インターネット文明
【書 名】インターネット文明
【著 者】村井純
【発行所】岩波新書
【発行日】2024/09/20
【ISBN 】978-4-00-432031-9
【価 格】960円
■ビル・ジョイ
ベル研のケン・トンプソンが長期休暇をとってUCバークレーにやってきてUNIXの仕組みを教える授業をしていました。授業を受けていた一人がビル・ジョイで後にBSDをリリースします。1983年にリリースされたBSD4.2からARPANETの通信プロトコルが組み込まれました。前のバージョンであるBSD4.1を導入していた世界中の大学や研究所がバージョンアップしたとたんにTCP/IPでお互いが突如、つながることになります。BSDはオープンソースでしたのでOSやプロトコルの仕組みを学ぶことができました。
■IoT
MITのケビン・アシュトンがRFIDによる商品管理システムをインターネットになぞらえて「モノのインターネット」と表現したのが最初です。
■日本の無線LAN
日本のISMバンドは電子レンジとの干渉が問題になりましたが無線LANをひろげる必要があり見切り発車しますが、コロナのリモートワークで問題になります。家で電子レンジを使ったらオンライン授業などが切れてしまいました。2.4ギガヘルツ帯のIEEE802.gではなく5ギガヘルツ帯のIEEE802.aなどに切り替えれば回避できました。
■震災 2011.3.11
2011年に仮に停電したとしても3時間もたせるだけのバッテリーを基地局につけておくことが総務省のガイドラインとして整備されました。震災があっても基地局が通信サービスを提供できました。
切断された海底ケーブルは20ケ所ありましたが国内外から20隻以上集まって修復にあたりました。世界には100隻ほどしかありません。
■広告モデル
ラジオができた時、放送は全部タダで電波が届いてしまうから料金を回収することができず、ビジネスとして成り立たないから投資できないとアメリカの投資委員会で言われましたが、インターネットも当初は同じことが言われました。
■ルートサーバ
A~M 13のルートサーバーがあり、トップドメインのデータベースのコピーがあります。WIDEプロジェクトがMのルートサーバーを運用しています。アトランタオリンピックではアメリカのコーネル大学、IBM本社、ドイツのカールスルーエ大学、慶応大学SFC、イギリスのIBMに5つのコピーを作りアクセスが集中してもダウンしないようにしました。
■電子書籍
再販制度の対象外なので出品者が自由に価格設定できる
■ROADM(ローダム)
海底ケーブルを分岐させ光の波長で、ある地点で流れてきたデータを降ろしたりできる技術。北極海からきたデータを苫小牧でおろして東京へ送る場合、ケーブルを苫小牧につなぐ必要がありましたが今は苫小牧に分岐するだけでOKです。苫小牧でたくさん降ろせば北海道にデータセンターを作れます。
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