2023/05/14

世界を動かした日本の銀

 【書 名】世界を動かした日本の銀
 【著 者】磯田道史、近藤誠一、伊藤謙
 【発行所】祥伝社新書
 【発行日】2023/05/10
 【ISBN 】978-4-396-11675-0
 【価 格】920円


■貨幣経済
和同開珎など銅銭を作っていたが958年の乾元大宝以降に鋳造されなくなります。清盛は宋銭をたくさん輸入しはじめます。元が建国されると銅銭は重いので元では紙幣を発行しました。宋の時代に作った銅銭が余るので、これがどんどん日本に入ってきます。元の後は明になり交易に不便な小銭の銅銭より銀銭を使い始めます。この時に発見されたのが石見銀山になります。記録では1526年に博多商人・神屋寿禎によって発見され1533年に灰吹法が伝わります。銀を輸出でき、国内にも流通するので貨幣経済化がすすみます。また文字を読めないとお金を使えないので識字率も向上します。これで最貧国から抜け出せました。


大内義隆、陶晴賢、毛利元就、秀吉などが石見銀山の支配権を争います。石見城、矢滝城、矢筈城などの山城が造られました。最後におさえたのが徳川家康で関ケ原の戦いの10日後には石見に禁制を出しています。江戸時代、朝鮮などに比べて貨幣量が段違いに多く貨幣経済でまわっていました。明治維新で西洋型にキャッチアップできたのも商品経済化がすすんでいた点があります。


■動的平衡
生命体のなかでは絶えず合成と分解が進んでいて、ただ同じ速度で進むために一見、変化が起きていないようにみえません。


■石見銀山
石見銀山街道(銀の道)ー鞆ヶ浦道、温泉津沖泊道


灰吹法ではたくさんの木を使いますが、切った木の後は植林を行う持続可能な採掘を行っていました。これも評価されて世界遺産となります。

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2023/04/21

税務署はやっぱり見ている

 【書 名】税務署はやっぱり見ている
 【著 者】飯田真弓
 【発行所】日本経済新聞出版
 【発行日】2023/03/17
 【ISBN 】978-4-296-11722-2
 【価 格】1400円


■確定申告の還付
還付されても申告内容が認められたとは限らない


■質問検査権
調査に行く時は質問検査証を携行-調査官はあらゆる機関に調査の協力を要請する権限がある
反面調査-取引先へ調査


■お土産
税務調査にきたら、土産(軽い修正申告)を用意して帰ってもらえー単なる都市伝説
何もなければ「申告是認」となって終わり


■税務署の事務年度
7月1日~6月30日 定期異動は7月で1/3ほど入れ替わる
7月~12月 ナナジュウニ
1月~3月 カクシンマエ(確定申告までの期間)、カクシンキ(期間中)
4月~6月 ヨンロク
税務調査の中心はナナジュウニとヨンロク


2016年 法人実調率3.2%(30年に1回) 個人実調率1.1%(100年に1回)

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税務署はやっぱり見ている

 【書 名】税務署はやっぱり見ている
 【著 者】飯田真弓
 【発行所】日本経済新聞出版
 【発行日】2023/03/17
 【ISBN 】978-4-296-11722-2
 【価 格】1400円


■確定申告の還付
還付されても申告内容が認められたとは限らない


■質問検査権
調査に行く時は質問検査証を携行-調査官はあらゆる機関に調査の協力を要請する権限がある
反面調査-取引先へ調査


■お土産
税務調査にきたら、土産(軽い修正申告)を用意して帰ってもらえー単なる都市伝説
何もなければ「申告是認」となって終わり


■税務署の事務年度
7月1日~6月30日 定期異動は7月で1/3ほど入れ替わる
7月~12月 ナナジュウニ
1月~3月 カクシンマエ(確定申告までの期間)、カクシンキ(期間中)
4月~6月 ヨンロク
税務調査の中心はナナジュウニとヨンロク


2016年 法人実調率3.2%(30年に1回) 個人実調率1.1%(100年に1回)

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2023/03/25

今日から使える行動経済学

 【書 名】今日から使える行動経済学
 【著 者】山根承子、黒川博文、佐々木周作、高阪勇毅
 【発行所】ナツメ社
 【発行日】2019/04/01
 【ISBN 】978-4-8163-6610-9
 【価 格】1400円


■合理的経済人
まったくいないわけではな、ある研究では446人中31人(約7%)いました。


■ボーナス
成果が出てからボーナスを渡すよりも、先にボーナスを渡して成果が出なければ没収するというボーナスの与え方の方が成果が高い
損失回避ー1万円をもらった喜び < 1万円を失った時の悲しみ


■ハウスマネー効果
損失回避の性質があるが偶然、得すると散財する あぶく銭はおしくない


■貯蓄はオプトアウト
退職貯蓄制度に自動的に加入し、収入が増えれば自動的に積立額をアップ


■具体的な行動設定
ワクチン接種率をあげるには接種可能な日を伝えるだけでなく、具体的な行動の日時を記入させる


■主観確率
小さすぎる確率の差が苦手 実際(客観確率)よりも大きく感じることもあり小さく感じることもある


■引き立て役
ウェブ版 59ドル、印刷版 125ドル、ウェブ&印刷 125ドル → 84%がセット版、ウェブ版は16%で印刷版は0%
ウェブ版 59ドル、ウェブ&印刷 125ドル → ウェブ版が84%で逆転
印刷版のみはセット販売のためのオトリ


■保有効果
一度、手に入れたものは二度と手放したくない
保有効果は現在の状態を高く評価する→現状維持バイアス


■プロジェクションバイアス
今を高く評価するために、現在の状況を未来に投影してしまい正しい予想ができなくなる


■社会比較ナッジ 他人との違いに敏感になりがち
ホテルでのタオル再利用
「75%の人たちが再利用に協力している」と表示すると再利用率が10%アップ


■負の互恵性
最後通牒ゲーム 1000円を好きなように分けられるが相手は拒否できる
拒否した場合は2人とも受け取れない
40%ほど渡す時には成立 16%以下なら拒否ー少ない金額なので、いっそうのことゼロ円にしてしまえ


■学校教育
グループ学習 → 他人への信頼性が増す
成績順位をつけない非競争な教育を受ける→利他性は低く、協力に否定的で、やられたらやり返すという価値観をもつ

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2022/11/03

経済と財政の基礎知識

 【書 名】経済と財政の基礎知識
 【著 者】高橋洋一
 【発行所】扶桑社新書
 【発行日】2022/10/10
 【ISBN 】978-4-594-08793-7
 【価 格】840円


■金利
名目金利ーインフレ率を考慮しない名目上の金利-日銀の金利目標(政策金利)銀行の貸出金利
実質金利-名目金利からインフレ率をひいたもの
名目金利が1%、インフレ率が▲0.5%(デフレ)だと実質金利は1.5%となる。


■物価連動債
元本の金額がインフレ率によって調整される債権。将来的にインフレになれば元本も利子も増える。
目にみえない投資家のマインドを可視化できる。


■日本のバランスシート(2012年3月末)
資産 629兆円(300兆円はすぐに現金化できる)-独立行政法人、特殊法人(天下り先)
負債 1088兆円
実質的な借金は459兆円
※国が財政難なら無駄な資産を処分するとよいが、天下り先がなくなることになる
 ちなみに天下りの英語はなく、退職したら自分で再就職先を探すのが基本


■デフレ
現役世代の人口減少-耐久消費財の減少
高齢者の増加-非耐久消費財の増加(福祉サービスなど)
2001年から量的緩和をしていたが2006年に日銀が量的緩和をやめたためデフレが長引いたところにリーマンショックとなる


■消費税ー本来は地方税に
国が3%増税すると経済成長率が1%下がる
国に払う税金ー応能税(個人の支払い能力に応じて払う税)
地方に払う税金-応益税(個人の便益に応じて払う税)


■歳入庁
税金ー国税庁(財務省) 法人数280万(税金を払う黒字の法人)
社会保険料ー日本年金機構 法人数200万(すべての法人)
社会保険料を取りはぐれており、消えた年金問題として社会問題化
国の収入を一括管理する歳入庁を作れば問題は解消する

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2022/10/08

ニュース頻出ワード、8つの誤解と落とし穴

 【書 名】ニュース頻出ワード、8つの誤解と落とし穴
 【著 者】多田正幸
 【発行所】日本橋出版
 【発行日】2022/8/29
 【ISBN 】978-4-434-30686-0
 【価 格】1500円


知っているようで、けっこうわかっていない会計の話が分かりやすく説明されています。


■貸倒引当金
「貸倒引当金を積む」とはよく聞きますが、実際に積んでいるわけではなく、将来、これだけの額が飛んでいくかもしれないとメモをしておくようなものです。ですので貸倒に備えて現金を積んでいるわけではなく、けっこうな人が誤解しています。


■公認会計士と税務署
税務署-期末商品棚卸高が少なすぎないか(在庫を小さくして利益を過少にしていないか)
公認会計士ー期末商品棚卸高が高すぎないか(在庫を膨らませて粉飾していないか)


■内部留保金
内部留保金に課税しようとすると課税を減らすために設備投資が増える
ことはなくB/Sの資産の部である現金が減って設備が増えるだけです。内部留保金が減るのは株主に配当するか、赤字になる時です。ですので赤字になるぐらい設備投資するか従業員にボーナスを払うことになり、経営的には失敗しています。


■ゼロ金利政策と量的緩和政策
両方とも日銀が民間銀行から国債等を買うことです


ゼロ金利政策ー民間銀行が国債等のお金を受け取ることでお金の希少性が下がり、お金の借り賃である金利が下がる
量的緩和政策-民間銀行が国債等のお金を受け取ることで保有するお金が増える。一定額を日銀に預けないといけないので日銀に預けているお金の残高が増える


お金とは現物ではなく銀行預金です。銀行預金とは銀行の帳簿に記載された預金者の債権記録にすぎません。

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2022/04/04

お金で読み解く世界のニュース

 【書 名】お金で読み解く世界のニュース
 【著 者】大村大次郎
 【発行所】PHP新書
 【発行日】2022/03/29
 【ISBN 】978-4-569-85156-3
 【価 格】1000円


■リバティーボンド法(アメリカ)
第一次世界大戦中に政府が無制限に国債を発行する危険を避けるための法律。国債発行の上限を決めている。2年に1度、上限額を引き上げたり適用を停止するための禁じ手を使っているが議会で引き上げ法案が通らないとデフォルトを起こしてします。これが「財政の崖」。


アメリカのGDPの20%が金融部門(日本は5%、イギリスは10%程度)
金融部門は大きな雇用を生まないため失業者などが増えることになる


ニューヨークの総人口の20%がユダヤ人 世界最大のユダヤ人居住都市


■IMF
議決には85%以上の賛成が必要。アメリカは15%以上の出資をしていて15%以上の議決権をもっているため事実上の拒否権をもつことになる。


■中国
56の民族がいるが漢民族が92%。ただし8%が中国の国土の65%に住んでいる。(5つの自治区)自治区が独立してしまうと国土の2/3を失ってしまうことになる。12億の漢民族を1/3の領土で養うわけにはいかず、資源に不安を抱かえている中国は大変なことになす。


■イギリス
シティがマネーゲームの総本山。またタックスヘイブンの総元締めでもある。イギリスと、海外領のオフショア銀行預金残高は世界のオフシェア市場の約55%になっている。


■アメリカとサウジアラビアの密約
ヤルタ会談直後 ルーズベルト大統領とイブン・サウド国王との極秘会談 石油取引の決済をすべてドルで行えば、アメリカはアラブの王国が攻められた時に軍を出す


■日本の赤字国債
日米構造協議でアメリカに公共投資を求められ、海部首相が10年間で430兆円を出すことにし、村山内閣で630兆円に膨らむ。国会議員が建設業と癒着してしまい、せっかくのお金で箱ものなどを作ってしまい、これが今に至る赤字に


労働者派遣法改正-製造業もOKにしてしまったため非正規雇用が増大。40%近くと先進国で最悪となり格差社会と少子高齢化につながることになる。


■基軸通貨ー資本主義の欠陥
常にだれかが借金をしないと回らないのが資本主義。中央銀行が銀行券を発行して貸し出しをするしかない。誰かが借金をしたお金が市中をまわることになる。アメリカのドルが基軸通貨なのでアメリカが借金し続けることになる。

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2022/03/25

世界を変えたヤバい税金

 【書 名】世界を変えたヤバい税金
 【著 者】大村大次郎
 【発行所】イースト新書Q
 【発行日】2022/03/18
 【ISBN 】978-4-7816-8079-8
 【価 格】840円


■大航海時代
トルコが高関税をかけており、特に香料は「銀1gと胡椒1g」ともいわれました。そこでトルコを経ずにアジアと交易をするために大航海時代が始まります。


■月餅税
中国では中秋節に月餅を食べる習慣がありますが高級菓子のために2011年、企業が社員に月餅を配ると給与とみなすことになりました。大反発になりましたが税金は月餅代金の1~2割で、会社から月餅をもらうのが得ということで文句を言いながら月餅を食べているそうです。


■窓税(イギリス)
暖炉税を作りましたが家に入らないといけないため大反対。そこで外から確認できる窓税にします。窓の数によって課税されます。その名残で古いイギリスの家では窓が塞がれています。


■消費税
累進性が高い消費税で導入目的は社会保障費でしたが、消費税導入とともに法人税や高額所得者の所得税が減税されたため、結局はこの穴埋めになりました。日本には物品税という贅沢品などにかかる税金がありました。きちんと業界も指定されていましたが、業界の関連団体が廃止の陳情を行い、結局は消費税導入になりました。自分だけが損をするのはいやだ、皆が損をするならよいという面があったようです。


■アンチドシス
古代ギリシャにはアンチドシスという富裕税がありました。自発的納税ですがユニークなのは自分よりも資産を持っている人デアンチドシスを免れていると指名することができました。

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2022/02/19

行動経済学

 【書 名】行動経済学
 【著 者】阿部誠
 【発行所】新星出版社
 【発行日】2021/03/25
 【ISBN 】978-4-405-12011-2
 【価 格】1200円


■意思決定 二重過程理論ー2つの思考パターンを使い分ける
ヒューリスティック-過去の経験などをもとに瞬時に判断 メニューを選ぶときなど
システマテッィク-熟考


■興味のあることだけを聞こえる
選択的知覚-意識している対象のみ注意をむける
カクテルパーティ効果ー喧噪のなか相手の話が聞ける
           自身が対象者と認識させるナッジ-「今年がん検診を受診しないと検査キットをお送りできなくなる」損をしている気になる


■代表性ヒューリスティックー典型的なものだけを見て全体も同様であると結論づける
少数の法則ーサンプル数が少ないのに信じる
初頭効果ー一番最初のよい印象が残り続ける
ピークエンドの法則-絶頂時と最後が思いで全体に対する印象を左右するー退職時の印象が重要


■固着性ヒューリスティックー自分の考えや思い込みに固着して肯定的な情報を集めること
フレーミング効果ー満足度90% > 10人に1人は満足できない
         わが社が生き残る可能性はゼロではない > わが社が生き残る可能性はわずかだ
         タウリン1000mg配合 > タウリン1g配合
         全品100円 > 120円の2割引
アンカリング効果-希望小売価格10万円(アンカー)がなんと7万円
         自分が請け負う大量の仕事を示し(アンカー)てから一部を手伝ってもらうように頼む
極端の回避効果-2択より3択の方が選ばれやすい 人は極端を嫌う


時間的選考ー将来よりも現在を重視 今日1万円もらえる > 1年後に2万円もらえる
同調効果(バンドワゴン効果)-赤信号、みんなで渡ればこわくない
ヴェブレン効果-人より高い買い物で満足感 ブランドバッグなど


徳よりも損を重く感じる 絶対に100万円もらえる > 50%の確率で200万円もらえる
            絶対に600万円もらえる > 200万円か1000万円どちらか50%でもらえる
ハウスマネー効果 働いて稼いだお金は大事に使うが 転がり込んできたお金は荒く使いがち

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2022/01/29

起業の天才

 【書 名】起業の天才
 【著 者】大西康之
 【発行所】東洋経済新報社
 【発行日】2021/02/11
 【ISBN 】978-4-492-06216-6
 【価 格】2000円


■ジェフ・ベソス
Fitel(ファイテル) コロンビア大学のグラシエラ・チチルニスキー教授が創業者。アルゼンチン生まれのロシア系ユダヤ人女性で経済学と数学の専門家。カーボンクレジットの提唱者としても有名。イクイテットというホストコンピュータを介して証券取引データを投資家、証券会社、銀行を結ぶシステムの販売。リクルートのカウンターパートナーになったのが入社してまもないジェフ・ベソナ。7年後にアマゾンを立ち上げる。


プリンストン大学卒業後に名もないファイテルに入社して株取引のオンライン決済を学び、次に大銀行のバンカース・トラストに入社してオンラインシステムの開発に従事。優秀で26歳で副社長に。やがてヘッジファンドのD・E・ショーに勤務。いずれはコンピュータを使ったビジネスで起業すると決めており、いろいろな経験を積んで人脈を拡げていた。あらゆるものを売ることを目指したが最初は品質にばらつきがない本を選ぶ。これがカダブラでアマゾンの前身になる。


■アメリカのVCが出す宿題
アイデアを実現するにはチームが必要だ、君より優秀な人間を3人集めたら出資する。


ピーター・ティール(ペイパル創業者)
ビジネスに同じ瞬間はない。次のビル・ゲイツがOSを開発することはない。次のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが検索エンジンを作ることはない。


■評論家ではなく当事者に変えてしまう
君はどうしたい?、返事をすると、じゃあ、それ君がやってよ


ジョブズに振り回されながらマッキントッシュを開発していたメンバーのTシャツには「週90時間、喜んで」とプリントされていた


■時間を買う
ヤフーBBの販促 ADSLができるモデムをただで配る 大手が5000円/月が3000円で接続でき、儲けはないが自社のプラットフォームに顧客を呼び込むことができ、時間を買うことができる


■クラウド・コンピューティング 1988年
日米欧にコンピュータセンターを設置して、始めたのがRCS(リモートコンピューティングサービス)という時間貸し。システムの開発中だけメーンフレームを使いたい銀行などが飛びつくが今でいうクラウドそのもの

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