« 脱税の世界史 | トップページ | もう一つの幕末史 »

2024/03/09

トマトが切れればメシ屋はできる栓が抜ければ飲み屋ができる

 【書 名】トマトが切れればメシ屋はできる栓が抜ければ飲み屋ができる
 【著 者】宇野隆史
 【発行所】日経ビジネス人文庫
 【発行日】2023/12/01
 【ISBN 】978-4-296-11945-5
 【価 格】800円

■流行る店
お客さんがどうしたらより楽しく店で過ごせるかを常に考える
お客の顔と名前を憶える
飲食店は健全な”ねずみ講”-店を好きになってくれたお客さんが継ぎのお客さんを連れてくれる

■出店
遊び心を出す余裕がなくなるような無理な投資はしない
不動産屋に自分が働いていた店の写真や作りたい店のプランや出身地などを伝える
定期的に銀行に預金をし、入金額が小さくても銀行の信用は厚くなる
最初に出すのは「手段の店」で「目的の店」ではない。まずは売上があがる店を出して、最終目標を目指す。

■楽しませる工夫
ラーメン屋の寸胴をみても煮込んでいるだけで分からない。そこで客席から見える冷蔵庫に「〇月〇日、トンコツ50kg、鶏もみじ30kg」と書いておく。
寿司なら客の目の前で魚を捌いて新鮮さをアピール
おばちゃんがエビの頭をむいて「食べなさい」と差し出す店
貝酒-寒い日は姫貝のヒモをちょっと焦がして熱燗に入れる アサリを頼むと箸ではなく洗濯ばさみが出てくる
料理が運ばれてくるまでにアルバムを出す アルバムにはトイレの壁を塗ったり椅子を作ったりするシーンが映っている
手書きメニューは売るため「昨日はサンマ、60本出ました!」「今日、まかないで食べてみたら最高でした!」と書く。
サンマの塩焼きは片側を焼いて焦げ目をつけて出し、「ひっくり返す時に、もう一度炙るので声をかけてください」コミュニケーションがとれる。

■呼び込み
道路に面した間口に、おでん鍋をおいて馴染みの客が歩いてくると「今日は寄らないの」と聞いて、「今日は家に帰る」と聞いたら、おでんの2つ3つを持って帰ってと渡す。次は絶対に店に来てくれる。チャンスを逃さない工夫が必要。

■サービス
デザートメニューにアイスをサービスしようという時にキッチンで盛り付けて「アイスをサービスしました」と言ってもダメ。アイスクリームのカートンを客席まで持っていって目の前で「サービスしときます」と、その場で盛り付ける。
お客さんがハマチにするがマグロにするか悩んでいてマグロにしたら「一切れ、ハマチをつけときました。今日のはおいしいので食べてください」と出す。
豚足が食べにくくハサミを頼まれたらハサミを渡さず、切って出してあげる

■食品ロス
売れ残りそうなら「刺身は次の日まで残せないので半額にします!」と売り切ってしまう。魚が新鮮な店と宣伝になる。魚は鮮度でアピールができる。
焼きそばやマーボ豆腐のように何人前も作れるのならオーダーが入った時に「今から熱々の麻婆豆腐を限定5人前作るので、欲しい人は手を挙げてください!」手間は一緒。

■忘年会
販促よりも、お客を待たせない工夫。ご飯ものなら、すぐ出せるお握りにする。その代わり、お客さんが「へっ」と思う具を考える。

落語家に客席のどこらへんを見ているか聞いた記者に「何、言うてますのや、ワタシが客先におりますがな」
店の子がトイレに行く時はドアに「ワンミニッツクリーニング中」という札をかける。お客はいやな気分にならない。

→ トマトが切れればメシ屋はできる栓が抜ければ飲み屋ができる

|

« 脱税の世界史 | トップページ | もう一つの幕末史 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 脱税の世界史 | トップページ | もう一つの幕末史 »