日本の古代とは何か
【書 名】日本の古代とは何か
【著 者】有富純也 編
【発行所】光文社新書
【発行日】2024/07/30
【ISBN 】978-4-334-10377-4
【価 格】1000円
副題が「最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像」です。
■藤原道長
道長の御堂関白記、藤原行成の権記(ごんき)、藤原実資の小右記、源経頼の左経記という記録が残っていて、偶然詳しく知ることができるため摂関期で道長の時期が政治的に充実しているようにみえる側面がある。
■国司
国司 守(かみ)、介(すけ)、掾(じょう)、目(さかん)
郡司 大領、少領、主政、主帳
郡司は現地採用で、割とよく交代した模様。一定の勢力があり、持ち回りで就任
■新しい勢力
富豪層-任期後も都に帰らず居ついた前司、都から下ってきた王臣家子弟、地方で富を蓄えた層
院宮王臣家ー日本各地から税物が都に集まらなくなってきた時、自ら地方進出した院宮王家や中央諸司
国司の苛政を弾劾する訴状(例えば尾張国郡司百姓等解」を出していたのは、受領と対立していた反対勢力が多い
延任、重任を要求する運動も行われていました。
■行政
庁申文(口頭による行政)、南所申文(文書による行政)のセットで政務を行っていましたが10世紀半ばに陣申文(じんのもうしぶみ)という文章行政のみになりました。
江戸時代の裁判で使われたのが「法曹至要抄」という中世初期の法律書(律令格式が引用)が使われています。明治になってもプロシア人との裁判で使われています。
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