2017/11/18

お姫様は幕末明治をどう生きたのか

 【書 名】お姫様は幕末明治をどう生きたのか
 【著 者】河合 敦
 【発行所】洋泉社歴史新書
 【発行日】2016/01/23
 【ISBN 】978-4-8003-0801-6
 【価 格】930円

幕末の動乱を大名の姫たち15人がどう生き抜いたのかを追っています。家定の正室となった篤姫や家茂の正室となった和宮も登場しますが、あまり知られていない姫についても書かれています。慶喜の側室だったのが新村信。家は下級旗本の松平家。側室になる時に一橋家の用心だった新村猛雄の養女となります。また新村猛雄は明治20年代にも養子をもらい、これが後に広辞苑を生み出す新村出でした。

伊達家の娘だったのが伊達保子。亘理(わたり)伊達家へ嫁ぎます。戊辰戦争が終わると分家の亘理領が大いに減らされ生きる道は蝦夷開拓しかありませんでした。新政府からの支援もなく苦労続きでしたが私財を投じるなど、ようやく成功させます。伊達保子は「伊達開拓の母」と呼ばれるようになります。


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2017/11/15

なぜ地形と地理がわかると幕末史がこんなに面白くなるのか

 【書 名】なぜ地形と地理がわかると幕末史がこんなに面白くなるのか
 【著 者】大石 学
 【発行所】洋泉社
 【発行日】2017/10/19
 【ISBN 】978-4-8003-1336-2
 【価 格】900円

ペリーが開国を求めて来航しましたが江戸まで入りませんでした。これは当時の国際法に基づくものです。公海、領海、内水(ないすい)に分かれており浦賀から先の江戸湾は内水でした。ペリーが江戸湾に測量船を送り込んだ時、浦賀奉行与力の中島三郎助が内海に乗り入れることは認められないと抗議したことから江戸湾を退去しました。

江戸を守る台場は品川沖に作られましたが、江戸湾には江戸川や多摩川で運ばれた土砂が堆積していて大型船が入れるのは品川沖だけでした。ですので、ここに台場を築けば江戸湾の防衛ができました。

岩倉使節団はアメリカだけでなくヨーロッパもまわり、特にベルギーやスイスをまわり大国に囲まれながら、どうやって独立を維持しているのか学びたかったようです。

淡路島は兵庫県ですが、もともとは徳島藩の筆頭家老だった稲田氏に原因があります。幕末の徳島藩は佐幕でしたが、稲田氏は尊王攘夷派。維新後に淡路は徳島県から分離され兵庫県に所属することになります。


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幕末武士の京都グルメ日記

 【書 名】幕末武士の京都グルメ日記
 【著 者】山村竜也
 【発行所】幻冬舎新書
 【発行日】2017/07/30
 【ISBN 】978-4-344-98465-3
 【価 格】780円

副題は「伊庭八郎征西日記を読む」となっています。21歳の幕臣である伊庭八郎が将軍・徳川家茂の警備のために上洛することになり、その日記です。幕末の京都というと騒然としたイメージがありますが、日記を見るといろいろと観光に行き、ウナギやらいろいろな名物を食べたりけっこう平穏無事に過ごしていることがよくわかります。勤務は夜勤もありますが4日に1日程度の出仕でのんびりとした勤務だったんですね。

家茂が船で江戸へ戻るために大坂へ行った時は暗峠を超えて奈良まで一泊旅行もしています。伊庭八郎は陸路で江戸にもどることになりますが大津、草津を超えて石部宿で川留に会った時に新選組による池田屋事件が発生し、急遽、京都へ戻る以外はのんびりしたものです。途中、弟の具合が悪くなった時は亀山宿で藩主から医者を世話してもらうなどしていました。伊庭八郎は心形刀流の跡取りで剣士だったことから一目おかれていたようです。無事に帰った伊庭八郎ですが、そのあとは幕末の動乱に巻き込まれます。

家茂の2回目の上洛にも付き従います。徳川慶喜の軍制改革では遊撃隊入りし戊辰戦争を戦います。恭順を決めた遊撃隊から離れ、函館まで転戦。幕臣としての矜持をつらぬき五稜郭で亡くなりました。26歳でした。

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2017/07/09

司馬遼太郎で学ぶ日本史

 【書 名】司馬遼太郎で学ぶ日本史
 【著 者】磯田道史
 【発行所】NHK出版新書
 【発行日】2017/05/10
 【ISBN 】978-4-14-088517-8
 【価 格】780円

徴兵され満州で戦車兵として過ごし、理不尽な軍隊生活を経験した司馬遼太郎にとって、日本はどこで間違ったかが大いなるテーマでした。幕末を舞台にした「花神」では大村益次郎(村田蔵六)が主人公で、時代は火縄銃からライフル銃、アームストロング砲にとって変わられる時代です。村田蔵六は合理主義で暑ければ浴衣に百姓笠で長州防衛戦いの指揮をとります。司令官がこれですから、軍服をきちっと着ないと殴られる日本陸軍とは雲泥の差。

明治維新を迎え、「坂の上の雲」で描かれたように、ロシアに攻め込まれる恐怖のなか日露戦争を戦い抜き植民地化を逃れました。おかしくなりはじめたのは、この頃からでナショナリズムの暴走が始まります。これが愛国心だったらよかったのですが、ナショナリズムというのは「自分の家がかわいい」が肥大化し「自分の国がかわいい」であり、愛国心(パトリオティズム)になると「自分はたまたま名家に生まれついたのだから、一層きっちりして周りから尊敬される家にしよう」を国レベルで考えることになります。ノブレス・オブリージュという言葉があり、貴族やエリートは受けたものが大きければ大きいほど、社会に還元する義務が大きいという考え方にもちかいです。

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2017/05/13

千駄木の漱石

 【書 名】千駄木の漱石
 【著 者】森まゆみ
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2016/06/10
 【ISBN 】978-4-480-43358-9
 【価 格】800円

東京市本郷区千駄木町57番地に1903(明治36)年に夏目漱石が引越してきます。同じ家に一時期、森鴎外も住んでいました。現在、明治村に移築されて公開されています。この家でこ漱石は「吾輩は猫である」を発表し、文壇にその名を高めます。作品の中に猫のためのくぐり戸など家の様子が描写されています。

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2016/05/25

幕末維新の不都合な真実

 【書 名】幕末維新の不都合な真実
 【著 者】安藤 優一郎
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】2016/04/15
 【ISBN 】978-4-569-76542-6
 【価 格】740円

幕末の動乱、勝てば官軍ではありませんが勝者が歴史を作りますので、どうしようもない幕府を官軍が追い詰めたイメージがありますが、実は綱渡りだったことが分かる一冊です。

新政府を目指す側は徳川慶喜を排除しようと画策しますが、徳川慶喜の方が上手で大政奉還を行います。朝廷側に統治能力がないことをにらんでの戦略で、うまくいきそうになりますが鳥羽伏見の戦いで楽観的に臨んだために計算が狂います。

西郷隆盛率いる官軍に対し、勝海舟が談判し江戸城無血開城となりますが、そんな安直な話ではなく西郷隆盛も追い込まれていてギリギリの交渉がずっと続いていました。やり方によっては徳川が違う形で残る可能性も高かったのですが彰義隊の戦い、特に佐賀藩のアームストロング砲の威力によって潰えてしまいました。

徳川政権が幕末にどうがんばったのか隠れた歴史にスポットをあてています。しかし内戦による海外からの干渉を避けるために徹底恭順をした徳川慶喜、貧乏くじをひいたことを知りながら誠実に交渉した勝海舟はすごい人物ということがよく分かります。

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2016/05/06

幕末歴史散歩 京阪神篇

 【書 名】幕末歴史散歩 京阪神篇
 【著 者】一坂 太郎
 【発行所】中公新書
 【発行日】2005/08/25
 【ISBN 】4-12-101811-7
 【価 格】980円

京阪神を中心とした幕末の歴史ですが、けっこう埋もれた歴史を発掘しています。

■南御堂の門前で長州藩の下級武士2名が切腹
外国人と密貿易していた薩摩藩御用商人が殺されましたが、誰が犯人か分かりません。そこで久坂玄瑞が因果を含めて御用商人の生首の前で何の関係がない下級武士2名に切腹させたのが真相のようです。これで長州人気が沸騰。密貿易が暴露された薩摩藩は苦しい立場に追いやられます。まさに謀略ですが、赤報隊の話も含め、こんなことがけっこう起きていました。

■勤皇と佐幕
幕末の志士といえば勤皇、新撰組といえば佐幕という色分けがされていますが、どちらも尊王攘夷を目指していました。幕府を倒して目指すか、幕府が目指すかの違いしかありません。明治になってから長州出身の元勲・田中光顕は新撰組に資料を見て、同じような考えを持ちお互いに戦っていたことに驚いたそうです。

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2016/02/12

日本奥地紀行

 【書 名】日本奥地紀行
 【著 者】イザベラ・バード
 【発行所】平凡社
 【発行日】2000/02/15
 【ISBN 】978-4-582-76329-4
 【価 格】1500円

明治初旬、西南戦争が起きている時代にやってきた一人の助成。そして横浜から北海道まで旅行に挑みます。村々では外国人を見るのは初めてなので、どこでも集団に囲まれることになります。増水した川を渡るなど困難な旅が続きますが、盗難にあうこともなく旅を続けています。その面ではとっても安全でした。北海道ではアイヌの村々に泊り、アイヌの生活についても紹介しています。アイヌが祀っている神社へ案内されますが、祭っているのは義経。アイヌの人々にやさしかったというのが祭る理由のようです。義経は平泉で死なず、ジンギスカンになったという説がありますが、本当に北海道へ来ていたんでしょうか。

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2015/01/16

武士の絵日記

 【書 名】武士の絵日記
 【著 者】大岡 敏昭
 【発行所】角川ソフィア文庫
 【発行日】2014/11/25
 【ISBN 】978-4-04-409217-7
 【価 格】920円

「のぼうの城」で有名な忍城。幕末は松平氏の所領で、忍藩の下級武士に尾崎石城という人物がいました。この人が残した日記なんですが提灯や屏風の絵を頼まれるぐらい絵がうまいために残したのが絵日記。よく分かっていない武士の生活などがわかる資料になっています。

石城は下級武士なんですが町人や上級武士、またお寺などにもよく行って和気藹々とやっています。藩に意見をして降格され、妹夫婦のところへ居候している人物です。またよく飲んでいてエンゲル係数が高いのですが宵越しの金はもたない生活。下級武士の仕事は週に1回登城して番を勤めるぐらいで、金はないけど、なんともうらやましいですね。女性が夜中にひとりで帰っても大丈夫なようで治安もよかったようです。

幕末なんですが、あんまり悲壮感のようなものはなく、皇女和宮が江戸へ向かう時に近くに通ることになったため、居候していた妹夫婦の義弟が警護に出かけたぐらいです。明治維新後、石城は藩校の教頭に任ぜられました。日記でもよく本を読んでいたので、ようやくその才能が認められたようです。

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2014/11/18

司馬遼太郎が描かなかった幕末

 【書 名】司馬遼太郎が描かなかった幕末
 【著 者】一坂 太郎
 【発行所】集英社新書
 【発行日】2013/09/13
 【ISBN 】978-4087207057
 【価 格】821円

司馬遼太郎が「竜馬がゆく」で描いた坂本龍馬、「世に棲む日日」の高杉晋作は、あくまでも小説で、創作部分や描かなかった部分も多く、実際はどうだっかを述べています。司馬遼太郎は躍動感をもって小説を書いたので、小説に描かれた坂本龍馬や高杉晋作を実像だと誤解している読者も多いことが背景にあります。

高杉晋作を助けた政商として白石正一郎の名前がよく上がりますが、実際はそれほどでもなく入江和作が幕末の志士たちを援助し、高杉晋作の住居の世話や「おうの」の面倒もみていましたが小説には出てきません。

高杉晋作の辞世の句といえば「おもしろき こともなく世に おもしろく すみなすものは 心なりけり」が出てきますが、これも司馬遼太郎の影響です。実際は死の前年にいくつかよまれた句の一つでした。ただ、この句を辞世の句とした司馬遼太郎はすごいとも本に出ています。吉田松陰は現在でいえばテロリストのような存在だった、高杉晋作が行った英国公使館焼き討ちは反対に幕府を助けることになったなど、とても面白い幕末史になっています。


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