2018/04/26

悪代官はじつは正義の味方だった

 【書 名】悪代官はじつは正義の味方だった
 【著 者】山本博文
 【発行所】じっぴコンパクト新書
 【発行日】2018/3/16
 【ISBN 】978-4-408-33771-5
 【価 格】800円

「越後屋、お主も悪よのう」「いえいえ御代官様ほどでも」

時代劇でおなじみのシーンでしたが、実際はそんな代官はほとんどいなく薄給ながら民百姓のために頑張った役人が多かったそうです。なかには飢饉や地震で幕府の許可を得ず米蔵を開いて救民を助け、あとで責任をとり切腹していった代官もいました。ただ部下である手代で悪さをするのがいて、こうなると監督責任が問われます。

ただ一朝一夕では実現できず綱吉の時代に世襲不良代官を罷免し、実務的代官を登用をはじめます。代官の収入は収穫した年貢に比例しており不作となると大赤字になっていたのを改めて一定額の経費を支払う形に改めます。

ナイショの語源
現在のアメリカのように江戸時代は訴訟社会でした。民事訴訟が多かったのですが訴える方も村から離れて行かねばならず経費も日数もかかりました。そこで行われたのが示談です。表ざたにせず内々ですませることを内証といい、これがナイショの語源となりました。

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戦国武将の精神分析

 【書 名】戦国武将の精神分析
 【著 者】本郷和人、中野信子
 【発行所】宝島社新書
 【発行日】2018/04/23
 【ISBN 】978-4-8002-7817-3
 【価 格】800円

戦国武将を脳科学の分野から考える面白い一冊です。織田信長といえば典型的なサイコパス(反社会性パーソナリティ障害)のようで、特徴は外見が魅力的で、ナルシステッィックであう、恐怖や不安を感じにくい、他人に対して共感性が低い、人がためらうことを平然と行うがあります。

信長は比叡山の焼き討ちを行いましたが、この時に殺されたのが4000人で大体、東大の教員数と同じだそうです。現代に置き換えると東大に火をつけて教員を皆殺しにすることになり、本郷先生が講演で話をすると意外にうけるそうです。これはシャーデンフロイデで自分よりいい目を見ている誰かが痛い目にあうことで味わえる快感だそうです。松永久秀もサイコパスだったようで信長は意外に親近感をいだいていたようです。

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2018/04/22

陰謀の日本中世史

 【書 名】陰謀の日本中世史
 【著 者】呉座 勇一
 【発行所】角川新書
 【発行日】2018/03/10
 【ISBN 】978-4-04-082122-1
 【価 格】880円

本能寺の変の黒幕は秀吉だった、関ケ原合戦を引き起こしたのは徳川家康だったなど、何か事変が起きると最後に得をした人が実は黒幕だったのではないかと思われますが、そんなことはなく、たまたまでした。

■源義経
頼朝の許可を得ず後白河法皇から検非違使を任官されたことに頼朝が激怒したと、よく言われていますが、そんなことはなく頼朝の意を得たものだったようです。頼朝は平氏の補給路をたって持久戦で平氏に勝とうという戦略を組んでいたのを、義経は三種の神器も安徳天皇も壇ノ浦に失ってしまうという失態を演じてしまいます。

これだけが引き金ではなく頼朝の意向で伊予守という最高峰に任じたので検非違使を辞任して京都を離れるのが筋でしたが、後白河法皇が手放したくなったことから独自の軍事力を後白河法皇は持ちたいのではないかと頼朝に認識されてしまいます。検非違使を辞めなかったことがきっかけになってしまいました。

■日野富子
悪女として名高いですが実際は我が子である義尚が成人するまでリリーフを足利義視に頼んでいました。義視の奥さんは自分の妹でもあったので将軍の跡継ぎ問題が応仁の乱のきっかけになったわけではありません。「応仁記」を書いた側が印象操作したことから悪女のイメージがついてしまいました。関所を作って幕府財政を支えましたが徴収される側の民としては守銭奴のイメージがあったことも確かです。

■関ケ原の合戦
過去撃破を狙って上杉討伐軍を起こした家康ですが、まさか石田三成が挙兵するとは思わなかったようです。しかも毛利輝元まで担ぎ出したのでびっくり仰天、といったとkろが真相のようです。「内府ちがいの条々」という告発書で、ますます窮地に陥ります。そこで賭けに出ます。村越茂助を福島正則らに派遣して、各々が動かないから家康も動かないと告げ、これに発奮して岐阜城を攻め落とします。ここから流れが変わり関ケ原の戦いに突入していきます。

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2018/03/24

気象で見直す日本史の合戦

 【書 名】気象で見直す日本史の合戦
 【著 者】松嶋 憲昭
 【発行所】洋泉社
 【発行日】2018/03/19
 【ISBN 】978-4-8003-1439-0
 【価 格】950円

「桶狭間は晴れ、のち豪雨でしょう」の続編です。桶狭間の合戦では今川義元へ突進する前に豪雨が降り、織田信長にとってラッキーという通説になっていますが、実際はどうだったか古文書などから丁寧に解き明かしています。善照寺砦から中島砦を経て太子ケ根の麓から屋形狭間に攻め入ったとありますが、実際に中島砦へ行ったのは信長など一部で、大部分は別の道から太子ケ根に向かったようです。

豪雨で接近に気づくのが遅れ、兵も雨宿りのために陣形が崩れていたことは言えそうですが、実は晴れていても勝てる作戦だったようで、それよりも雨が降ると今川義元は田楽狭間ではなく、いちはやく大高城に入る選択肢もあり、こうなると奇襲は万事休す。豪雨は信長にとって複雑な心境だったかもしれません。

他にも関ケ原の戦いや元寇などが天気とともに取り上げられています。

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2018/03/01

竹中重門と百姓の関ケ原合戦

 【書 名】竹中重門と百姓の関ケ原合戦
 【著 者】三池純正、中田正光
 【発行所】洋泉社歴史新書
 【発行日】2018/02/19
 【ISBN 】978-4-8003-1397-3
 【価 格】980円

美濃垂井、関ケ原を支配していたのが竹中重門で竹中半兵衛の息子です。もともとは三成側で自分の城であった菩提山城の整備を行います。石田三成の戦略は菩提山城、松尾山城で関ケ原の隘路を防ぎ、中山道を遮断できる山中には大谷刑部が陣取ります。山中の先には玉の城山を整備しました。宇喜多秀家の陣では不破の関にあった土塁を二重にするなど活用しています。

家康が上杉攻めに出発するとすぐに毛利輝元などと連携をとり万全の準備をします。ところが竹ケ鼻城、岐阜城を家康側に落されたことから美濃の国人などは家康側に寝返ることになります。戦場となりそうな関ケ原の百姓を守るため竹中重門は家康側につくことになりますが、竹中重門は西軍の戦略を知っているため三成にとっては大きな誤算となります。南宮山に陣取った毛利勢は、どうも家康優勢の動きに大坂の毛利輝元とはかって日和見を決めた模様です。

島左近らが前哨戦で行った杭瀬川の戦いは家康側に守りの体制に入らせ、その隙に関ケ原へ移動することにあったようです。


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2018/02/24

壬申の乱と関ケ原の戦い

 【書 名】壬申の乱と関ケ原の戦い
 【著 者】本郷和人
 【発行所】祥伝社新書
 【発行日】2018/02/10
 【ISBN 】978-4-396-11527-2
 【価 格】800円

不破関、南宮山、松尾山に囲まれた関ケ原。関ケ原の戦いで有名ですが他にも青野ヶ原の戦い、壬申の乱の舞台ともなりました。不破関の東側が関東で、都では西側に関を設けず、東側にだけ設置しました。西から東への逃亡を防ぐとの、東からの侵入を防ぐ狙いがあります。東と西がぶつかる場所でもあります。

伊勢国司の北畠の拠点は陸奥守だった東北にありました。九州から攻め上った足利尊氏に京都を奪われたため、後醍醐天皇の命で京都に攻め上ってきたのが北畠顕家。足利軍とぶつかったのが青野ヶ原(関ケ原)です。結局は突破できず奈良で高師直の軍勢に破れ、堺で討死します。北畠顕家の軍事行動を指揮していたのが結城宗弘でした。

東西がぶつかる関ケ原ですが、家康によって統一されると関ケ原の地政学的な位置が変わり、伊勢-彦根ラインで江戸を守る形へと変貌していきます。


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2018/02/17

戦国武将 お墓でわかる意外な真実

 【書 名】戦国武将 お墓でわかる意外な真実
 【著 者】楠戸義昭
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】2017/12/15
 【ISBN 】978-4-569-76789-5
 【価 格】880円

戦国武将のお墓は一人の人物でも複数あり、家来や地元などいろいろな謂れで祀られています。
織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、上杉謙信、加藤清正、山中鹿之助、島左近、井伊直親・直政、津軽為信、龍造寺隆信、木村重成、高山右近、内藤如安が取り上げられています。

京都の白川沿いに明智光秀の首塚がありますが、目の前にある餅虎という和菓子屋さんが江戸時代から先祖代々守っています。明智光秀を介錯した家来が知恩院に首を運ぶ途中に夜が明けたので埋めたという説と討ち取られた首が本能寺と粟田口刑場でさらされた後に首塚に葬られたという説があるそうです。

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2018/02/10

歴史の愉しみ方

 【書 名】歴史の愉しみ方
 【著 者】磯田 道史
 【発行所】中公新書
 【発行日】2017/11/30
 【ISBN 】978-4-12-102189-2
 【価 格】740円

帯には累計10万部突破とあり奥付は12版になっていました。

■トカラ列島宝島
幕末に外国と対峙したというと下関戦争や薩英戦争が有名ですが、アングロサクソンと日本人が初めての地上戦を行ったのが宝島だそうです。1824(文政7)年に宝島に英国人(捕鯨船員)が上陸。薩摩藩の詰横目がいたので交渉を行いますが、言葉が通じないので身振り手振りで話をします。野菜などを渡したが対価を払うので牛が欲しいといわれたが、これを拒否。そしたら鉄砲をもって攻撃をしてきたため応戦。英国人一人が戦死し他は逃げ去りました。長い航海で牛が食べたかったのが原因のようです。

■伊勢氏
組織化されると計算が必要となります。奈良時代は民部省に主計寮(かぞうるつかさ)がおかれ、中央財政の収支計算を担当。税は主税寮(ちからのつかさ)が担当します。幕府では政所執事が統括しましすが、この役目を鎌倉時代は二階堂氏、室町幕府では伊勢氏が担当します。この伊勢氏の一人が伊勢盛時で後の北条早雲となります。

■直江兼続
関ケ原合戦が終わったあと、直江状などを送った直江兼続はおとがめなしとなりました。直江兼続が処罰されると毛利や島津の家老連中が次はウチだと領国にたてこまれると大坂城の動きしだいで、どうなるか分からなくなります。それで家康は助命したという話が「玉滴隠見」に掲載されているそうです。

■堅田元慶
毛利輝元の寵臣で、関ケ原合戦で毛利を西軍にした中心人物のようです。安国寺恵瓊が吉川広家に相談したが吉川は毛利秀元と相談した方がよいと言ったのを安国寺恵瓊は無視して毛利輝元に堅田元慶と共に大坂へ来るように要請し、これで石田三成に味方することになります。関ケ原合戦の後、家康は安芸・周防・長門の3国と堅田の切腹を要求しましたが毛利輝元は拒否。周防・長門の2国に減らされてしまいます。

■島津の退き口
島津勢は腰さし鉄砲を侍も足軽ももっていて、すごい重装備の精鋭部隊だったようです。絶大な火力でしたので井伊直政など徳川の要人が軒並みやられてしまいます。

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2018/02/08

一揆と戦国大名

 【書 名】一揆と戦国大名
 【著 者】久留島典子
 【発行所】講談社
 【発行日】2001/11/10
 【ISBN 】4-06-268913-8
 【価 格】2200円

「日本の歴史」26巻シリーズの13巻です。一揆といっても江戸時代の百姓一揆ではなく、中世の一揆はある目的をもって組織や集団をつくることでした。神仏に誓う形で一揆を組成し、相互対等の関係でした。この神仏に代わっていったのが戦国大名です。

■徳政令
借金の棒引きですが貸す方にしたらたまったものではありません。大和国宇智郡の百姓連判状が残っていますが、これは蔵本(貸す方)に10年は徳政をしないので、お金を貸してという内容。

■東西の通貨圏
江戸時代に江戸の金遣,大坂の銀遣という言葉が生まれましたが戦国時代にその萌芽があったようです。毛利氏がおさえていたのが石見銀山。銀貨幣の流通が始まります。東国の北条で流通していたのは西国では信用が低下していた永楽銭です。東は銭貨が中心でした。そこで伊勢商人は西国で永楽銭を代金として受け取り東国の支払いにあてていました。信用度が東西で違っていたので為替差益にちかいものが得られたそうです。しかし東でも銭の信用度が落ち始めると金山の多い東国で金を銀山の多い西国で銀が使われるようになります。

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2018/02/02

日本史劇場信長たちの野望

 【書 名】日本史劇場信長たちの野望
 【著 者】金谷俊一郎
 【発行所】ベレ出版
 【発行日】2017/12/25
 【ISBN 】978-4-86064-517-5
 【価 格】1600円

戦国時代を分かりやすく北条早雲から織田信長が本能寺の変で倒れるまで各武将の年齢を記載しており、この歳にあの事件が起きたのかなど身近に感じることができます。例えば桶狭間の合戦は織田信長19歳、今川義元42歳、松平元康(徳川家康)27歳の時でした。三好三人衆と争い、織田信長の上洛を待っていた松永久秀は59歳という、当時ではかなりの高齢だったんですね。

上杉の名跡を継いだ上杉謙信はもともと長尾景虎という名前でしたが、この長尾家は古く、古代の東漢氏(やまとのあやうじ)の子孫。源平の合戦では平家につきますが平家が滅亡するすると鎌倉武士の三浦氏に仕えます。ところが北条氏に三浦氏が滅ぼされることで生き残った長尾氏は関東に入ってきた上杉氏の筆頭家臣となっていきます。

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