室町ワンダーランド
【書 名】室町ワンダーランド
【著 者】清水克行
【発行所】文藝春秋
【発行日】2024/05/30
【ISBN 】978-4-16-391850-1
【価 格】1600円
■百王説
足利義満のころに天皇家が100代で滅びるという終末思想が流行っていました。一説には後小松天皇が99代とされていました。
■吉田神道
吉田兼倶が広めるための古文書などを捏造しブランディングしていきます。徒然草の兼好法師ですが兼の字があるというところから吉田氏の先祖に組み込んだようで吉田兼好というのはフェークのようです。
吉田神社では起請文のクーリングオフを引き受けていました。禁酒を誓っていましたが、よんどころない事情で飲んでしまい、起請返しをお願いできませんか、といった願いに対応していました。ただし祈祷料は1貫200文(約12万円)と高額でした。
■使いをつける
興福寺が新たな課税をかして備前荘という荘園の百姓とトラブルになった時、使者を送り込むとおどしました。職員が現地に居座って饗応を要求するいやがらせになります。
■拝観料
金閣寺や銀閣寺は拝観料ではなくお守り札になっています。京都市が導入した古都保存協力税への反対の名残です。
■ワリカン
蒸し風呂をまるまる借り切る「留め湯」が5百万(5万円)ほど。
皆で出し合って借りるワリカンを合沐(ごうもく)と言いました。
■偏諱
将軍から一字をもらいますが相場は「義」で5千~1万疋(500万円~1000万円)でした。
■片目
近衛信ただという公家の日記によると伊達政宗とともに毛利輝元、秀吉も片目と記載されています。
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