2024/01/21

謎の平安前期

 【書 名】謎の平安前期
 【著 者】榎村寛之
 【発行所】中公新書
 【発行日】2023/12/25
 【ISBN 】978-4-12-102783-72
 【価 格】1000円

平安遷都からの200年は激変の時代で、この後に源氏物語の時代が訪れます。

■平安遷都の理由
軍事・交通面で山城の方が有利だったなどの理由以外に大きかったのが脱聖武の考え方。平城京は元明天皇が造った都で、聖武天皇につながる天皇が即位しますが光仁天皇は聖武天皇の娘婿だったので即位できたと思われていました。桓武天皇は聖武天皇の呪縛から逃れるために遷都したのが大きな理由だったようです。

■交野
785(延暦4)年に交野で中国の皇帝にならい天帝をまつる祭りを行います。深くかかわったのが百済王(くだらのこにきし)氏。白村江の戦の後、日本へ来た百済の王族・善光の子孫になります。新しい王朝が始まったことを印象付けたかったようです。

■伊勢神宮
桓武天皇は皇太子時代に伊勢神宮に参拝しています。聖武系のイメージが強かったので払拭しようと紀作良(きのつくら)に命じ、延暦4年に斎宮に方格街区を造営します。桓武、平城、嵯峨天皇の時代に使われますが、815年~829年まで離宮に移されます。離宮が焼失したので斎宮に移ります。

■たたり
立つ有り-何らかの信号を送ってくることが語源

■官人登用試験
論述試験の問題が「経国集」に残されており、「新羅に対する軍事行動の是非について、戦わずに服属させる方向で意見を述べなさい」という出題があります。藤原仲麻呂が新羅征討が検討された時期の問題です。

■天平
奈良時代は変な亀がみつかると年号を変更し、霊亀、神亀、法亀ができます。天平も甲羅に天や平の字がある亀の出現に由来しています。

■日本の四海
東ー陸奥、北ー佐渡、西ー遠値嘉(おちか・五島列島)、南ー土佐

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