【書 名】脱税の世界史
【著 者】大村大次郎
【発行所】宝島SUGOI文庫
【発行日】2024/02/20
【ISBN 】978-4-229-05252-0
【価 格】880円
■徴税請負人
徴税権を売りに出し業者が入札します。
国-実際の超税額よりも若干、損をするが徴税しなくてもすみ先にお金がはいります
徴税請負人が利益を出すには厳しく税をとりたてる必要があります
1642年にイギリスでは清教徒革命が起き徴税請負制度を廃止しました。税務官僚を試験で選び十分な給与を払い頻繁に転勤することになります。日本の税務職員も3~5年で転勤します。
フランス革命
フランスでは貴族や教会が大きな力をもちルイ16世は貴族の脱税をなくすためにスイスの銀行家ジャック・ネッケルを財務総監に任命します。そして徴税請負制度の改革に取り組みますが貴族や教会が猛反対。そこでネッケルはフランス国家の歳入と歳出を公開します。国家の支出も多かったため矛先が王室に向かってしまいフランス革命になります。
国家が崩壊するパターン
官僚の腐敗→税収減→埋め合わせのための増税→民が疲弊→国家が崩壊
■無記名債権
ユダヤ人は金を貸した際の借用書を債権として流通させます。これが有価証券になっていきます。中世になるとスペイン海軍はユダヤ人というだけで船や船荷を没収するようになるため、貿易関係の書類に架空のキリスト教徒の名前を使うようになります。これが無記名債権になっていきます。
■モンゴル
第5代皇帝クビライ:カーン 帝国内の関税を3.3%で一元化 売却地で一回だけ払えばよいようにしたために自由な交易が行われヨーロッパとアジアがむすびつきます。
■教会税
旧約聖書に収穫物の1/10を聖職者に貢納したという記述が収入の1/10を教会におさめることになります。宗教改革など半分は教会税の問題でもありました。
■領海
密輸を見張るためにイギリスでは洋上徘徊防止法を作り、臨検できるようにします。国内船は300海里まで外国船は3海里までと臨検できる範囲を決めます。これが領海のもとになり現在は12海里になっています。
■ボストン茶会事件
イギリスがアメリカを植民地にしますが、移った人は税金を払いません。またお茶の密輸を行っていました。そこで東インド会社に無関税でアメリカで茶を売る権利を与えました。イギリスは間接的に税金を徴収できるようにしましたが、東インド会社の船を襲ってお茶を捨ててしまいます。
■源泉徴収制度
ナチスが導入します。扶養家族がいれば扶養控除できるようにし低所得者の税金は軽減させます。これで徴税コストが安くなり日本では所得税の80%が源泉徴収で行われ担当している税務職員は全体の1割ですみます。日本では昭和16人にナチスを見習って導入しました。
■中国のタックスヘイブン
新疆ウイグル自治区にあるコルガスという都市。5年間は法人税が免除され、その後の5年間も半額。個人の所得税はありまえん。コルガスに会社の実体がなくても登記だけでOKです。
→ 脱税の世界史
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