2020/08/23

日本書紀に秘められた古社寺の謎

 【書 名】日本書紀に秘められた古社寺の謎
 【著 者】三橋健
 【発行所】ウェッジ
 【発行日】2020/07/20
 【ISBN 】978-4-86310-225-5
 【価 格】1300円

■伊勢神宮
諸説ありますが太陽信仰の聖地で、土着の渡会氏が太陽神を祀っていたが雄略記にアマテラスが祀られることになり、渡会の神様は御饌都神として外宮の豊受大神になったという説があります。また「続日本紀」に多気大神宮を渡会に移すとあり、滝原宮から移った説もあります。こうなると698年に内宮ができたことになります。

■熱田神宮
ヤマトタケルが置いていった草薙剣を祀っていたところ、楓の樹があり燃えて水田に倒れたので熱田と言う名前になりました。熱田神宮の南にある氷上姉子神社が草薙剣が安置された宮簀媛(ヤマトタケルの妃)の旧宅跡地で、ここが熱田神宮の元宮です。

■ヤマタノオロチの剣
日本書紀にスサノオがヤマタノオロチを退治した十握剣は吉備の神主にあると書いてあり、岡山の石上布都魂神社にあったようです。ここが石上神宮の元宮だったようです。

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2020/07/31

神社に秘められた日本史の謎

 【書 名】神社に秘められた日本史の謎
 【著 者】新谷尚紀
 【発行所】宝島社新書
 【発行日】2020/05/23
 【ISBN 】978-4-299-00512-0
 【価 格】860円


意外と知らない神社の歴史的な話です。


神社を「じんじゃ」と呼ぶのは明治以降で、それ以前は「ヤシロ、ミヤ」と呼んでいました。


中世に蟻の熊野詣といわれるほど熊野詣が流行しましたが、特に白河院や鳥羽院など院政期に盛んになりました。これは天皇は天照大神に奉仕するのが原則で私的な祈願はタブーだったため、天皇を退位して上皇になったのならそんな制約はなくなったと熊野詣に皆が行ったためでした。


神社には摂社と末社があります。摂社は本殿に祭られている祭神と深い縁故のある神々を祀る社で、末社はそれ以外の神。昔からその土地で祀られていた神であることが多いです。もともとの祭神が末社や摂社に祀られることもあります。


■他田坐天照御魂神社(おさだにますあまてるみたま:桜井)
天照大神という太陽神アマテルを祭っていて、テルの敬語がテラスとなりアマテラスとないます。


■縁起
祭神の起源や由来などの伝承を文章に残したもの


■社家
特定の神社の神職を世襲する家柄


■大元宮
文明16年(1484)、吉田山に八角形の神殿が造られ、これが大元宮。日野富子の援助によって吉田兼倶が造営したもので日本のあらゆる神をまつっていました。


■八坂神社
明治の神仏分離で祭神が牛頭天王(仏教系)からスサノオに変更になりました。もともとは祇園天神だったようです。


■稲作の普及
紀元前10世紀後半には九州の玄界灘沿岸で稲作が始まっていたことが明らかになっています。650年ほどかかって東北までに普及していきますが、稲作には灌漑などシステムが必要で労働力を統率できる必要があります。古墳文化が水田稲作が定着しなかった東北地方北部になかったように、労働の動員力ができなかった背景がありそうです。

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2019/01/31

30の神社から読む日本史

 【書 名】30の神社から読む日本史
 【著 者】安藤優一郎
 【発行所】日経ビジネス人文庫
 【発行日】2018/07/02
 【ISBN 】978-4-532-19865-7
 【価 格】800円

三囲(みめぐり)稲荷
大阪には三菱の守護社である土佐稲荷神社がありますが、同じように三井家の守護社は三囲神社で、三越本店屋上には三囲稲荷が祭られています。伊勢松阪出身の三井高利が越後屋(三越百貨店)を「現金掛値なし」の商法で大成功に結び付け、三井高利の孫である高房の時から向島にある三囲神社が守護社になったそうです。

従業員が神官でもあり夢のお告げだったそうですが三囲が三井を守ると読める点にあったのでしょう。三越のマークは三に井桁でしたが昭和のはじめに丸越となります。三井家が三囲神社に奉納した茶釜の台石に彫り込まれていたのが丸越の形だったことに由来しているそうです。

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