2008.07.09

古本道場

 【書 名】古本道場
 【著 者】角田光代、岡崎武志
 【発行所】ポプラ文庫
 【発行日】2008/6/5
 【ISBN 】978-4-591-10349-4
 【価 格】560円

古本を極めた岡崎師匠の指令のもとに古本屋修行のためにせっせと各地の古本屋さん巡りをします。これが、掛け合い漫才のようなやり取りになっていて、なかなか楽しめます。

神保町、早稲田、鎌倉、田園調布といろいろと特色のある古本屋さん巡りをし、最後は古書会館の古書市です。

うまく東京へ金、土曜に行く機会があると古書会館で古書市が開催されていることが多いので、なんとか時間をつかって神保町へ行っておりますが、こうなると初段ぐらいはもらえそうですね。
ただ、この弟子がすごい人(直木賞作家)なんで、でウルムチやブタベストなど世界各地を訪れた時も古本屋巡りをしており、こりゃすごいわあ!

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2008.03.01

古本病のかかり方

 【書 名】古本病のかかり方
 【著 書】岡崎武志
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2007/10/10
 【ISBN 】978-4-480-42381-8
 【価 格】780円

表紙が処方箋になっていてなかなかしゃれていますね。

■カッパブックスの名前の由来
光文社にカッパブックスというシリーズがあります。「頭の体操」など昔よく読んだシリーズです。カッパブックスという名前の由来ですが光文社社長の神吉晴夫が清水崑の家へ原稿を取りに行った時、家の前に色紙がぶらさがっていました。色紙には鳥居を前に拝んでいるカッパの絵が書かれていて、「神吉大明神さま、お待ちください。たのみます」と書かれていたそうです。原稿が遅れたことのわび状が名前の由来とは面白いですね。

■百万遍界隈の古本屋
京大の近くの百万遍界隈に古本屋がたくさんあり、私も学生時代はよく行っていました。竹岡書店、井上書店、吉岡書店など懐かしい名前がこの本では出てきます。よくハイライトで昼飯を食べ、古本屋で買った本を進々堂に持ち込んで大きな机でコーヒーとクロワッサンを食べながら読みましたね。

■書物を売る名言
薄田泣菫の言葉だそうです。「書物を売るとい事は、書物を買うのと同じように人間を賢くするものだ」
なるほど。

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2007.12.10

本棚探偵の回想

 【書 名】本棚探偵の回想
 【著 者】喜国雅彦
 【発行所】双葉文庫
 【発行日】2007/10/20
 【ISBN 】978-4-575-71338-1
 【価 格】819円

前作、「本棚探偵の冒険」に続く2作目です。3作目は「本棚探偵の生還」になるそうです。というぐらいのミステリー好きの作者です。集めている本も半端じゃないですね。残念ながら漫画の作品は見たことがないのですが、エッセイは読んでおります。前作の「ポケットミステリー」を探す話は抱腹絶倒でしたね。

今回は、初めて神保町を訪れた頃の感動を思い出すために全ての店でミステリーを探す「すべては俺の店」が面白かったです。私も初めて神保町へ行った時は定番通り神田駅で降りました。まあ神田神保町という名前から安直に神田駅で降りるのはお約束ですね。今ではなるべく金曜にあわせて東京へ行く用事をいれ、神田古書会館でよく開催される古書市をのぞくまでになっています。

また日下三蔵氏の蔵書を見に編集者と一緒に訪ねるシーンがありますが、すさまじいですね。本の山、山、うらやましいですがとてもマネはできません。

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2007.10.30

京古本や往来 特別号「紡」

仏教書専門書肆「其中堂」さんに「京古本や往来」を送っていただきました。

「京古本や往来」は京都の古本屋さんが集まった京都古書研究会が出していた機関誌で残念ながら100号でいったん休刊になっています。今年設立30周年記念ということもあり特別号「紡」として出されました。

表紙には1978年11月に百万遍・知恩寺で開催された青空古本まつりの写真が掲載されています。なんで第一回じゃないんだろうと思って中を読むと、第一回目は京都古書店地図を配って、各店で協賛のセールを行う形で実施されていたんですね。実質的な古書市は2回目からでした。

確かこの頃、新聞を見て「青空古本まつり」行った覚えがあるので、ひょっとすると初参加はこの第2回目かもしれません。単なる古書市ではなく京都らしく古本供養から始まり、境内で始まったオークションでは落札されると寺の鐘がゴーンとなって実に京都らしかったですね。

当時、学生でしたが集めていたSFマガジンの一括ものがオークションで出ていたので初参加ながらがんばって落札しました。重い目をして下宿まで持って帰った覚えがあります。落札し鐘の音を聞くのはなかなか風情がありました。

そうそう、昔、京都古書研究会20周年の「京古本や往来」に雑文を書いていたんですが、まだ京都古書研究会のホームページに残っていました。 >> 仮想古本屋の時代

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2007.10.19

古本蘊蓄

 【書 名】古本蘊蓄
 【著 者】八木 福次郎
 【発行所】平凡社
 【発行日】2007/10/1
 【ISBN 】978-4-582-83373-7
 【価 格】2500円

著者の八木福次郎氏といえば古書好きの月刊誌である日本古書通信を出されている、あの八木福次郎氏です。その日本古書通信に連載されたコラム記事をまとめたものです。それにしてもお元気で92歳なんですね。

■日本最初の喫茶店
 明治21年4月13日 上野西黒門町で開店した可否茶館
 創業者は国姓爺合戦の主人公・鄭成功の子孫です

■甲子園の語源
 西宮市に建設された甲子園球場ですが建設が始まったのが大正13年。甲子(きのえね)の年だったので甲子園になりました。


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2007.08.09

古本屋サバイバル

 【書 名】古本屋サバイバル
 【著 者】小田光雄、河野高孝、田村和典
 【発行所】編書房
 【発行日】2001/3/20
 【ISBN 】4-7952-3750-6
 【価 格】1700円



「出版社と書店はいかにして消えていくか」等の著者である小田光雄氏と駒場東大前にある河野書店店主・河野高孝氏、浜松にある時代舎店主・田村和典氏の対談集です。ブックオフ問題など古本屋をとりまく状況などが分析されていて、これが面白いですね。

■静岡・音羽町の赤春堂
北原白秋の白秋に対抗してつけた店名の古本屋で、客が入ると店の電気がつき、店内をぐるっと見て何も買わずに出ると、背後でぱちっと電気が消える店なんだそうです。恐ろしそうな古本屋ですね。

■店主を試す客
「国訳妙法蓮華教」を持ち込んだ客が、「この本が何か分かりますか?仏教書なんていったら帰りますよ。」と一言。店主が「何ですか?」と聞いたら、「この本が何か分かったら私の蔵書を売りましょう。」との返事。店主はしっかり宮沢賢治と答え、商談成立に。古本屋さんは昔も今も勉強ですね。

■店主よりも棚に詳しい客
お宅の座っているところの左から3番目の上から2段目の右から何番目にこの本があるから取っといてと電話がかかってくるそうです。恐ろしい客ですね。

■古本屋に来る客は車を持っていない
面白い分析が出ていて、古本屋に来る客で車を持っている人は少ないそうです。

■ブックオフの参入
ブックオフへは他産業からの業態転換が多いのですあ、背後に郊外型店舗の賃貸借契約があるという分析がなされています。ペナルティを払わなくてはいけず撤退ができない。それなら出店費用の低いブックオフという動きがあるそうです。なるほど。

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2007.07.23

読書の腕前

 【書 名】読書の腕前
 【著 者】岡崎武志
 【発行所】光文社新書
 【発行日】2007/3/20
 【ISBN 】978-4-334-03394-1
 【価 格】780円



古本屋さんなどの著書で有名な岡崎氏の最新刊です。書店で見た瞬間に買っておりました。

■京都三大祭
京都三大祭と言えば、葵祭、祇園祭、時代祭ですが、古書好きにとっては京都古書研究会主催の春の「岡崎・みやこメッセ」、夏の「下鴨神社・糺の森」、秋の「百万遍・知恩寺」で開催される古書市を言うそうです。なるほど。

■目録やネットで買わない
古本道の出世すごろくの話が載っています。
1.新刊書店で買える本を安く買うために古本屋へ
2.絶版、品切れ本を見つけ出す喜びを知り古本屋へ
3.古本市、即売会へ出かけるようになる
4.目録やネットで買うのが主流になる

3までは私もやっていますが、4は筆者と同じでほとんどないですね。最大の理由は性に合わないということでこれも筆者と同じです。やはり古本は見て買わないと、それに探求書を古本屋の店頭などで見つけた喜びは一度味わうとやめられませんね。

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2007.06.02

ブンブン堂のグレちゃん

 【書 名】ブンブン堂のグレちゃん
 【著 者】グレゴリ青山
 【発行所】イースト・プレス
 【発行日】2007/06/01
 【ISBN 】978-4-87257-785-3
 【価 格】1100円



大阪駅前第3ビルの古書街に寄ると、ワゴンに5,6冊積んでありました。しかもビニールに入っており、なんで古本屋で新刊書を売っているのだろうと思ったのですが副題が「大阪古本屋バイト日記」に惹かれて買ってきました。

中はコミックでしたが、これが笑えますね。夜間の専門学校に通うのに便利がいいと選んだのが古本屋さんでのバイト。ところが変な店主や変わったバイト仲間、また古本屋へ来る客も変な人ばかり。18歳の乙女が迷い込んだディープな大阪の古本屋の世界が紹介されています。

竹中労のお父さんって竹中英太郎という江戸川乱歩や横溝正史の挿絵を描いていた画家だったんですね。古書店主も驚いていましたが、私もこのコミックを読んで始めて知りました。

主人公がバイトしていたのは1980年代半ば頃で、この時期ってよく阪急古書の町に立ち寄っていましたが、こんな若い女性の店番っていたかなあ。作品は彷書月刊に2003年6月~2007年4月から連載されたものに、現在の大阪の古書店などを取材したものが加わっています。古書好きおすすめの一冊です。

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2006.11.08

ぼくはオンライン古本屋のおやじさん

 【書 名】ぼくはオンライン古本屋のおやじさん
 【著 者】北尾トロ
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2005/02/10
 【ISBN 】4-480-42067-3
 【価 格】780円



オンライン古本屋さんで有名な杉並北尾堂さんの開業前から開業、開業後10ケ月間の記録です。もともとはたまった本の処分から初めたんですね。またずっと専業だと思っていたんですが本業はライターだったんですね。

「街の古本屋入門」は実店舗開業の話でしたが、店舗資金や店の棚を埋める本の仕入れ代などがかなりかかります。それに比べオンライン古本屋はパソコンがあれば始められる事業ですので週末起業で始めるには最適です。

開業へ向けてのノウハウや毎月、どれぐらい利益があがったかなども記録されていて参考になります。そういえば京都のざくろ書房さんや四谷書房さん等、身近なところでもオンライン古本屋さんを始める時代になっています。

以前、「Gyros」(勉誠出版)という雑誌に「古本屋商売」というのを書き、今まで古本屋に本を売り買いにきた個人が、古本屋の新たなライバル(オンライン古本屋)となっていると述べましたが、それ以上に古本屋業界も動いているようです。

→ 『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』

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2006.04.30

赤尾照文堂

赤尾照文堂
土曜日、久しぶりに京都の河原町へ

赤尾照文堂が変貌していました。


以前は1階にショーウィンドーがあり、全集などがところ狭しと並んでいましたが、そのショーウィンドーがなくなり『かざり屋』という京都らしいお店に

古書店がどうなったかといえば2階にあがったところに移転していました。

ただ棚が一列しかなく、前も店の棚に比べると量的には1/10ほどでしょうか?もう店売りではなく目録売りに徹するんでしょうかね。

大学堂書店、京阪書房などは以前と変わらず健在です。

新刊書店は京都BALビルにジュンク堂が新しく入りましたが、丸善などがなくなりなんとも寂しいですね。

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2006.04.23

古本通

 【書 名】古本通
 【著 者】樽見博
 【発行所】平凡社新書
 【発行日】2006/04/10
 【ISBN 】4-582-85318-8
 【価 格】700円



副題が「市場・探索・蔵書の魅力」となっています。「日本古書通信」で長らく編集の仕事をされてきた方が筆者で古書市、古本屋さんにまつわる話題が満載です。「街の古本屋入門」という名著がありましたが、一緒に読むと古書業界のことがよく理解できますね。

古本探索の楽しさということで有名な和辻哲郎の「古寺巡礼」が紹介されていますが、大正八年の初版から十種十三冊の異なる本があると初めて知りました。

また市での入札でが二枚札や三枚札で記載するので、交換会が終了するまでどの本をいくらで落札したか分かりません。資金力がないと強気の札が出せないこととなり仕入れもやはり資金力が勝負なんですね。古本を買う方は蔵をは売ったり買ったりして、蔵書の質を高めるべきだと書いてあります。うーん、我が家の蔵書はどうなんだろう。

古書組合が全国に組織されていますが三重県だけにはありませんとあります。三重で古本屋というとブックオフや万葉書房ぐらいしか見かけませんが、組合も組織できないほど減ってしまったんですね。

→ 『古本通』

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2006.03.26

荷風Vol 7

 【書 名】荷風Vol 7
 【著 者】にちぶんMOOK
 【発行所】日本文芸社
 【発行日】2006/3/5
 【ISBN 】4-537-11428-2
 【価 格】838円



神田の東京堂書店で表紙に惹かれて買ってきました。荷風シリーズという関西の書店ではみかけませんが東京の各町を紹介したムックです。シリーズ7冊目が神田神保町特集で永井荷風の人形が古書店前にたたずんでいる表紙になっています。

定番の古書店だけでなく『さばうる』などの喫茶店、『キッチン南海』をはじめとする洋食、『ボンディ』などのカレー店、居酒屋まで紹介されています。

面白いのは昭和47年と現在の神保町の町の移り変わりです。神保町交差点から駿河台下までずっと写真が載っています。一誠堂書店、金子書店、一心堂などは今と全然変わっていないんですね。小宮山書店は今のビルを建設中の写真が出ています。三省堂書店は位置は同じですが大きく変わっています。

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2006.03.06

私の見てきた古本界70年

 【書 名】私の見てきた古本界70年
 【著 者】南陀楼綾繁
 【発行所】スムース文庫
 【発行日】2004/2/29
 【価 格】500円



神保町の書肆アクセスにあった小冊子のような本です。

副題が『八木福次郎さん聞き書き』で、日本古書通信社社長で古書業界の生き字引である八木福次郎さんへのインタビュー記事です。

インタビュー自体は2003年10月に行われました。インタビューしたのは著者と若手古本屋さん3名です。

昭和8年に上京して古今書院で働くところからの長い歴史です。昭和9年に日本古書通信を創刊しますが、この創刊号も本の中に入っています。当時、1ケ月の購読料は31銭でした。あと明治、大正の神保町の様子や昭和22年に露店が並んでいた頃の配置図も入っています。

「紙魚の昔がたり 昭和編」や「一古書肆の思い出」で読んだ話が多いのですが、古本屋の主人が絵本になったとは知りませんでした。

森田屋という古本屋があり、そこの柏木という主人が、今の八木書店・古書部前の横断歩道で小学校の交通整理をしていました。

交通整理をしながら子供と握手とじゃんけんをしたので「ジャンケンおじさん」と人気だったそうです。これが1981年に『おはようジャンケン』という絵本となりました。マラソンが好きな変わった古本屋さんだったそうです。古本屋さんが主人公の絵本って見たことがないですねえ。

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2005.11.27

京の古本屋

 【書 名】京の古本屋
 【著 者】
 【発行所】青幻舎
 【発行日】2003/6/1
 【ISBN 】4-916094-79-4
 【価 格】1200円



『京都モザイク』というシリーズ本の4冊目です。京都をテーマに写真を豊富に使って、いろいろなお店を紹介しているシリーズです。

エリア的には寺町周辺、京大周辺を中心に、マンガ専門店やインターネットや目録専業の無店舗店も紹介されています。

ただし古書店全部が掲載されているわけではなく寺町周辺ですと京阪書房が掲載されていなかったり、どういう選択なのかよく分かりません。各お店の特徴などが分かる本や店内の様子が写真を中心に紹介されています。

→ 『京の古本屋』

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2005.11.21

ある書誌学者の犯罪

 【書 名】ある書誌学者の犯罪
 【著 者】高橋俊哉
 【発行所】河出書房新書
 【発行日】1983/05/15
 【ISBN 】
 【価 格】2300円



知恩寺で開催された秋の古書まつりで見つけてきた本です。副題が「トマス・J・ワイズの生涯」となっています。このワイズという人物、詩集の蒐集家、また書誌学者として有名な人物ですが、別の面をもっていました。それが偽造本の作成です。

時代は1800年の後半から1900年の前半の頃の話です。屋台の古本屋で給仕だったワイズが詩集の初版本を掘り出すところから話が始まります。ワイズはやがて著名な蒐集家に、また知識が豊富で書誌学者としても有名になっていきます。同時代のギッシングの『ヘンリー・ライクロフトの私記』にも登場するそうです。今度、読み返してみましょう。

集めた蔵書は『アシュリー文庫』と呼ばれました。ワイズの書誌や目録は貴重でイギリス書誌学会によって1970年代に覆刻されています。

そんな有名な書誌学者がなぜ犯罪をと不思議なのですが、景気のよかったアメリカの蒐集家に偽造本をつかませていました。

また庄司浅水氏に寄れば、蒐集家に初版本への愛着を受けつけたのがこのワイズという人物なんだそうです。

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2005.10.22

秋の古本まつり 11/1-6

基中堂の三浦店主から秋の古本まつりのカタログを送っていただきました。

もう29回になるんですね!ちょうど私が大学生の頃に始まりました。

初めて参加した時は境内の鐘楼近くでセリ形式のオークションをやっていました。誰が参加してもOKということで、その頃集めていたSFマガジンをセリ落としたことがあります。落ちると鐘の音がボーンと!京都らしかったですね。

■第29回 秋の古本まつり
   11月1日(火)~6日(日) 午前10時~午後5時
   (初日は古本供養終了後に開店)

■会場 京都市左京区百万遍・知恩寺境内

交通
JR 京都駅~市バスA乗り場から、17・206「百万遍」下車
阪急 河原町駅~四条河原町上る西側バス乗り場から、3・17「百万遍」下車
京阪 出町柳駅~東へ徒歩10分
近鉄 京都駅から市バス、あるいは丹波橋京阪乗換で出町柳下車

■催し
古本供養 11月1日 9時30分より知恩寺大殿にて
児童書コーナー
百円均一コーナー
入札コーナー 11月5日開札
本の病院
特選オークション 11月6日開催

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2005.09.15

チリ交列伝

 【書 名】チリ交列伝
 【著 者】伊藤 昭久
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2005/03/10
 【ISBN 】4-480-42075-4
 【価 格】700円



立場(たてば)という言葉をご存知ですか?

古書店主の本などを読むと、よく出てくる言葉です。立場とはチリ紙交換の集荷所、つまり問屋です。古書店主の大切な仕入れルートの一つでした。昔の古書店主は立場を廻って、店で売れる本を探しました。時には掘り出し物も見つかります。

筆者は山梨シルクセンター(現サンリオ)などを経て製紙原料、つまりチリ紙を集める会社を経営し、今や古書店主に。日々、見ていたチリ紙交換で働く人々の生態を紹介している本です。

扱うのは新聞とゴタ(雑誌)。ゴタからよさそうな古本を古本屋さんに持ち込みが、これを「活き本(イキボン)」と呼びます。本として活きたという意味です。

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2005.08.13

珍本古書

 【書 名】珍本古書
 【著 者】高橋啓介
 【発行所】保育者 カラーブックス
 【発行日】1978/8/5
 【価 格】430円



1999年に事実上倒産してしまった保育社のカラーブックスシリーズの1冊です。

限定3部で肉筆画付きのような珍本が写真で紹介されています。巻末には1978年当時の古書値も掲載されています。「邪宗門」の箱付き極美初版本が70万円ですね。

他にも「観世流謡曲本」が950万円。美術的価値も高い光悦本です。

「三十六歌仙絵巻」が1300万円。これは反町茂雄氏の弘文荘待買古書目から写影を借りています。有名な「楚囚の詩」は200万円ですね。他にもボン書店や聞いたことのない出版社の本が数多く紹介されています。

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2005.08.08

オンライン古書店・ざくろ書房さん

まだ誕生したばかりの京都のオンライン古書店「ざくろ書房」さんです。

店主は中谷隆夫さん。特価本など仕入れルートをいろいろと工夫されています。ホームページにはけっこう面白い本が並んでいます。

サントリーから洋酒マメ天国という豆本が出ていたとは知りませんでした。

特価本と文学をメインにしようと考えておられましたが、女性から絵本の注文がよく入るそうで、そちらにも力をいれられるそうです。

一度のぞいてみてください。 >> ざくろ書房

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2005.07.21

古本屋人生 あんなこと こんなこと

【書 名】古本屋人生 あんなこと こんなこと
【編 集】大阪府古書籍商業協同組合 
【発行所】大阪府古書籍商業協同組合
【発行日】2004/4/4




大阪府古書籍商業協同組合の創立80周年記念誌という副題がついています。大正13年に組合が始まり、戦前は1200名もの組合員が加盟していました。組合設立とともに創刊された「大阪古書月報」に掲載された中から古書店主が書いたものを選び出し、冊子にしたものです。

現在は秋葉原と同じオタクの町に変わりつつある日本橋ですが、ずらっと古本屋さんが並んでいた時期がありました。そんな時代や夜店の露店から古本屋を始めた話など創業の想い出を書いたものや、中には司馬遼太郎が復員して最初に勤めた会社は生野区の猪飼野にあった新世界新聞社だったいうような、おやっと思う話題が満載です。

■振り
古書店主が文章を書いていますので、市場の話もよく出てきます。ゴヤの画集が出てきた時に、フリが「ゴヤ、ゴヤなんじをいかんせん」と洒落ながら、画集の駆け出しの古書店主に落としてくれたのですが、さっぱりこの洒落がわからない。ゴヤの伝記を読んでも分からない。後に司馬遼太郎の「項雨と劉邦」の四面楚歌を読んで初めて分かったという話。

この本、瓢箪山駅近くの瓢箪山書房で買ってきたのですが、ほかの古書店主による瓢箪山書房店主の紹介が載っていました。東部交換会の会長も勤めているんですね。店にいる風貌からは想像もできませんか、驚いたのは商船大学を出て、一等航海士の免許を持ち、50万トンタンカーにも乗り込んで航海していたそうです。何でまた古書店の店主に。そういえば古書店主の前身の職業は色々だが、前身が元古書店主というのは、ほとんどいないと誰かが書いていました。

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2005.06.24

古書肆「したよし」の記

 【書 名】古書肆「したよし」の記
 【著 者】松山荘二
 【発行所】平凡社
 【発行日】2003/3/3
 【価 格】2200円



「京都古書研究会 春の古書市」で見つけてきました。東京の下谷・御徒町に明治20年から昭和25年まであった吉田書店という古本屋さんのお話です。

下谷(したや)の吉田書店ということで「したよし」と呼ばれていました。扱っているのは和本や浮世絵などで、当時の本屋でもなかなか扱っていない物でした。

物語は腕のいい宮大工の棟梁・平松十吉から、話が始まります。彰義隊で焼けた寛永寺を再建し、明治政府にはどちらかというと批判的。この棟梁、津の一身田にある高田本山・専修寺の作事も担当していました。

やがて徴兵制が始まりますが、官軍に息子を出すよりかはと吉田家に養子縁組をします。当時は養子縁組で兵役をまるがれることがはやっていたそうです。

この息子、大工の腕はなかったようで、始めたのが古本屋さんです。色々な文豪なども出入りする店で関東大震災の時に火災で店はなくなってしまいますが、鴎外の生原稿だけは持ち出しました。特に「舞姫」の原稿は後に弘文荘の反町茂雄氏が買い求め、上野精一に売っています。森鴎外が売ったものではなく、建場からの持込だったようです。

江戸川乱歩、海音寺潮五郎、吉川英治などお客さんもそうそうたるメンバーで、特に江戸額の三田村鳶魚とは家族ぐるみでつきあっていました。三田村鳶魚が金のない時代は、店に出す前に三田村鳶魚に貸してまず写本させていたそうです。

吉田書店は3代続いて廃業。4代目は作家になって、この本を書いています。松山荘二はペンネームです。

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2005.06.23

天牛堺書店 高石店

高石市商工会議所へ講演に行く途中、高石駅で降りると、天牛堺書店の看板が!

高石(堺市の南にある市)にもあるんだと!とさっそく「アプラたかいし」の2階に。
そしたら店内のほとんどは新刊書店でした。隅の方の一角だけが古本コーナーで文庫本などをちょうど並べているところでした。船場の店舗のようなお店だと期待したのに。

→ 天牛堺書店・店舗案内

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2005.05.23

古本屋春秋

 【書 名】古本屋春秋
 【著 者】志多三郎
 【発行所】現代出版
 【発行日】1986/5/5
 【ISBN 】4-87597-511-2
 【価 格】1500円



志多三郎氏といえば『街の古本屋入門』が有名ですが、この古本屋春秋は2年後に書かれた第二作目です。

1984年5月から1年間の日記で、副題の「古本屋商売うらおもて」通りに色々な話が出てきます。

■贈呈のハンコ
古本屋春秋は京都古書研究会の「春の古書市」で見つけてきたのですが、表紙を開けると赤く贈呈のハンコが押されています。

7月12日の日誌にこの贈呈のハンコの話題が出ていました。通常本を贈る場合は相手の名前に恵贈と記して署名をしますが、古本屋さんなのでこの手の本の末路はよくご存じで、それなら古本市場で流通しやすいように贈呈印一つだけですませようというのが意図だそうです。

なるほど、それで贈呈本が私の手元にきたのですね。

■紀田順一郎氏の推薦
目次の後に紀田順一郎氏の推薦文があります。日誌を読むと紀田順一郎氏と企画して古本屋さんを集めた学習会を開催されていたんですね。

■宅買い
宅買いに行くと紀田順一郎氏の著作にまざって、『街の古本屋入門』の本が混じっていました。面白かったという相手に、実は私が書きましたと暴露したところ相手は驚いてしまったそうで、ただし自分の本をいくらで値踏みしたのかは秘密と値段は掲載されていませんでした。

■振り
仕入れは市場、建場、宅買い、店買いが中心になりますが、建場で山が崩れて怪我をした古本屋さんの話などいろいろな話が出てきます。
市場では振りの話が出てきますが、なにかの挨拶でお酒をもってきたりする業者がいると、本の前にお酒をまず振るんだそうです。

■本名索引
巻末には本名索引があります。日誌に風間道太郎「尾崎秀実伝」(法大出版)を分けてもらう。と文章があると、巻末に「尾崎秀実伝」という本の名前と日誌のページが記載されています。

さすがは古本屋さんですね。こんな索引は初めて見ました。

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2005.05.05

春の古書市(京都)

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京都・岡崎に行ってきました。京都古書研究会主催の春の古書市です。場所は平安神宮近くの京都市勧業館(みやこめっせ)の1階で、京都を中心に42の古書店が出店しています。

入口を入ると荷物を預けるところが左側にあるので、荷物を預け、次に黄色のカゴを取ります。これに本を入れていき最後に会計をするシステムになっています。

最終日のちょうどお昼時に行ったのですが、昨年よりも来場者は少なかったですね。(去年も同じ5月5日に行きました。)その代わり落ち着いて本を探せましたが。

京都の古書市らしく、おじさんに混ざって、学生や外国人が多いのが特徴です。浮世絵や洋書などを手に取りながら、英語などが飛び交っているのがよく聞こえます。

今年はシックな黒の和服姿が目につきました。さすがは京都と感心したのですが、どうも地下で日本刀展をやっていて、その関係者が古書市をのぞきにきていたようですね。

▼写真などはこちらをどうぞ
http://www.bekkoame.ne.jp/~mizutani/kosyo/k05-05.htm

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2005.04.18

春の古書大即売会(京都) 5/1-5


書林・其中堂さんから春の古書大即売会の目録を送っていただきました。

■古書大即売会
 5/1-5 10:00-16:50 
  京都市勧業館みやこめっせ(岡崎公園)
  地図はこちら

主催は京都古書研究会です。年々、参加する古本屋さんが増えており、今年は京都、大阪、奈良、岡山の42店舗です。広い大会場にまた古本屋さんがひしめくことになります。

京都で行うせいか学生や外国人の比重が高いのか特徴です。書林・其中堂さんもそうですが、仏教書も充実していますね。あと京都にまつわる本を集めた京都コーナーがあります。

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2005.03.17

古書法楽

 【書 名】古書法楽
 【著 者】出久根達郎
 【発行所】中公文庫
 【ISBN 】4-12-202514-1
 【発行日】1996/1/15
 【価 格】780円



本の中に紀伊国屋書店の話題が出ていました。 大阪・梅田の紀伊國屋書店はいつ行っても店内がごった返していますので、よほどでないと行きませんね。もっぱら旭屋書店本店かブックファーストを利用しています。

紀伊國屋書店の創業者は田辺茂一氏で先祖は紀伊の材木屋。八代目として明治38年に生誕。少年時代本が大好きで1日三度の本屋通いをしていました。

中学生の分際で1カ月200円、現在の相場で30万余りの本代を支払っていました。本屋になれば金を使わずにすむと考え、親の反対を押し切って、銀座の近藤書店に丁稚奉公。奉公することわずか半日、暇乞いしてただちに本屋を開業。

本屋のシステムさえ分かれば奉公の必要はないと考え、日本一早い小僧の独立でした。昭和2年、22歳の時の話です。やがて紀伊国屋書店からは尾崎一雄、井伏鱒二、舟橋聖一などの無名の若手作家を世に送り出しました。

他にも「藤岡屋日記」(古本屋 須藤由蔵)の話など話題満載の一冊です。

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2005.03.16

書物の達人

 【書 名】書物の達人
 【著 者】池谷伊佐夫
 【発行所】東京書籍
 【発行日】2000/9/7
 【ISBN 】4-487-79433-1
 【価 格】2300円



神田の古書店内部をイラストで紹介した「東京古書店グラフティー」や「神保町の蟲」などで有名な池谷氏です。

日本で出た書物随筆を網羅した書物図鑑になっています。紹介している本は全部集めたようで、それしてもよく集めましたね。

■逃げる途中に古書店があったら

徳富猪一郎の「読書九十年」の紹介では、こんな一説が紹介されています。

「以前見知らぬ町工場のある地帯を妻の手を引きながら逃げる夢を見たことがある。地響きをたてて追いかけてくる巨人から逃れようと必死になって逃げ惑っている時に、なんと古書店を見つけてしまったのだ。

「ちょっと寄っていきたい...と懇願する私に代わって、今度は妻が私の手を引いて逃げることになったのは言うまでもない。」

これは笑えますね。

■けっこう高くなっている本が

紹介されている本には、だいたいの古書値が出ています。何冊か持っている本があるのですが、中には古書値が高くなっているのもありました。

小寺謙吉の「宝石本わすれなぐさ」(西沢書店)は4500円から1万円あたりの値がついているようです。私が買った時は3500円でした。

買った古書値以上になる本はめったに無く、まあ普段から安物しか買っていませんので(笑)

この本は装丁がけっこう凝っているので人気があるのかもしれません

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2005.03.04

神保町の蟲

神保町の蟲
 【書 名】神保町の蟲 新東京古書店グラフィティ
 【著 者】池谷 伊佐夫
 【発行所】東京書籍
 【発行日】2004/11/9
 【ISBN 】4-487-79935-X
 【価 格】1700円



『東京古書店グラフィティ』、『三都古書店グラフィティ』に続く3冊目です。

■本の街「神田」
池谷氏が始めて神保町を訪れたのが30年以上も前の高校生の時で、国電神田駅を降りて周辺を探しましたが、古本屋が見つからなかった経験が書かれています。

私も始めて神保町へ行った時は神田で降りました。本の町「神田」とあるので、神田で降りたらいいだろうで降りたのですが、やはり古本屋街はなく、人に聞いたりしながらなんとかたどり着きました。駿河台下まで遠かったですね。

■黄色い値札の秘密
田村書店の全集には黄色い値札がつけられ、なかなか壮観ですが、黄色は一番退色しやすく、色の加減で売れ残っているのかどうか分かる仕組みになっています。

■抽選
目録で、同一本への応募者が多いと抽選になりますが、たくさん注文してくれる人やいつも注文してくれる人を優先するそうで、抽選とは『抽出して選ぶ』ことで、クジ引きではないそうです。どおりで当たらないはずです。

■ミステリー高橋本
古書市に出る推理小説で、山のような蔵書印を押された本が出ることがあり、蔵書印の名前から高橋本とよばれています。どこかで読んだ話だなと思ったら、『本棚探偵の冒険』に「T蔵書の謎」というタイトルで同じ様な話が出ていました。

後日談も載っていてマニアが収集した本をやむなく手放した本ではなく古書店から出た本だそうです。なんで値段が下がるような蔵書印を押すのかますます謎ですね。

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2005.02.14

古本屋の女房

古本屋の女房
 【書 名】古本屋の女房
 【著 者】田中 栞
 【発行所】平凡社
 【発行日】2004/11/4
 【ISBN 】4-582-83242-3
 【価 格】1500円



カバーの本の山とタイトルに惹かれて買いました。

著者は横浜にある黄麦堂という古本屋の奥さんなんですが、まずその奥さんになるまでがすごい歴史で、本当に本好きなんですね。

三笠書房や書誌学で有名な汲古書院などに勤め、古本屋巡りをずっとしていることから、ある偶然から古本屋さんの奥さんに

結婚式の披露宴では「あなたは彼と結婚したの?それともお店と結婚したの?」と言われたりします。

子供が生まれたら乳母車を押しながら古本屋さんを巡ってセドリです。娘さんの方は小学生の時に学校の先生に「休み中どうしていました。」と聞かれ、「父とセドリに行っていました」と答えることに

自筆イラストもたくさん入っているのですが、すごいのが巻末の索引です。エッセィでしっかり索引がついている本なんて初めて見ました。

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2005.02.02

本棚探偵の冒険

本棚探偵の冒険
 【書 名】本棚探偵の冒険
 【著 者】喜国雅彦
 【発行所】双葉文庫
 【発行日】2005/1/20
 【ISBN 】4-575-71290-6
 【価 格】762円



古本好きの様子を見事に描いたエッセイです。

著者の喜国雅彦氏は漫画家なのですが漫画は見たことがないですね。探偵小説が収集ジャンルで仙花紙の小説まで集めています。

■古本屋さんを探して
甘い期待って、ついしてしまいますが、古本好きになると

「駅前に工事中の店舗があったが、古本屋さんが入ったかもしれない」
手作りパンの店だった。
「今、電車の窓からちらっと見えた古本屋の、店の外の均一棚に横溝が並んでいるのが、確かにハッキリこの目に見えた。」
危ない人の仲間入りだ。

気持ちはよく分かります。(笑)

■京都の女子高生
筆者が時間待ちに古本屋さんに入ったら、女子高生が古本屋の主人に質問しているところに遭遇しました。それが藤原ていの『流れる星』があるかどうか聞いている場面で主人が「ないな」と答えたら「みすず書房」の『夜と霧』を買っていったそうです。

すごい女子高生ですねえ!
「みすず書房」なんて眺めたことはありますが、買ったことないです。古本屋の主人もうれしそうに受け答えしていたそうです。

■出久根達郎&北村薫との対談で古本屋に珍しい本がずらっと並ぶのは誰かコレクターが死んだんだという話に

『僕は、連れ合いにちゃんと言ってあります。「僕にもし何かあったら、どこそこの古本屋さんに連絡して値段をつけてもらいなさい。僕の友だちだと名乗るヤツが、本を貸していたと言ってやって来るだろうけど、僕は一冊も借りてないから部屋に上げるな」って』

昔、コレクターが死ぬと一番に焼香をしにくるのが古本屋さんだという逸話を聞いたことがありますね。

■おすすめ
他にも面白い話題が満載で、得におすすめが『小説 兄嫁の寝室』です。フランス書院のような文体で最後のドンデン返しがいいですなあ。

またポケミス(ハヤカワ・ポケットミステリー)が1600冊ほど出ていますが、これを1日でどれだけ見つけられるかという『ポケミス・マラソン』はほんまにやったんですね。すごいなあ。見つけるたびに「ポケミス、ゲットだぜ!」で、これが言いたいためにやっているだけかも。

紀田順一郎氏の川柳が紹介されたいました「古本屋、やや難有りの人ばかり」

全体の文体は、昔なつかしいヨコジュン(横田順彌)のハチャメチャ文を彷彿とさせます。そういえばヨコジュンには『古本探偵の冒険』という本があるので、それにあやかって題名をつけたのかな?


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2005.01.30

関西赤貧古本道

 【書 名】関西赤貧古本道
 【著 者】山本善行
 【発行所】新潮新書
 【発行日】2004/2/20
 【ISBN 】4-10-610055-X
 【価 格】700円



古本屋さんの前に100円均一台がありますが、あそこからいかに掘り出し物を探すかに執念を燃やしている著者の意気込みが伝わってくる一冊です。色々と掘り出し物があるんですね。

『均一小僧』と異名をとる岡崎武志氏がいますが、今読んでいる『本棚探偵の冒険』には『百円おやじ』が登場しています。皆、均一台が好きなんですね。

また京都の三大祭というタイトルがあり、てっきり葵祭、祇園祭時代祭のことと思ったら

 春 勧業館みやこめっせ
 夏 下鴨神社・糺の森
 秋 百万遍・知恩寺

と全部これ京都古書研究会主催の古書市のことではないですか。(笑)と言いながら私もよく出かけていますが

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2005.01.26

古本生活読本

 【書 名】古本生活読本
 【著 者】岡崎武志
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2005/1/10
 【ISBN 】4-480-42043-6
 【価 格】780円



古本生活読本は『退屈男と本と街』さんの古本のたのしみ、お裾分けで紹介されており、さっそく買いにいきました。以前に東京書籍から出ていた「古本めぐりはやめられない」に増補、再編集したものです。

古本屋さんで値付けについて店主と客との会話があり、面白いなと思ったのですが、これは「古本めぐりはやめられない」で既出でした。こういうことをしているので同じ本を二度買ってしまうのですね。

本から面白い話題をいくつか
■伊丹一三
伊丹一三著の「ヨーロッパ退屈日記」という本が紹介されています。一瞬、十三の間違いではと思ったのですが、最初は一三だったんですね。増刷になった時には十三に改名した後で、二つの名前で本が出ています。

■通天閣
林芙美子の「めし」を題材に通天閣が紹介されています。戦争末期に鉄材供給のために通天閣が解体されていた時期があり、「めし」にはジャンジャン横丁の向こうに高い通天閣という搭が昔あったという記述が出てきます。昭和31年に再建されたのが現在の通天閣です。

■古本屋開業
筆者は2003年10月から三鷹にある「古書 上々(しゃんしゃん)堂」の1コーナーを借りて古書の委託販売をしているそうで、値づけの話が出ています。

価格と売れ行きの相関が難しく、売れ残ったら安くすれば売れるものではなく、ある古本屋さんは売れ残ったら逆に値段を上げると動くことがあるんだ

そうで、なかなか難しい世界のようです。

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2005.01.23

書物に魅せられた英国人

 【書 名】書物に魅せられた英国人
 【著 者】横山 学
 【発行所】吉川弘文館
 【発行日】2003/10/1
 【ISBN 】4-642-05563-0
 【価 格】1700円



古書業界で「宝玲文庫」という蔵書印が押してある本が出ると一流品として扱われます。

この蔵書を作ったのがフランク・ホーレーという英国人で戦前は英語教師として戦後はタイムズの記者として日本の文化や本を愛して日本で亡くなりました。

集めた蔵書がまたすごく、日本の古典籍など貴重本など数多く集めています。反町茂雄氏からも相当数買っていました。

ホーレーが亡くなった時にハワイ大学がいち早く動き、ホーレーの集めた沖縄関係の本を手に入れ、現在では沖縄研究をする場合はハワイ大学のライブラリーがかかせない状況になっています。和紙関係は京都に残りましたが、他は四散してしまいました。

前に天理図書館で日本書紀の写本など貴重本の展示会がありましたので見に行きましたが、いくつは「宝玲文庫」としっかり蔵書印が押されていました。

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2004.12.29

古本でお散歩

 【書 名】古本でお散歩
 【著 者】岡崎武志
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2001/7/10
 【ISBN 】4-480-03661-X
 【価 格】780円



今年の読み納めになりそうです。古本極楽ガイドが面白かったので、岡崎氏が出された文庫第一号も買ってきました。

「宣伝は勝つ」(倉本長治)という昭和13年に誠光堂から出された本が紹介されていますが、円タク時代のなかなかうまい方法が載っていました。

3名の男が銀座から新宿へ行くのにタクシーをつかまえて50銭で交渉していました。タクシーは雨が降っていることもあり60銭と主張しています。そこで

筆者は3人組みに近づいて「新宿まで40銭」と言って、3名を円タクに乗らせます。自分は助手席に乗り込んで、運転手に「新宿まで60銭」と小声で言います。

3人組みは40銭で乗れ、運転手には60銭手に入り、筆者は20銭で乗れるという近江商人の三方良しのようなオチの話です。

■古本居酒屋
高円寺の「コクテイル書房」が紹介されています。ここは古本を置く居酒屋なんだそうで、酒を飲みながら古本を選べるって、ウソーッというようなお店ですね。一度のぞいてみたいです。

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2004.11.01

われらが古本大学

 【書 名】われらが古本大学
 【著 者】天牛 新一郎
 【発行所】ブレーンセンタ
 【発行日】1988/3/1
 【価 格】600円



織田作之助の代表作である「夫婦善哉」の結びに天牛書店の風景が出てきます。

というぐらい大阪では有名な古本屋です。亭主が天牛新一郎という名物人物で、大阪文化賞なども受賞しております。

知研・関西が昔よく会場として借りていた中之島の府立文化情報センターで大阪府が実施している勉強会「なにわ塾」が開催されていました。「なにわ塾」で天牛さんを呼んで講演してもらった内容をまとめて本にしたものです。以前は府立文化情報センターの受付で販売していましたが、今は谷町四丁目に移りましたので、販売しているかどうかは不明です。なかなか手に入らないと思いますが大阪府の図書館にはあるでしょう。「日本の古本屋」「紫式部」で検索してみましたが、見つかりませんでした。

1907年に露天で天牛書店が古本屋を始めてからの大阪の古本屋業界の話題が出てきます。また東京・神田の一誠堂なども出てきます。

広大な間口と奥行きで「天牛に行けば何でもある」といわれたものです。亭主の人柄が人気で、高く買って安く売るという薄利多売を一貫して実行してきました。また大阪で古書の正札販売を始めた人でもあります。10銭で買った本を1割引きの9銭で買い戻すというようなことも行い賑わっていました。

テンギュのオッチャンの名でこれほど親しまれた古本屋の亭主も珍しいですね。。天牛書店は今も健在です。

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