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2024/07/27

日本の古代とは何か

 【書 名】日本の古代とは何か
 【著 者】有富純也 編
 【発行所】光文社新書
 【発行日】2024/07/30
 【ISBN  】978-4-334-10377-4
 【価 格】1000円
 
副題が「最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像」です。
 
■藤原道長
道長の御堂関白記、藤原行成の権記(ごんき)、藤原実資の小右記、源経頼の左経記という記録が残っていて、偶然詳しく知ることができるため摂関期で道長の時期が政治的に充実しているようにみえる側面がある。
 
■国司
国司 守(かみ)、介(すけ)、掾(じょう)、目(さかん)
郡司 大領、少領、主政、主帳 
郡司は現地採用で、割とよく交代した模様。一定の勢力があり、持ち回りで就任
 
■新しい勢力
富豪層-任期後も都に帰らず居ついた前司、都から下ってきた王臣家子弟、地方で富を蓄えた層
院宮王臣家ー日本各地から税物が都に集まらなくなってきた時、自ら地方進出した院宮王家や中央諸司
 
国司の苛政を弾劾する訴状(例えば尾張国郡司百姓等解」を出していたのは、受領と対立していた反対勢力が多い
延任、重任を要求する運動も行われていました。
 
■行政
庁申文(口頭による行政)、南所申文(文書による行政)のセットで政務を行っていましたが10世紀半ばに陣申文(じんのもうしぶみ)という文章行政のみになりました。
江戸時代の裁判で使われたのが「法曹至要抄」という中世初期の法律書(律令格式が引用)が使われています。明治になってもプロシア人との裁判で使われています。

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2024/07/23

越境する民 近代大阪の朝鮮人史

 【書 名】越境する民 近代大阪の朝鮮人史
 【著 者】杉原達
 【発行所】岩波書店
 【発行日】2023/03/15
 【ISBN  】978-4-00-600463-7
 【価 格】1520円
 
■大阪・東成区
済州島では四・三事件もあり、縁故をたどって大阪へ渡る住民が多く、猪飼野や鶴橋、今里など東成区に集まりました。背景として同じ島民が経営する下宿屋があり、安い労働力を求めるゴム工場がたくさんありました。
 
■君が代丸
済州島から乗ってきたのが「君が代丸」。元はロシアの砲艦マジュール号でロシア皇太子ニコライが日本を訪れた時にも随行していました。元戦艦なので船首が前方にせり出していました。運行していたのは尼崎汽船で尼崎は人の名前です。大阪から済州島へ向かう時は棺桶も乗せていました。日本は火葬ですが、済州島では土葬でした。

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サイバースペースの地政学

 【書 名】サイバースペースの地政学
 【著 者】小宮山巧一朗、小泉悠
 【発行所】ハヤカワ新書
 【発行日】2024/06/20
 【ISBN  】978-4-15-340026-9
 【価 格】1000円
 
■ラックの規格は19インチ(48.26cm)
データセンターで使用されるラックの幅で元はAT&Tが社内で使っていた棚の幅がデファクトスタンダードになりました。
 
■海底ケーブル
2024年1月現在、世界に574本 総延長140万km
ケーブルシップ 世界で50~60隻 日本ではNTT系とKDDI系の2社が担当
 
■ニイタカヤマノボレ
船橋市行田にあったのが船橋無線電信所
呉にあった長門から発信された「ニイタカヤマノボレ」は陸上ケーブル経由で船橋無線電信所の巨大通信所から発信されました。1971年に解体されました。

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2024/07/19

町工場の娘

 【書 名】町工場の娘
 【著 者】諏訪貴子
 【発行所】日経ビジネス人文庫
 【発行日】2024/06/03
 【ISBN 】978-4-296-12037-6
 【価 格】900円

大田区にあるダイヤ精機の先代社長が急逝し、後を引き継いだのが次女だった専業主婦でした。

■整理整頓
整理とは、いるものといらないもに分けて、いらないものを捨てること
整頓とはいるものを使いやすく取り出しやすく並べること

■交換日記
座学の研修を終え、機会を使い始めてからの1ケ月間、毎日つけて社長と若手相談係がフィードバックします。紙に書くことで情報が整理され、知識が体系的に頭に入ることと、メンターがコメントすることで見守っているという安心感が得られます。

→ 町工場の娘

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日本鉄道廃線史

 【書 名】日本鉄道廃線史
 【著 者】小牟田哲彦
 【発行所】中公新書
 【発行日】2024/06/25
 【ISBN 】978-4-1-102810-5
 【価 格】1050円

■葬式鉄
ふだんは乗車しない路線に、廃止されると決まってから乗りに来る鉄道愛好家を指す

■参宮線
戦時中に複線だったのに単線化した路線
阿漕ー高茶屋 松阪ー徳和 相可口ー宮川 山田口上ー山田

■国鉄
地域開発目的で地方路線を増やしましたが国鉄からみれば赤字になる地方ローカル線を国に求められて予想通り赤字になったのに、赤字経営の責任を国鉄に求められても困ることになります。昭和62年に国鉄の分割・民営化が行われ国鉄清算事業団が引き継いだのが25兆5200億円の長期債務。25年後の2021年で15兆5678億円が残っています。

日露戦争のポンド建て戦時国債を完済したのは80年ほどたった昭和61年でした。

■中公新書
初代編集長が宮脇俊三。

→ 日本鉄道廃線史

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2024/07/15

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのイノベーションと企業家精神を読んだら

 【書 名】もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのイノベーションと企業家精神を読んだら
 【著 者】岩崎夏海
 【発行所】新潮文庫
 【発行日】2024/07/01
 【ISBN 】978-4-10-120222-8
 【価 格】750円

「もしドラ」の続編です。野球部を復活しようと、選手がいないのにマネージャーが5人も集まり、小さな取組からイノベーションを起こしていきます。

→ もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのイノベーションと企業家精神を読んだら

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山小屋ガールの癒されない日々

 【書 名】山小屋ガールの癒されない日々
 【著 者】吉玉サキ
 【発行所】平凡社
 【発行日】2019/06/19
 【ISBN 】978-4-582-83807-7
 【価 格】1400円

北アルプスの山小屋で10年働いていた作者のエッセイです。夏山シーズンの週末になると100人以上の食事や宿泊の世話をしなければならず大変です。スタッフは山にいるのに山を歩く時間がありません。休暇の時は、ここぞとばかりに縦走をする人もいます。自然に癒されると山小屋でのバイトを始める人もいますがボロボロになります。スタッフ用のお風呂はありますが、寒いし水は貴重だし、こちらも大変です。

食材は数週間に1度、ヘリであげます。まずは下山してヘリ荷の準備をしないといけません。もっこには約600キロしか入れられないので段ボールなどは重さを測って調整しないといけません。下の方に重いものを乗せるのは基本です。山の上からはゴミを麓に運びますが、多い場合は20往復もします。

→ 山小屋ガールの癒されない日々

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2024/07/10

お金に強い人の値段の見方

 【書 名】お金に強い人の値段の見方
 【著 者】ライフ・リサーチ・プロジェクト
 【発行所】青春文庫
 【発行日】2024/06/20
 【ISBN 】978-4-413-29853-7
 【価 格】900円

■サブスク subscription
script「書く」subがつくと「下に書く」→署名する
18世紀初頭には定期購買の意味で使われていて契約書の下欄に署名することから使われるようになった言葉

■新聞
新聞購買料金は朝夕セットと夕刊がない地域の統合版の2つだけを新聞社が決めています。夕刊がある地域で朝刊のみコースは販売店が決めていますが新聞社からは同じ数の朝刊、夕刊が送られてくるので朝刊のみコースにしても朝夕刊セットとあまり変わらない料金になります。

■占い 3,000円
1,000円は安すぎて信用できない、5,000円は高すぎるで3,000円に落ち着きます。

■インタレスト interest
興味と金利の意味があり、古代では利益や金利として使われていましたが人が興味を抱くのが利益や金利なので興味という言葉でも使われるようになりました。

■バンク
イタリアの両替商が机やベンチに様々な通貨を並べて商売。イタリア語の机、ベンチを意味するバンコ(banco)が銀行の語源になります。

■笑点
大喜利の座布団の値段は1枚35,000円

■株式会社
1602年オランダ東インド会社 それまでは航海ごとに座を開いて出資者を募り、儲けを分配する当座会社という形態でしたが遭難などで全く利益を得られなくなることもあります。そこで出資者一人ひとりのリスクを下げるために考えられたのが株式会社になります。

→ お金に強い人の値段の見方

 

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2024/07/06

戦国大名の家中抗争

 【書 名】戦国大名の家中抗争
 【著 者】渡邊大門
 【発行所】星海社新書
 【発行日】2024/06/17
 【ISBN 】978-4-06-536180-1
 【価 格】1400円

■島津
庄内の乱が発生した時に在京していた義久(67歳)は伏見にいた家康に依頼して、逼塞していた忠恒の帰国を許してもらい、乱を起こした忠真討伐の許可も出しました。国内における私戦の鎮圧が豊臣政権の役割の一つであり五大老筆頭の家康にしかできないと自負していた面と島津に恩がうれると考えていたようです。

■武田義信
信玄の後継者でしたが信玄は勝頼と信長の養女との結婚を発表。今川氏を見限って織田への連携を考えました。こうなると勝頼が当主になる可能性が出てきたため路線対立もあり謀反の計画をすすめた背景があります。

→ 戦国大名の家中抗争

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2024/07/03

コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌

 【書 名】コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌
 【著 者】山岡彰彦
 【発行所】講談社アルファ新書
 【発行日】2022/06/18
 【ISBN 】978-4-06-536109-2
 【価 格】900円

■本を読む
大切なことは、その棒をを支える知識の裾野をしっかりさせることだ。周りからその棒を支えるような、言ってみれば山のようなかたちにすることだ。専門的な知識はあったに越したことはないが、まずはその脇を固めていかないと、どんなに房を高く伸ばしても横から突っつかれると簡単に倒れてしまう。そのためには多くの本を読むといい。

■営業
他よりも安い金額と他よりも良い条件。これだけで仕事をするならば営業担当はいらない。お店の商売のことを一緒に考えてくれて、それをやってくれることだ。

営業は売るのではなく買っていただいている。買う・買わないを決めるのは先方。自分のことを思ってくれる相手だから買おうという気になる。

お客さんは商品を買ってからに重きをおいており、次にも買いたいかと思うのが重要。

■役割
会社で上の役職になると自分がちょっとえらくなったように思える。上司は”偉い”のではなく、役割が”違う”だけ。

→ コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌

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