漫画家が見た百年前の西洋
【書 名】漫画家が見た百年前の西洋
【著 者】和田博文
【発行所】筑摩書房
【発行日】2024/02/15
【ISBN 】978-4-480-01792-5
【価 格】1700円
副題が近藤浩一郎「異国膝栗毛」の洋行になっています。スペイン風邪と第一次世界大戦が終息した時代のヨーロッパへの洋行記です。
近藤浩一郎は水墨画家で漫画家で東京美術学校では藤田嗣治や高村高太郎と同級でした。出かける前にはパンを食べる練習をしたりして出かけます。1922~1923年に旅行し、パリでは藤田嗣治に10年振りに再会したりしています。旅行記は雑誌「主婦の友」にイラスト入りで連載されます。
銀行で現金を出すために横浜正金銀行の信用状を持って日仏銀行へ行きますが、銀行員は日本人とフランス人のハーフで流ちょうな日本語で会話できました。パリで感心したのが土の感触がない街路で靴の裏は全然、汚れませんでした。パリ郊外のロバーソンという村に樹上カフェがあると聞いて訪れています。
ローマでは日本ブームが起きていてレストランでは洋装の上に羽織袴を着た老婦人を見かけます。ドイツは賠償金の支払いで通貨が暴落しており、観光よりも買物にいそしんでいますが、これが第二次世界大戦への遠因となります。
ロンドンのセシルホテルのドレスコードが厳しく男性はタキシードになっていました。日本料理店がいくつかあり1922年にはロンドンに998人の日本人が在留しておりパリの472人の倍でした。マダムタッソー蝋人形館には東郷平八郎が飾られています。
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