2025/02/05

知能とはなにか

 【書 名】知能とはなにか
 【著 者】田口善弘
 【発行所】講談社現代新書
 【発行日】2025/01/20
 【ISBN 】978-4-06-538467-1
 【価 格】920円

■生成AI
単語(トークン)の位置関係を学んだ基礎モデル
・単語の地図を作る過程で知能というものをなぜか獲得してしまった
・我々が知能だと思っていたのは別に知能などではなく実行可能なタスクだった

■モラベックスのパラドックス
高度な知性に基づく推論より本能に基づく運動スキルや知覚を身につけるほうが難しい AIに常識を教えるのが難しい
1980年代にハンス・モラベック、ロドニー・ブルックス、マービン・ミンスキーが提唱
少年が「ジャイアントロボ、怪獣をやっつけろ」と命じれば怪獣を認識し戦闘をはじめられます

■深層学習の謎
膨大なパラメータを導入しても、なぜか過学習が起きない

■拡散モデル
既存の画像にノイズを徐々に加え最終的にはノイズだらけの画像にして、次に逆回転してノイズを消して元の画像を取り出す
この訓練を繰り返してノイズから画像を作るスキルがAIに身につける

■GAN 敵対的生成ネットワーク
生成器-ノイズから画像を作る-本物そっくりにするようパラメータをチューニング
判別機ー本物と偽画像を判別ー偽物と区別できるようパラメータをチューニング
最終的に本物と区別がつかない画像ができる

■トランスフォーマー
セルフアテンション-文を入力して穴埋め問題を解かせると、なぜか文中の単語の関係を学習する謎機能をもっている

■人間の脳
生成AIも人間の脳も現実のシミュレーションに過ぎず異なった限界があり、人間には錯視がある

→ 知能とはなにか

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2024/12/23

アップルはジョブズの「いたずら」から始まった

 【書 名】アップルはジョブズの「いたずら」から始まった
 【著 者】井口 耕二
 【発行所】日経BP
 【発行日】2024/11/08
 【ISBN 】978-4-296-20646-9
 【価 格】1000円

■インドでの経験
インドの田舎に住んでいる人は僕らのように知力で生きているのではなく、直観で生きている。そして唐らの直感はダントツで世界一というほどに発達している。

■角を丸めた四角形
丸や楕円形を描くルーチンを開発した技術者に角を丸めた四角形を描けないかとジョブズが聞き、技術者が渋い顔をするとホワイトボードなど角を丸めた四角形なものを指摘してまわります。

■iPod誕生
2001年2月、東芝から雑談で1.8インチ、5ギガバイトの超小型ハードディスクドライブがもうじきできるが用途を思いつかなくってという話を聞いたジョン・ルビシュタインがipodに使えると判断。東京マックワールドに出るためにホテルオークラに泊まっていたジョブズに連絡し、ジョブズは1000万ドルの小切手で即決。

曲単位のバラ売りをレコード会社に提案。レコード会社は渋っていたが海賊版で困っていたため応諾したことが大きい。

■iPad
「フォーブス・ドット・コム」の記事。記者が僻地の農場へ行った時に発売したばかりのiPadを子供に渡すと何も教えていないのに使い始める。文字もよめない6歳の子供が使い方を教えなくても使えるコンピュータをジョブズは作り上げた。これこそ魔法だ!

■イーロン・マスクのアルゴリズム
・要件を疑い、見直す
・部品や工数を減らす
・最適化してシンプルにする
・処理スピードを上げる
・自動化する
これを徹底的に行う

■アタリの創業者ノーラン・ブシュネル
大学を中退したジョブズを雇い、風呂に入らず周りから臭いと苦情があがると夜勤にするなど対策。鼻もちならない人を雇うこと。自分のクリエイティブな考えを他人に押し付けられるほどの自信をもてるのは横柄な人間だけかもしれない。

■語録
今日が人生最後の日だとしても、今日、する予定のことをしたいと思うか
人生を左右する分かれ道を選ぶとき、一番頼りにになるのは、いつかは死ぬ身だと知っていることだ
欲しいものを見せてあげなければ、みんなそれが欲しいか分からないんだ
ヘンリーフォード「なにが欲しいか顧客にたずねたら、足の速い馬と言われたはずだ」
昨日を思い悩むより、明日を作ろう
アラン・ケイ「未来を予測する最良の方法は、自分で作り上げることだ」
創造力というのは、いろいろなものをつなぐ力だ

→ アップルはジョブズの「いたずら」から始まった

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2024/12/15

コンピュータノスタルジア

 【書 名】コンピュータノスタルジア
 【著 者】長澤均、テクノタク飯塚
 【発行所】スタンダーズ株式会社
 【発行日】2024/11/10
 【ISBN 】978-4-86636-702-6
 【価 格】2600円

■オズボーン効果
1981年オズボーン1-なんとかポータブルで運べるパソコンで5.25インチFDDが2台、5インチのモノクロディスプレイ、OSはCP/Mでよく売れていましたが、競合がもっと軽いパソコンを発売。後継機を発表しますが出るまでに会社が倒産します。製品がプロトタイプ状態で発売環境ができていない状態から新製品の告知をすると既存製品の買い控えになる現象をオズボーン現象というようになります。

■ジェフ・ラスキン
マッキントッシュ開発をしていましたが居場所がなくなったジョブズがプロジェクトを乗っ取ってしまいます。退社したラスキンはキャノンの米国法人と組んでCanoncatを発売。半年で2万台を売ったところで発売中止になります。

■マッキントッシュ 1984
発表の日の夕方 プロジェクト・チームのいるビルの横にトラックが呼び出され、各人のネームプレートがついたマックをジョブズが一人ひとり手渡ししました。
マッキントッシュケース内には47人の刻印がありました。512K、PLUSも同じ金型が使われましたが1987年のSEで金型の寿命がつき、SEの後から刻印が消えました。

■Apple3
開発コードネームは「サラ」で開発者ウェンデル・サンダーの娘の名前

■SMC-70 SONY 1982
3.5インチFDDをパソコンで初めて採用
後にマックにも搭載されて世界標準になる

→ コンピュータノスタルジア

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2024/10/18

インターネット文明

 【書 名】インターネット文明
 【著 者】村井純
 【発行所】岩波新書
 【発行日】2024/09/20
 【ISBN 】978-4-00-432031-9
 【価 格】960円

■ビル・ジョイ
ベル研のケン・トンプソンが長期休暇をとってUCバークレーにやってきてUNIXの仕組みを教える授業をしていました。授業を受けていた一人がビル・ジョイで後にBSDをリリースします。1983年にリリースされたBSD4.2からARPANETの通信プロトコルが組み込まれました。前のバージョンであるBSD4.1を導入していた世界中の大学や研究所がバージョンアップしたとたんにTCP/IPでお互いが突如、つながることになります。BSDはオープンソースでしたのでOSやプロトコルの仕組みを学ぶことができました。

■IoT
MITのケビン・アシュトンがRFIDによる商品管理システムをインターネットになぞらえて「モノのインターネット」と表現したのが最初です。

■日本の無線LAN
日本のISMバンドは電子レンジとの干渉が問題になりましたが無線LANをひろげる必要があり見切り発車しますが、コロナのリモートワークで問題になります。家で電子レンジを使ったらオンライン授業などが切れてしまいました。2.4ギガヘルツ帯のIEEE802.gではなく5ギガヘルツ帯のIEEE802.aなどに切り替えれば回避できました。

■震災 2011.3.11
2011年に仮に停電したとしても3時間もたせるだけのバッテリーを基地局につけておくことが総務省のガイドラインとして整備されました。震災があっても基地局が通信サービスを提供できました。
切断された海底ケーブルは20ケ所ありましたが国内外から20隻以上集まって修復にあたりました。世界には100隻ほどしかありません。

■広告モデル
ラジオができた時、放送は全部タダで電波が届いてしまうから料金を回収することができず、ビジネスとして成り立たないから投資できないとアメリカの投資委員会で言われましたが、インターネットも当初は同じことが言われました。

■ルートサーバ
A~M 13のルートサーバーがあり、トップドメインのデータベースのコピーがあります。WIDEプロジェクトがMのルートサーバーを運用しています。アトランタオリンピックではアメリカのコーネル大学、IBM本社、ドイツのカールスルーエ大学、慶応大学SFC、イギリスのIBMに5つのコピーを作りアクセスが集中してもダウンしないようにしました。

■電子書籍
再販制度の対象外なので出品者が自由に価格設定できる

■ROADM(ローダム)
海底ケーブルを分岐させ光の波長で、ある地点で流れてきたデータを降ろしたりできる技術。北極海からきたデータを苫小牧でおろして東京へ送る場合、ケーブルを苫小牧につなぐ必要がありましたが今は苫小牧に分岐するだけでOKです。苫小牧でたくさん降ろせば北海道にデータセンターを作れます。

→ インターネット文明

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2024/07/23

サイバースペースの地政学

 【書 名】サイバースペースの地政学
 【著 者】小宮山巧一朗、小泉悠
 【発行所】ハヤカワ新書
 【発行日】2024/06/20
 【ISBN  】978-4-15-340026-9
 【価 格】1000円
 
■ラックの規格は19インチ(48.26cm)
データセンターで使用されるラックの幅で元はAT&Tが社内で使っていた棚の幅がデファクトスタンダードになりました。
 
■海底ケーブル
2024年1月現在、世界に574本 総延長140万km
ケーブルシップ 世界で50~60隻 日本ではNTT系とKDDI系の2社が担当
 
■ニイタカヤマノボレ
船橋市行田にあったのが船橋無線電信所
呉にあった長門から発信された「ニイタカヤマノボレ」は陸上ケーブル経由で船橋無線電信所の巨大通信所から発信されました。1971年に解体されました。

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2024/06/23

ChatGPTと一緒に仕事効率化アプリwつくる方法

 【書 名】ChatGPTと一緒に仕事効率化アプリwつくる方法
 【著 者】熊谷基継
 【発行所】インプレス
 【発行日】2024/04/21
 【ISBN 】978-4-295-40959-5
 【価 格】1680円

■ChatGPT3.5 2022年1月までの学習データ
 ChatGPT4 2023年4月までの学習データ

■GAS(Google Apps Script)
Googleが提供しているプログラミング言語(プラットフォーム)

→ ChatGPTと一緒に仕事効率化アプリwつくる方法

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ChatGPT 120%活用術

 【書 名】ChatGPT 120%活用術
 【著 者】ChatGPTビジネス研究会
 【発行所】宝島社
 【発行日】2023/05/24
 【ISBN 】978-4-299-04300-9
 【価 格】1264円

■Chat Generative Pre-trained Transformer
LLM(大規模言語モデル) 深層学習で入力された言葉の次にどの言葉が続く確率が高いか計算
計算は不得意、論理的な推論ができない

■できないこと
計算は不得意
論理的な推論

■便利な使い方
姓と名を分離できる

→ ChatGPT 120%活用術

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2024/04/27

教養としてのコンピュータサイエンス講義

 【書 名】教養としてのコンピュータサイエンス講義
 【著 者】ブライアン・カーニハン
 【発行所】日経P社
 【発行日】2020/02/25
 【ISBN 】978-4-8222-8873-0
 【価 格】2600円

■バイト
1956年にIBMのコンピュータアーキテクトであるワーナー・ブッフホルツが作った言葉。

■CAPTCHA
Completely Automated Public Turing test to tell Computer and Human Apart
コンピュータと人間を見分けるための完全に自動化された公開チューリングテストの略

■対数
2を底にして何乗したら、その数nなるかを表したもので2の10乗は1024ですがlog2 1024は10になります。

■コード
Google-20億行 2015年のGoogleカンファレンスでの講義
UNIX第6版 9000行のCとアセンブリ言語で記載(1975年時点)書いたのhケン・トンプソンとデニス・リッチー
Linux 1,000万行以上
Windows10 5,000万行

■バグ
Harvard Mark2でグレース・ホッパが死んだ蛾を見つけたことになっていますが、バグという言葉は1989年にさかのぼりエジソンが蓄音機に潜むバグを見つけようと2晩徹夜したという記載があります。

■ジオタグ(geotag)
データにつく位置情報

■公開鍵暗号方式
1976年 ホイットフィールド・ディフィーとマーティン・ヘルマンが発明 チュールング賞を受賞
本当は数年前にイギリス諜報機関GCHQの暗号担当であるジェームズ・エリスとクリフォード・コックが発見していたが1997年までに秘密にされていました。

■Hello world
最初のプログラムの例題に出てくる「Hellow World」はカーニハン教授がはじめたもの

→ 教養としてのコンピュータサイエンス講義

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2023/09/09

まるわかりChatGPT&生成AI

 【書 名】まるわかりChatGPT&生成AI
 【著 者】野村総合研究所
 【発行所】日経文庫
 【発行日】2023/08/10
 【ISBN 】978-4-296-11847-2
 【価 格】900円


■生成AIの業務での利用
テキスト-挨拶文などの原稿作成、記事やシナリオの作成、ドキュメントの要約、マニュアルの作成、議事録の作成
メール-返信などの下書き、問い合わせ対応
プログラム-作成、チェック
画像ー挿絵やイラスト、POP・広告、
動画ー動画作成、音楽作成


■ChatGPTでできる自然言語処理タスク
文章作成、機械翻訳、情報検索、質問応答、チャットボット、文章要約、感情分析、情報抽出、意味解析、概念超出、テキスト分類(スパムの検出など)、文章校正


Chat-GPTへの関心が高いのが日本でAIやロボットに対する受容性が高い国民性がある


■生成AIのアプリケーション
文章-ChatGPT Bard AI-Writer CharSonic
プログラム-CodeWP GitHub Codex Tabnine
画像-StableDiffusion、Dall-e、Craiyon Midjourney AdobeFilefly
音声-AmazonPolly MusicLM Amper Dadabots Harmonai
動画-Make-A-Video Gen-2


■データバイアス問題
サンプリングの偏りー台風の状況をTwitterから把握 スマホの所有率、ツイッター利用率が高い地域に偏る
マイクロソフトのチャットボット Tay ユーザとの会話で学習するAIを2016年に発表され1日ほどで公開停止

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2023/09/04

教養としての生成AI

 【書 名】教養としての生成AI
 【著 者】清水亮
 【発行所】幻冬舎新書
 【発行日】2023/07/25
 【ISBN 】978-4-344-98699-2
 【価 格】940円


GPTシリーズとはOpenAIが開発した生成系AIモデル。OpenAIはイーロン・マスクなどからの出資によって作られた非営利組織でしたが出資が打ち切られたためマイクロソフトから資金を得て営利企業に転換しています。2018年に大規模言語モデルであるGPT-1を発表し、現在はGPT-4になっているが、GPT-3からが悪用されるのを防ぐためにオープンしないことに変更されています。またGPTには2021年9月までのデータしかなく、これ以降は生成AIが造り出したデータがインターネット上にあふれている(汚染されている?)ための措置になっています。ただインターネット全体である種のバイアスがあれば、GPTもそのバイアスの影響を受けることになります。世間で話題になっているChatGPTは2022年11月に発表されたGPTを使うためのチャット型インターフェースになります。

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