「なぜ」そんなことが起きたのか?
「なぜ」そんなことが起きるのか?
「なぜ」それをやるのか?
「なぜ」そこから手をつけるのか?

■経営者の役割
経営陣は解答を与えることではなく質問することによって社員の創造性を刺激すべきである。絶えず質問されることによって社内を活性化するというのは面白いですね。

また新事業を行う時に失敗したら責任をとりますという人がいますが、大体は「失敗したら責任は私にあると認める覚悟があります」と日本的です。これがアメリカあたりになると「訴訟の対象となることも覚悟します」ととっても重くなります。

→ 『質問力』

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2006.10.16

アスピレーション経営の時代

 【書 名】アスピレーション経営の時代
 【著 者】江幡哲也
 【発行所】講談社
 【発行日】2006/04/20
 【ISBN 】4-06-282011-0
 【価 格】1500円



アスピレーションとは「志」のことです。リクルートでキーマンズネットなどいろいろな新規事業を立ち上げ、最終的にAllAboutを立ち上げます。ベンチャーですので社長になるにあたってはリクルートを退職して退路をたちます。事業を起こす、仕事をする志について語られた本です。

私もAllAboutでガイドをしていますが、アメリカのAllAboutとの交渉や立ち上げ秘話などはこの本を読むまで知りませんでした。なかなかドラマチックだったんですねえ。

この本では、いろいろな経営哲学が語られています。ビジネスマン向けにどう仕事をしたらよいか書かれており、これは参考になります。

■情報の集中を心がける
若くても仕事のできる人は「情報の集中」を自然にやっているとありますが、これはその通りですね。情報が集中すると周りからも頼られ、さらに情報が集中するスパイラルができます。

■事実と意見を分ける
事実と意見をごっちゃにしている人がいます。これは本当に多いですね。実際、経営者にも多く、販売の話をしていても「売れている」という話の事実を確かめていくと途中から意見や希望という場合が多々あります。

→ 『アスピレーション経営の時代』

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2006.09.22

満員御礼!経済学なんでもお悩み相談所

 【書 名】満員御礼!経済学なんでもお悩み相談所
 【著 者】西村 和雄
 【発行所】日経ビジネス人文庫
 【発行日】2006/02/01
 【ISBN 】4-532-19332-X
 【価 格】695円



人生相談に経済学を応用して答えると言う面白い本です。経済学のいろいろな用語を学べるのがいいですねえ。

■学校で数学を勉強して何になるの?
微分、積分をならっても社会に出て別に使う機会もないし、勉強する意味あるのってよく聞きますが、経済学の包絡線定理で説明されています。これは通常ではそれほど差がありませんが、会社が倒産したなど状況が変わった場合、広く勉強していないと所得も低くなるということです。実際に、大学の卒業生の所得を比べたそうで、入学試験で数学を選んだ層と社会を選んだ層とでは100万円の所得差があったそうです。数学は重要なんですね。

■レオンチェフの逆説
産業連環表を作ったのはロシア生まれのレオンチェフという経済学者だったんですね。1954年に出した論文でアメリカは資本をより集約的に使って生産された財を輸入して、労働集約的に生産した財を輸出しているという結果が出ました。アメリカは資本豊かな国と思っていたのが逆だったので「レオンチェフの逆説」と呼ばれています。

→ 『満員御礼!経済学なんでもお悩み相談所』

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2006.09.11

銀河ヒッチハイク・ガイド

 【書 名】銀河ヒッチハイク・ガイド
 【著 者】ダグラス・アダムス
 【訳 者】安原和見
 【発行所】河出文庫
 【発行日】2005/09/20
 【ISBN 】4-309-46255-3
 【価 格】650円



『銀河ヒッチハイク・ガイド』は日本では1982年に翻訳され新潮文庫から出ていました。何とも壮大でハチャメチャなお話で、面白かったですね。今は河出文庫からでています。

お話は地球滅亡から始まります。日本沈没のような真面目な理由ではなく、地球が銀河ハイウェイの建設予定地に当たるというお役所仕事から取り壊されることになりました。

抗議する地球人に「地球を破壊する事はアルファ・ケンタウリにある出張所に50年前から公示されていた」とこれまたお役所的な返事が返ってきて地球は破壊されます。、この時に宇宙船にヒッチハイクして助かったのがアーサーという主人公です。

■人生、宇宙、すべての答えは?

かって超知性をもった生命体がコンピューター『ディープソート』を設計し、ディープソートに『人生、宇宙、すべての(究極の疑問の)答え』を計算させると、750万年かかって出てきた答えが『42』でした。

■究極の疑問もあった!
『42』という答えはどういうことだ!と当然、納得がいきません。

ディープソートによれば『究極の答え』が分からないのは『究極の問い』が理解できないからというのが理由です、残念ながらディープソートには『究極の問い』を計算できる能力がないので、『究極の問い』を計算できるコンピュータを設計しましょうということに出来たのが生命体も取り込んだコンピュータで、あまりの大きさから惑星とよく間違えられました。

そのコンピュータの名前は...『地球』

さあて、そのコンピュータ『地球』は計算を初め、膨大な時間をかけて『究極の問い』を計算しました。さて、いよいよ答えが分かろうという5分前に銀河ハイウェイの建設で破壊されてしまいました!

ところが....後は、本でお楽しみください!
→ 『銀河ヒッチハイク・ガイド』

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2006.08.11

大阪人9

財団法人大阪都市協会が発行している雑誌『大阪人9』を買ってきました。この雑誌の編集委員って佐伯順子先生なんですね。以前、『曾根崎心中 色と愛の世界』というテーマで講演いただきました。

古本特集と表題にあったのに惹かれて買いましたが、古本特集以外も面白かったですね。

■がんこ寿司の小嶋淳司氏
がんこフードサービス会長です。あの暖簾の顔ですね。十三に4畳半の店を構えるところからスタートし大成功しましたが、いろいろと社会貢献もしているんですね。なにわ淀川花火大会の事務局を引き受けてサポートをがんこ寿司がやっているとは知りませんでした。

他にも「がんこ高瀬川二条苑」や「平野郷屋敷」など古屋敷を改装して文化や歴史に触れながら食事を楽しめる店を展開しています。「がんこ高瀬川二条苑」はときたま行きますが高瀬川の源流の店で、雰囲気がいいですねえ。

■うんともすんともいわない
カルタの語源はポルトガル語のcart。これをまねて作られたのが「天正カルタ」やがて江戸時代に改良させ、「うんすうカルタ」になったそうです。このカルタに熱中すると話しかけても返事をしないので、うんともすんとも言わないの語源になったそうです。ほんまかいなあ。

■今橋の稲葉医院
名家だったそうで、母方の祖母は会津藩の最後の若年寄、手代木直右衛門(てしろぎすぐえもん)の娘でした。この手代木直右衛門という人物は坂本龍馬を暗殺したといわれる見廻組組頭・佐々木只三郎の実兄だったんですねえ。

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2006.08.07

編集の森へ

 【書 名】編集の森へ
 【著 者】高橋輝次
 【発行所】北宋社
 【発行日】1994/06/05
 【ISBN 】4-938620-65-0
 【価 格】2500円



創元社時代に編集者として臨床心理学や精神医学関係の書籍をたくさん出されましたが、その本造りを通じたいろいろな出来事などが書かれています。副題は「本造りの喜怒哀楽」になっています。

■原稿を忘れる
著者から原稿を預かり地下鉄の網棚に置いて、寝入ってしまいました。下車駅であわてて降りましたが、忘れたことに気づきすぐ戻り、事なきをえたそうです。それ以来、原稿は肌身離さず持つように心がけているとあります。

よくある個人情報漏洩事件でもこのパターンが多いですからね。

■原稿書き
「注文があり次第、すぐに書いてしまうのです。」寺田寅彦が原稿の書き方について語った言葉です。書いてから、しばらく寝かせてまた書き加えるそうです。

原稿を頼まれた時にこうできたらいいのですが、現実にはこの域になかなか達しません。一度も締切を守らなかったことはないのが自慢ですが

■たこやき
知的生産の技術研究会・関西で講演していただいた熊谷真菜さんの『たこやき』がこの本に2回出てきます。現代風俗研究会から出たユニークな本という点と鶴見俊輔氏が巻末に著者の人となりをいろいろと紹介していて、読んでみようかとさせる例として取り上げらています。

■中勘助の『銀の匙』
中勘助の「検印」という詩に

「思いがけず出た『銀の匙』の十二版
   ・・・・
どうぞこの一萬五千の検印が」

とあり、12版で15000も刷る、とんでもない本だったんですね。

小松左京氏の「日本沈没」が400万部で、刷る時は上下それぞれ5万部でしたので、それに比べたら少ないのですが。(日本沈没の初版はそれぞれ3万でした。)

→ 編集の森へ

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2006.07.01

日本史漫遊

 【書 名】日本史漫遊
 【著 者】井沢 元彦
 【発行所】小学館文庫
 【発行日】2006/01/01
 【ISBN 】4-09-402307-0
 【価 格】438円



各界の名士との対談集をまとめたものです。

森浩一氏との対談では天皇陵がテーマになっています。応神天皇陵など実際の天皇の陵とは違うのではないかとよく言われています。天皇陵は宮内庁が管理をしており、発掘をなかなか認めていません。素人考えでは開放して発掘すれば、すぐ判明するのではと思いますが、そう簡単なものではないようです。

津本陽一氏との対談では、信長がテーマになっています。信長について面白い視点が書かれています。信長は征服した土地の名前を変えた初めての日本人で、岐阜や安土など名づけ、これ以降、秀吉が今浜を長浜に変えたり、蒲生氏郷が松阪と名づけたりするようになります。

また征夷大将軍になった時に朝廷にお金を払うしきたりがあったそうです。本能寺の変の後、明智光秀が銀500枚を献金しています。当時、売官は普通で、明智は土岐源氏でもあり十分に資格があります。ひょっとすると明智光秀が征夷大将軍になった歴史が闇に葬られたとも考えられます。

ディベートで有名な松本道弘氏との対談では言霊がテーマになっています。日本人の間でディベートがいまひとつなのは言霊が影響していそうですね。

明治維新のきっかけはペリー提督の黒船による砲艦外交ですが、その前にモリソン号という民間商船が漂流民を届けにきたのを品川沖で砲撃をあびせ、次にビッドル提督が正式に国書をもってきましたが幕府は門前払いをしました。おとなしい手がつかえないので砲艦外交に切り替えたのが事実のようです。

→ 『日本史漫遊』

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2006.06.17

われら戦後世代の「坂の上の雲」

 【書 名】われら戦後世代の「坂の上の雲」
 【著 者】寺島 実郎
 【発行所】PHP新書
 【発行日】2006/04/28
 【ISBN 】4-569-64963-7
 【価 格】700円



寺島氏が10年毎に出した5つの論文から構成されています。

■大学の役割
セクショナリズムを廃止して、現代社会が抱える諸問題を、あらゆる専門領域の知識と知恵を結集して挑戦するべきだとあります。大学人のすべてが問題に対して討論会、ゼミ、論文などで参加しなければならないという提言はなかなか面白いですね。

認知心理学や一時期流行ったAI(人工知能)ではそういうことも行われましたが、今はまた元に戻っている感があります。

■団塊の世代の教育
少年Aの両親が書いた手記を見ると、普通の生活や躾については書かれているが、実は書かれていないことがあります。それは「社会」や「時代」のような言葉で、時代の課題に親がどう関与しているかが全然書かれていないそうです。

大人はカセギ(経済的自立)も大切ですが、ツトメ(共同体維持のための公的貢献)もできなければなりません。日本の場合は民主主義といいながら実は私生活主義がいきすぎているのではないかという警告です。

今こそ「団塊の世代」が規範にならないといけないという提言になっています。

→ 『われら戦後世代の「坂の上の雲」』

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2006.06.11

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ

 【書 名】東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ
 【著 者】遥 洋子
 【発行所】筑摩書房
 【発行日】2000/01/20
 【ISBN 】4-480-81815-4
 【価 格】1400円



関西の番組を中心に活躍されているタレント「遥 洋子」が東大で上野千鶴子の社会学ゼミで学んだエッセィです。

巻末にはいかに言葉でケンカするのかノウハウがまとめられていますが、最後のノウハウが「勉強する」になっています。言葉を活用してケンカするには、それなりのバックボーンが必要になり、しっかりした準備が必要ということです。

■社会科学の文体は難解であってはならない
難解な社会学の論文に取り組んでいる時の上野教授の言葉です。

「文章が難解であるとすれば、たんに悪文であるか、それとも書き手自信にとって未消化のことがらを書いているからにすぎない。」

難しいことを分かりやすく書く、これが一番難しいですね。梅棹先生もよくおっしゃっています。

■オリジナリティは情報の真空地帯には発生しない!
山のような文献に取り組んでいる時の上野教授の言葉です。

オリジナルは自分一人では存在せず、少しでも多くの情報を知ることで、その違いから自分のオリジナリティが出てくる。

だから研究者はたくさんの文献を読まないといけないんですね。

■価値あるものだから交換されるのではない、交換されるから価値がある
「はじめての構造主義」という本に出てくる言葉です。

(知の特権化)お金も知も使って初めて値打ちが出る。東大出身者の就職先が大学なら、知は特権的エリアを順繰りに回っていることになる。
(知の私物化)結婚して家に入ってしまう。
(知の独占)社会に出ても、知の交換をしない。

Wikipediaなどが登場し、知がネットを通じて交換できる基盤ができつつあります。これもWeb2.0の特色のひとつですね。

→ 『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(文庫)

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2006.03.28

伊勢神宮 東アジアのアマテラス

 【書 名】伊勢神宮 東アジアのアマテラス
 【著 者】千田 稔
 【発行所】中公新書
 【発行日】2005/1/25
 【ISBN 】4-12-101779-X
 【価 格】740円



アマテラスはどこから登場したのか? など伊勢神宮の歴史から近代での様子などが記載されています。

■伊勢国の枕詞
『神風の伊勢国』と日本書紀の垂仁天皇紀に出てくるように伊勢の枕詞は神風です。

■天皇の伊勢神宮参拝は明治から
天皇一族の娘が斎王として伊勢神宮へ行くことはあっても天皇自身が行くのは明治天皇からです。アマテラスの御霊代である神鏡を宮中の賢所(かしこどころ)に祭っており、そこを礼拝していたのが理由です。

明治維新後、伊勢で外宮の大祭を執り行っている時に内宮の大鳥居が倒れる事件が発生。ちょうど天皇が京都から東京へ行幸に出かける時で、あわててとりやめるように進言しましたが岩倉具視が誓書を神宮に出すことを約束して行幸となりました。この時に天皇自身が伊勢神宮へ参拝すると誓書にあったのではという説があります。

■内宮の公園は明治から
明治になり御師の制度がなくなり、宇治橋周辺にあった館も整理されることになりました。宇治橋を渡ると広い公園になっていますが、あそこには御師の館が立ち並んでいました。明治20年頃に撤去され現在の公園となりました。

→ 『伊勢神宮 東アジアのアマテラス』

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2006.02.20

神保町・書肆アクセスへ

書肆アクセス

AllAboutの年1回のガイドの集まり『RedBall』が土曜日に開催され、東京へ。

『RedBall』は午後からでしたので、古書店が開く10時に久しぶりに神保町へ出かけました。

神保町「書肆アクセス」半畳日記で有名な書肆アクセスは行ったことがなかったので、さっそく一歩入った「すずらん通り」へ

想像していたよりも間口が小さな店でしたが、中には普通の本屋にない本ばかり。

西日本出版社の内山社長の講演で聞いた讃岐うどんブームの元となった超麺通団のボケとツッコミたっぷりの本がありました。おお、これかと取り出しましたが、2巻と3巻だけで1巻がなかったのが残念。

これじゃない本を2冊買ってきました。真向かいが有名なキッチン南海でちょうど開店時間なのか20名ほどが列を作っておりました。

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2006.01.13

杜氏という仕事

 【書 名】杜氏という仕事
 【著 者】藤田千恵子
 【発行所】新潮選書
 【発行日】2004/01/15
 【ISBN 】4-10-603533-2
 【価 格】1100円



本の帯に尾瀬あきらの『夏子の酒』のイラストが!思わず買ってしまいました。

世界でも例をみない手段で醸造される日本酒を杜氏の仕事を通じて紹介しています。

舞台は滋賀県八日市市にある酒蔵・喜多酒造で、『喜楽長』というお酒を造っており杜氏は能登の天保正一氏です。

自然が相手ですので、気長に手を抜かずに仕事をしないとよい酒ができません。杜氏や蔵人の生活を通して酒造りを紹介していますが本当に過酷な世界です。

蔵の世界も高齢化が進んでいますが『夏子の酒』の影響などで若い人が増えているそうです。この頃よく飲む広島の竹鶴酒造の杜氏は昭和39年生まれで早稲田大学を出てから酒造りの世界に魅せられてこの世界に入った方だそうです。

→ 杜氏という仕事

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2005.12.28

日本列島データマップ2006年版

 【書 名】データと地図で読み解く 日本列島データマップ2006年版
 【著 者】データマップ研究会編
 【発行所】ダイヤモンド社
 【発行日】2005/12/15
 【ISBN】4-478-04040-0
 【価 格】1600円



執筆者の一人が「本が出した」と持ってきてくれました。ついでに宣伝しておいてと依頼がありましたので、この読書日記にもアップしております。


日本で一番初婚年齢が高い都道府県ってどこか分かりますか?

答えは東京都です。2位には神奈川県が入り、日本全体の分布を見ると都市部の初婚年齢が高いですね。

では離婚率が一番高い都道府県は?

答えは沖縄です。
2位が北海道、3位が大阪と続きます。離婚率は都会、地方の違いはあまりありませんが、総じて東北、北陸の雪国は色が薄く低いですね。

このようにいろいろなテーマで地域性、県民性がわかるように日本地図に色表示され紹介されています。テーマは政治・経済、社会、生活一般、スポーツ・文化の39があります。

いくつかの地図を重ねて表示する手法をオーバレイといいますが、これによって各県の差が色分けされ一目で日本全体の状況をつかめることができます。この本はGIS(地図情報システム)の仕事をしている10名が共同で作成したもので、まさに本領発揮ですね。

『文章で語るよりもデータで語る』を命題に一目で分かるように工夫されており、自分が住んでいる都道府県は日本全体と比べるとどういうところかすぐに把握できます。

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2005.12.08

耶律楚材

 【書 名】耶律楚材 上、下
 【著 者】陳舜臣
 【発行所】集英社文庫
 【発行日】1997/5/25
 【ISBN 】4-08-748610-9
 【価 格】514円(上下とも)



単行本で出た時に買おうかなと思っていたのが、当時(今もですが)ツン読がたくさんありましたので、買わず仕舞いでした。本屋で文庫になっているのを見つけ買ってきました。

ウーン、太子橋ですね。

耶律は契丹人で元々は遼王朝の皇室の家柄だったのが遼が女真人の金に滅ぼされて金に使えるようになり今度は楚材がモンゴルのチンギス・ハンと共に金を滅ぼすことになります。この民族間同士の争いというのがやはりピンときませんね。でも内容はけっこう面白いですよ。一気にモンゴルが金を攻めたという単純なものではなかったのですね。

読んでいると面白い人名に会いました。『ファーテイマ』で楚材に敵対する皇后のふところ刀のペルシャ女性なんですが、実はウチの奥さんが好きで買っているコミックに「ファイブースター物語」(読んでも何が面白いのか分からないようなコミックですよ。マニアの世界は分からん)があり、ここに出てくるのがファーテイマです。

なるほど、このモンゴル時代から人名を取ったのがよく分かります。ファーテイマというペルシャ女性が暗躍したり、イランやロシアやヨーロッパなどすごい国際的な舞台の小説です。

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2005.12.07

妖怪と歩く ドキュメント・水木しげる

 【書 名】妖怪と歩く ドキュメント・水木しげる
 【著 者】足立 倫行
 【発行所】文春文庫
 【発行日】1997/9/10
 【ISBN 】4-16-734405-X
 【価 格】476円



他の著書に「日本海のイカ」がありますが、同じように徹底的な密着取材ですね。すさまじい取材術です。

戦争で片腕を失って日本へ復員してきた水木しげるである。闇米の買い出し屋、染物工場の下絵職人、鮮魚の配給業、輪タク屋の親方などを転々としました。神戸の方へ戻ってきた時に、たまたま一泊した安宿の女主人から「この家を買わないか」と持ちかけられたました。

2階建て10室のアパートで父親からの借金と輪タクを処分した金で頭金を作って買ったそうです。間借人に紙芝居画家がいて、そのツテで自分も紙芝居画家の道を歩み始めることになります。

ペンネームはアパートが兵庫区水木通りにあって水木荘と言っていたので、ここから水木しげるとなりました。

水木の伝記と現在の姿をうまくマッチさせ、それに妖怪の話を交えてなかなかうまい構成です。以前、知的生産の技術研究会・関西で「アメリカインデイアンと出会う旅」という講演で話があった「ポピの予言」についても載っています。

ポビ族によれば現在は第3の世界で平和な世界が続き、その後に二つの大戦があると予言されています。日本への原爆投下も予言されており、しかも原料のウランはポピ族の土地で採取されたものでした。門外不出の予言でしたが、予言が事実と分かったために長老会議が催され、世界にポビの予言を伝えることになりました。

予言によれば浄化の日がこれからあり、第3の世界の破滅の危機に際して、卍をシンボルとする人たちと(ドイツ?)、太陽をシンボルとする人たち(日本?)、赤い帽子と衣の人(チベット?)がポピの地に集まり、問題解決にあたるとありますが、いわゆるハルマゲドンですね。

こういう話や「のんのんばあ」の話など水木ワールドで一杯です。

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2005.11.24

悠遊ライフをお洒落に

 【書 名】悠遊ライフをお洒落に
 【著 者】石津謙介
 【発行所】日本経済新聞社
 【発行日】1991/2/1
 【ISBN 】4-532-16004-9
 【価 格】1262円



かなり前に京都古書研究会の岡崎の勧業館での古書市で見つけてきました。

当時の職場が京都にあり、弁当を急いで食べ自転車に乗って昼休みにのぞきにいきました。会場ではほとんど早足でとりあえず本の背の文字だけは見るというスタイルで会場を歩くと、この本の背が目に入りました。目に入ったのはタイトルではなくて、著者の名前の方です。

と言っても足は次の店の棚に向かっていたのですが、「石津謙介?どっかで聞いた名前だなあ」と思い出しているうちに、「あっ、そうだ!VANだああ!」と思い出しました。そうです、そうです、ある年代以上の方は必ず訪れたという、あの伝説のVANの設立者です。

■日本酒
料理屋で日本酒を注文して、「どこの酒だい」と聞くと、即座に答えられないことが多いそうです。

ところが大阪の吉兆あたりに行くと、ハモ料理で「お燗なしで、日本酒をお願いします」と頼むと、持ってきた女の子が「賀茂鶴でございます」と言って持ってきてくれるそうで、淡路のハモに広島の酒と取り合わせがいいですね。

■牛肉・豚肉
三重県の桑名から飛騨を通って日本海の親不知に抜ける線の東と西で面白い現象があります。東側は牛肉より豚肉の消費が多く、西側では牛肉が圧倒的に多くなっています。ただ3県だけ違う県があり、中国と関係の深かった沖縄、その影響の大きい鹿児島、中国に一番近い長崎県だけは豚肉の消費が多いそうです。

■TPO
TPO(タイム、プレース、オケージョン)が大切とはよく口にする言葉ですが、この言葉を考え出してのが石津謙介氏とは知りませんでした。

■しま・とう
日本の島々は種子島、屋久島、桜島と皆「しま」です。ところが外国の島はグアム島、ハワイ島、タヒチ島、バリ島と皆「とう」です。国後島は「くなしりじま」と呼ばないといけませんね。

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2005.11.19

なぜ電車の席は両端が人気なのか

 【書 名】なぜ電車の席は両端が人気なのか
 【著 者】本明 寛
 【発行所】ふたばらいふ新書
 【発行日】2001/01/30
 【ISBN 】4-575-15296-X
 【価 格】819円



すいている電車を見ると大概、両端の席がうまっています。

人間にはパーソナル・スペースというものがあり、早い話が自分の縄張りです。夫婦や恋人など親密な場合は、パーソナル・スペースに入ってきても不安感はありませんが、見ず知らずの人が入ってくると不安に思います。そこで両端の席が人気になります。

満員電車の場合は、心理学的に周囲の人間を非人格的な存在とみなすことでパニックを起こさないようにしています。旅に出て、ローカル線でボックス席にたまたま座った人と会話することはありますが、満員電車で見ず知らずの人が会話をすることはありません。

などなど、いろいろな実験をもとに心理学的には人間とはこういう存在なんだと紹介されています。

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2005.11.08

琉球王朝

 【書 名】琉球王朝
 【著 者】嶋岡 晨
 【発行所】成美文庫
 【発行日】2000/3/20
 【ISBN 】4-415-06881-2
 【価 格】543円



歴代の琉球王朝について書かれた本です。また観光客が必ず訪れる首里城の歴史についても記述されています。そういえば守礼之門の2000円札あまり見ませんね。

源為朝が琉球王朝の祖だという話もありますが、伝説に近い話で、最初は沖縄は3つの勢力に別れていたそうです。

北の名護を中心とした北山、中ほどの読谷や那覇を中心とした中山、南の糸満などの南山という三山の分立時代です。

やがて中山の尚氏が北山と南山を攻めて、統一王朝を作ることになります。1429年のことで本土では足利幕府の頃になります。

その後、海の真ん中に位置することから海洋貿易で独自の文化を築いていくことになります。

■泡盛
「酒飲でぃん八十、飲まんてぃん八十。酒飲でぃぬ八十、ましやあらに」
琉歌です。意味は飲んでも飲まなくても人生八十年なら、飲んだ方がいいじゃないかという歌だそうです。

元々は14世紀にシャム(タイ)から伝わってきたものを改良を重ねて独特の酒になったのが泡盛です。

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2005.11.04

改訂 谷川士清小伝

 【書 名】改訂 谷川士清小伝
 【著 者】津市教育委員会



日本で最初の国語辞典を作成したのが谷川士清です。
「和訓栞(わくんのしおり)」全93巻で、士清の生存中に全巻が出せず、士清が亡くなった後、遺族の手によって、実に100年の歳月をかけて刊行されました。

「和訓栞」は言葉を一つ一つカードに書いて研究し、2万1000語を収録したものです。シーボルトがオランダに持ち帰り翻訳されています。

谷川士清は津から伊賀へ向かう街道が始まる八町という土地に町医者の長男として生まれました。谷川士清は腕のいいお医者さんでもありましたが、国語学の研究と執筆も行います。今風に言えば週末起業でしょうか。

また私塾、洞津谷川塾も開いております。けっこう盛大だったようで、やがて志士の集合場所と見られるようになったため、谷川士清が亡くなってからは津にあった藤堂藩の圧力もあり先細りになっていったようです。

さて谷川士清ですが、平賀源内などとの交友により洋学も勉強していたようです。「和訓栞」にも蘭語が出てきます。また日本書紀の全巻通釈の「日本書紀通証」をあらわし、国史研究、国語研究に多大な功績を残しました。第一巻付録の「和語通音」は我が国最初の動詞活用図表でした。この本が刺激になって本居宣長の「古事記伝」が生まれることになります。本居宣長より22歳年長ですが、津の近くの松坂に本居宣長が住んでいたこともあり盛んに交友があったそうです。

生家は「谷川士清旧宅」(国指定史跡)として今も残っています。近鉄・津新町駅を降りて、徒歩15分ほどです。

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2005.10.27

OL放浪記

 【書 名】OL放浪記
 【著 者】わかぎえふ
 【発行所】集英社文庫
 【発行日】1998/3/25
 【ISBN 】4-08-748756-3
 【価 格】476z円



女優、エッセイストで有名な「わかぎえふ」さんの文庫本です。この本が出た98年に知的生産の技術研究会・関西で講演していただきました。タイトルは 劇団リリパットアーミー 芝居づくりの情報活用術です。お話だけでなく、ちょうど芝居で考えている殺陣を演舞してもらうなどサービス精神旺盛な「わかぎえふ」さんでした。

本が出る前の過去10年間は48種類の仕事を経験されたそうで、色々なエピソードで満載です。わかぎさんに仕事で巡りあった変な上司はメモされて、本に掲載されていますし、おそらく芝居のネタにも使われているんでしょうね。

講演にわかぎさんと一緒に来られていたマネジャーの富永さんも大変な人みたいですね。本に色々と出てきます。なんと画家のご主人と二人で無銭旅行をしてインドに住んでいたそうです。インドはB型(血液型)が多くって、優柔不断で性格がええ加減(本に書いてあります)なのが多いという評です。

テレビの制作会社の経理事務をやっていたのをやめて「わかぎさん」のマネジャーをはじめたそうですが、稽古場に足を踏み入れた第一印象は「インドみたい」だったそうです。

稽古をやっている人、集中している人、その横でお菓子を食べる人、寝てる人、お酒を飲んできたのでとりあえず醒ますためにゴロゴロしている人とゴチャゴチャ状態だったそうです。

そこで血液型を調べると18人中、9人がB型、4人がAB型、A型が2人、O型が1人、残り2人は不明という日本の血液型別人口分布とは全く違う結果だったそうで、著者のわかぎさんはもちろんB型です。

あとがきには「血をはくまで書くのじゃ」と励ましてくれたマネジャー富永さんに感謝の言葉がありました。

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2005.10.25

90分で学べるSEの会計知識

 【書 名】90分で学べるSEの会計知識
 【著 書】森 昭彦
 【発行所】日経BP
 【発行日】2005/8/1
 【ISBN 】4-8222-8241-4
 【価 格】1600円



知り合いの森さんが出された本です。

会社のシステムを作る場合、会計システムが鍵になります。
ところが理系などが多いSE(システムエンジニア)の場合、大学で学んでいませんし、まず会計や財務の知識はありません。そこで社内で簿記の勉強会などを開催したことがありますが、この本は会計の勘所を教えてくれる本です。

後半は事例になって、どうシステム作りに会計を応用したらよいかという視点になっています。これって中小企業診断士試験の2次試験の事例にも応用できる内容ですね。

→ 『90分で学べるSEの会計知識』

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2005.10.12

「夏子の酒」読本

 【書 名】「夏子の酒」読本
 【著 者】尾瀬あきら
 【発行所】講談社
 【発行日】1993/12/15
 【ISBN 】4-06-206635-1
 【価 格】1165円



ご存じ夏子の酒です。幻の酒米の龍錦を栽培して、それでお酒を作る物語ですが、そのモデルになったのが新潟県三島郡の久須美酒造です。

テレビドラマの夏子の酒ではロケ現場として使われ、酒米である亀の尾栽培会の指導の元で俳優による田植えなども行われました。

さて本家の久須美酒造ですが、酒造りを5代にわたって行っている古い蔵です。6代目がふと考えたのが酒米と言っても播州米の雄町や山田錦がよく使われるが新潟のような雪国では風土にあった酒米の方が良いだろうということで、亀の尾という庄内生まれの酒米を探すことになります。

ある杜氏が集まった席で昭和の初めに亀の尾という米があって、これで造った吟醸酒の味が忘れられないと聞いたのがきっかけでした。

ところが、この米を探すのが大変でした。ほとんど絶滅状態で、最後にようやく農業試験場にあることが分かり稲穂を10本分けてもらったそうです。

亀の尾は、食味のうまさと寒冷に強い性質から一時は関西の「雄町」「八反」に並んで酒米三大品種としてもてはやされた米で、現在のササニシキやコシヒカリはこの亀の尾を始祖としています。

ただ弱点もあり、病害虫に弱く、背丈が高いので雨風に弱いなどです。とりあえず10本の稲穂から籾を取ると1500粒あったそうで、とりあえず天井の梁に封筒を入れてぶら下げてネズミ対策をしたそうで、ここらへんは「夏子の酒」でも出てきます。

昭和56年にいよいよ亀の尾を復活させるために種籾をまき、収穫は30キロ、その秋には米作りのベテランを招いて、亀の尾の復活に協力してほしいと協力を依頼。こうして出来たのが「亀の尾生産組合」で有機農法により米作りが始まります。ここらへんは夏子の酒そのままですね。そして30キロが4800キロになり、いよいよ醸造です。

昭和58年に60%の精米歩合で吟醸酒を造りました。ただ味はいまいちだったそうで、田んぼは1年枯らすと3年は作れないという話のように、今までの田んぼは化学肥料で土がやせ細っていて地力がなく、有機農法に切り替えても昔の地力がつくまでには、やはり3年かかったそうです。

昭和60年以降、ようやく亀の尾の真価で出来る吟醸酒が出来始め、これが「亀の翁」の誕生話になります。年間2000石の蔵ですので、この「亀の翁」も出荷量が少なく、幻の酒になっています。

と言うことで、夏子の酒の物語とほとんど同じような苦労があって亀の翁が誕生したんですね。もっとも実際の主人公はおじさんですので、コミックではちゃんと女性の夏子になっておりました。

「和醸良酒」という額がコミックで佐伯酒造にかかっておりましたが、これも亀の翁を造った久須美酒造専務が知人からいただいたもので、一度造りに入ると、交代で誰かが起きて働いている状況で一人でも手を抜けば酒が駄目になってしまう。大切なのは蔵人の和で和が良い酒を醸すということだそうです。

■居酒屋
江戸時代、「居酒致し候」という看板が出ている店で、居て酒を飲むつまり居酒をすることから居酒屋になったそうです。縄のれんは網戸が無かった時代の蠅よけでした。

■無礼講
後醍醐天皇が北条氏打倒の策略を練るため、同志を呼んでその相談をするさいに、身分関係を抜きにしてハメをはずした酒宴を行いました。これは世間をあざむくための手段で、宴にかこつけて協議をしていました。ただ、毎日続く常識や礼儀を欠いた酒宴の様子に驚いた人が無礼講という名前をつけたそうです。

■左利き
酒飲みのことをさしますが、ノミで木を削る時に左手にノミを持ち、右手のトンカチでたたきます。つまり左手がノミを持つ手で、つまりノミ手で、これが飲み手で、シャレで左利きのことを酒飲みとい
うようになりました。

■上戸・下戸
大宝律令(701年)に成年男子が6人から8人いる家を上戸、4人または5人いる家を中戸、3人までの家を下戸と呼んだのがそうです。当時は成年男子が多ければ、それだけ働き手が多いので、経済的収入もあり、婚礼の時などに酒を多くふるまえる上戸とあまりふるまえない下戸が酒を多く飲む上戸、酒をあまり飲まない下戸へと変化していったようですね。

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2005.10.03

運命を拓く 天風瞑想録

 【書 名】運命を拓く 天風瞑想録
 【著 者】中村 天風
 【発行所】講談社文庫
 【発行日】1998/6/15
 【ISBN 】4-06-263739-1
 【価 格】552円



社会に元気が無い時には、やはり中村天風ですね。読むと積極的に人生を生きなくちゃっと考えさせられます。

本は夏期修練会で中村天風が講述されていたものをまとめたものになっています。語り口などで天風の謦咳にふれられます。

読んでいると、ところどころに宇宙霊という言葉が出てきます。キリスト教でいう造物主の概念に近いのですが、ふと20年ほど前に大学の一般教養で使っていたテキストを思い出しました。確か若杉教授という人の授業で使っていたテキストがこの若杉教授とトインビー教授との対話集でした。「トインビーと語る」(?)というような題だったと思います。

歴史や文明について、深い造詣のあるトインビー教授の言葉にも歴史を研究していくと、どうしても我々の背後にある宇宙霊を意識せざるを得ないなどの言葉が出ていました。中村天風の本を読んで、ふとこの言葉を思い出してしまいました。

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2005.09.27

ぼくのマンガ人生

 【書 名】ぼくのマンガ人生
 【著 者】手塚治虫
 【発行所】岩波新書
 【発行日】1997/5/20
 【ISBN 】4-00-430509-8
 【価 格】660円



手塚治虫氏の小さい頃の物語です。小さい頃から漫画人生だったんですね。5年生の頃にノートに1冊分の永い漫画を描いてクラスで自慢たらしく見せていたら担任がとりあげて職員室に持っていきました。


こりゃ懲罰ものだとビクビクしていると職員室中、そのノートが回し読みされて、また先生が持って帰ってきて、返してくれました。「手塚君、わかったおまえは好きなだけマンガを描いてこい」と言って学校で漫画を書くことが天下御免となりました。

ひどい先生もいましたが、いい先生もいたおかげで手塚漫画が誕生したようです。

手塚治虫の座右銘は「一期一会」だそうです。虫プロがだめになった時にそれまで1回か2回しか会ったことのない関西の実業家が助けにきてくれました。それからこの座右銘にしたようです。

「手塚さん、昔お世話になりました。ずいぶん困っておられるようですね。これからは私が恩返しさせていただきます。昔の手塚さんに戻してあげますから、がんばりましょうね。」アップリカという育児器具の社長さんです。昔、鉄腕アトムのキャラクタを学習机などに使わせてもらって会社が持ち直した経験があったようです。

一番最後には中学時代の自叙伝の漫画「ゴッドファーザの息子」も収められています。

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2005.09.26

お金の思い出

 【書 名】お金の思い出
 【著 者】石坂 啓
 【発行所】新潮文庫
 【発行日】1998/12/1
 【ISBN 】4-10-145012-9
 【価 格】400円



「赤ちゃんがきた」で有名な漫画家が著者です。これは漫画家デビュー前の貧乏生活をおくっていた時代のお話です。

父親の事業が倒産して、明るいキャンパス生活が一転してアルバイト暮らしに、卒業後も色々とやっていましたが何とか手塚プロのアシスタントになり、修行が始まりデビューする話です。漫画家や編集者の生態やらなかなか面白いですね。

本を読みながら金のなかった学生時代を思い出していました。バイト代が入る前、スーパーのパン売場でパンの耳(サンドウイッチを作る時に切り落としたもの)を袋一杯で20円、30円で売っていたので、これを買ってきてマヨネーズ(冷蔵庫に入っていた)をつけてよく食べていました。昼は学食で170円のかけうどんでしたね。あの頃は金がなかったな。

別に貧乏というわけではなく仕送りやバイト代が入ると、いいもの食べにいったり、すぐに飲みに行ったりしてたので計画的に使えば別に金に困ることもなかったはずですが何かピーピー言っていた記憶しか残ってません。本は学校の図書館か古本屋の均一棚あさりだけでした。

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2005.08.30

1900年への旅

 【書 名】1900年への旅
 【著 者】寺島実郎
 【発行所】新潮社
 【ISBN 】4-10-402203-9
 【発行日】2000/2/20
 【価 格】1500円



NPO知的生産の技術研究会・顧問の寺島実郎氏です。2001年に知研がNPOになって初めての総会で講演会があった時、著者割引で買ってきました。

講演でも面白いお話が聞けました。

冷戦の終演をむかえ、各国は国力をつけようと必死で努力をした。ジャパンアズNo1と言われた日本に負けないようがんばるアメリカ、またアメリカがこけても大丈夫なようにヨーロッパではEUを作るなどの世界は大きく変貌していました。その間の日本はバブルに浮かれているだけで、世界の激変をただ見ているだけで、構造改革も何もせず、「踊るポンポコリン」状態だったわけです。

90年代に入っても、確固たる国家戦略も無しにまさしく失われた十年を過ごしてしまった日本をいったいどうすればいいのか?

と言うことで、1900年前の20世紀の扉を開いた人物に焦点をあてて、日本はどうすべきかを述べた本です。

1900年というとパリ万博が開催された年で、この時、見学に来ていたのは、あの司馬遼太郎の「坂の上の雲」の秋山真之です。それからロンドン留学の途中に立ち寄った夏目漱石もエッフェル塔に登っています。20世紀のヨーロッパを舞台に登場した日本人や欧州人に、歴史の奔流に中でも時代を見すえてきた眼を学ぶ一冊です。

■優れた情報通信センス
函館五稜郭の戦いが終わったのが1869年(明治2年)ですが、翌年にはウラジオストック−長崎と上海−長崎の間に二つの海底ケーブルの敷設を許可し、1871年には完成しています。欧州と日本の間に北回りと南回りの2本の電信回線を確保したことになります。導入したのは寺島宗則です、日本−欧州間で8〜12時間で届いたそうです。

通信が発展してインターネット時代になってきていますが、本の中に面白い視点があります。「直接民主主義は集会をして声の届く範囲で可能」ということで代議制が導入されてきましたが、インターネット時代となり、国民の声を聞くことが可能となり、代議制が大きな変貌を遂げなければならないとあります。

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2005.08.29

ダ・ヴィンチの暗号99の謎

 【書 名】ダ・ヴィンチの暗号99の謎

 【著 者】福知怜

 【発行所】二見文庫

 【発行日】2005/7/25

 【ISBN 】4-576-05095-8

 【価 格】600円



小説『ダ・ヴィンチ・コード』が有名ですが、元ネタは南フランスの「レンヌ・ル・シャトーの謎」で、この間、「世界不思議発見」でも取り上げられていました。

レンヌ・ル・シャトーという村の教会へ赴任した神父が、古くなった教会の修復を始めると、柱の一つが空洞で、中から文章を見つけました。暗号で書かれているようで、3年間調べることに。ここからが不可解で、村に戻った神父は湯水のようにお金を使い始めます。この資金はいったいどこから?

またハプスブルグ家のヨハン大公など、著名な人物が相次いで村を訪問します。シオン修道会という謎の秘密結社がからんでいるらしいのですが、キリストにまつわる謎がキーになっているようです。といっても色々と説はあるのですが、謎のままです。

これからはルネッサンスの絵画を少し変わった視点から見ることができそうです。

13日の金曜日と言えばキリストが処刑された日で不吉だと言われていますが、1307年10月13日に異端思想の罪状でテンプル騎士団の大虐殺が行われたからという説があるんですね。

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2005.08.15

「仕事とパソコン」9月号

仕事とパソコン
読書ではなく執筆のお知らせです。

現在、発売中の「仕事とパソコン」9月号(研修出版)で特集「個人情報保護のための100点満点のセキュリティ」を執筆しています。

「仕事とパソコン」は店売りではなく、年間購読ですので、もし目にする機会がありましたら、ぜひご覧ください。

巻頭特集で、全ベージカラーです。(笑)

しかも20ページの分量なので大変でした。おまけに企業診断8月号やNetSecurityのメルマガ原稿と締切がほぼ重なってしまい、6月末はパソコンに向かいぱなしでした。(笑)

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2005.08.06

近江商人の開発力

 【書 名】近江商人の開発力
 【著 者】小倉栄一郎
 【発行所】中央経済社
 【発行日】1989/3/10
 【ISBN 】4-502-60662-6
 【価 格】1650円



京都の吉岡書店で800円で買ってきました。

日野商人である中井家に残された膨大な大福帳が滋賀大学経済学部に収まりました。筆者が大福帳を調べてみるとすごい複式簿記の仕組みになっていることが判明します。

日本への複式簿記の導入は福沢諭吉が「帳合の法」の訳本を出してからと言われていましたが、200年も前に開発されていました。中井家の場合、本支店会計が導入された管理会計にもなっていました。
研究成果がまとめられ「江州中井家帳合の法」として出版されますが中井家だけでなく鴻池、小野組など他の近江商人でも同様の会計システムが出ていたことが明らかになります。

今でいう貸借対照表、損益計算書を揃え、決算報告まで揃っています。堂島の米相場では世界最初の先物取引所ができていたり、こんあ会計システムが出来上がっていたり日本って、とんでもなく進んでいたんですね。

■利足(利息)
中井家では資本金の10%が利足で、これが目標利益になりました。また、支配人にはここまで稼ぎなさいというプレッシャともなる数字です。10%を超えると「徳用」となり、徳用の10%は支配人に分配されます。自分が独立にもなる数字です。今で言う業績報償ですね。

反対に10%に達しない不足分は「損耗」となり、処理の仕方はいろいろとありましたが、中には今日で言う繰越欠損金のようなものもありました。

■帳合の法
売掛帳や過不足口など色々な帳面がありますが、近江商人は一つの取引を2つの帳面に記帳していました。また記帳を突き合わせることで、片方への記入忘れや誤記入を防いでいました。

毎日、仕事が終わると夕食前に全部の帳面をもってきて、一つの記帳に対して、相手となる帳簿にもきっちり記帳されているか確かめます。あっていれば検証印を押し、これで整合性をはかっていました。西洋から伝わった簿記は貸方、借方で処理をしますが原理はまったく同じです。

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2005.07.28

企業診断8月号に執筆

企業診断
読書ではありませんが、今発売の「企業診断」8月号(同友館)に執筆しております。

タイトルは「中小企業支援センターってこんなことろ」で、都道府県等中小企業支援センターの一つである三重県産業支援センターを例にして、中小企業支援センターを紹介した記事になっています。本屋などで、ぜひご覧ください。

8月号の特集は「中小企業診断士のブログ活用術」になっていて、何人かの知り合いのブログが紹介されています。

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2005.07.14

儲けを生み出す!ビジネスブログ成功の秘訣

【書 名】儲けを生み出す!ビジネスブログ成功の秘訣
【著 者】前野智純
【発行所】ソーテック
【発行日】2005/7/15
【ISBN 】4-88166-466-2
【価 格】1380円



こちらも出たばかりの知り合いの本です。AllAboutで儲かるWebプロデュースのガイドをされている前野さんのブログ本です。
ビジネスでどうブログを活用すればよいか、カテゴリー別に事例を使って分かりやすく紹介されています。この手の本には珍しく巻末には索引もつけられています。

採用担当者がブログを立ち上げ、当社ではこんな人材を求めているとリクルートブログまで、登場しているんですね。新しいブログの活用法がみつかる一冊です。

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2005.07.08

一葉からはじめる東京町歩き

 【書 名】一葉からはじめる東京町歩き
 【著 者】坂崎重盛
 【発行所】実業之日本社
 【発行日】2004/10/25
 【ISBN 】4-408-00792-7
 【価 格】1500円



本には森鴎外(森林太郎)が明治42年に考案した「東京方眼図」が入っています。地図は升目になっていて縦に数字が、横には「いろはに..」と入っています。裏側に神保町なら「4-ほ」と載っていて、探すことができる地図です。

名作を片手に東京の町を散歩できる指南書ですね。

森鴎外という人はけっこう茶目っ気があったようで、「青年」という作品では、この東京方眼図をもたして、東京の町を歩かせています。

■武蔵野って?
武蔵野と聞くと、三鷹などをずっと越えた先のイメージなんですが、国木田独歩の武蔵野は何と渋谷が舞台なんだそうです。当時は渋谷村で川にはメダカが泳ぎ、水車が回っていました。今の109あたりが武蔵野だったとは創造もできませんね。

■井伏鱒二の「厄除け詩集」
なかなかすごい訳です。

出門何所見  家を出てみりゃあてどもないが
春色満平蕪  正月気分がどこにも見えた
可歎無知己  ところが会いたい人もなく
高陽一酒徒  阿佐ヶ谷あたりで大酒飲んだ

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2005.07.07

関西商魂

 【書 名】関西商魂

 【著 者】中森勇人

 【発行所】ソフトバンクパブリッシング

 【発行日】2005/7/12

 【ISBN 】4-7973-3098-8

 【価 格】1500円



今週の月曜日に書店に並んだばかりの本です。表紙が恵比寿さんと大黒さんでゲンをかつぐ関西人は買わざるをえません。
たこツボ商法、あいのり商法など大阪のいろいろな商法にスポットを当てています。大阪だけでなく全国で使えるマーケティング手法です。面白い切り口の本ですね。

大阪人も知らないいろいろなウンチクも満載です。鶴橋のホルモン焼きが有名ですが、ミナミの洋食屋「北極星」が昭和12年にホルモンを商標登録しているとは知りませんでした。

知り合いの中森勇人さんの最新刊です。

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2005.07.06

週刊エコノミスト 7/12号に執筆

週刊エコノミスト
今日は本の感想でなく、執筆のお知らせです。今週、月曜日(7/4)から書店に並んでいる週刊エコノミストに執筆しております。

週刊エコノミスト編集部から掲載誌が届いておりました。最初の特集かなと思っていたら、最初の方は「就職できる大学」という特集でした。

掲載されていたのは後ろの「団塊オヤジとコンピュータ2007年問題」という変なタイトルの特集でした。(笑)

中小企業の2007年問題というお題をいただいて執筆しましたが、出来上がった原稿には『システム以上に深刻「オヤジの後を継がない」』というタイトルがついていました。

タイトルをつけたのは編集部なのですが、ゲラの段階では自分の原稿の分しか見ていなかったのでタイトルも気にしていなかったのですが、特集の『団塊オヤジ』と連動していたんですなあ。

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2005.07.02

債権者会議

 【書 名】債権者会議
 【著 者】山口 昭
 【発行所】太田出版
 【発行日】1998/8/19
 【ISBN 】4-87233-413-2
 【価 格】1500円



タイトルに惹かれて買いました。

実際にあった倒産の実録で、筆者は最後に経営の舵取りをしていた経営者です。全部、実名になっています。倒産した会社は広告代理店・アルファボックスという株式会社です。

個人保証をしていましたので財産も最後にはなくなってしまいました。会社もギリギリまで粘りましたので破産(法的整理をするには金がいる)もできなく、私的整理に

倒産がこれほどあるのに、実際の倒産の本を少なく貴重な一冊です。公民館の会議室を借りて、債権者会議のために息子さんと机を並べたりするシーンなども描かれています。倒産で実際に何が起きるのか、何をやってはいけないのかが学べます。

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2005.06.30

ぼくは写真家になる!

 【書 名】ぼくは写真家になる!
 【著 者】太田順一
 【発行所】岩波ジュニア新書
 【発行日】2005/02/18
 【ISBN 】4-00-500497-0
 【価 格】740円



学生運動はなやかりし頃に早稲田で学生生活を送るがやがて中退し、流れ流れて写真家の道に

ドキュメンタリー写真は足で稼ぐしかなく、「写真を撮らせてください」と回っても住所と名前だけの名刺で企業名が入っていなければ10軒で1軒は断られることに。(本当にいただいた名刺がそうでした)篠山紀信氏が「人柄が写真を写す」と言っていたそうだが、まさしくその世界のようである。

写真家で木村伊兵衛という人物がいて、中国を旅した時にレセプション会場に要人があらわれ、まさにシャッターチャンス。カメラを持ち合わせておらず、友人に「ちょっとカメラ貸して」と借り、何回かシャッターを押すと「気がすんだ」。のどがかわけば水を飲むように写真を撮ることが生理の域にまで達するそうである。

著者の太田順一さんには5月に写真を撮ることは「人生を撮る」ことというテーマで講演いただきました。雑誌「AERA」の「現代人の肖像」で長年、ゲストの写真を撮られていて、田辺聖子さんや藤本義一さん稲森和夫さんなどなど、スタッフの側から見たエピソードなどもお話いただきました。

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2005.06.19

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

 【書 名】さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
 【著 者】山田真哉
 【発行所】光文社新書
 【発行日】2005/02/20
 【ISBN 】4-334-03291-5
 【価 格】700円



女子大生会計士の事件簿シリーズですっかり有名になった著者です。よく売れている本です。

身近な例で分かりやすく会計を紹介しており、本当にわかりやすいですね。

「本を書こう」というメルマガに最初の本を出した苦労話などを著者が書かれていましたが、全然売れなかったんですね。そこで会計を違う切口で紹介することにして生まれたのが女子大生シリーズです。

この本にも出版社へ売り込みに行った話しが出ています。簿記検定などから会計人口は300万人いて、そのうちの0.1%に受け入れられたら3000部は売れます、という売り込みでした。これが10万部売れる大ヒットに

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2005.06.17

Mr.KIASU

 【書 名】Mr.KIASU
 【著 者】Johnny Lau & Yu Cheng
 【発行所】Komix Factory
 【発行日】1996
 【ISBN 】981-00-2893-8
 【価 格】8.24S$



シンガポール・ラッフルズシテイ3階の紀伊国屋で買ってきました。シンガポールで超有名なコミックです。

キアスというのは福建語で「負けず嫌い」とか「人より得をしたい」といったニュアンスを持つ言葉です。で主人公のミスターキアスですが典型的なシンガポーリアン(シンガポール人)で、話す言葉はシングリシュです。

シングリッシュはシンガポールなまりの英語で、語尾に「lah」(ラー)がつくのが特徴。例えばいいですよはOKラーとなります。

コミック自体は簡単な英語ですので、どれもけっこう笑えます。

他民族国家のシンガポールなので会社の上司がインド系など日本のコミックとはやはり相当違う設定になっています。また18歳になると徴兵制で2年間軍隊に入り、その後は40歳になるまで毎年3週間の訓練に行かなくてはなりませんが、そんなシーンも登場します。

Reservist(予備兵)というようですが、いやな上司に3週間の訓練なんで「Sayonara」(日本語です)といやみたらしく声をかけて会社を出て軍服でキャンプへ来てみたら、その上司がキャンプのボスで来ていて「狭い世界だな、ラー」と声をかけられるというオチです。

1993年にはシンガポールのマクドナルドでとうとうキアス・バーガなるものまで登場しました。

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2005.06.13

なぜこの店で買ってしまうのか

 【書 名】なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学
 【著 者】パコ・アンダーヒル
 【発行所】早川書房
 【発行日】2001/2/28
 【ISBN 】4-15-208335-2
 【価 格】1800円


だいぶ前に日経新聞の書評に掲載されて、買ったのですがずっとツン読状態で、盆休みにやっとこさ読み終わりました。

スーパーや商店で買い物する時にどういう行動をとっているのでしょうか?商店の中にビデオカメラを持ち込んで、ビデオを分析すると色々な法則が浮かび上がってきます。まさにフィールドワークですね。

お店の方はけっこう思いこみで店舗レイアウトなどを行っており、分析結果をもとにして売り場の変更を行うとそれだけで売り上げが変わってきます。

■顧客は誰か?

子供向けのカラフルなポップコーンを親が買うという固定観念で棚割していたため、ビデオに映っていたのは6歳くらいの子供が棚に何度も飛び跳ねて、それを落として母親に見せようとしているシーン

ですが母親はカートに入れずに、しょんぼりした子供はそれを棚に戻します。場所は元の位置では無く、自分の目の高さの棚に戻します。

次にそこを通りかかった子供が、それを見つけ、父親の押すカートに入れたところ、今度は棚に戻されませんでした。

選択するのは子供、購買するのは親、子供の視線にあわせた棚割が必要でした。

■コンバージョン・レート

コンバージョン・レートとは来店者の何割が、実際に物を買うかのレートで、ある会社で質問したところ、ほぼ100%という回答が帰ってきました。

会社側の理屈はうちの店は客に目的があって来るところで、客が買わないのはお目当ての品物が在庫切れになっている時に限られる。というものです。

実際に計った結果は48%で、面食らった重役は独自に調査してみたところ同じ数字が出て、長年にわたり機会損失をしていたことを思い知ったそうです。

■試着室

婦人服売り場の試着室がありますが、服を買う客が店内で過ごす時間の3分の1がこの試着室の中なんだそうです。あと一歩で買い手が心を決めるきわどい瞬間が試着室にあり、ここでのマーケティングが重要です。
・試着中のズボンにあいそうなベルトを用意して関連購買に結びつける
・試着室の中は広く、ゴージャスに
・日中の光、蛍光灯、キャンドルの光などで服の色がどう違って見えるのか分かるような数種類の照明を用意する。

最後の点はプロのモデルの方が服を買うときに実際にやっているとおしゃってました。試着室から店の外へ出て、日の光の中ではどう見えるか確かめているそうです。ただ外に姿見を用意している店がなく苦労するそうです。

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2005.06.12

アメリカ最強のエリート教育

 【書 名】アメリカ最強のエリート教育
 【著 者】釣島平三郎
 【発行所】講談社アルファ文庫
 【発行日】2004/12/20
 【ISBN 】4-06-272292-5
 【価 格】838円



釣島は「つりしま」ではなく「つるしま」とお読みするそうです。

6月6日(月)にアスト津で中小企業診断協会・三重県支部の研究会に著者の釣島先生をお招きし、色々とアメリカのエリート協会のお話

をおうかがいしました。

釣島先生はミノルタに入社後、アメリカにあるミノルタの関連会社の社長に就任。17年間をアメリカに駐在します。色々なエリートに接し

たり、ニューヨーク州立大学の財団理事などを務めた経験をまとめて出された本です。

映画で描かれるような成りあがりエリートもいれば、ノーブレス・オブリージュ(高い地位や身分に伴う義務を果たす)がある本当のエリ

ートまで色々なエリートがあります。

釣島先生のお子さんが小学校6年の時に出た宿題がスタィンベックの「Pearl」を1冊読んで、作者はどのようなことをこの作品で訴えたか

ったのかという宿題でした。作品全体ではなく一部の重箱をつつくような日本の宿題との違いに驚いたそうです。

日本の教育も優れた面がありますが、高度成長期でなく、これだけ変化の激しい時代ならリーダーを育成するにはアメリカ型の教育も大切

です。アメリカで教育を受けたのでビル・ゲーツが登場したが、ビル・ゲーツが日本の教育を受けたらビル・ゲーツにはならなかっただろ

うという言葉は印象的でした。

全寮制のボーディング・スクールは日本の旧制高校のような雰囲気なんですね。

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2005.06.08

リリパット・アーミー ばらし編

 【書 名】リリパット・アーミー ばらし編
 【著 者】中島らも・わかぎえふ
 【発行所】角川文庫
 【ISBN 】4-04-186305-8
 【発行日】1999/1/25
 【価 格】600円



わかぎえふさんには、知研関西で、98年4月に「劇団リリパットアーミー 芝居づくりの情報活用術」という実に無理矢理なテーマをつけて講演していただきました。

講演と言いながら、その頃、わかぎえふさんが凝っておられた中華活劇シリーズの剣舞を傘を使って、やっていただいたのは今考えると実に贅沢な講演でした。

そういえば、昔、国民をやっていた関西電子共和国の初代大統領が中島らも氏で、当時持っていた関西電子共和国の名刺をわかぎさんに渡したら、受けておりました。 (笑)

本には戯曲「ベイビーさん」と「一郎ちゃんがいく」が収録されていましたので、思わず読んだ一冊です。

昔、@NiftyにあったFchiken(知的生産の技術)フォーラムで「一郎ちゃんがいく」の芝居を見に行きました。とっても面白い芝居で、留学生選考で繰り広げられるクイズ大会が最高でした。

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2005.06.07

ソクラテス最後の十三日

 【書 名】ソクラテス最後の十三日
 【著 者】森本 哲郎
 【発行所】PHP研究所
 【発行日】1995/2/24
 【ISBN 】4-569-54663-3
 【価 格】1500円



1983年、就職してやっとこさプログラムやシステム作りが分かってきた頃のお話しです。本の話とは違います。(笑)

出張先の長崎で連日のような残業でシステム作りをやっていました。月曜から土曜まで、しっかり働き、日曜の休みはホテルで1週間の疲れのせいか昼過ぎまで寝ていました。起きたらいつも13時とか14時とかでこれからどうしようかとホテルを出て長崎の町をぶらついたりしてました。すぐ夕方になってしまいました。

そんな生活を続けている頃、ふと入った本屋に森本哲郎の「ゆたかさへの旅」というのがありました。その題ではなく副題に「日曜日午後2時の思索」とあり、そのタイトルにひかれて思わず買ってしまいました。丁度買ったのも午後2時頃でした。

日曜日の午後2時 あなたは何を感じるだろう。いまから何かをやるにしては中途半端な時間だ ただ何もしないで過ごすのもあっという間に月曜日がやってきてそれももったいない(フムフムそうだ 今の私がそうだ)といきなり引き込まれる本でした。

金曜日の夜とか土曜日(土曜の昼まで仕事の日もあるので)の夜というとワクワクしませんか。ああ明日は休みだ今日は少しくらい夜更かしし
て本を読んでもいいし、、ビデオを見てもいいし。

それが日曜日の夜だとどうでしょうか?明日からまた仕事だし、今日はこれぐらいにして寝ておくかなどとマイナス思考です。同じ夜なのにこの違いは何でしょうか? というような話から始まってインドやギリシャ哲学の話など若い方へおすすめの本です。

さてこの本を買ってからずっと森本哲郎の本を買っていたのですが、久しぶりに小説(いつもエッセイが多い)が出ていましたので買ってきました。

ソクラテスが判決を受けてから毒杯をあおって死ぬまでの十三日を描いたものでソクラテスの考え方や哲学を分かりやすく紹介してくれています。別の本の紹介が長く、主題の本の紹介が3行なのですが(笑)

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2005.06.02

司馬遼太郎

 【書 名】司馬遼太郎
 【著 者】谷沢永一
 【発行所】PHP研究所
 【発行日】1996/10/3
 【ISBN 】4-569-55281-1
 【価 格】1456円



司馬遼太郎氏が執筆を始めたのは昭和33年頃です。まだまだ日本人が戦後のショックから立ち直っていなく、暗い世相であった時代に、日本人にはこんなにすごい人物がいたんだと本によって励まし勇気づけたのは司馬遼太郎氏の大いなる貢献です。ということで、亡くなられた時に国葬こそふさわしいと提唱していた谷沢永一氏の本です。

■資料集め
テーマが決まれば神保町で本を集めます。そのすさまじさは伝説になっていますが、中心になったのは神田の高山書店だったんですね。

「これから日露戦争について書くから、日露戦争にちょっとでもふれてる本は全部市場で探して、ドサッと送ってくれ」でしたからね。これで1000万円近い古書が移動したと言われています。

金払いがいいので、有名な作家と全集などが取り合いになっても、古本屋は必ず司馬遼太郎氏の方へ送ったそうです。

■街道をゆく
最初は半年の予定だったそうですね。それが旅に対する日本人のノスタルジーが社会に浮上してきて、それと対話する形となり延々と続くことになったそうです。その司馬氏が亡くなって真っ青になったのが週刊朝日の編集長で、何でも週刊朝日の読者の半分は「街道をゆく」のファンだったそうで、かなりこたえたのでしょう。

■山野博史
対談と巻末の司馬遼太郎著者目録の作成者として名前が出てきますが、近代日本政治思想史が専門の方のようですね。京大の博士課程の時に大阪の桜橋にある浪速書林という有名な古本屋で無給の志願店員として働いていたそうです。日当は無しですが、主人とはその日に店に並べた本で、どうしても欲しい本があれば、店のシャッターを閉めた後で分けてあげるというものでした。先に抜き取るのは営業妨害になりますので。

と言うことで欲しい本は、なるべくお客さんの目を引かないように並べたそうです。そこへ入ってきたのが司馬遼太郎氏のようで...

■ゾッキ本
天下の司馬遼太郎も最初はゾッキ本扱いだったようです。「白い歓喜天」という凡凡社から出ていた本で、ゾッキ本で積んであったそうです。
もったいない!
またこの本が古書目録に出ると必ず平凡社と誤植されているそうです。そんな出版社があるはずがないという思いこみのようですね。

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2005.05.31

最新大阪ものしり事典

 【書 名】最新大阪ものしり事典
 【著 者】創元社編集部・編
 【発行所】創元社
 【発行日】1994/3/20
 【ISBN 】4-422-02205-9
 【価 格】1200円



■みおつくし
大阪のシンボルといえば「みおつくし」です。古代の大阪港は芦の茂る低湿地帯で、細い水路を進むことになります。これが迷路のようになっていました。この水路のことを水脈(みお)と言っていました。

通路の標識として串のように木を組み合わせたものを立てていました。「水脈の串」でこれが「みおつくし」です。「つ」というのは「の」の古語なんだそうで、「沖の白波」を「沖つ白波」というのと同じです。

「みおつくし」の一般的な感じとしては「澪標」が使われています。万葉集や古事記にも出てくる古い言葉です。

■遠里小野(おりおの)
難読地名で有名ですが、昔は「とおさとおの」と読んでいたんですね。万葉集に「住吉の遠里小野(とおさとおの)の...」という歌があります。

■暗峠(くらがりとうげ)
大阪と奈良の境で、国道308号線が通っていますが、車は通行止めの国道です。枚岡公園から生駒山へ登るハイキングコースにもなっていて、峠には石畳が残っています。神宮皇后がこの峠の手前で一泊し、鶏の声で朝出発しましたが峠に来ても、暗かったので暗峠となったと伝説があるそうです。

■千趣会
無店舗販売で有名ですが、もともとは職場のOL向けコケシの頒布会だったんですね。「こけし千体趣味募集の会」で略して千趣会になったそうで。「へぇ〜。」

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2005.05.26

関西人の正体

 【書 名】関西人の正体
 【著 者】井上章一
 【発行所】小学館
 【発行日】1995/8/10
 【ISBN 】4-09-380411-7
 【価 格】1165円



京都古書研究会が主催した岡崎・勧業館の古書市で見つけた本です。

著者の井上先生は国際日本文化研究センターの助教授で99年5月に、知研・関西で「カーネルサンダーズからの知的調査術」というテーマで講演していただきました。

▼講演の模様
http://www.bekkoame.ne.jp/~mizutani/TS99/S99-05.html

大阪、京都を中心に関西人について面白い視点で書かれている本です。

■ホルモン焼き
ジャリンコちえで有名なホルモン焼きですが、語源が一説によると「放る物」なんだそうです。豚の臓物は、きちんとした料理で使うことはなく、ほうっていたので、つまり「放る物」。これを集めて調理したのでホルモン焼きだとか

■百貨店で値切る関西人
偏見でよく言われる言葉で、井上先生も百貨店は正価販売なので、そんな馬鹿なことは無いと反論されています。

その井上先生が、ある日、京都の百貨店をのぞくとブルゾンの値引き販売をしていたそうで、イタリア製12万円の商品が3万円になっていたそうです。何でそんなに安くなっているのか気になって訳を販売員に聞いても、なかなか質問には答えず、どこにも欠陥はないからお買い得ですよとくりかえすだけです。

10分あまりもやりとりしていると、販売員は「わかりました。2万7千円にしときます」と一言。別に値切ったわけではなく、値下げの理由を聞くだけだったのに。結局、そのブルゾンは買ったそうです。

つまり、「百貨店で値切る関西人」は実は正しい命題だったのです。

■関西? 関東?
関東の意味は関(せき)の東側という意味で、昔の伊勢の鈴鹿、美濃の不破、越前の愛発の三関の東側の辺境の地が関東だったわけです。ですので以前は畿内(中央政府のあったところ)と関東(辺境)だったのが、いつの間にか関東、関西という対比に変わってきたそうです。
関西という言葉は新しい言葉になるわけです。

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2005.05.20

日本国ロンドン村

 【書 名】日本国ロンドン村
 【著 者】林信吾
 【発行所】マガジンハウス
 【発行日】1994/11/24
 【ISBN 】4-8387-0591-3
 【価 格】1500円



筆者はロンドンでひょんなことから日本語新聞を出すことになり、その目から見た、ロンドンでの日本人村(日系企業に勤務している人、その家族、ロンドンに根をはやしている人)に関する批評になっています。

批評などもおもしろいのですが、他の話題がけっこうおもしろいですね。例えば

二階建てバスに乗っていると革ジャンを着たパンクの兄ちゃんと姉ちゃんが乗ってきて、前の席に座った。そこまではよかったのでが、男の方が食べ終えたハンバーガの包む紙を肩越しにほってきた。

「僕はこんなものはいらない」と英語で言って二人に投げ返した。どうも日本人だと見て、イヤガラセしているようで男の方がニヤニヤしてもう一度ほってきた。ここまできたら、やおら二人の髪の毛をつかんで(パンクの髪の毛は実につかみやすいそうです)、力まかせ頭を鉢合わせさせた。

そしたら、黒人の車掌が飛んできた。日本人が英国野郎をどつきまわしているところに黒人が止めに入るという実に国際的な風景が展開されたそうです。(著者は空手をやっているそうです)

ロンドンというと紳士の国というイメージなんですが、実際には駐在員が差別を受けた経験がけっこうあるようで、その話も出てきます。

筆者はアルバイトで原稿書きもやっておりダイヤモンド・ビック社の「地球の歩き方・ロンドン編」はほとんどこの筆者が書いたそうです。

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2005.05.18

元北沢書店 近藤氏のセミナー

小石雄一さんの『知研・達人サロン』のセミナー案内です。

タイトルは『相手を動かすメッセージの送り方』で、講師は近藤直樹氏です。

この近藤氏は略歴を見ると早稲田大学卒業後、英文学専門洋書古書店である北沢書店で、10年間古書の輸入販売、接客、IT業務の責任者を担当されてきた方ですね。現在はコーチとして活動中です。

6月1日(水)19時からで場所は渋谷です。案内・申し込みはこちらです。

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2005.05.12

ホルムヘッドの謎

 【書 名】ホルムヘッドの謎
 【著 者】林 望
 【発行所】文芸春秋社
 【発行日】1992/5/25
 【ISBN 】4-16-346450-6
 【価 格】1262円



書誌学者というよりはイギリスもので有名なリンボウ先生のエッセイです。

書誌学者としては「ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録」が有名ですが、それ以上に「イギリスはおいしい」「イギリスは愉快だ」の方が有名ですね。

本の構成がイギリスを出発して、少しずつテーマをずらしながら、鎖のように連鎖する構造を持っており、エッセイによる連句のような形になっています。

イギリスの国民性やトイレに関する考察、書誌に関する話、また日本文学の話も載っています。

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2005.05.10

ぼくの読書法

 【書 名】ぼくの読書法
 【著 者】植草甚一
 【発行所】晶文社
 【発行日】1976/10/20
 【価 格】500円(古書価)



京都古書組合の青空古書市の500円均一棚にありました。懐かしいですね。シリーズで出ていた植草甚一スクラップブックのNo6です。若い頃によくJ・Jシリーズを読みましたね。

■最初の店で一冊買う
古書店まわりをする時には最初の店で、あまり欲しくなくても、まずは一冊買うのがコツと書いてあります。理由は最初に来たやつをザコでもダボハゼでもいいので、必ず釣り上げないと、ほとんど必ずその日のツキは消え失せてしまうからです。

ゲンかつぎですね。

■これはとっても有名な話ですが
終戦の頃に古本屋まわりをした時は鉛筆と消しゴムをポケットに入れていました。どこの店でも主人は出征しており、女中かお婆さんが店番をしていました。値切るのは難しいので、古本に見当はずれな値段が間違ってついていたら、例えばマックス・ジャコブの小説が8円だった時は仕方なしに消しゴムを使って7円にして買っていたそうです。 今なら犯罪行為だなとは後で本人も述べています。

J・Jと言っても若い人には分からないでしょうね。(そんな歳になったんだ....)

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2005.05.08

京都人だけが知っている

 【書 名】京都人だけが知っている
 【著 者】入江 敦彦
 【発行所】洋泉社
 【発行日】2001/05/22
 【ISBN 】4-89691-537-2
 【価 格】680円



春の古書即売会の京都コーナーという京都にまつわる本ばかりを集めたコーナーで見つけてきました。出品は吉岡書店で古書値は400円です。

筆者は1961年の西陣生まれで、現在はイギリス在住。文章も全部ロンドンで書いたとあります。

文章のタッチがJJ氏(植草甚一)を彷彿とさせるタッチで、なかなか奥深い京都の世界が楽しみます。知らない話が盛りだくさんでした。

■平野さん
「平野さんに産んでしもうて私が悪かった」筆者が母親に言われた言葉だそうです。

平野神社は北野天満宮の先にあり、「北野を越えて」が「汚のう肥えて」になって不細工を表す京言葉なんだそうです。
京都に4年ほど住んでいましたが、これは初めて聞きましたね。

■サッカーの神様
堀川今出川に白峯神社があります。

白峯神社がある場所は、平安時代から代々蹴鞠の家元とされてきた、飛鳥井家の邸宅があった場所で蹴鞠の神様でもあります。
それがどこでどうなったのか蹴鞠もサッカーも似たものということで地元京都パーブルサンガの必勝祈願の場所になっているそうで、今度いっぺん行ってみよ。

■京都ってどこまで?
京都人の京都という感覚は独特のもののようで、あの世とつながっていると思われるところが境界のようです。

北は幽霊で有名な深泥池あたり、昔この近くの上賀茂に住んでおりました。夜は不気味でしたね。

西は心霊ゾーンである老ノ坂トンネルで、亀岡は近いのですが老ノ坂トンネルの向こうですので京都ではなく彼岸なんだそうで(笑)
船岡山、東山遊歩道、持越峠、東山トンネル、清滝トンネルという心霊スポットとして有名なところが京都人が此岸つまり京都と感じているところなんだそうで

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2005.05.06

「超」納税法

 【書 名】「超」納税法
 【著 者】野口悠紀雄
 【発行所】新潮文庫
 【発行日】2004/9/1
 【ISBN 】4-10-125625-X
 【価 格】514円



週刊新潮に連載された原稿を本にまとめたものです。目から鱗の話が多いですね。

法人や個人事業主ですと税金を自分で納めないといけませんので、どうしても関心が高くなりますが源泉徴収されているサラリーマンでは納税意識が希薄になります。ところが日本の税制はいびつな形になっており、知っている知っていないではサラリーマンでも大いに納税額が違ってくることが分かりやすく解説されています。最後には究極の方法も掲載されています。

それにしてもシャウプ勧告といえば日本の戦後の税制を決定づけたという印象が強いのですが、どうも振り付けは当時の大蔵官僚ではないかという説が掲載されています。なるほど言われてみればそんなに導入されたのも変な話ですね。

あと給与所得控除は恵まれすぎているなど、私もサラリーマンを辞めて、自営業者になるまで給与所得控除がいかにお得だったか気がつきませんでした。

「男はつらいよ」でたこ社長は給与所得者になっているはずだという話から、これは給与所得控除が得なので、中小企業では役員報酬の形として出しているからです。ひいては日本の赤字法人が多い理由にもなっていると問題点が分かりやすく指摘されています。

文庫本なのですが、巻末にはきっちり索引まで完備されているほんです。中の構成もよく考えられた本ですね。

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2005.04.25

「パンチ」素描集 19世紀のロンドン

 【書 名】「パンチ」素描集 19世紀のロンドン
 【著 者】松村 昌家
 【発行所】岩波文庫
 【発行日】1994/1/17 
 【価 格】570円 



「パンチ素描集」を読んでいると、おもしろい話が出ています。

19世紀のイギリスでは女性のスカートは末広がりというか実に大きなもので中には金の枠が入っておりました。クリノリン・スタイルというのですが8年ほどビクトリア朝時代に流行したようです。

少し前の1851年に初めての万国博覧会がロンドンで開催され(水晶宮で有名)、アメリカから禁酒運動とフェミニズム運動の指導者として有名なアミーリア・ブルーマとその一行がイギリス女性に対する啓蒙運動のためにイギリスに来ました。

当時としては奇妙な格好でイギリスに来たため、風刺でパンチに載ることになりました。短いスカートとパンタロンを組み合わせたようなスタイルでイギリス女性にはショッキングな格好でした。

最初の考案者はアメリカのリビー・スミスという人で人づてにブルーマ夫人に伝えられて、ブルーマ夫人が編集していた雑誌「ザ・リリー」に載せたところ大反響でブルーマーズという名称が生まれたそうです。

ただイギリスでの流行は6カ月ももたなかったようで、その後にはまったく機能的でないクリノリン・スタイル大流行となりました。アメリカでもブルーマ・スタイルそのものは定着しなかったようですが、どういうわけか極東の島国に「ブルーマ」という語が渡来しました。

いつ定着したのかは分かりませんが女学生のスポーツ用パンツをブルーマと呼ぶようになります。もともと1851年の一時期に「パンチ」をにぎわしたアメリカの1フェミニストの名に起因するとは全然知りませんでした。

あとがきによると「パンチ」は1992年まで150年続いたそうで、すごい雑誌だったんですね。

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2005.04.21

わたしの大阪

 【書 名】わたしの大阪
 【著 者】小松 左京
 【発行所】中公文庫
 【ISBN 】4-12-202053-0
 【発行日】1993/11/25 
 【価 格】600円



大阪本です。

作者は日本沈没で有名な小松左京氏です。(1994年5月の梅棹忠夫先生文化勲章受賞祝賀会でお見かけしましたが歳をとられておりました。)

大阪府が全国都道府県の中で一番面積の小さい府であるということをご存じでしたか?人口600万の大阪府の面積は1800平方キロで奈良県の半分で、香川県より小さいそうです。(けっこう大きいと思っていたのですが)

大阪府が国際的な文化賞を創設するとき(今の山片蟠桃賞のことです)司馬遼太郎氏、田辺聖子氏、谷沢永一氏、そして小松左京氏が集まった時に小松氏は西鶴文学賞の案でしたが、司馬氏が国際的な賞として山片蟠桃賞を提案され、賞が生まれたんだそうです。

大阪にまつわる色々な話題が楽しめる本です。

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2005.04.20

東南アジアの屋台がうまい

 【書 名】東南アジアの屋台がうまい
 【著 者】長崎 快宏
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】1996/7/15
 【ISBN 】4-569-56914-5
 【価 格】580円



1週間ほど前、タイにいますと著者の長崎さんからメールが届いていましたが、今頃はタイの屋台をまた回っていることでしょう。

本では香港、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの屋台が紀行文とともに紹介されています。

それにしてもなんで屋台で食べるとあんなにうまいんでしょう。飲んだ帰りにラーメンの屋台があると、やっぱり寄りたくなりますね。

シンガポールにはマーライオン近くにサテークラブというマレー風ヤキトリを食べさせる屋台村がありました。最初に行ったのは今から20年以上も前ですね。

丁度ヨーロッパから南回りで着いた翌日に行きました。席に座ると「ヤキソバ?」「ヤキトリ?」とか聞いてくるので「エー、日本のヤキソバが食えるんかいな」と注文したところ、まあそれらしきものではありましたが、サテー(マレーの串焼)やホッケンミーでした。(おいしかったけど)

10年ほど前に行った時は新しくできたニュートンサーカスにも行きましたが、やっぱりサテークラブのようの落ち着いている雰囲気がいいですね。再開発で無くなってしまったのは残念です。

そうそうニュートンサーカスでドリアンを頼んでうまそうに食べていたら、こいつ人間じゃねえぞというような目で見られました。

サテークラブですがビールはもちろん地元のタイガービールで銘柄指定しないとすぐ高いキリンビールを持ってきていました。

大阪では屋台で見るのはラーメン屋ぐらいですね。焼きイモ屋もライトバンだし、やっぱり堤灯がついているような屋台が風情があっていいですね。

「おっちゃん、寒いなあ。酒とソバね!」
「ほい、まいど。今日も冷えまんな 今用意するよって」 

....二八ソバも遠くなりにけり

東南アジアと全然違う話になってしまいましたが(笑)


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2005.04.19

ワーグマン日本素描集

 【書 名】ワーグマン日本素描集
 【著 者】清水 勲
 【発行所】岩波文庫
 【発行日】1987/7/16
 【価 格】520円 



萌え系(アニメ制作会社など)の株価が話題となっていますが、漫画雑誌がいつから始まったか皆さんご存じですか?

万延2年(1861年)今から135年前にイギリスの画家でチャールズ・ワーグマン(当時29歳)が日本を訪れました。ワーグマンは退役軍人で、旅行好きな人物でした。

イギリスの新聞社の特派員として来日し、それ後、日本にいついてしまい1862年に横浜で英文の漫画雑誌を出しました。これが現在の漫画雑誌のスタートとなります。雑誌の名前が「ジャパン・パンチ」です。時事として生麦事件や西南戦争を取り上げていますが、庶民の生活など歴史的資料として価値があります。

このパンチという名前ですが、本家イギリスで1850年に「パンチ」という漫画雑誌が出ており、たいへん人気があったそうで、ここから名前をとりました。

ワーグマンは日本人と結婚して、子供までもうけています。ワーグマンは明治24年(1891年)に横浜で58歳で亡くなっています。横浜外人墓地に墓があり、毎年2月8日のワーグマンの命日にはワーグマン祭があるそうです。

外国人というだけで命をねらわれる極東の僻地にやってきて、当時の西洋人から見た日本人、デッパでメガネをかけた日本人像というのはこの時から作られたのですね。実際メガネが西洋ファッションとして明治時代に大流行したというのがジャパンパンチでよくわかります。当時の風俗資料などを現在まで残してくれた日本人の大恩人です。

イギリス本家のパンチは下記の本が出ています。



 【書 名】「パンチ」素描集 19世紀のロンドン
 【著 者】松村 昌家
 【発行所】岩波文庫
 【発行日】1994/1/17 
 【価 格】570円

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2005.04.18

ベンチャー失敗の法則

 【書 名】ベンチャー失敗の法則
 【著 者】吉田雅紀
 【発行所】国際通信社
 【発行日】2002/9/5
 【ISBN 】4-434-01980-5
 【価 格】1200円



各都道府県と政令指定都市に中小企業支援センターがありますが大阪市中小企業支援センターは堺筋本町の大阪産業創造館にあり「あきない・えーど」という名前がついています

ここの元プロジェクトマネージャが著者の吉田さんです。大阪市の場合は、なかなか面白く、全面的に民間に委託しています。

大阪市の職員が中小企業支援をやっても全戦全敗なので、今度から職員はフロントに徹する。監督は吉田さんにまかせるので、選手は好きなところか

ら連れてきてください。ただプロにまかせるので、試合には勝ってくださいねと頼まれたそうです。

自身もベンチャーを起こされて、結局は失敗しちゃいましたが、その経験なども生かして、支援をされています。

■起業家にとって必要なのはネットワーク
支援してくれる人が最低300名は必要。無ければまずそのネットワークつくりから

■どんどん売って、どんどん利益を上げろ
売上と利益は反比例 回転率が上がると粗利益率は下がる量を販売すると、相手は値引きを要求

■リスク
ペリル(直接原因)とハザード(間接的要因)がある

飛行機の墜落 
 ・ペリル 整備不良、操縦ミス、接触、ハイジャック 
 ・ハザード 教育、モラル、人手不足、判断の誤り

ベンチャー
 ・ペリル 資金ショート
 ・肉体的ハザード 健康(精神的ストレスにも耐えられる)
 ・モラール(士気)ハザード リーダシップ 向かうべき未来を熱く語り、その方針を明らかに
 ・モラル(道徳的)ハザード 競合 常に情報収集、代替プラン
 ・ヒューマンエラーハザード 無知ではダメ 財務、法務、許認可など

■行動を起こす時 MUST→CAN→WANTで考える
 ベンチャー   WANTから考える

 何がやりたいか やるためにはできる力がいるがどう手に入れるか
 スタートしたら皆の期待に答えねばでMUSTになる

著者の吉田さんには2月に知的生産の技術研究会・関西で「アントレプレナー・シップとベンチャー失敗の法則」というタイトルで講演いただきました。

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2005.04.13

定家明月記私抄

 【書 名】定家明月記私抄
 【著 者】堀田善衛
 【発行所】新潮社
 【発行日】1986/2/15
 【価 格】1500円



大阪青山短大の歴史文学博物館で藤原定家の明月記を見て参りましたが、全文を読むのは大変だなと思っていたところ京都の春の古書大即売会でこの本を見つけてきました。

藤原定家は19歳から明月記をつけ始めたそうで、20歳の時に平清盛が死に、平家滅亡、源氏と変わり、その源氏も北条氏へ政権が移る頃の戦乱の時代に書かれた日記になります。

この本が書かれた動機は自分と同じ年に定家は何をしていたのかを折にふれてまとめていたものを出版したそうです。

■宮仕えは大変
地位も今ひとつで出世もできず、荘園は台頭してきた地頭に荒らされる始末。そこで取り立てに暴力団のような僧を雇わなければならない等なかなか切実です。後鳥羽上皇はムチャクチャやっていて、ついていけないという記述もあります。

本来は早朝に出仕して朝儀するところが、この時代はすっかり夜廷になってしまったようです。夕方、出仕して深夜退出ですね。また定家は雨戸の開け閉めまでやっていたようです。

■落書き
熊野行幸にお供したときに、かねて京都で知り合った尼のところに宿の世話になりました。この尼の堂に一首を書きつけたら、「落書きしたら駄目と」尼に叱られたそうで。今ならすごい値打ちものなのですが

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2005.04.09

今日はローマ字会120周年

梅棹忠夫先生
日本で羅馬字会が創立されローマ字運動が始まったのが1885年(明治18)です。今年はちょうど120周年で記念大会が京都駅八条口の新ミヤコホテルで開催されました。

メインは梅棹忠夫会長による「ローマ字運動の過去・現在・未来」というタイトルでの講演です。梅棹先生は1993年から日本ローマ字会・会長に就任されています。

私も昨年度まで社団法人・日本ローマ字会の理事をしていたのですが、土日に仕事をすることが多くなり今年度からは無理をいって一般会員になっています。

来賓には河合隼雄・文化庁長官などが出席されていました。先週の朝日新聞・夕刊に梅棹先生が登場され、この記念大会の案内も掲載されたため、事務局にたくさん電話がかかってきたそうです。今日も会場が一杯で、ローマ字会会員数よりも多かったですね。(笑)

→ 社団法人・日本ローマ字会

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2005.04.08

大阪の神々

 【書 名】大阪の神々
 【著 者】わかぎえふ
 【発行所】集英社文庫
 【発行日】2003/8/25
 【ISBN 】4-08-747608-1
 【価 格】514円



そういえば、「わかぎえふ」さんには昔、知的生産の技術研究会・関西のセミナーで講演していただきました。
お話だけでなく、傘で演舞までしてもらうなかなか贅沢な講演でした。

■船場での会話

 「儲かりまっか?」
 
 大阪人は皆、こんな挨拶しているように思われていますが実際にはあんまり聞きませんけどね。

 「どないでっか?」や「あんじょういってまっか?」が多いですね。


 わかぎさんによると返事で業況が分るそうで

 「さっぱりやわ」 (何とかやってる)
 「あきませんは」 (普通)
 「ぼちぼち」   (そこそこ儲かっている

 になるんだそうです。

 また、「考えときますは」と言われたらそれは断られたのと同じだそうです。

他にも玉造や森之宮という「リリパットアーミー」があるあたりのデープな情報が満載です。

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大阪の神々

 【書 名】大阪の神々
 【著 者】わかぎえふ
 【発行所】集英社文庫
 【発行日】2003/8/25
 【ISBN 】4-08-747608-1
 【価 格】514円



そういえば、「わかぎえふ」さんには昔、知的生産の技術研究会・関西のセミナーで講演していただきました。
お話だけでなく、傘で演舞までしてもらうなかなか贅沢な講演でした。


■船場での会話

 「儲かりまっか?」
 
 大阪人は皆、こんな挨拶しているように思われていますが実際にはあんまり聞きませんけどね。

 「どないでっか?」や「あんじょういってまっか?」が多いですね。


 わかぎさんによると返事で業況が分るそうで

 「さっぱりやわ」 (何とかやってる)
 「あきませんは」 (普通)
 「ぼちぼち」   (そこそこ儲かっている

 になるんだそうです。

 また、「考えときますは」と言われたらそれは断られたのと同じだそうです。

他にも玉造や森之宮という「リリパットアーミー」があるあたりのデープな情報が満載です。

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2005.03.31

ソフィーの世界

「ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙」

新刊(95年6月)で買いそびれ、古本屋に並んだら買おうと考えていましたが、なかなか目にしません。この前、久しぶりに古本屋街をぶらついていたら1700円の価格で並んでいました。(定価は2427円です)

もうちょっと安いのはないかなとさらに歩いていると、均一台にこの本がころがっていました。200円でした。これは内容からしてちょっと安すぎますが

いや、面白い本ですね。哲学者から問が来て、哲学講座が始まるという筋は知っていたんですが、途中からとんでもない話になっていくんですね。読んでいるうちにだんだんこっちまで不思議な気分にさせてくれる面白い本です。

「あなたはだれ?」  「世界はどこから来た?」  最初の命題です。

■カントのお墓の有名な言葉
考える機会が多ければ多いほど、また考えるのが長ければ長いほど、ますますあらたに増大してくる感嘆と崇敬とをもって心を満たすものが二つある。それは「わたしの頭上の星空とわたしのうちにある道徳律」だ

ですが、カントがなぜこの言葉を残したのか、この本を読んで理解できました。

■進化論のダーウイン
22歳のダーウインに友人から一枚の手紙が届きます。政府から派遣されて南アメリカの南端を測量することになったロイ船長から自然科学者を一人紹介してほしいということで君はどうかという内容でした。遠征は2年かかるだろうし、給料については何も書いてありませんでした。

これがダーウインの人生を決めることになります。船の名前はビーグル号。1831年12月27日にイギリスを出て帰ってきたのが1836年の10月、5年の航海でした。結局、この世界1周で、「種の起源」が誕生しました。

他にも面白い話題でいっぱいです。

最後にファウストの言葉を

 瞬間(とき)よとまれ、君は美しい!
  わたしの地上の日々の痕跡は
   永劫へと滅びはしない
    その幸せの予感のうちに
     今味わうぞ、この至高の瞬間を

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2005.03.28

たこやきの正しい食べ方

 【書 名】たこやきの正しい食べ方
 【著 者】熊谷真菜
 【発行所】ごま書房
 【発行日】1996/1/30
 【価 格】800円
 【 ISBN 】4-341-01701-2



なぜ『たこやき』が誕生したのか?
なぜ『明石焼(玉子焼)』が生まれたのか?皆さん、ご存じですか?

知研関西で1997年7月に講演していただいたタコヤキストの熊谷真菜さんの本です。おもしろい講演でした。『たこやき』にこだわってそのルーツを解明された方で大阪の人間ならまず一般教養として読まなければならない必修本です。

■ちなみに大阪を理解するための必須本は下記です。
    「ナニワ金融道」(コミック)
    「たこやきの正しい食べ方」(ごま書房)熊谷真菜
    「大阪学」(経営書院) 大谷晃一

本の前半は『たこやき』にまつわる社会現象についてで、本の中のイラストが絶妙で楽しめます。後半は『たこやき』の歴史などについて前作(リブロポート『たこやき』)が出た後に新たに判明したことなどについて書かれています。これを読めば『たこやき』とどう接すればよいか分かる一冊になっています。

たこやきの材料は小麦粉ですが、そこから派生した研究で粉食の話なども載っています。そういえば熊谷さん、日本コナモン協会の会長にも就任されています。

粉食ですが米の皮をはいで、最初の頃は生の米をかみくだいて食べた時期もありました。目の横の側頭部にコメカミがありますが、この語源は「米をかむ」なんだそうです。雑学も学べる一冊です。

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2005.03.26

仕事で差がつく手帳の技術

 【書 名】仕事で差がつく手帳の技術
 【著 者】長崎快宏
 【発行所】ぱる出版
 【発行日】2005/3/25
 【ISBN 】4-8272-0145-5
 【価 格】1400円



旅行記やビジネス書で有名な作家の長崎快宏さんから最新刊を送っていただきました。

私もシステム手帳を長年使い鞄には入れていますが、主に使っているのはスケジュール管理だけです。

時々、気になった言葉などをリフィールに書き込んだりしていますが、頻繁ではありません。

長崎さんはバイブルサイズだけでなく小ぶりのSD手帳も愛用。

SD手帳をポケットに常に入れておき何か目にしたらすぐに書き込みます。しかも1件1枚で貯まってくると手帳からはずして保管ケースへ。

仕切り板やラベルはファイリング技術を使い、なるほどここまでやれば確かに仕事で大いに活用できますね。

本人にとっては大切なシステム手帳です。万が一落としても大丈夫なように、手帳の最初のページに連絡先と「連絡してくれたら○○円の謝礼をします」と書いてあるそうです。そういえば知り合いがトイレにシステム手帳を忘れそうになっていましたので、この方法はなかなか有効です。

リフィールの写真や使い方が豊富に書かれた1冊です。

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2005.03.24

日本における書籍蒐蔵の歴史

 【書 名】日本における書籍蒐蔵の歴史
 【著 者】川瀬一馬
 【発行所】ぺりかん社
 【発行日】1999/2/15
 【ISBN 】4-8315-0863-2
 【価 格】2800円



日本書誌学に造詣が深い川瀬一馬氏が書いた書物の収集と所蔵の歴史です。

金沢文庫(金沢北条家が集めた和漢書籍)の話から始まって、関白豊臣秀次の収集した本に話が移ります。秀次と言えば、秀吉に謀反の疑いで切腹させられたぐらいしか記憶にありませんが、すごい本を集めていました。次に江戸時代の蒐集から、明治、大正、昭和の時代へと話が移っていきます。

著者の川瀬一馬氏ですが、安田文庫を作るのに尽力された方だったんですね。戦災で多くが灰になってしまったのは何ともおしい。


この本を読むと蔵書がまとまって残るのは珍しく、集めた当主が亡くなった途端に邪魔者扱いで売り立てにあって四散してしまいます。その意味でアーネスト・サトウが集めた和漢書籍が大英博物館に残っているのは本当に珍しいことです。アーネスト・サトウには「一外交官から見た明治維新」(岩波書店)という名著があります。

以前、大阪青山歴史文学博物館でいくつかの書籍に「宝玲文庫」の蔵書印を見ました。これもフランクー・ホレーが集めた蔵書が売り立てにあい、大阪青山短大に入ったものです。

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2005.03.09

書物の敵

 【書 名】書物の敵
 【著 者】庄司 浅水
 【発行所】講談社(学術文庫)
 【発行日】1990/5/10
 【ISBN 】4-06-158924-5
 【価 格】600円



ウイリアム・ブレイズの書いた本を底本にして補正・解説して作成された本です。書かれたのは1930年ですね。66年前になります。徳富蘇峰が当時絶賛した本でもあります。

庄司浅水という名前、ご存じですか? 

愛書家としても蔵書家としても有名でたくさんの書物に関する本を残しておられます。古本屋などで見かけてもけっこういいお値段です。

昭和の始めに(大戦前ですが)雑誌「古本屋」や雑誌「古本春秋」などになかなかおもしろい寸評やエッセイを書かれておりました。(復刻版が出ていますので図書館などに揃っています)

雑誌「古本春秋」は確か自分が出版していたんじゃなかったのかな、広告がおもしろくって、けっこうモダンな感じで本の広告がされています。

さて、本からおもしろい話を
・北清事変で北京城に一番乗りは日本兵であったが、その折、英・独・仏・露の兵士は書庫に殺到した。日本兵にみはひとり米倉を占領して得意がっていた。

紀田順一郎の「古本屋探偵の事件簿」(創元推理文庫)に書鬼というのがありますが、神保町に出没する矢口という老人が出てきます。ステッキを持ち歩き、ステッキに線が書いてあってその高さまで本を買い込まないと気がすまないというビブリオマニア(書狂)なんですが、そのモデルが出てきています。

フランスのブーラールというフランス法制院のメンバーでたいへんな書狂だったようで、彼が死んだ時に競売された本は5、60万部というヘタな図書館以上の蔵書でした。この人は毎日1メートルの長さの杖を持って歩き、この高さまで本を買っていたそうです。あまりにたくさん買うので奥さんが一度止めたところ神経衰弱になってしまい、それから周りもあきらめました。

ある日例のごとく、たくさんの書物を買い込み、馬車も断わって乗せてくれないので、大汗をかきかき帰宅したのが原因で助膜炎で亡くなったそうです。

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2005.03.08

知的生産の技術研究会・総会開催

3月5日(土)にNPO知的生産の技術研究会の総会が東中野で開催されました。

1969年に発刊された「知的生産の技術」(梅棹忠夫著・岩波新書)に触発され1970年に出来た研究会で35年の歴史があります。教育分野でNPO認証を受けて5年になります。

現在では社外勉強会の老舗的な存在になっています。研究会ではセミナーや講演だけでなくビジネスマンが知的生産(商業出版)することも大きな活動の柱になっています。現在までに30冊以上の本が研究会から出ています。

というわけで図解でたくさん本を出している久恒さんや週末の達人の小石さんなど集まっているメンバーも多士済々です。また仙台支部の横野さんによると『伝える力』(すばる舎)が現在7刷までいっており、まだまだ売れ続けているそうです。

さて、総会の後には講演会が開催され、講師は元朝日新聞論説委員の轡田隆史氏に「日本のこころ」というテーマでお話いただきました。轡田氏は朝日新聞のコラム『素粒子』や『考える力をつける本』(三笠書房)で有名な方です。

講演の後は宴会です。ビジネス書・推理作家の野村正樹さんなど、こちらも色々な方が集まっておりました。

■総会などの様子はこちら

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2005.02.15

古文書返却の旅

古文書返却の旅
 【書 名】古文書返却の旅 戦後文学史の一齣
 【著 者】網野 善彦
 【発行所】中公新書
 【発行日】1999/10/15
 【ISBN 】4-12-101503-7
 【価 格】660円



1949年に東京の月島(中央区)で漁業制度改革の史料ということで全国各地の漁村の古文書を借用または寄贈という形で集めることになりました。筆者が勤めだしたのは1950年からで、調査員の中には宮本常一氏もいたそうです。この事業にはあの渋沢三代の最後の一人である渋沢敬三氏もかかわっていたそうです。

そういえば佐野眞一氏が「旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三」という本を書いておりました。

さて、この事業ですが途中から水産庁の予算がつかなくなり、やむなく職員は職探しに、そして集めた資料は倉庫に眠ることになってしまいました。

それから30年、筆者は名古屋大学から神奈川大学へ移り、ここに日本常民文化研究所を設立して、残された資料を引き取り、その返却の旅が始まります。

風呂敷包みを持って対馬に到着します。30年もほったらかしにしていた家に行って叱責を受けると覚悟していたら「今まで文書を持っていって返しに来られたのはあなたが始めてです。」という暖かいお言葉。

古文書返却の旅で色々な人との再会が生き生きと描かれています。

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2005.02.09

ああ大阪 大阪の文化人による川柳集

ああ大阪 大阪の文化人による川柳集<br />
 【書 名】ああ大阪 大阪の文化人による川柳集
 【編 集】吉本文芸館
 【発行所】葉文館出版
 【発行日】1999/12/3
 【ISBN 】4-89716-133-9
 【価 格】1429円



葉文館出版を「はぶんかん」と読んでいましたが、「ようぶんかん」なんですね。2000年2月に葉文館出版の社長さんに大阪川柳の講演をしてもらって初めて呼び名を間違っていたことに気がつきました。

※葉文館出版はこの後、経営が悪化し倒産したようですが、新しく新葉館出版としてよみがえっています。今でも書店などへ行くと葉文館出版の川柳本が並んでいます。

と言うわけで「はぶんかん ようぶんかんの どっちやねん!」と字余りの川柳が出来たところで、その葉文館出版の川柳本です。大阪の文化人157人が出ています。

■「問題児 親呼び出せば 同業者」
ウーン、ありますなあ。昔、専門学校で教員をやっていた時に、よく学校をサボるヤツの親を呼び出せば、考古学で有名な大学の先生でした。
他にも「寝不足を 授業で補う 馬鹿野郎」ってのもあります。

■「また負けた でもいとおしい タイガース」
大阪ですのでタイガースネタの川柳も多いです。2000年1月に講演していただいた、帝塚山学院大学の佐伯順子助教授の川柳です。他にも「私語ケータイ 何でもありの 授業中」という川柳も佐伯さんの作品です。

■「テコ握り わたし豚だと 叫ぶ女(ヒト)」
以前に講演いただいた伴ピーアール株式会社の伴社長の川柳です。大阪土産に道頓堀のくいだおれキーホルダーを開発したことで有名な方です。

■「東京が なんぼのもんじゃと なみだ声」
こっちは吉本新喜劇で有名だった船場太郎の川柳です。

川柳と本には関係ない話ですが
■阪神タイガース優勝
この前の優勝ではなく、はるか昔の優勝の時です。長年、優勝しませんでしたので、ファンが狂喜乱舞。道頓堀界隈は異様な雰囲気でした。そして始まったのが道頓堀川へのダイブです。バースの代わりに放り込まれたのがカーネル・サンダースのおじさんで、これがために井上先生の「人形の誘惑」という名作が誕生しました。

他にも放り込まれそうになったのは、くいだおれ人形でして、この時は専務が機転をきかせて。「わて泳げまへんねん」という看板をかえてくれたお陰で事なきを得ました。

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2005.01.27

奥付の歳月

 【書 名】奥付の歳月
 【著 者】紀田順一郎
 【発行所】筑摩書房
 【発行日】1994/11
 【価 格】1835円



いろいろな本に関する話題が載っているのですが、教えられるところが多い本です。

■語源『ちゃらんぽらん』
 「ちゃらほら」の変化した語で『いいかげんで無責任なこと』と辞書に載っていますが、この「ちゃらほら」については辞書に示されていません。著者が読んだ本で語源について書いてある本があり、何とペルシャ語の「チャランド・オ・ポランド」が語源でした。

現代のイラン人はこの「チャランド」だけを切りはなして「いいかげんな」の意味にもちいています。つまり『ちゃんらんぽらん』は外来語だったわけです。イラン人は昔から胡人として日本でもおなじみの民族ですから、かなり昔に伝わったのですかね。

そういえば『ちんぷんかんぷん』は中国語の聞いても見ても解らないという「チンプトン カンプトン」が語源という説があります。こちらは戦争で中国から帰ってきた復員兵などが広めたと聞いたことがあります。
 
■敬遠
野球でよく出てくる言葉ですが、字を見たら分かるように「敬して遠ざける」という意味で論語が出典です。

孔子に知についてたずねると、「民の義を務め、鬼神を敬してこれを遠ざく、知というべし」と答えたそうで、意味は「人間としての正しい道をはげみ、神霊は大切にしながらも遠ざかっていること」が知ということのようです。

この『大切にしながら』が忘れられ現在の用法では面倒な相手には最初から接触せず、遠ざかるという意味に変わったようですね。

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2005.01.20

我が青春の考古学

 【書 名】我が青春の考古学
 【著 者】森 浩一
 【発行所】新潮文庫
 【発行日】2002/10/01
 【ISBN 】4-10-142123-4
 【価 格】438円


松本零士の漫画に「我が青春のアルカディア」という本がありましたね。MPU開発秘話で「我が青春の4004」(嶋 正利・岩波書店)というのもありました。

この本は考古学者の森先生が子供時代から考古学に目覚める多感な青春時代について書いたものです。第二次世界大戦の前後で、前方後円墳に塹壕が掘られたりなど大変な時代だったんですね。

勤労学生ということで工場に働きに行っていましたが、その賃金が出て地方があり、大阪では出たそうです。当時のお金で300円。今なら30万円ほどを一括でもらい、そのまま堺の古本屋さんに行き前から欲しかった「考古学雑誌」揃いを手に入れました。母親はよく300円使い切ったとあきれていたそうです。この後、堺は大空襲があり、古本屋さんも焼けてしまったんだそうです。

■山畑遺跡
近鉄・瓢箪山駅から生駒山に登っていくと郷土資料館がありますが、このあたりが山畑遺跡です。平地から80mほど高い山の斜面にあり、ここも森先生が調べられています。確かに登るのに息が切れる遺跡です。弥生時代の高地性遺跡で、当時はこのあたりまで海でした。少し北に行けば神武天皇が大和に入ろうとして敗退した盾津があります。

■考古学の基礎
対馬では民俗学者の宮本常一と出会うなど、全国を精力的に歩かれています。歩いて、見て、土地の人の話を聞くのが考古学の基礎の基礎で、机に座ってできる学問でないというのはまったくその通りです。

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2005.01.18

文学館探索

 【書 名】文学館探索
 【著 者】榊原 浩
 【発行所】新潮選書
 【発行日】1997/9/25
 【ISBN 】4-10-600524-7
 【価 格】1200円



1994年12月から1996年9月まで朝日新聞社名古屋本社版に「文庫探索」として連載されたものに加筆したものです。東海地方が比重的に多くなっていますが、北海道から九州まで載せられています。

■狩野亨吉文庫(東北大学)
江戸中期の思想家の安藤昌益を掘り起こしたことで有名な方で漱石の親友です。

人のいい人だったようで連帯保証してた友人の破産してしまいました。教え子などが援助の手を差し伸べたんのですが断わって、学生時代から集めた古書6万冊を手放します。これが文庫の元になります。東京からの移送には狩野の教え子で、古本屋を始めたばかりの岩波茂雄(岩波書店の創業者)が協力しています。

■斯道文庫(しどうぶんこ)<慶応義塾大学>
この文庫で育った有名な書誌学者は今やイギリスものですっかり有名なリンボウ(林望)氏です。

阿部教授が書誌学を教えたそうで、「現物をちゃんと見ろ。誰々がこう言っているなどとは言うな。自分で手にとって、自分で考えろ」が口癖で、この教えが林望氏の「ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総目録」などに結実されています。

■大惣
有名な貸本屋の大惣の話が早稲田大学演劇博物館のところに出ています。

名古屋市中区錦2丁目あたりにあったそうで、明和年間(1764年頃)に大野屋惣八が始めた本屋です。曲亭馬琴や十返舎一九ら江戸時代の劇作者と親交を結び、京都、大阪、江戸にも知られた日本最大級の貸本屋でした。

坪内(小説神髄などで有名な文豪)も日参したそうで、土蔵の中で近松などを読みあさったそうです。大惣は1897年に4代目が亡くなり売りに出され、本は四散してしまいました。

坪内はシェークスピアの日本への紹介や翻訳などを行い、それが今の演劇博物館の元になっています。

■野上記念法政大学能楽研究所
生駒山の麓にある宝山寺の名前が出ていました。別名「般若窟」で、般若窟文庫というのが能楽研究所に入っています。宝山寺には金春家旧伝文書が伝わっているそうで世阿弥や金春禅竹の自筆本も伝わっています。宝山寺が能楽に関係したとは知りませんでした。

■信州風樹文庫(諏訪市)
戦後、田舎では本を手に入れるのも大変で、村の先輩だった岩波茂雄に頼もうと上京して交渉して、ようやく本を手に入れました。

リュックに本を詰めていると、ヤミ米の買い出しと間違えられたりしたそうです。村で買えるようになったら自分らで買うので、それまでは寄付してほしいという申出に岩波書店はOKを出し、それ以来新刊が出るたびにずっと岩波書店から本が送り続けられました。

1982年に岩波が出した「レオナルド・ダ・ビンチ 解剖手稿」(定価150万円)も納本義務のある国会図書館に有料で納めたのに、ここには無料で寄贈しました。岩波の絶版書も全部ある貴重な文庫になっています。

■蓬左文庫(ほうさぶんこ)
尾張徳川家に伝わった文庫が元になっています。蓬左というのは名古屋の別称です。熱田神宮(海に近く、こんもりとした森に覆われている)を不老不死の仙人の住む「蓬が島」と見る伝説があり、名古屋城から熱田神宮は左に位置することから蓬左城と呼ばれました。

■村上忠順文庫(刈谷中央図書館)
若き森銑三が蔵書の分類、整理をして、これが刈谷図書館の蔵書となりました。森銑三もこの作業を通じて古書に親しみ、近世文芸史家として著名となるきっかけにもなりました。

索引は巻末にあるし、いい本ですよ。書名から検索できるのはすごいですね!

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2005.01.14

新宿中村屋 相馬黒光

 【書 名】新宿中村屋 相馬黒光
 【著 者】宇佐美 承
 【発行所】集英社
 【発行日】1997/10/30
 【ISBN 】4-08-774289-X
 【価 格】2800円



新宿中村屋の本です。

旦那の相馬愛蔵は「一商人として」という本を書いていますが、こちらは奥さんについてです。奥さんの名前は黒光(こっこう)と言います。(本名は良)

昔、新宿の中村屋でカリーライスを頼むと必ず蘊蓄をたれる人がいたようで「どうだ、うまいだろう。このなかにはヨーグルトという乳製品が入っているんだ。伝授したのはボースというインド人で、祖国でイギリス人の総督の命をねらった人だ。懸賞金付きで指名手配されて日本に逃げてきたんだが、そのインド人をあの人が救ったという話だ」とその頃まだ働いていた黒光を指して食べたそうです。

ウーン、今度中村屋のカリーライスを食べる時はぜひこういうセリフを言わねば。大阪の阪急地下の店ってまだ、ありましたよね?

それにしても、この黒光という人物は学生時代から色々なことに巻き込まれていたようです。明治女学校に入学した頃に、従姉妹と文士志望の国木田独歩の恋、結婚、破局につきあわされることになります。のちに有島武郎がこの従姉妹をモデルに「或る女」という小説にしています。

相馬愛蔵の書いた「一商人として」(岩波)が中村屋の歴史を淡々と描いていますが、この本は中村屋サロンなど黒光を中心に描いています。もちろんボースの話なども詳細が載っており、昭和19年10月に恩人だった頭山満が死んで、翌年1月にボースが57歳で死んでいます。

昭和19年の7月というと日本軍とチャンドラ・ボースが率いる印度国民軍がインパールから撤退した年で、20年8月は敗戦の年です。ボースだけではなくロシアや韓国などから追われた人々をずいぶん助けていたんですね。関東大震災の時には徹夜でパンを焼け出された人に値上げもせず配り、昭和の天河屋義平と呼ばれたり、義商という名前もありました。

黒光(相馬良)が死んだのが昭和30年で80歳でした。

明治から終戦にかけてを、時代の移り変わりと共に新しい視点を提供してくれる題材を豊富に備えた一冊です。

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2005.01.13

一商人として

 【書 名】一商人として
 【著 者】相馬愛蔵
 【発行所】岩波書店
 【発行日】昭和13年7月25日
 【 ISBN 】無し
 【価 格】200円 (古書値2000円)



元々は何がきっかけでこの本を探していたのか忘れてしまいましたが、何かの本に紹介されていて、読みたいなと探書リストに書き込みました。

岩波の発行書籍を探しても無く、とっくに絶版になった本です。岩波のホームページが出来た時は一番にこの本を探しましたが、ありません。こりゃ古本屋で探すしかないなと思っているうちに5年あまり、すっかりあきらめていたら、たまたま時間があって入った銀閣寺道近くの古本屋の一番下の棚の片隅にありました!探していたらいつかは出てくるものですね。

学生時代、用事で梅田に出ると昼飯は決まって、阪急3番街の新宿中村屋のカレーでした。梅田・地下2階の地下街を流れる川を見ながら食べるカレーは実に美味でした。その中村屋を作ったのが相馬愛蔵です。

元々はパン屋をやろうと考えていたら萬朝報(古いな!黒岩涙香でしたっけ?)の広告に「パン店譲り受け渡し」とあり、本郷の帝大前にあった中村屋というパン屋を買ったのがそもそもの始まりです。明治34年のことです。

■酒を売ろうとしたこともある
やがて近所でミルクやジャムを仕入原価ぐらいで売る店が現われました。調べてみると酒や煙草のマージンで、その安売りをやっているようでした。対抗上、酒の売りだしを決めたところ、どなりこんできたのが内村鑑三です。

「中村屋が悪魔の使者ともいうべき酒を売るとはなにごとだ!」とこの一件ですぐに取り止めに苦労しましたが、店を軌道に乗せることができました。内村鑑三とも親交のあった中村屋です。

■葉桜餅は中村屋から
開業3年目にクリームパンやクリームワッフルの二つが新案で生まれ好評でした。その頃、役場から小学生用に赤飯の注文があり、米を水の浸しておいたところに注文の取消があり、仕方無しに少しつぶし
て桜色をつけて餡を入れ、桜の葉を巻いて売り出した所、季節商品として新鮮だったのが大いに受けたそうです。よく売れたので定番として、そのうちに全国に広まったそうです。

■新宿中村屋に
開業5年もすると配達も広範囲に広がり、お客さんの方でも支店を出してくれないかという話がありました。そこで文士村だった大久保などの物件を探し、最終的に決めたのが新宿です。電車も単線で向かいの豆腐屋のブリキ板が風でバタバタ音をたてるような場末でした。明治40年のことです。

■なぜカレーライスか?
中村屋といえばカレーですが、そのためにはすさまじい事件があったんですね。

元々はインド独立運動が発端でインド人のボースがインドで革命運動に入り、インド総督に爆弾を投げるなどして、懸賞金がかかるようになりました。そこで英国の魔手から逃れるために大正4年に日本に亡命します。

英国政府もその事実をすぐに察知し、日本政府に身柄引き渡しを求めました。日本政府は昔から外圧に弱いので、すぐに応じる気配でしたが、マスコミと文化人がこれに反対!

これに中村屋が関わっていまして、外国人の出入りも多いから目立たないだろうとボースを夜陰にじょうじて姿を消させて、中村屋の裏にかくまいました。警視庁は上へ下への大騒ぎ、こうして4ケ月半かくま
われます。そうこうしている内に高圧的なイギリスの態度に政府でも反対の動きが出て、正式にボースを保護しようということになりました。

これが縁でボースは相馬愛蔵の長女と結婚することになり、日本に本場のインドカレーを紹介します。これが中村屋のカレーになったわけです。

相馬愛蔵はクリスチャンでもあり、日本の若い文化人(荻原守衛(ロクザン)など皆世話になっています)を育てた相馬愛蔵は商売人というより志士のような感じですね。こういうショーバイ人は本当に少なくなりました。それにしてもいい本ですね。岩波にぜひリクエスト復刊してほしい本です。

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2005.01.11

失われし書庫

失われし書庫
 【書 名】失われし書庫
 【著 者】ジョン・ダニング
 【発行所】ハヤカワ文庫
 【発行日】2004/12/31
 【ISBN 】4-15-170408-6
 【価 格】900円



「死の蔵書」、「幻の特装本」と同様に元刑事の古書店主クリフが主人公です。

毎回、古書の話題ありハードボイルドありと、楽しめる一冊です。
今回はリチャード・バートンの本がテーマで、南北戦争などをからめています。ミステリーになっていますので内容はこのくらいで

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2005.01.04

素敵な活字中毒者

 【書 名】素敵な活字中毒者
 【著 者】椎名 誠 選
 【発行所】集英社文庫
 【発行日】1983/9/25
 【ISBN 】4-08-751023-9
 【価 格】450円



よく売れている本です。買った本の奥付は1993年第18刷となっていました。

色々な人の作品から活字や愛書に関する部分などを抜き出して、まとめた本です。植草甚一氏の「J.J氏と神田神保町を歩く」なんかいいですね。高校生の頃、植草氏のJ.Jシリーズを読んだのを思い出しました。

J.J氏がペーパーバックのバーゲン本なんかをあさっていましたので、目をつけた本はあまり売れないという神話が広く信じられていました。おかげで安く値切ったりできていたようですが、若いJ.JファンがJ.J氏好みの本を買っていくようになり、相場が上がったというのもいいですね。

最後の解説が座談会になっていて目黒考二、鏡明と椎名誠でほとんど活字中毒者の病歴公開みたいな話題です。人の家でトイレを借りて、そこに雑誌とかが積んであると同好の士と妙に安心するというのはなるほどと思います。(そういえば家でも本を置くところがなくなってトイレに置いてあります。落ち着いて読むには最適ですね、あの場所は)

本好きの引っ越しがいやがられるののもなるほどと思います。あれは重さがいやがられるのではなく、同じ形のダンボールが次々に出てきて精神的にいやになるのだそうで、やっていると引っ越しではなく取次の配送をやっている気になるのだそうです。

前の前の引っ越しでは、まだ本を処分してなくて本のダンボールが20箱近くあり、手伝いに来た友人に「何じゃこりゃ、何とかせい!」と言われたのを、この本を読んで思いだしました。終わったらちゃんとお寿司で労をねぎらいましたが。

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2004.12.27

渋江抽斎

 【書 名】渋江抽斎
 【著 者】森鴎外
 【発行所】中公文庫
 【発行日】1988/10/25
 【ISBN 】4-12-201563-4
 【価 格】480円



森鴎外の中では渋江抽斎が一番いい作品だなどと折に触れて色々な本などで目にします。ですが鴎外と言うとやっぱり「高瀬舟」「舞姫」ですね。

舞姫と言えば、以前、そのモデルになった女性は従来の説ではなくもっと若い女性という新しい説が出てきたと朝日新聞で報道されていました。

さて、「21世紀に残す本」でしたっけ、あれにも10位で掲載されていましたので古本屋さんで目に付いた時に買って、読み始めました。

読むのには苦労する本です。原文からの引用も多く、けっこう忍耐がいります。エーもうやめよかなと思ったのですが、半分近くを読んだあたりから俄然面白くなってきます。

物語は森鴎外が古書漁りの趣味があり、武鑑を募集している話から始まります。どうも歴史小説を書くための資料にするためのようです。

集めた武鑑を見ていると本に弘前の渋江抽斎という蔵書印がよく出てくるのに気がつきます。同好の士がいるものと見えると調べていくと、どうも医官だったようで、自分と同じではないかとこの渋江という人物を興味を持って調べていくという話です。

途中からは抽斎の話になるのですが、主人公が半分ぐらい本が進んだところで亡くなって、残された奥さんや息子さんが明治を迎えての苦労話が続きます。実はこの息子さんと鴎外が会うことになります。

江戸末期から明治にかけての時代を描いている点が面白いです。慶應義塾ができたばかりで中学の先生をやっていた息子さんも英語を学ぼうと通うのですが、その時代の雰囲気や福沢諭吉の様子など興味深いですね。1回読むと2,3回読み返したくなる本です。ただ、初めの1回を読むのに骨が折れます。

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2004.12.26

書国彷徨

 【書 名】書国彷徨
 【著 者】八木福次郎
 【発行所】日本古書通信社
 【発行日】2003/5/17
 【ISBN 】4-88914-018-2
 【価 格】2000円



月刊誌「日本古書通信」で有名な八木福次郎氏の最新作です。平成15年に米寿になられたのを記念して出した本ですので、古書の話題が満載の本です。久しぶりに箱入りの本を手にしました。

■「日本古書通信社」の創業
7歳年上の兄が、神戸・元町の福音舎という新刊書店に勤めていた頃、ちょうど円本や岩波文庫が出始めた頃で、安い新刊書では本屋として魅力がなくなるのでは考え、古本屋をやろうと兄がまず東京へ出てきました。

昭和4年で、まず神保町の一誠堂の反町茂雄氏をたより一誠堂に入って5年間修行して、昭和9年に独立して「日本古書通信」を創刊します。ここらへんの話は反町茂雄氏の「一古書肆の思い出」に出てきます。

八木福次郎氏は中学を卒業して、昭和8年に東京へ出てきました。反町氏の紹介で古今書院に入り、ここで3年ほど勤めた後に日本古書通信に入ります。ちょうど業界紙から現在のような一般誌になる頃です。昭和38年に日本古書通信を譲り受けて独立されます。


「書国彷徨」に出てくる古書の話題です。

■「楚囚之詩」掘り出し
透谷の幻の「楚囚之詩」発見については紀田順一郎氏の本にも紹介されていますが「書国彷徨」にはその後が掲載されていました。

「楚囚之詩」は明治22年に発刊されましたが透谷が一部を残し、あとは断裁するよう発行所に言ったため、天下の弧本になっていました。昭和5年の古書展で山積の本の中に30銭の金額をつけられた「楚囚之詩」が出ているのを学生だった村田平次郎が気づきます。

学生が本を持って震えているのを石川厳が見つけ、本を見ると出ることはないと思われていた「楚囚之詩」が目の前に!「君、5円出すので、その本を譲ってくれ!」二人の周りは人が取り囲み大騒ぎに

珍本を掘り出されてしまった窪川書店には、その後、石川巌をはじめとする明治文学の研究者がおしかけるようになり、店主が勉強して明治文学書の専門店となっていきます。掘り出されたショックで窪川氏が何日か寝込んだというウワサはどうも伝説だったそうです。

ここまでは有名な話ですが、面白いのはその後で

■昭和36年にまた出る
業者の交換市に「万象画譜」という袋綴じの和本が出ました。この和本の袋綴じの入紙に「楚囚之詩」が入っていました。ほぐしてまとめてみると3冊分ほどになりました。この話は反町茂雄氏の「日本の古典籍」に出てきます。

この話が日本古書通信に掲載され、記事を読んだ読者が祖父の集めていた和本の「万象画譜」を確かめてみると、ここからも3冊分出てきました。「楚囚之詩」も「万象画譜」も同じ発行所でしたので、透谷が断裁するように言ったのを断裁しないで入紙に使ったのが真相のようです。

■藤村操
明治36年、「厳頭の感」を書いて華厳の滝に身を投じた藤村操と言えば、皆さんよくご存知でしょうが、藤村操は那珂通世の甥で、妹が安倍能成の奥さんで岩波茂雄が学友だったとまでは知りませんでした。

また「煩悶記」という、どうもまがいもののようですが藤村操が書いたいわれる本があります。これがなかなか市場に出ない本でしたが昭和55年に浪速書林の古書目録に出て八木福次郎氏が早々に注文しましたが売れた後でした。後で先に買ったのが谷沢永一氏だとわかったそうです。

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2004.12.25

江戸庶民の旅

 【書 名】江戸庶民の旅
 【著 者】金森敦子
 【発行所】平凡社新書
 【発行日】2002/7/22
 【ISBN 】4-582-85148-7
 【価 格】740円



「伊勢詣と江戸の旅」(文春新書)が面白かったのでこの本も読んでみました。

江戸時代の旅と言うと、なかなか大変なイメージなのですが雰囲気的にはテレビドラマの水戸黄門の旅に近いようです。

江戸時代の初期は戦国時代が終わった後で必要な者だけが旅しませんでしたが、後期になってくると物見遊山などで出かけるようになります。

護摩の灰もいましたが、普通に注意していれば何とかなったようです。病気になっても、村送りを頼むと、色々な村人が看病しながら宿場から宿場へと送り届けるシステムも整備されていました。

■三度笠の語源
今の宅配便のように途中から荷物を送ったり、お金を送ってもらうことも出来ました。これを行っていたのが飛脚で最初は月に三度、江戸と大阪を結んでおり、これを三度飛脚と呼んでいたそうです。この三度飛脚がかぶっていたのが三度笠なんだそうで

ただ女性が旅するのは関所など大変だったようです。ところが色々と商売を考えるのがいるようで関所手前から関所を通らずに抜ける道を案内する案内人がいたりなど商魂たくましくやっておりました。

巡礼などは死を覚悟で旅に出ておりました。道行く人の喜捨を受けながら旅をしていきます。四国には接待という風習があったそうで巡礼者には無料で食事やわらじが与えられたそうです。

宿願をはたして故郷に無事に帰りついたものが残した石塔がありますが「一宿一飯一銭一粒施主二世安楽」という文字で旅で受けた、「一宿一飯一銭一粒」の喜捨に感謝しております。この喜捨がなければ途中で死んでいたわけで、喜捨してくれた人々の「二世安楽」を願った願文です。

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2004.12.22

読破

GYROS「書物と電子書籍」を読んでいると「頭のリフォーム 養老先生、来訪。」(布施英利)に養老孟司先生の読書の様子が載っていました。

廊下でも、庭でも、本を片手に歩いているそうで、家では風呂でも読んでいます。こうなると当然、本がもたずにバラバラになります。つまり破けてしまいます。養老先生はこれを『読破』と言っていたそうで、まさしく読破ですなあ。

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2004.12.21

伊勢詣と江戸の旅

 【書 名】伊勢詣と江戸の旅
 【著 者】金森 敦子
 【発行所】文春新書
 【発行日】2004/4/20
 【ISBN 】4-16-660375-2
 【価 格】700円



副題に「道中日記に見る旅の値段」とついています。

川越し人足代が70文(約630円)
旅籠代一泊200文(約1800円)

などなど現代の価格に換算して、当時の旅の様子はどんなものだったのかがよく分かります。

■伊勢詣
伊勢の御師(おんし)は今で言うツーリストの元祖のような存在です。

各地に出向いて、伊勢暦を配ったりして講を組織化し積み立てをさせ、それで伊勢詣をする仕掛けを作りだしました。さしづめ旅行券の積み立てですね。

伊勢の手前の宮川の渡しを最盛期には1日15万人もが渡ったそうです。伊勢名物の伊勢うどんは殺到する客に対応するために生み出された日本最初のファーストフードでもありました。
→ 伊勢うどんは日本初のファーストフード!?

伊勢見物の後、京都巡りをする客も多かったようで、伊勢に京都の旅籠の手代が来ていて、荷物を先に京都まで送るサービスもあったそうです。まさに宅配便ですね。これですと客も必ず京都の旅籠に泊まりますので客を確保する狙いもあったようです。

■世界一安全な旅路
護摩の灰はいましたが、道中はけっこう安全だったようです。当然ながら病気で死亡したりということは覚悟の上でした。

当時は子供だけの旅も多かったそうで、色々な道中日記にその記述が出てくるそうです。色々な人の世話になって一回り成長して帰ってきますので、親も積極的に送り出したようです。「かわいい子には旅をさせろ」は本当に文字通りだったんですね。

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2004.12.20

ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏

 【書 名】ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏
 【著 者】岩田 博
 【発行所】無明舎出版
 【発行日】2003/7/10
 【ISBN 】4-89544-343-4
 【価 格】1600円



東京・世田谷で日本史、民俗学関係の専門書を発行する岩田書院です。創業は1993年6月で、社長一人だけの出版社です。

発行している新刊ニュースの裏面に「裏だより」という愚痴や業界話などを毎回つづったコーナーがあり、それをまとめた本になっています。創業した時からずっと掲載されていますがこれがなかなか面白い内容で出版の原価計算や決算報告などが出ています。

実際の数字で見ても専門書って儲からないんですね。

■700部出たら御の字
専門書の場合、大体売れそうな数字を想定して出していますが、500〜700部売れれば御の字で、中には300部しか出さない本もあります。売れないので必然的に定価も高くなり8000円前後。定価を半分にしても2倍売れないので何とも仕方がありませんね

初版の半分が売れたら制作費が回収でき、残りの1/4を売って諸経費が回収でき、最後の1/4が売れないと利益になります。ところが、この利益が出る本がなかなか出ません。

■教科書
数がはけ利益も出やすいのが教科書で、岩田書院でも何冊か作っています。ただし大学生もなかなか本を買わない時代ですので、先生も色々と考えるそうです。

中には
「見開き頁の片側がメモ欄になっている。前期と後期の試験の答案用紙が付いている。最初の頁は出席簿として、先生のハンコを押すようになっている。」
これは買うしかないですなあ。

■勉誠出版
「裏だより」を読んでいると勉誠出版の『人文学と情報処理』が紹介されていました。やはり勉誠出版って一般書というより少しひねった専門書が多い出版社なんですね。

他にも本を送ったのに金を送ってこないので、代引で請求した話やら部屋に入りきらずに玄関に置いておいた本が盗まれた話など面白い内容です。
→ 岩田書院

岩田書院の本は一般書店には置いてなく、神保町の書肆アクセスか地方小出版流通センターの直売店にしかないそうです。

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2004.12.19

旧豊宮崎文庫(伊勢)

金曜日に久しぶりに伊勢神宮へ行ってきました。

伊勢神宮の外宮(豊受大御神)を参拝した後に、入り口の池沿いに進むと茜社(豊川茜稲荷神社 )に出ます。茜社(豊川茜稲荷神社 )
伏見稲荷のようにずらっと鳥居が並ぶのが印象的な神社です。外宮の敷地内にある神社ですので、皆さん次回、伊勢に行かれた時はぜひお立ち寄りください。

ここは伊勢の古い神様のようで産土神の「あこねさん」が祭られています。1000年ほど前は赤畝「あかうね」と呼ばれていたのがなまって「あこね」となり、明治初期「茜」の字が当てられたそうです。

さて茜社から伊勢市郷土資料館に方へ向かうと、旧豊宮崎文庫があります。

旧豊宮崎文庫
建物はなく、塀と門だけが残っています。慶安元年に外宮の禰宜が発起人となり、町の有力者により創設された図書館&学校(外宮祠官子弟の修学道場)でした。明治に廃止となり、蔵書は現在の神宮文庫に引き継がれています。

伊勢市郷土資料館には日本初の旅行代理店(ツーリスト)だった伊勢の御師や河崎の商家の資料などが展示されています。文春新書から「伊勢詣と江戸の旅」という本が出ていますので、あわせて読むと面白いですよ。

→ 伊勢神宮

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2004.12.16

人間通

人間通   谷沢永一

買おう買おうと思っていましたが、買いそびれていて、この間リサイクル書店に並んでいましたので、やっと買いました。価格は550円でした。(定価1068円です)

一読した感じですが何か現代版佐藤一斎の「言志四録」を読んでいるようですね。面白かった話題をいくつか抜き書きで...

■人材
「天下に最も多きものは何か?」と秀吉が聞いた。「それは人でござります」と曽呂利新左衛門が答えた。反射神経の鋭い秀吉がすぐ畳かけて、「では天下に最も少なきものは何か?」と聞いた。すると打
てば響くように、「それは人でござります」と新左衛門が答えた。

いつの時代でも世間が傑出した人材を求めているという勘所をうまく言い現わした伝説ですね。

■購書
現代はあまりに書物が多すぎる。何を読んだらよいか迷いに迷う。

自動車が運転したいと思う人は独習が不可能だから自動車教習所に行く。その授業料として払う 30万円を誰が惜しいと思うか。それなら読書という明らかに一生を左右する重大な技術の獲得に、同じく30万円払っても不服はないはずだ。

と例えば日本経済の現状を知りたければどの1冊を読んだらいいかとケチくさい厳選趣味を捨てて、その主題に関係があるらしい本を1冊残らず買ってタクシーで帰ればよいと勧めています。

■通達
バブル経済の崩壊や、マンションや土地の資産価値の低迷は平成2年3月に出された大蔵省銀行局長土田が俗に総量規制と呼ばれる短い通達を全国のすべての金融機関に発したのが原因というのは、あまりよく知られていない事実のようですが、この「人間通」では「はりつけ」「鋸引き」「串刺し」「釜ゆで」にしろとなかなか過激です。

通達は平成2年4月1日から各金融機関は不動産業ならびに不動産関連事業に一切融資することまかりならんというただの紙切れ一枚でした。これで不動産関係にお金が回らなくなり、つまり血液不足で不動産不況となり、結局は日本中の担保価値が3割減ったことになります。

94年の2月にウイークリマンションツカサの川又社長に講演をしていただきましたが、「土地に担保価値があったのではなく、実は情報というものに価値があるのだ」とこの通達の話をされていたのが印象的でした。

「今は、世間の人達はバブルで儲けたゼネコンや不動産業界の連中が大変になって、ざまあみろと思っているでしょうが、やがて自分達のところに回り回ってくるということを考えていない」と現在の自己破産の急増や、マンション不況(売るに売れない)現状を見事に予想されていました。

■所有
芝居で長屋の熊さん八っつんに八丁堀の与力が、そこな町人と呼びかけたりするのは間違いである。町人とは横町でない大通りに間口の広い大店を構えている者の社会的身分を言い、その住宅は必ず持ち家でなければならなかった。

ただし、土地の所有が問題でなく借地であってもかまわなかった。つまりわが国の伝統意識では土地の所有が身分の条件とはみなされなかったのである。戦前は国民の8割が借家に住んでいた。

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2004.12.14

あったとさ

 【書 名】あったとさ
 【著 者】出久根 達郎
 【発行所】文春文庫
 【発行日】1996/6/10
 【価 格】450円
 【 ISBN 】4-016-757502-7



直木賞受賞者でしかも古本屋経営という変わった作家です。古本屋を舞台にした作品が多く、文庫が出るたびに買っています。

本の最後の解説が谷沢永一氏でした。出久根さん(杉並区高円寺の芳雅堂書店)の所の古書目録は変わっているという内容です。

何が変わっているってまず全部手書きの複写である点、いまどきこんな目録はほとんど無くなっています。そして著者名書名だけでは分からない本や、一見平凡だけど特色のある本は、その内容を説明する注記がついていて、これが親切丁寧でおまけに量が多いそうです。2000円ぐらいの売価の本にも注記がついているので手間を考えれば儲けなどはしれたものとあります。

こういうしっかりとした目録を作る古本屋さんて少なくなりましたね。大概は1、 2行で書名、著者名、出版社、出版年、ヤケなどの状況の目録だけです。

反町茂雄氏の弘文荘が出した古書目録は売っている本も古典籍で重要美術品になるような本ばかりでしたが丁寧な解説がふんだんについています。ですので今だに古書目録が安くても5000円、高いのになると1万を軽く超える値段がついています。これも目録が持っている資料的価値にあります。

読んでいて楽しい目録っていいですよね。

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2004.12.12

GYROS9「書物と電子書籍」

勉誠出版から昨日、GYROS9が届きました。
GYROS
月刊誌で、今回の特集は「書物と電子書籍」です。

10月頃に原稿依頼があり、その原稿が掲載された雑誌が昨日届きました。

「IT導入」に関するテーマであれば、専門ですので時々雑誌社などから原稿依頼があるのですが、今回のテーマは「古本屋商売」で、一体どういうルートで原稿依頼があったのか編集部に問い合わせても、よく分かりまでした。

諏訪春雄氏が責任編集している雑誌で、この諏訪氏のご指名だったようです。それにしてもこの諏訪氏とはお会いしたことがないので、何とも不思議です。

京都古書研究会の雑誌に古本屋などについて執筆したりしていますので、それをご覧になったのかな?

特集では下記の方が執筆されています。
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編集工学と「知」の挑戦/松岡正剛
正しい書物殺し/岡本俊裕
読書空間作りを学校図書館から/高鷲忠美
読む文化の向上を目指す/谷口 実
電子ブックの可能性/藤本一男
書物の将来/髙宮利行
図書館の未来/渋川雅俊
なぜ、読むのか/紀田順一郎
今なぜ活字文化か/甲斐睦朗
古本屋商売/水谷哲也
古本文庫本ビジネス/谷口雅男
本の江戸と明治/諏訪春雄
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大きな本屋さんに行くとありますので、ぜひご覧ください。
P150~P158です。

私の原稿の前が紀田順一郎先生の連載記事で、後が「ふるほん文庫やさん」の谷口社長です。とんでもない二人に囲まれ恐縮しております。

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@Nifty加入14年

読書日記とはほとんど関係ありませんが、@Niftyからメールが届いていました。

「アット・ニフティを14年間ご利用いただきまして誠にありがとうございます。」
メールによると1990年12月に当時のNifty-Serveに加入したそうです。パソコン通信の時代ってそんなに前になってしまったんですね。

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2004.12.09

森銑三 書を読む野武士

 【書 名】森銑三 書を読む野武士
 【著 者】柳田 守
 【発行所】リブロポート
 【発行日】1994/10/13
 【ISBN 】4-8457-0938-4
 【価 格】2000円



ジュンク堂難波店で一回見かけた時は買いそびれて(他に何冊か買っていてお金が無かった)、それから大型書店に行くたびに探していたのですが、なかなかありませんでした。東京に行った折に八重洲ブックセンターに置いてあって、さっそく買い求めました。

発行所のリブロポートと言うと私の連想では「たこやき」、そして小川道明ですが、民間日本学者シリーズを出しており、その38番目が森銑三です。森銑三は明治28年生まれで昭和60年に亡くなっています。

皆さんもあまりご存じないと思いますが、私も反町茂雄(弘文荘)を調べるまで知りませんでした。戦後に弘文荘を手伝っておられた方ですが戦前は人物研究で有名な方で色々な新たな発表をされています。

大学の先生とかそんなのではなく民間の本当の学者です。永井荷風が「いまの大学の先生なんか、案外無学な人が多いようだね。そこへ比べると、森さんというような人が本当の学者というんだよ」と言った話が残っています。

ただ学歴も無く、それがコンプレックスだったようで一生涯、野武士という気概で学会などと対していました。知的生産の技術研究会の顧問をお願いしている重里先生(現在は大阪産業大学教授)が慶応大学経済学部教授を辞めて、家業のすし屋の店主をされていた時期がありました。重里先生が「私は大学は辞めたが、学者はやめない」とおっしゃていたのも同じですね。決して象牙の塔だけが学者ではありません。

森銑三氏については中央公論から著作集(12巻、別巻1)と著作集続編(16巻 別巻1)が出て、補逸版が3巻出ているはずです。私も図書館で借りて、興味のある人物だけを読んだのですが、平易ないい文章ですね。また随筆もたくさん書かれていて、これは古本屋さんで手に入ります。

谷沢永一氏の人生の叡智でも取り上げられています。

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2004.12.08

梅棹忠夫の京都案内

 【書 名】梅棹忠夫の京都案内
 【著 者】梅棹忠夫
 【発行所】角川文庫
 【発行日】2004/9/25
 【ISBN 】4-04-376401-4
 【価 格】629円



知的生産の技術研究会でお世話になっている梅棹先生の最新刊です。と言いましても1987年に角川選書から出ていた「京都案内」を中心に加筆・修正したものです。

ですので少し古い京都の情報も入っているのですが、だんだん都会化し、今ではなくなってしまった京都の雰囲気を文章から味わうことができます。また梅棹先生ならではのするどい視点が面白いですね。

■京菓子 八ッ橋
京都のお菓子といえば八ッ橋ですが、あの反り返った形は昔の八橋検校の琴の形でした。八橋検校というのは江戸時代の箏曲の作曲家です。

■府立西京大学
江戸が東京になったので明治の始めに京都を西京と呼んでいたことがありました。ただし京都市民はなんで東京くんだりに合わさないといけないんだということですぐに廃れてしまいました。府立西京大学は今の京都府立大学です。

■ 大文字焼き ×
8月のお盆に行われる「大文字の送り火」ですが、「大文字焼き」という今川焼きの親戚のような言い方をする風情のない人も多く、こういう人は京都人にはきらわれるそうです。そう言えばテレビでも大文字焼きと言っているアナウンサーがいますね。

■京都に罵倒する数え唄があるそうです。
一(いち)びりやがって 
二(に)くいやっちゃ
三(し)ゃべりやがって
四(し)りもせんと
五(ご)てくさぬかすな
六(ろく)でもないこと
七(ひ)ねったろか
八(は)ったろか
九(く)そぼうず

■上(あが)ル、下(さが)ル
京都の地名と言えば「上がる」、「下がる」ですが昔は現在のようなたくさんの区はなく上京と下京の二つだけで境は二条通りだったそうです。

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2004.12.06

人生の叡智

 【書 名】人生の叡智
 【著 者】谷沢 永一
 【発行所】PHP研究所
 【発行日】1994/10/6
 【ISBN 】4-569-54478-9
 【価 格】1456円



ご存じ谷沢永一氏の本です。
谷沢永一氏については『読書手帖/引用の織物』の〔282〕東の百目鬼、西の谷沢〔276〕谷沢永一さんの本もぜひご参照ください。

→ 雑書放蕩記 読書の悦楽

登場しているのは富永仲基、末弘巌太郎、三宅雪嶺、森銑三、反町茂雄などなど

以前、新刊で見かけた時は手にとって、パラパラ見て何て難しい本だと思いました。紹介されている人物が始めて聞くような碩学の名前ばかりで。

また、人物紹介にも柳田泉やら何やらたくさんの人名が出てきて、今度はその人の業績などを知っていなければ、何が書いてあるのをよく分からなくなるという実に難解でおそろしい本でもあります。で、買わずにおいたのですが、古本屋の店頭で見かけて、今度は買ってしまいました。(笑)読んだら やっぱり難しかった...

■富永仲基

内藤湖南のおかげで、富永仲基の名前が世に出ましたが、この湖南も大変な人物でした。学歴のない典型的な独学者でしたが、42歳にして新設の京都大学に迎えられました。

ところが文部省の人事担当が「たとえ孔子さまでも学歴にないものを帝国大学教授でできない」と迷言をはいて、もめにもめたそうです。(文部省が折れるまで2年かかったそうです)

以前に、建築家の安藤氏が確か東大教授に任命されて話題になっていましたが(学歴がないのに教授ということで)全然、体質は変わっていませんね。

■木村毅

円本の始まりは関東大震災で関西へ移住した谷崎潤一郎が金策に困って改造社へ行き、1冊1円の廉価版で自分の小説を何冊か出してくれないかというのがきっかけで、これは有名な話ですがプランナーとして山本実彦社長が相談したのが木村毅だったんですね。

単純な作家の寄せ集めでは意味がない。明治以降の文学全門にわたって網羅して、研究資料としても活用できるものにしようと決め、各巻に著者、作家の肖像、筆蹟、書斎などを写真版として巻頭に、また巻末には著者年表を入れ、各作品には解説を付し、時代と作品、人物と著作などの関係も記述するスタイルでした。そして売り出された「現代日本文学全集」は売れに売れて、円本ブームとなりました。

木村毅は新潮社の「世界文学全集」のプランナでもあったんですね。こちらは40万の読者でした。

■森銑三

森銑三にはかなりのページがさかれています。谷沢氏もファンのようです。森銑三も内藤湖南と同じで学歴がなく独学者です。本を読む野武士と形容される方もいます。有名なのは西鶴の研究で「好色五人女」や「永代蔵」、「胸算用」など西鶴の作品と日本史で習いましたが、これって根拠がないことなのですね。

深い西鶴の研究で導き出した結論は「好色一代男」のみが西鶴の作品で後は西鶴の作品ではない。(編集にはたずさわったようだが)昔の本ですから、本には作者の名前もどこにもありません。これを論文にして発表しましたが、西鶴の研究者からは全く無視

学歴のない在野の者が言い出したものということで完全に黙殺(昭和30年頃)でした。谷沢氏は西鶴研究者の長老を名指しで批判しています。一人中村幸彦だけが真正面から受け止めて自分の論を展開しています。

■桑原武夫

現代風俗研究会(どっこで聞きましたね。多田道太郎さんのやっておられた研究会で、熊谷真菜さんも関係したところです)の文章教室の開講の辞(桑原武夫)

「皆さんは天才ではありません。ここでは、詩人や作家のような文学的文章を書くために訓練するのではありません。人さまに迷惑をかけない文章を書くことが、この教室の目的です。」いい言葉ですね。

■反町茂雄

ご存じ古書業界の鉄人です。

昭和20年ぐらいに京都で古俳書を見つけて、購入。その晩、天理に泊まったところに中山正善が「獲物があるはずだ、見せろ、見せろ」と酒の席でなったそうです。

本来なら販売目録に載せて、記録としても残したかったが、しぶしぶと古俳書を取り出した。一座の手から手へ渡り、最後にとった中村幸彦が「これは西鶴が若くして妻君を亡くした時、自分で作った追善集です。西鶴に妻君があった事がこれで始めて分かりました。」と興奮気味にしゃべる。

今では天理図書館におさまっている「独吟一日千句」の発見記ですね。これは元ネタは「天理図書館の善本稀書」(八木書店)にあります。

■山本七平

住友の家法 おもしろいのがあるんですね。

「幼年からまじめに働いているが、生まれつき能力のない者をどうするか。永久に下積みや解雇では、他の従業員の士気に影響する。そこで一応、役職につけるが、その時に有能な新参を補佐でつける。いわば年功課長と有能課長代理のコンビである。」

面白いのはココからで

「その新参のものが企業への忠誠心があり、裏表なく課長を補佐して働くなら抜擢する。」登用試験にもなっているんですね。

ウーン、それにしても難しい本です。出てくる人名でも初めて聞くような名前もあります。後、10年くらい本を読んで読み返すといい本ですね。


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2004.12.05

古本極楽ガイド

 【書 名】古本極楽ガイド
 【著 者】岡崎武志
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2003/9/10
 【ISBN 】4-480-03885-X
 【価 格】800円



古本の話題が満載の一冊です。

●古書村
ベルギーのルデュという23軒の古本屋が集まっている古本村を訪れる話が載っています。

丸善から出ている「世界の古書店」でイギリスのヘイ・オン・ワンが古書村によって村起こしに成功した話が載っていましたが、これが起爆剤になって、

今はヨーロッパ各地に10カ所以上の古書村が生まれているそうです。日本でもどこかでやらないかな?

●キョウスケくん
キョウスケくんという古書店に通う中学二年生が紹介されています。棚を見て、あっシブサワだ(澁澤龍彦)、タネムラ・スエヒロ(種村季弘)だ!と正しく

読んでいます。今のうちに古書業界で囲っておかないという声が上がっているそうで、こういうお客さんが増えたら古書業界も安泰なんですが

●変な名前の古書店
「スコブル」「ぷくぷく」「はっけよい」って、これ全部古書店の名前なんだそうです。大阪は意外とおとなしい名前が多いそうで、本店が「もうかりまっか」,

支店が「ぼちぼちでんな」だったら確かに面白いですね。

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2004.12.04

古本屋「ぽらん」

伊勢市駅か宇治山田駅で下りて外宮と反対側に300mほど歩くと河崎の街です。
kawasaki02.jpg
江戸時代、伊勢神宮への物資は船で大湊まで運ばれ、今度は小船で川をさかのぼり河崎の地へ運ばれました。さびれていたのですが古い商店街などが残り、今は何ともいえない懐かしい街になっています。

倉庫街を利用したおしゃれな喫茶店なども出来ていますが、その一角に古本屋「ぽらん」があります。2004年5月からこの場所へ移ってきたそうで、外観は全然古本屋さんらしくないおしゃれな古本屋さんです。「伊勢商人」という本を買ってきました。(火曜日定休です)

伊勢・河崎

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2004.12.02

知性派の読書学

 【書 名】知性派の読書学
 【著 者】紀田 順一郎
 【発行所】柏選書
 【発行日】1977/7/20
 【価 格】1800円 古書値2000円程度



「読書の技術」「続・読書の技術」に続く3冊目です。今度はエッセイ集を集めたような形でなかなか楽しめる1冊になっています。渡部昇一氏との対談(知的読書の方法)も入っています。おもしろい話をひろってみると...

■作家とコレクターの違い
蔵書家として知られる作家のY氏は、訪れた学生から「コレクターとしてお話しを伺に来ました」と言われ、即座に「僕は作家だよ。コレクターというのは、本を集めるだけで何もしない人のことだよ」とやり返しました。なかなか分かりやすい定義ですね。次の定義はいかがですか?

書物道楽者の4つの定義 徳富蘇峰「書物道楽の始め」
1、書物に対して熱情をもってこれを心から愛好すること
2、書物に対する相当の知識を有すること
3、書物のために時間を潰すことを厭わざること
  好書探究に若干の時間を有すること
4、書物を購求するだけの相当の資産を有すること

1、3はできそうですが 3、4は果てしない道ですね!

それからこの本で大いに納得するのは「知的生活に最も障害となるのは重病を除けば、家族と親族の問題がある。」という渡部昇一氏の「知的生活の方法」を引いた部分です。女房が重病になったり、子供が悪事をはたらいたら心静かに本を読んだり考え事などできるわけがない。とあります。

しかし、その後に「だが、知的生活とは何だろうか。実人生に正面から取り組むことの意義とくらべて、それほど重視すべきものかどうか。」となり、「いわゆる学者バカに徹しうるほど恵まれた環境の人は稀であり、そうした人が何かの業績をあげ得たとしても当然というまでの話だ。多くの研究者は、あらゆる悪条件と闘いながら業績をあげているのであり、だからこそ、”業績”として賛えられるのである。」と実に明解です。

様々な障害の中、知的生産を行うのは至難の業ですねえ。

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2004.12.01

現代読書の技術

 【書 名】現代読書の技術
 【著 者】紀田 順一郎
 【発行所】柏書房
 【発行日】1975/6/1
 【価 格】1800円 古書値(続も併せて5000円が相場のようです)



 【書 名】続 現代読書の技術
 【著 者】紀田 順一郎
 【発行所】柏書房
 【発行日】1976/6/10
 【価 格】1800円


紀田順一郎氏らしく古書や目録での買い方のコツなどの細かな本の情報が満載なのですが、それだけでなく情報の整理の仕方とかカードの使い方まで掲載されています。ちょっと出版年が古いので使えない部分(例えば目録販売している古書店一覧とか)もありますが、そのほとんどは今でも十分に活用できる内容となっています。

こまめに古書店を探すと出てくる本です。

この本から整理本に関するおもしろい話題をいくつか

■袋ファイルシステムは昔からあった
山根一眞氏の袋ファイルシステムですが元祖はかなり古いようです。この本には森銑三氏のシステムが紹介されています。

紹介されているシステムはまさしく袋ファイルシステム(文字通りの袋を使ったシステム)で大小の紙片に書き留めた覚書をアルファベット順にした小袋に入れて整理し、アならアの大袋があり、そこにアがつく冊子などを入れて整理していたようです。

アルファベット順といい、統一された袋を使うなどまさしく山根式です。5000を超える袋があったそうですが戦災で全て失ったようです。紀田氏も出版社から送られてくる茶封筒でこういう整理をされていたようで、こうなるとほとんど山根式袋ファイルですね。

■「超」整理法も昔からあった
ファイリングのところに紀田氏のやり方が出ていますが、古いものを捨てて新陳代謝をしなければならないとあって、選別に時間がかかるためフォルダーの内容を一度でも使用したものを最前列に収めておき、使わずにいつまでもあとに残ったものは、見ないで捨ててしまうとあります。まさしく「超」整理法で、これも昔から考えられていたシステムなんですね。

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2004.11.30

雑書放蕩記

 【書 名】雑書放蕩記
 【著 者】谷沢永一
 【発行所】新潮社
 【発行日】1996/7/15
 【ISBN 】4-10-384502-3
 【価 格】1500円



谷沢永一氏が小さい頃から大学院を卒業して関大の助手になるまでの読書遍歴と生い立ちが実にうまくミックスされています。子供の頃から本に関して実にいい教育を受けていたようですね。

でも生い立ちについては「いや、まあ、すごいなあ!」という内容です。
そら「人間通」が書けるようになるわけです。とんでもない人生を歩んでいる人ですね。高校時代なんてすさまじいものじゃないですか。よく関大なんか入って助手から教授までいったなあ、と思っていたらそこらへんの経緯も載っていました。

開高健氏との出会いなんかも載っています。きっかけはとんでもない事件を谷沢氏が起こしたからだったんですね。(本をお読みください。)

古本屋街だった頃の日本橋(今は電気屋街ですが)の風景なんかも出てきます。関大の不正入試事件やらも載っていて、こんなん書いてええんかいなというようなことまで載っています。

本の後記には谷沢氏もすでに66歳となり、蔵書家である時代は過ぎたと20万冊を超える本(ヘタな図書館より多い!)の処分が載っています。震災の影響もあったようです。

本を売りに行くと肝をきめて赤尾照文堂(京都の河原町通りに面した老舗)に電話して、昨年の2月ぐらいから合計4回に分けて処分されたそうで「蔵書1代」といいますが、まさしくその通りですね。 

それにしても赤尾照文堂、京都の繁華街にありますし、昔から品揃えがいいので京都へ行くとよく立ち寄るのですが、谷沢氏が売った当時、そんなに棚が変わったように見えなかったのですが。

谷沢氏は全連大市(全国の古書店の大入札会)に間に合うように処分されたそうなので市で全部売れちゃったんですかね。古本屋を回ると知らない間に谷沢氏の蔵書を手にしているか分かりません。

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2004.11.29

読書の悦楽

 【書 名】読書の悦楽
 【著 者】谷沢 永一
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】1998/11/16
 【ISBN 】4-569-57213-8
 【価 格】476円



どうも読んでいるうちにどっかで見たような文章が!

この本、昔買って読みましたっけ。また二重買いをやってしまいました。 (^^); もっとも前の本は古本屋さんに売ってしまって書棚からは消えております。谷沢永一氏の名前に飛びついて買ってしまったようです。

後書きを見ると単行本でPHPから「読書人の悦楽」というタイトルで94年に出ていたそうです。以前に買ったのはこの本です。これは単行本を文庫にしたもので、タイトルも微妙に変わっております。まあ2回読んでも新たな発見が色々とあるところが本の面白いところで

■谷沢永一氏の本の見漁り方
今、どういう本が出ているのか、出版業界がどういう状況にあるかということを知ろうと、まだ大阪にほとんど大型書店が無い頃に、大阪駅で手荷物を預けて(まだコインロッカーのない時代)旭屋書店をのぞいたそうです。左のポケットに白紙の紙をいっぱい入れて、何か書いたら右のポケットに入れる生活を続けていたそうです。けっこう怪しい客ですね。(^^);

■本の揃え方
・新刊で長く版を重ねる本は手元に置かなくても大丈夫 
・部数の少ない学術書でも図書館が有り難がって買う本も大丈夫 
他に古書界で大事にされている基本書や限定本も結局は何とかなります。問題は沢山ある関所のどこにも引っかからずに流れ去る雑書で自分に必要な物は見た時に買わないと2度と手に入りません。これは正論ですね。

私も相馬愛蔵の「一商人として」(岩波)をけっこう長い間、探していたのですが、京都の古本屋さんで見つけてからは2度とお目にかかっていません。それ以来、新刊で消えていきそうで欲しい本は必ず買うようにしております。

■新聞の読み方
谷沢氏が恩師に教わったそうで、朝起きた時は一番頭がさえている時で、そういう時に第一義的ではない新聞なんぞは読まなくてもいい、別に新聞を読まなくても不利益はない。朝起きた時には、本職の研究に取りかかるべきだ、新聞なんぞは夕方に頭がボーッとした時に読めばいいのだそうです。これも見識ですね。

■研究の仕方
これも恩師の教えだそうで、万葉集の研究をするにしても、誰も解釈のつかない難解な歌に喰らいつくのではなく、学問というのは足許の草むしりから始めるべきだそうです。誰もが依存のない、訓も解も定まっている和歌に間違いないかどうか再検討するところから学問は始まるのだそうです。

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2004.11.25

古本屋五十年

 【書 名】古本屋五十年
 【著 者】青木正美
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2004/6/9
 【 ISBN 】4-480-03969-4
 【価 格】780円



1982年に青木書店から自費出版の形で「東京下町 古本屋三十年」が出ています。これが1992年に増補再編集されて福武文庫から「古本屋四十年」として出ています。さらに10年分が付け足されて今度は「ちくま文庫」から出ました。

葛飾区堀切の青木書店店主の自分史で、開業から書かれています。すでに長男が後継者となり今ではネット通販を始められています。
▼青木書店
http://www.aokishoten.com/

青木氏が明治古典会という業者市の経営委員になった時の会長が反町茂雄氏で。その反町氏が平成3年に亡くなられる3ケ月前に青木氏に言った言葉が掲載されています。
「青木さん、欧米にはそれぞれの専門分野の古書を扱う古書店は存在してますが、もうとっくに日本にあるような街の古本屋はないのですよ。日本も遠からずそうなることを、あなたに言っておきます。」

これはどうですかね。身の回りをみてみるとどっこい生き残っていそうです。

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2004.11.21

神戸のジュンク堂へ

土曜日に神戸で仕事をしておりましたので、久しぶりに三宮センター街にあるジュンク堂三宮店をのぞいてきました。

ジュンク堂の名前の由来は皆さんよくご存知のように書籍取次会社を創業した「工藤淳さん」の姓と名をひっくり返したものです。息子の工藤恭孝さんは書籍取次会社に入社していましたが1976年に独立してオープンしたジュンク堂第一号店が三宮店です。少し前まで本店でもありました。

4階までありますが、上階へ行くほどフロアは広くなります。広いのですがジュンク堂大阪本店など見慣れているのでこんなもんだなという感じですね。しかし震災前に行った時は広くありませんでしたので、だいぶ増床したんですね。

ご存知のように阪神大震災の時には水道管が破裂して本が水浸しになってしまったり大変でした。店の改修に手持ち資金をほぼ使い果たしたにもかかわらず、この後、全国に大型店舗を増やしていきます。1号店でも座り込んで読めるスペースがきちんとありました。

そうそう棚に「なぜ人はジュンク堂書店に集まるのか」という本がありました。副題が「変わった本屋の元大番頭かく語りき」で、ジュンク堂関係者が書いた本です。震災時のジュンク堂の写真も掲載されており、当時ボロボロになった店内が映っていました。同じ場所で本を見ているなかなか得がたい経験ですね。レジまでこの本を持っていくのは気恥ずかしくって、結局買わずに出てきました。

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2004.11.18

本屋の法則

 【書 名】本屋の法則
 【著 者】池田良孝
 【発行所】同文書院
 【発行日】1998/4/17
 【ISBN 】4-8103-7498-X
 【価 格】1400円



■「試験に出る英単語」青春出版社
受験の時にお世話になりました。「シケ単」と省略して呼んでいましたが、これは関西の呼び方で東京では「デル単」と呼ばれていたのですね。知らなかったなあ。

■最後の1冊がなかなか売れない
平積みにした本で最後に残った1冊がなかなか売れないそうです。最後に残った本なので汚れているのではという読者意識が働くようで試しに残った1冊の上のもう1冊置くと、その1冊はすぐ売れるそうです。

■本の奥付には信用できないものがある
よく売れている本なのかどうか判断するのに奥付を見ますが本の刷り部数を自社の暗唱用にしている出版社があるという噂があるそうです。例えば奥付に24版とあるのは2万4千部刷ったという意味で重版台帳を見なくても奥付を見れば分かるという社内事情優先型の奥付をつけているところがあるらしいという話です。本当かな?

■こわい客
本屋にとって一番こわい客は黙って来なくなる客だそうで、転勤があったのでと信じたいのだが、対応がまずかったのか棚が駄目だったのか色々と考えるそうです。

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2004.11.17

本の運命

 【書 名】本の運命
 【著 者】井上ひさし
 【発行所】文芸春秋
 【発行日】1997/4/10
 【 ISBN 】4-16-352820-2
 【価 格】952円



小さい頃からの本にまつわる話をまとめたもので、おもしろいですよ。

■学校で学んだ宮沢賢治「雨にもまけず」
「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ」を「一日玄米二合三勺ト」教わったそうで、今考えると配給の分量とつじつまを合わせていたようです。

■オーストラリアの図書館
近所のおじいさんやおばあさんが子供の相談にのるボランテイアをやっています。電話が20ぐらいあってそれに対応しています。

「日本の首都は東京ですか?」という質問には「はい、東京です」とは答えない。必ず出典をあげて、しかも二つ以上あげて答えています。

「百科事典のブリタニカには日本の首都は東京とあります。アメリカーナもそうです。2つの百科事典がそう書いているので確かなようです」つまりクロス・リファレンスについても学ばせているわけです。

「今、道で草を摘んだけど、これ何という草ですか?」どういう格好しているのかから聞くと、子供は一生懸命その草の色、形を報告します。小さなトゲがある?など詳しく聞いていって、その間に他の人が助手になって図鑑を調べます。

「図鑑にようると、あなたが言っているのは野バラらしい。もう一つの図鑑とも符号します。今度それを持って図書館にいらっしゃい」子供は物を調べるときにどうすればいいかを学んでいきます。

■蔵書13万冊
井上氏の本がたまりにたまって13万冊という蔵書になってしまいました。しそれにしてもその道のプロというのはすごいもので井上氏と奥さんがどうもうまくいっていないという噂が流れた瞬間に古本屋さんがやってきたそうです。

「必要があったらうちが引き取ります」と3軒ぐらいやってき たそうです。どこから一体聞きつけるのかすごいですね。井上氏の蔵書は結局は生まれ故郷の町に図書館を作ってそこに収まりました。

本には石川淳さんの「本は市塵に返せ」言葉が出ています。
「本は町の塵の中に戻しなさい。収集家が個人的にしまっておくのは、本を知らない人のやることで、本は絶えず人の手に取ってもらうことで生きていくんだ」

 さあ古本屋さんに売りにいこっと!

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2004.11.16

本とその周辺

 【書 名】本とその周辺
 【著 者】武井 武雄
 【発行所】中公文庫
 【発行日】1975/10/10
 【価 格】380円 



筆者は昭和58年に亡くなられておりますが、童画、豆本の本作りなどで有名な方です。ですので文庫のカバーデザインも著者担当になっています。
 
昭和12、3年頃、1年あまりの間に母と二人の子供を亡くされたそうです。

この頃、読者の大学生から封書が届きました。

中の文章には、
「私はずっと前に幼い頃から先生の画で眼を開き、美しいものを知り、希望をもって育つことができた。この先生が伝え聞くところによるとお子さんを亡くなされてひどく落胆しておられるという事だが、もしこの事のために先生が再起されないような事があったら、これからのたくさんの日本の子供のためにこれほど不幸な事はない。だがしかし非力な自分にはどうする方法もないので、今日明治神宮に行って心から先生の元気の回復されるのための加護を祈願してきた。」

とお守りが同封されていたそうです。

これで失神状態で活を入れられ、児童文化などに多大な貢献をなす、武井先生の活躍がまた始まるのですがこれこそ紀田順一郎氏ではありませんが、”業績”ですね。

ほかにも本作りとかもされている方ですので、本にまつわる話も豊富で楽しめます。読んでいるうちに豆本を集めたくなります。そういえば、先日の青空古本祭りに豆本がオークションで出ていました。

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2004.11.15

古書狩り

 【書 名】古書狩り
 【著 者】横田順彌
 【発行所】ジャストシステム
 【発行日】1997/3/31
 【 ISBN 】4-88309-436-7
 【価 格】1600円



中学生時代に平井和正の「ウルフガイ」シリーズなどを読んでいた頃、ヨコジュン(横田順彌)のハチャメチャSFもよく読んでいました。

SF作家だったはずが(今も厳密にはそうですが)今や明治、大正時代のSFや冒険小説などの研究家としてもすっかり有名になってしまいました。

以前、日経新聞の日曜版に紀田順一郎氏と交代で古書に関するコラムを担当しており、これを読むのが日曜の楽しみでした。日本古書通信にも毎月「明治時代は謎だらけ」という面白い連載がありました。押川春浪の日露戦争秘話などはこの連載で知りました。

ジャストシステムから出ていますが表紙が古本屋の本がずらっと並んだ写真で、それを見た瞬間に条件反射的に買ってしまいました。

中は古書にまつわる小説が10ぐらいあります。無理やりSFに結び付けているような作品もありますが、各作品とも前半の古本屋や古書市を舞台としたところは実によく描けています。

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2004.11.10

ブックオフ

独特の棚で有名な千駄木にある往来堂書店のメルマガを読むと、近くにいよいよブックオフが出てきたそうです。前店長の時代からメルマガはとっているのですが、実は往来堂書店には行ったことがありません。(笑)

ブックオフは1990年5月に第1号店を出店し、今や全国で800店弱ほど出来ています。従来の古本屋さんと違って、敷居を低くしたのが成功の秘訣です。明るい証明と広い通路で入りやすくし、新刊書店に近いイメージにして、客からの買い入れも「買い取り」といわずに「本をお売り下さい」と客を向いた姿勢になっています。

定価の10%で買い取り、半額で売る基本システムで、外見によってアルバイトでも買い取りができるようにしました。これがチェーン展開できる大きな要素です。ただ、中身を見ずに買うので売れにくい本も機械的に買ってしまうリスクもあります。それで生鮮食料品のような管理をしているわけです。

また面白い言葉も作っていて

■毒林檎
汚れがひどくて廃棄すべき本で、その1冊のおかげで棚全体が汚く見えてしまう本のことです。スタッフも本を廃棄するのはもったいないという気になります。だが腐ったミカンのように周りのミカンにまで影響をおよぼすことを強調したいので、あえて毒林檎と名付けたそうです。生きた棚を作る仕掛けですね。

■ところてん
本は生鮮食料品のような管理を行い、店内に3ケ月置いて売れない本は、すべて100円コーナーに移動させます。押し出すように移動させるので「ところてん」なんだそうです。

新規出店時は本部から初期在庫が提供されますが、後は現地で買い取って現地で売るのが基本にるそうです。従来のFCともだいぶ異なります。

■キャリアッププラン
アルバイトやパートのモチベーションのために作られた人事制度で、仕事の慣れや年数で時給が上がる企業が多いですが、同社の場合は7段階に細かく分けて、より明示的にしています。

レジ打ちがスピーデイに出来るといくらという具合だそうです。また年に2回にパート・アルバイトの合宿が行われ、宿泊先はホテルで1人1室と、スタッフを大事に扱っていることを示すためにカネを使っているそうです。研修もモチベーションを高める研修が多いそうです。

ブックオフの課題
■大企業病対策
急成長しており、出店スピードが落ちてきた時に、ポストだけが増えてしまう大企業病が発生するおそれがあります。社の機能や部署をすべて小会社化して責任あるポストを作って、これを防ごうとしています。具体的には京セラのアメーバ経営をモデルにしています。

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2004.11.09

古本探偵追跡簿

 【書 名】古本探偵追跡簿
 【著 者】青木正美
 【発行所】マルジュ社
 【発行日】1995/1/1
 【ISBN 】4-89616-092-4
 【価 格】3500円



新札に登場している樋口一葉の幻の歌集の話、夭折した詩人「河田誠一」の追跡物語など3編から構成されていますが一番面白いのは「ある詩人古本屋伝」です。

筆者が下町の古本屋を開業していた昭和29年に関西からネオ書房という発行されたばかりの新しい書籍雑誌を安く貸し出す貸本チェーン店が進出してくると大騒ぎになったことがありました。

古書組合で貸本の新しいやり方の指導をすると話があり筆者が参加しました。その時に都崎友雄という人物から色々と説明がありました。この都崎という人物は元古書組合の理事という方で古書月報にも執筆されているようでした。

時代は流れて、ある市場で色々な人の日記に興味のある筆者がある若い詩人の日記を買ってみるとダダイストとして有名な詩人ドン・ザッキの名前がありました。

出版の経過など色々な話題が載っていたので調べていくと世界詩人という雑誌にドン・ザッキー(本名 都崎友雄)とありました。どこかで聞いた名前だな?

そして追跡物語です。

一人だけ知っていたのが本郷落第横丁で有名なペリカン書房の品川力さんでした。品川さんからゲーテ記念館の粉川さんが詳しいと聞いて、また追跡です。

謎解きが推理小説のような楽しさがあります。推理小説と同じで結末をしゃべっては面白くありませんので後は本でお楽しみください。

残り二編の追跡話も面白いですよ。
河田誠一の追跡話では昭和11年の雑誌に載った広告が出てきます。

「詩 月刊 毎月15日発行 定価 30銭 送料 2銭
 執筆者
  高村光太郎 中原中也 田村泰次郎 河田 誠一
  金子光晴 草野心平 宮沢賢治 .....」

何という豪華メンバー! 

この雑誌は結局宣伝だけで出なかったようですが、もし出ていて、それを所有していたら今、一体いくらなんでしょうね。

宮沢賢治などやっとさ評価されだしたまだまだ初めの頃ですし、田村が「肉体の門」で注目されるのももっと後ですので、やはりすごい豪華メンバーですね。そこに入っている今や無名詩人の河田誠一の追跡物語です。

一葉の幻の歌集の話は新聞にも出ましたし、けっこう有名な話です。

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2004.11.08

本屋一代記 京都西川誠光堂


 【書 名】本屋一代記 京都西川誠光堂  【著 者】松木貞夫  【発行所】筑摩書房  【発行日】1986/11/10  【ISBN 】4-480-85346-4  【価 格】1800円
先日の「青空古本まつり」(京都・百万遍)で荻書房の棚から掘り出してきました。京都の昔の本屋の本を京都で掘り出してくるというのもいいものですね。

明治36年に京都・丸太町通りの熊野神社の手前に西川誠光堂がオープンしました。名物女主人であるハルの物語になっています。これが大正から昭和にかけての時代の雰囲気や学生の様子、また円本騒ぎなど出版界の細かな話まで入っていて実にすごい内容になっています。著者は本当によく調べましたね。

西川誠光堂は元々は老夫婦が貸本屋としてやっていたものを譲り受けたものです。老夫婦が息子夫婦について満州に行くことになり、そこで向かいに住んでいた繊維会社に勤めるビジネスマンが奥さんに相談せずに譲り受けることを決めてきました。店番はもちろん奥さんです。後に主人もビジネスマンを辞めて本屋になります。

本屋なんかやったことのないハル(奥さん)は京都の色々な店をのぞいてみました。店に入ると、ここは女子供が来るような店ではないという感じで、店主がにらんでいる店が多く、あんな店にはしたくないジュンク堂にあるような長椅子を店に置いてみたり色々と工夫をします。

学生がやがて長椅子に座ってたむろし、ハルと世間話をするような店になっていきます。ちょうど市電ができたり、京都大学が学部を充実させていく時期で、やがて貸本屋から新刊書店に転換します。

大正時代から昭和にかけて京大生として学生生活を送ったもので西川誠光堂のハルの名前を知らない者はいないとまで言われるようになります。金がなければツケでもOKとしていましたので、そのまま三高から東大へ金を払わずに踏み倒していくものも大勢いたようです。東大の赤門前でえんま帳を持って見張っていたら一財産できるなと冗談を言っていました。学生が金のないときには店でご飯まで食べさせていた本屋です。

本の中には近衛文麿、西田幾多郎、菊池寛などなどそうそうたるメンバーが出てきます。皆、ハルの世話になったんですね。古本屋から出版にうつる岩波茂雄との交流の話も出てきます。岩波と直取引をする京都でただ一つの書店で学生の人気が高かった店です。知られざる京都の出版界の話などが満載の一冊です。

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2004.11.04

青空古本まつり(京都)

京都・百万遍・知恩寺で開催された青空古本祭りに行ってまいりました。
青空古本祭り
知恩寺の境内で開催され、地蔵さんの横に古本が並ぶという実に京都らしい古本市です。

ちょうど鐘楼前でチャリティー・オークションが始まっていました。
チャリティー・オークション

500円ぐらいから初めて、競っていきます。振り手が3回ほど値段を言って、それ以上の価格が出なければ落札です。20年ほど前に青空古本祭りが始まった頃は落札されると鐘楼の鐘をゴーンとついたと記憶していたのですが、このイベントはありませんでしたね。

会場は大勢の古書好きであふれておりました。青空古本まつりの写真はこちらにもあります。

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2004.10.25

ふるほん文庫やさんの奇跡


 【書 名】ふるほん文庫やさんの奇跡  【著 者】谷口雅男  【発行所】ダイヤモンド社  【発行日】1998/12/11  【ISBN 】4-478-95033-4  【価 格】1600円
先日、紀伊國屋書店が「ふるほん文庫やさん」と提携としたというニュースが出ておりました。紀伊國屋書店のWebサイト「Kinokuniya BookWeb」でふるほん文庫やさんが在庫として持つ絶版品切文庫の販売を開始するというニュースです。

さて、この「ふるほん文庫やさんの奇跡」は「ふるほん文庫やさん」の主人が書いた本で、実にすさまじい生き方をしておられます。

文庫だけの古本屋さんは絶対成り立たない(あまりにも単価が低すぎる)と総反対にあったそうですが、何とか現在まで続けています。本を読むと危機の連続だったのがよく分かります。ですが夢を追い続け、その夢に賛同したボランテイアの助けなどで乗り切っています。

本には文庫を全部集めた、図書館を計画して動き出しているという話が出ていますが、現在では「としょかん文庫やさん」のホームページが立ち上がっています。

店は元は三河豊田にありましたが、今は北九州小倉にあります。まあ移転を決めるドタバタが面白いですね。文庫に関しましては第一人者でしょうね。紀田順一郎氏と共に「ニッポン文庫大全」も出しています。

大体、この主人、店からの給料はほとんど無しでもっぱら奥さんに食わしてもらっているという猛者で、従業員からして、まともに給料が払われないのに働いているという実に奇妙な古本屋さんです。

ふるほん文庫やさんのホームページです。昔は、紫式部(インターネット古本屋)に店を構えていましたが、URLが変更になっていました。

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2004.10.21

街の古本屋入門

 【書 名】街の古本屋入門
 【著 者】志多三郎
 【発行所】光文社文庫
 【ISBN 】4-334-70458-1
 【発行日】昭和61年11月20日
 【価 格】390円



もう20年以上も前になるが、初めて古本屋に入ったのは京都で下宿生活を始めた頃である。丸太町界隈の古本屋に入ると奥でおばちゃんが三味線を爪弾きながら店番をしていた。そのかたわらには猫が寝そべっている。暗く日の光も店の奥には届かない。重厚な本の山がぎっしりと並んだ中で泰然と座って三味線を弾いている姿はなんとも妙である。そこには全然違う時間が流れていた気がする。

「古本屋っていいな!」とそれからずっと思っていた。本に囲まれた生活で悠々自適に過ごすのだ!! 日がな一日本に囲まれて生活できたらどんなに幸せだろうかと(多くの人が同じ思いになるようだが)

時は流れて学生生活は終わり、サラリーマン生活が始まる。

歳月が流れていく中で色々なことがあり、辞表を出そうと思ったことも2、3回ではきかなくなる。その頃はより現実的に独立という考えで古本屋を見るようになる。そして業界の研究(そう大層なものでもない)を始める。

そして、いかに大変な商売かを思い知るのである。まず第一に愛書家は古本屋には絶対なれないのである。どんな本も売買できなければ商売にはならない。

同じように一度は古本屋になろうと考えたあなた、古本屋業界に興味のある方におすすめの本である。

副題が「売るとき、買うときの必読書」となっていますので古本屋に出入りしている方はぜひおすすめです。いやこの本を読むと亭主たるもの店に座っているだけでは駄目で、市場や客買いで遠征したりと本の中に埋もれて生活というのは夢のまた夢とよくわかります。古本屋を開くための準備や経営の仕方も載っています。

というわけで古本屋になるのは、あきらめてしまいました。でもインターネット時代となり店舗無しでやろうと思えば出来る時代にもなってきたのも事実です。でも本を置く倉庫がなあ(笑)

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2004.10.18

古書街を歩く(新版)


 【書 名】古書街を歩く(新版)  【著 者】紀田順一郎  【発行所】福武文庫  【ISBN 】4-8288-3246-7  【発行日】1992/3/10  【価 格】700円
知研でもおなじみの紀田先生の著作です。古書全盛時代のデパートでの古書展の様子などが実におもしろく紹介されています。白木屋(現在の東急)などで行われた頃の話です。

開店前すでに100人前後にふくれあがったマニアが、ガラスのドアを押して侵入しようとするさわぎ。「良識ある行動をお願いします」とデパートの係員が叫ぶが、「早く開けろ、ケガ人が出るぞ」の声に圧倒されてしまう。

前方でガラスにへたばりついた者は、じっと店内を伺っている。何基あるエレベータのどれが早いか、それともエレベータを駆け上がるかといった思案をしている。

10時開店と同時に奇声を発して雪崩こんだマニアは2、3人の女店員をなぎ倒すやら、自分たちもツルツルに磨いた床に尻餅つく始末。首尾よくエレベータに殺到さた先頭の一団は眼をつりあげて乗りこむ
やエレベータガールの背中におしくらまんじゅうのようにすがりつく、これは他のところに入ると、奥におしこめられてしまい、目的の階を出るとき4、5秒の遅れをとることになるからだ。

エレベータガールは当然悲鳴をあげる。それをかき消すように、「もう満員!」「ノンストップで7階に直行」などと口々にわめく。

7階。ズラっと並んだ用品売り場の女店員の見守る中を、大の男が追いつ追われつの大レース

古書好きにはたまらない1冊です

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秋の古本まつり(学生時代)

「秋の古本まつり」が今年で28回目を迎えます。

毎回、「書林 其中堂」店主の三浦了三さんに目録を送ってもらっています。三浦さんありがとうございます。

「書林 其中堂」は京都の繁華街で修学旅行生などでにぎわう寺町通り三条を北にあがったところにあります。(すぐ近くに鳩居堂)「書林 其中堂」は仏教書の専門店で中に入ると店主越しに坪庭が見え、いかにも京都らしい古本屋さんです。

さて今から25年ほど前、学生時代に「秋の古本まつり」に初めて訪れました。京都大学の正門前に知恩寺というお寺があり、まず本殿で古本供養が行なわれた後に古書市が開催されます。紅葉の中、寺の境内に各古本屋がお店を拡げており、京都ならではの古書市です。

珍しいことに当時からオークションを行なっていました。古本屋が参加して行なう業者市ではオークションを行ないますが、一般客対象の古書オークションはここだけでしょう。

学生時代に参加した時は鐘楼の前が会場でした。振り手が本をかざし、参加している人が次々に値段を言っていきます。
「1000円、1000円 他ないか」
「1100円!」
「はい、1100円 他ないか?」
という調子で、しばらく応答がないと落札です。落札が決まると鐘楼の鐘をゴーンと!京都らしいですね。

古書市の戦利品は、知恩寺近くにある駸々堂という大きな机のある喫茶店へ持ち込んで確かめます。まさに至福の時ですね。

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2004.10.15

秋の古本まつり

今年も京大正門の目の前にある百万遍知恩寺で「秋の古本まつり」が開催されます。

日時:10月30日(土)から11月3日(水) 10時-17時
いつものように本の病院やオークションが開催されます。

詳しくは京都古書研究会を参照ください

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2004.10.14

古本屋の手帖


 【書 名】古本屋の手帖  【著 者】八木福次郎  【発行所】東京堂出版  【発行日】1986/3/10  【ISBN 】4-490-20101-X  【価 格】2600円
古書業界の月刊誌「日本古書通信」に掲載された文章などを中心にまとめ られたものです。日本古書通信が始まったのが昭和9年1月25日で八木 敏夫氏によって始められました。現在の八木福次郎氏は弟になります。

元々は大阪に大阪の古書相場を載せる雑誌があったのですが、東京でもや
ろうということで大阪の雑誌を出しているところに挨拶に行くと、東京で
始められる人を待ってましたと大阪の雑誌をそのままゆずられてスタート
することになりました。
ここらへんは反町茂雄氏の「一古書肆の思い出」に出てきます。最初は古
本屋さんのための雑誌で、月2回発行でした。

東京の相場を載せましたので古書の値が全国の古本屋に伝わることになり
ます。これですと田舎で相場の安い本を仕入れて、神保町で高く売るなど
のセドリができにくくなります。古書組合の反対とかにあって相場を載せ
れなくなり、編集方針を転換して、古書の話題を中心に古本屋さんや本好
きに読んでもらう雑誌の模様替えされました。戦後に月1回発行になった
ようです。1996年3月に通巻800号を迎え、63年と3ケ月かかっ
たことになります。

さて本から話題をいくつか
●世界最古の印刷物(実は韓国にもうひとつ古いのがある)
  百万塔陀羅尼教というお教です。 恵美押勝の乱の平定後に称徳天皇
  が発願されて764年頃からお教を印刷して小塔におさめて100万
  基を寺に納めたものです。現在伝わっているのは法隆寺だけです。

  だいぶ前に京都で印刷に関する展示会に出品されていました。ときた
  ま古書市場に出るようで昭和59年には430万円でした。

●北村透谷の「楚囚之詩」
  透谷が出版前に取り止めて、印刷屋に断裁するように指示して、この
  世には無いと思われていた本です。これの発掘話はあまりに有名です
  が、昭和5年に本郷で開かれた古書展に、この本が出ました。出した
  古本屋はそんなたいしたものとは思ってなかったようです。
  そしたら学生がそれを見つけて、ワナワナ震えています。隣で見てい
  た石川巌氏が学生が持っている本を見て「5円で売ってくれ!」とか
  話始めると二人を囲んで大変な騒ぎになりました。学生は逃げるよう
  にお金を払って本を持っていきました。

  出品した古本屋はショックで寝込むというような話もありましたが、
  この本によるとただの伝説だったようですね。ところが町の古本屋だ
  った窪川書店(掘り出された古本屋)に毎日のように掘り出し物があ
  るのでは石川巌氏のような明治文学の研究者が押しかけてきて、店主
  も必死で勉強してついには明治文学専門の店となりました。学生(後
  に高校の先生に)が見つけた本は石川巌氏が