2017/05/06

植民地次代の古本屋たち

 【書 名】植民地次代の古本屋たち
 【著 者】沖田 信悦
 【発行所】寿郎社
 【発行日】2007/12/17
 【ISBN 】978-4-902269-23-9
 【価 格】2000円

日本人が植民地に渡ったのなら、商売になると思った古本屋さんも渡ります。樺太、朝鮮、満州、台湾、中華民国に渡った古本屋を地図付きで紹介しています。南樺太にも古本屋はあり、こんな所までセドリに来る人までいました。

全国図書館大会が満州国で開催されたため一誠堂、窪川書店、井上書店、東陽堂など今も神保町に店を並べる面々も参加しています。もちろん日本古書通信社も参加しています。東京だけでなく関西からも進出しています。鹿田松雲堂、高尾書店、荒木書店、梁江堂、そして京都の其中堂の名前があがっています。

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2017/03/12

ビブリア古書堂の事件手帖7

 【書 名】ビブリア古書堂の事件手帖7
 【著 者】三上 延
 【発行所】メディアワークス文庫
 【発行日】2017/2/25
 【ISBN 】978-4-04-892640-9
 【価 格】650円

ビブリア古書堂シリーズの最終巻。主人公・栞子さんとアルバイトの五浦君の恋の行方は大団円になっています。今回はシュークスピアのファースト・フォリオがテーマになっています。ファースト・フォリオ と は、シェイクスピアの戯曲をまとめて出版した最初の作品集で、数が少ないため希少価値がめちゃくちゃ高くなります。

古書をテーマとした謎解きといえば紀田純一郎の「古本屋探偵の事件簿」や梶山季之の「せどり男爵数奇譚」などがありますが、ビブリア古書堂シリーズはよく売れているようです。まず古書店店主がすごい美人という、ありえない設定と恋愛をからめたところが成功要因です。しかも古書の謎解きを人間模様をからめて、しっかり書かれています。なんで古書の本がメディアワークス文庫なのと思いますが、古書好きのオジサンという顧客ターゲットを狙わなかったのがもう一つの成功要因でしょう。

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2016/10/02

わたしの小さな古本屋

 【書 名】わたしの小さな古本屋
 【著 者】田中美穂
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2016/09/10
 【ISBN 】978-4-480-43381-7
 【価 格】780円

倉敷にある古本屋・蟲文庫店主の本です。勤めていた会社で配置換えの通告があり、納得いかないと退職を申し出て、その日に古本屋をやろうときめ、先輩の古本屋に話を聞きに行き、すすめられた「街の古本屋入門」(志田三郎著)を買って不動産屋巡りをするような店主です。行動的かなと思ったらノホホ~ンとした文章でなんとも癒されます編集者くずれ、役者くずれという言葉はあっても古本屋くずれという言葉がないようで、商売的には難しいのが古本屋さんですが、21歳で開業し、もう20年以上も続けているようです。


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2015/08/15

古書店めぐりは夫婦で

 【書 名】古書店めぐりは夫婦で
 【著 者】ローレンス&ナンシー・ゴールドストーン
 【発行所】ハヤカワ・ノンフィクション文庫
 【発行日】1999/09/10
 【ISBN 】4-15-050234-X
 【価 格】680円

誕生日祝いに古書を送ったことから夫婦ともども古書の世界にはまってしまい、やがてコレクターに。オークションに行ったり古書店巡りをしたり、アメリカの古書事情がよく分かる1冊。夫婦ともども作家で、この本を出したのも古書を買うためのタシにするためだそうです。原題は「USED and RARE Travels in The Book World」。

ただアメリカの歴史はそう古くもないので、「華麗なるギャツビー」の初版本などが登場したりして、日本の稀覯本などとはちょっと趣が違います。


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2015/01/29

増補 書藪巡歴

 【書 名】増補 書藪巡歴
 【著 者】林 望
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2014/12/10
 【ISBN 】978-4-480-43228-5
 【価 格】880円

イギリスのエッセイなど小説家、エッセイストのイメージが強いリンボウ先生ですが、専門は書誌学です。「書藪巡歴」と「書誌学の回廊」の一部をあわせて増補した一冊。書誌学の話も面白いのですが、リンボウ先生の紆余曲折人生が語られています。斯道文庫に入りたいと思いながら縁がなく東横短大に入ったことからイギリスに渡る生活につながるなど、人生は本当にいろいろです。

そのイギリスで大英図書館の蔵書を調べると「きのふはけふの物語」上下二巻があり、この下巻はもともと高木文庫という個人コレクションにあり、天下に1本しかありませんでした。後に財閥の安田家に移り、その後はどうなったか分かりません。戦争で焼けたのではと言われていましたが、海を渡ってロンドンにありました。また不思議なことにないと言われていた上巻がどこをどう伝わったのかロンドンに渡り、上下巻が揃います。不思議ですねえ。


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2015/01/15

ビブリア古書堂の事件手帖6

 【書 名】ビブリア古書堂の事件手帖6
 【著 者】三上 延
 【発行所】メディアワークス文庫
 【発行日】2014/12/25
 【ISBN 】978-4-04-869189-5
 【価 格】570円

ビブリア古書堂シリーズの最新刊。今回は長編になっています。ビブリオ古書堂は主人公・栞子さんの祖父が始めた店ですが、今回は当時の太宰治にまつわる古書がテーマで、どうビブリオ古書堂が始まったのか、古書の謎解きは創業時から行われていた話やアルバイトの五浦君の恋の行方など盛りだくさんの内容になっています。


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2014/04/30

続・チャリング・クロス街84番地

 【書 名】続・チャリング・クロス街84番地
 【著 者】ヘレーン・ハンフ
 【発行所】雄山閣
 【発行日】2013/12/25
 【ISBN 】978-4-639-02295-4
 【価 格】2600円

ある日、アメリカにいる著者が見かけたのがロンドンにあるマークス古書店の広告。英文学などの古書を20年間文通しながら購入するのですが、その顛末を書いたのが「チャリング・クロス街84番地」。マークス古書店があったのがチャリング・クロス街84番地です。著者はロンドンを訪れたことがなかったので、会ったことのない人とずっと文通していたのですが、ついに憧れのロンドンを巡る旅に出ます。その顛末記がこの本。

残念ながら文通相手は既に亡くなっており、マークス古書店もなくなっているのですが、ゆかりの人や土地などを訪ねます。いろいろな知り合いに連れまわされるトラブルなどもあります。翻訳はロンドン漱石記念館館長の恒松郁生氏。本をもとに現地で調べた注釈や著者が訪れた場所の写真なども豊富に掲載されています。


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2014/02/06

ビブリア古書堂の事件手帖5

 【書 名】ビブリア古書堂の事件手帖5
 【著 者】三上 延
 【発行所】メディアワークス文庫
 【発行日】2014/01/24
 【ISBN 】978-4048662260
 【価 格】599円

ビブリア古書堂の事件手帖の最新刊で、久しぶりに出ました。古書店主がうら若き女性で古書の知識がものすごいという現実ではありえない設定になっていますが、本の謎解きがなかなか楽しめます。横田順彌の「古本探偵の冒険」、青木正美の「古本探偵追跡簿」、紀田順一郎の「古本屋探偵の事件簿」と古本探偵シリーズがたくさんありますが、この本はミステリー仕立て&恋がからんでいて、5巻目でだいぶ進展しました。探偵シリーズには儚く消えてしまった出版社を探す「ボン書店の幻」という名作もありました。

最新作で取り上げられているのは手塚治虫の「ブラック・ジャック」、寺山修司の「われに五月を」など。彷書月刊を取り上げている点はしぶいですねえ。

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2014/01/08

古書店主

 【書 名】古書店主
 【著 者】マーク・プライヤー
 【発行所】ハヤカワ文庫
 【発行日】2013/12/25
 【ISBN 】978-4-15-041296-8
 【価 格】940円

ジョン・ダニングの「死の蔵書」のように古書や貴重書などが密接に物語に絡んでいくのかと思えば、そうでもなくパリのセーヌ川河岸に並ぶ露店の古書店主たちが次々と消えていくことから謎解きが始まります。ただ場面転換が面白く、なかなか楽しめるミステリーです。パリの風物詩と言えばセーヌ湖畔の古書店でブキニストと呼ばれます。最初の売り手は手押し車で本を運び、橋の欄干に革ひもで整理箱をくくりつけた形態でした。1891年にブキニストは河岸に箱を永続的にくくりつけていいという許可を得ます。これで今のような形態になりました。パリには250人のブキニストがいますが仲間入りするには8年は待たないと権利がまわってこないようです。


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2013/12/28

疎開した四○万冊の図書

 【書 名】疎開した四○万冊の図書
 【著 者】金高 謙二
 【発行所】幻戯書房
 【発行日】2013/08/15
 【ISBN 】978-4-86488-030-5
 【価 格】2400円

京都の三月書房で見つけてきました。弘文荘主人である反町茂雄の「一古書肆の思い出」に戦時中、日比谷図書館の図書を疎開される話があり、それだけでなく民間からも貴重な本を買い上げて疎開させた話が出ていました。気になっていたんですが、その顛末を書いた本が「疎開した四○万冊の図書」。あいかわらず三月書房をのぞくと気になる本が見つかります。2012年にドキュメンタリー映画「疎開した40万冊の本」が作られ、監督した著者が書いた本です。

日比谷図書館に赴任してきた館長が中田邦造。戦争が激しくなり東京空襲が始まるなか本の疎開を考えますが、それ以上に重視したのが民間からの買い上げ。全国の他の図書館でも本の疎開を始めていましたが民間から貴重書を買い上げをしたのは珍しいですね。

柳田國男など学者や旧家から本を買い取り、疎開させました。買い取りする時に価格を決めないといけないため各分野に強い古書屋の主人が集められ、その一人が反町茂雄。ほとんど手弁当で貴重な日本文化を残すために奔走することになります。トラックなどが手配しにくい時代となったので都立一中生や高輪商業生などに頼み、大八車で延々と田舎の蔵に運びました。また満員電車に本を入れた重いリュックを背負って疎開させることも行いました。皆の熱意がなければ貴重書の多くはなくなってしまったことでしょう。

ただし買い取りが決まりましたが、疎開される前に空襲で燃えてしまったなど現代まで伝わらなかった本もたくさんあります。日比谷図書館の常備本は最後まで閲覧することにこだわったため、疎開が間に合わず空襲で燃えてしまいました。正倉院御物が現代まで奇跡的に残ったように、それぞれの時代の先人たちが、後世に残すために苦労した結果、現代まで伝わったことを忘れてはダメですね。


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