2017/02/09

預言者 梅棹忠夫

 【書 名】預言者 梅棹忠夫
 【著 者】東谷 暁
 【発行所】文春新書
 【発行日】2016/12/20
 【ISBN 】978-4-16-661106-5
 【価 格】940円

筆者は東京の飯田橋にあった民族学振興会千里事務局東京分室で働いており「季刊民族学」などの編集をしていました。設立したのが梅棹忠夫です。それほど会ったことはないと書かれていますが、身近で見た梅棹忠夫を時系列で紹介しています。梅棹忠夫の生涯を書くような内容ではなく、言論人としてどうだったか、思想家としてはどうだったか、文化行政プランナーとしてどうだったかなどが、いろいろな逸話とともに紹介されています。

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2014/09/30

日本探検

 【書 名】日本探検
 【著 者】梅棹忠夫
 【発行所】講談社学術文庫
 【発行日】2014/09/10
 【ISBN 】978-4-06-292254-8
 【価 格】1,330円

梅棹忠夫著作集第7巻に収録された「日本探検」を文庫化した本。「文明の生態史観序説」と「知的生産の技術研究会」の間に書かれた本で、内容は福山誠之館、大本教、北海道独立論、高崎山、名神高速道路、出雲大社、空からの日本探検、日本探検始末記からなっています。日本探検となっていますが、秘境を旅するわけでもなく西日本を中心とした都市や町を訪ね、深い思考が語られています。

面白かったのが高崎山。猿の話なのですが、猿一匹、一匹の個体差を把握してはじめて猿の社会が分かるという研究を行ったのが京大の若い連中。文献をあたるのではなく、フィールドワークを行うことで初めて独創的な研究ができます。知らなかったのですがポリオワクチンってベンガル猿の腎臓を使って大量生産するんですね。このために日本でもたくさんの猿がつぶされたそうです。

日本探検の次テーマとして生駒山があったそうです。生駒山には電波の中継基地である鉄塔が林立していますが、日本の電波通信と放送事業の歴史と現状を考える企画を考えていたそうです。これは実現してほしかったですね。


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2012/12/22

梅棹忠夫

 【書 名】梅棹忠夫
 【著 者】山本紀夫
 【発行所】中公新書
 【発行日】2012/11/25
 【ISBN 】978-4-12-102194-6
 【価 格】820円

1989年頃から始まったのが著作集の編集、最終的に23巻となりました。目が見えなくなってから始めたのが筆債の返却。出版社に本を書くと約束しながら果たせなかった原稿を書き始め、あまりにたくさんの本を出すので月刊「うめさお」と呼ばれていました。

著作集の編集ですごかったのは各著作につけられた詳しい解説。どのような経緯で原稿が依頼され、反響はどうだったかまで書かれています。書誌情報も完璧。先日、知的生産の技術研究会・関西の25周年記念セミナーで梅棹研究室の三原秘書にセミナーをしていただきましたが、「知的生産の技術研究会」というフォルダーもあるのですが、会ができるきっかけとなった八木代表からの手紙は「知的生産の技術の反響」に入っていたという話を披露されていました。それにしても、すごい整理ですね。


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2011/08/23

梅棹忠夫 地球時代の知の巨人

 【書 名】梅棹忠夫 地球時代の知の巨人
 【発行所】河出書房新社
 【発行日】2011/04/30
 【ISBN 】978-4-309-97752-2
 【価 格】1200円

河出書房新社から出たムックです。巻頭には日本探検近江菅浦という未完となった草稿が入っています。日本ローマ字の会合で梅棹家の出身は菅浦であそこには菅浦文書と呼ばれるすごい古文書が残っているとおっしゃていましたが、その経緯がよく分かりました。

知的生産の技術研究会や日本ローマ字会で何回かお話をお聞きしましたが、目がご不自由なのに頭の中の記憶はすごい!言語や地理の話は聞いたことがない話や地名が山のように出てきます。このムックでも文明の生態史観から妻無用論、情報産業まで様々な角度で語られています。

アジアの語源 アッシリアに碑文があり、東がアスー(日いずるところ)、西がエレブ(日没するところ)とあり、このアスーがアジアの語源なんだそうです。

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2010/10/08

梅棹忠夫語る

 【書 名】梅棹忠夫語る
 【著 者】小川 修三
 【発行所】日経プレミアシリーズ
 【発行日】2010/9/15
 【ISBN 】978-4-532-26097-2
 【価 格】850円

先日、亡くなられた梅棹先生との座談集です。座談の名手だったと本に紹介されていますが、まさにそうで知的生産の技術研究会・関西と日本ローマ字会との合同例会で梅棹忠夫先生を囲む会を毎年、開催しましたが出てくる話題は森羅万象。まさに知の巨人でした。

岩波書店から出た「知的生産の技術」ですが、最初考えていたのは題名は「新筆墨論」。ところが連載中の文章を読んだ湯川秀樹氏が、これは技術論だなと言ったことから「知的生産の技術」になったそうです。

国立民族学博物館の五箇条の御誓文
ミンパクの理念に考えたものでバーのコースターの裏に書かれました。「ふかい学識、ふかい教養、ゆたかな国際性、柔軟な実務感覚、ゆきとどいたサービス精神」
象牙の塔だった学者の世界で、最後の2つは実にぶっ飛んだ考えでした。

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2009/12/30

情報管理論

 【書 名】情報管理論
 【著 者】梅棹忠夫
 【発行所】岩波書店
 【発行日】1990/1/12
 【ISBN 】4-00-002675-5
 【価 格】1,500円

国立民族学博物館の研究報告、民博図書館での書籍以外の資料のあつかいなどから、どう情報管理すればよいかのべられています。梅棹先生の本はよみやすいですね。漢字を吟味して使っており、句点がおおく、読みやすい文章になっています。

1979年6月に中央公論社から出された「梅棹忠夫著作目録」を出した時の逸話も載っています。書いた著作物をいかに管理するか、現物を保管するのが一番ですがスペースの問題など大変です。梅棹先生はこの後もしっかり管理され、米寿記念には「梅棹忠夫著作目録(1934-2008)」という目録だけで600ページもある大部な一冊を出されています。

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2007/08/14

世相観察 あそびと仕事の最前線

 【書 名】世相観察 あそびと仕事の最前線
 【著 者】梅棹忠夫 対談集
 【発行所】講談社
 【発行日】1991/10/10
 【ISBN 】4-06-205325-X
 【価 格】1800円

梅棹忠夫先生と各界の著名人との対談集です。神崎宣武氏の対談で出てきた話題です。

■神式結婚式
明治はじめに出雲大社の千家尊福さんが、キリスト教の結婚式を見て、対抗するには神道もやらなければと始まったのが最初だそうです。今では定番になってしまいました。

■土産
伊勢神宮で神饌のおさがりをもらうのがそもそものお土産の始まりで、昔は宮笥(みやけ)と言っていました。お参りした証拠になったのですが、おかげ参りなどで爆発的に宮参りが増えると参拝客目当ての土産品が登場し、現在の姿になっていきます。

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2005/12/20

文明の生態史観

 【書 名】文明の生態史観
 【著 者】梅棹忠夫
 【発行所】中公文庫
 【発行日】1974/9/10
 【ISBN 】4-12-200135-8
 【価 格】563円



学生時代に確か読んだ記憶があるのですが、久しぶりに読み返しました。

1995年5月に大阪のロイヤルホテルで行われた梅棹忠夫先生文化勲章受賞祝賀会でヨーゼフ・クライナーというドイツー日本研究所長が絶賛していたスピーチを聞いてからもう一度読まなければと思っておりました。

これも息が長い本ですね。1996年で20版となっておりました。

中洋の考え方など面白い視点です。しかも1956年に書かれた論文です。(私が生まれるまだ前だ)トインビーの「歴史の研究」に刺激を受けて誕生した論文だったとは知りませんでした。

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2005/12/19

文明の生態史観はいま

 【書 名】文明の生態史観はいま
 【著 者】梅棹忠夫編
 【発行所】中央公論新社
 【発行日】2001/2/20
 【ISBN 】4-12-003119-5
 【価 格】800円



以前、梅棹先生に講演いただいた時、質問に答える形式で行いましたので質問項目を考えるために読んだ本です。

講演『21世紀版 文明の生態史観』

生態史観では弱かった、海洋からの文明の見方を「文明の海洋史観」で発表された川勝氏との対談などをまとめて本にしたものです。1999年頃の対談ですので、その後の文明の生態史観についても色々とふれられています。

■「20世紀図書館」文芸春秋の特集 
20世紀の本で、後世に残したい本を政治家、財界人、文化人などにアンケートした結果

1位 司馬遼太郎「坂の上の雲」
2位 西田幾多郎「善の研究」
3位 夏目漱石「吾輩は猫である」
4位 梅棹忠夫「文明の生態史観」 

だったそうである。「文明の生態史観」はもう古典になってしまったんですね。

ユーラシア大陸の歴史を空間的に理解できるとんでもない理論で、40代以上の方には必読書でした。

→  『文明の生態史観はいま』

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