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2023/11/27

ヒトコブラクダ層戦争(下)

 【書 名】ヒトコブラクダ層戦争(下)
 【著 者】万城目学
 【発行所】幻冬舎文庫
 【発行日】2023/11/10
 【ISBN 】978-4-344-43331-1
 【価 格】870円


ヒトコブラクダ層にたどりつくまでの三つ子の物語。メソポタミア文明がモチーフになっていて、小説を読みながらシュメール文明を学べます。


■海兵隊員の新兵
ブーツって新兵と呼び、昔、流行った「ブートキャンプ」は新兵訓練という意味です。

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2023/11/25

ヒトコブラクダ層戦争(上)

 【書 名】ヒトコブラクダ層戦争(上)
 【著 者】万城目学
 【発行所】幻冬舎文庫
 【発行日】2023/11/10
 【ISBN 】978-4-344-43330-7
 【価 格】870円


ヒトコブラクダ層にたどりつくまでの三つ子の物語。メソポタミア文明がモチーフになっています。


■海兵隊員の時計
世界各地で任務があり、基地に帰るために、いい時計を身に着けいる。もちろん現地で時計を質に入れるなど現金に換える手段にしている。

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2023/11/18

あのとき売った本、売れた本

 【書 名】あのとき売った本、売れた本
 【著 者】小出和代
 【発行所】光文社
 【発行日】2023/10/30
 【ISBN 】978-4-334-10095-7
 【価 格】1,750円


マンモス書店である紀伊国屋書店・新宿本店で25年間文学書売場で販売していた書店員の回顧録です。装丁で紹介された本を並べていて、なかなか印象的です。


■謎解きはディナーのあとで
帯に書かれていたのが「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」と作中にあるセリフ。これが効果的だったようで平台においておくと通り過ぎる人が思わず戻って買っていきます。


■崩れた本
東日本最震災で友人宅に泊めてもらった時に崩れた本を積みなおすのに5冊づつ向きを変えて平積みすることで、きれいに積むことができます。書店員のサガです。


■静山社
社長一人で運営している会社が「ハリー・ポッターと賢者の石」の翻訳権をとったためにざわつくことに。初版は2万7千部でバカ売れします。「ハリー・ポッターと秘密の部屋」が初版16万部、「ハリー・ポッターとアズバガンの囚人」は初版80万部ですが、これでも足りない状況になります。ただ委託販売なので売れなければ出版社が大変なことになります。そこで「ハリー・ポッターと炎のゴグブレット」からは買い切りになります。今度は書店側がリスクをおいますので書店員が頭を悩ますことになります。

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久米宏です ニュースステーションはザ・ベストテンだった

 【書 名】久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった
 【著 者】久米宏
 【発行所】朝日文庫
 【発行日】2023/10/30
 【ISBN 】978-4-02-262084-2
 【価 格】900円


■ラジオとテレビ
ラジオ出身者のアナウンサーがテレビに出るとうまくいかないのは「しゃべりすぎるから」。ラジオの場合、沈黙となると放送事故になるので、ひたすら話続けなければなりません。テレビは映っているだけで成り立つことを学んで軌道っ修正していきます。


■吉本流
タレントのスケジュール表にはラジオ局やテレビ局を回るのに移動時間がありません。芸人が自分でやりくりして時間をひねりだすことをしています。前の番組を早く終わらせて次の番組に遅れていきます。


■ザ・ベストテン
黒柳徹子からの指定で司会が実現。若い歌手でも敬語を使うことを2人で決めて番組がはじまります。またランキングの公正さにこだわったため初回ではスタンバイしてもらっていた山口百恵がまさかの11位になってしまいましたが、これが評価されることになります。


■世界ふしぎ発見
テーマが伝えられると関連する本を片っ端から読んで勉強していたのが黒柳徹子。久米宏の食事会で途中で帰り、その理由が「世界ふしぎ発見」に備えて7冊の本を読むため。回答率の高さはこんなところにあったんですね。番組ディレクターが図書館に行ったら黒柳徹子に先に借りられていて焦ったそうです。


■大宅壮一
風俗を語る時は難しい言葉を使い、政治を語る時は風俗を語るように語れ

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2023/11/13

人はどう老いるのか

 【書 名】人はどう老いるのか
 【著 者】久坂部 洋
 【発行所】講談社現代新書
 【発行日】2023/10/20
 【ISBN 】978-4-06-533693-9
 【価 格】920円

■高齢者はバリアフリーが危険
畳の縁や絨毯の継ぎ目など何気ないところで転倒してしまいます。バリアフリーの傾斜も危なく色を変えて明示するなどの工夫が必要です。反対に階段などは高齢者も最新の注意を払うので案外、転倒することはありません。

■認知症への対応
お爺ちゃん、僕の名前分かる? → お爺ちゃん、太郎だよ、遊びにきたよ
何がいい? → コーヒーと紅茶のどっちにする?

■考え方を変える
無為自然ー作為的なことはせず、自然の任せる
莫妄想(まくもうぞう)ー不安や心配や迷いは妄想だからしないほうがよい
小欲知足-欲を減らし足るを知ることが苦しみを減らす
武道とは「与えられた状況に最適化することをめざす」ー相手の状況にあわせてもっとも自由度の高い状況を作ることで、次の行動の選択肢が最大化し、何が起きても大丈夫という心持になる。

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2023/11/11

江戸

 【書 名】江戸 平安時代から家康の建設へ 
 【著 者】齋藤慎一
 【発行所】中公新書
 【発行日】2021/12/25
 【ISBN 】978-4-12-102675-0
 【価 格】820円

■江戸氏
本貫は武蔵国豊島郡江戸郷であるが実際はどこにあったのかは不明。平川を渡る平河で鎌倉大道が通過していた陸上交通の要地という説もある。

■平河天神社
扇谷上杉家の川越城にあった三芳野神社から勧請し、太田道灌に江戸城内にあったが、家康の入府によって現在地に移転。天神社とは別に山王社もあったがこちらも移転。

■麹町
国府に至る道ーコウジミチが語源という説がある。

■江戸入府
江戸城の普請が家康に命じられていて秀吉が会津にむかうための御座所作りの一環だった模様。秀吉が関東、東北の仕置きをするなかで江戸に家康をいれることに決定したという流れが濃厚。秀忠が中心になった時に西の丸に新城を造り、こちらを隠居場所に想定していました。関ケ原の後に駿府城を隠居場所にしたため、江戸城を拡張して西の丸をとりこむ形となりました。

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2023/11/07

京都人だけが知っている

 【書 名】京都人だけが知っている
 【著 者】入江 敦彦
 【発行所】洋泉社
 【発行日】2001/05/22
 【ISBN 】4-89691-537-2
 【価 格】680円


筆者は1961年の西陣生まれで、現在はイギリス在住。文章も全部ロンドンで書いたとあります。文章のタッチがJJ氏(植草甚一)を彷彿とさせるタッチで、なかなか奥深い京都の世界が楽しみます。知らない話が盛りだくさんでした。


■平野さん
「平野さんに産んでしもうて私が悪かった」筆者が母親に言われた言葉だそうです。平野神社は北野天満宮の先にあり、「北野を越えて」が「汚のう肥えて」になって不細工を表す京言葉なんだそうです。京都に4年ほど住んでいましたが、これは初めて聞きましたね。


■御室の桜
仁和時の桜が背が低いことから、「御室の桜」というと「鼻(花)が低い」ということになります。


■丹波越えの身になる
都落ちすることで、老のノ坂峠を越えると丹波でした。


■食事
ああウマかった。ウシまけた。と続けるのが京。
ドラエモンが好きなどら焼きは関西では「三笠」と呼びます。東寺の僧侶から寺でも作れて間食になって腹持ちがよいお菓子を命じられ銅鑼で皮を焼いたことから命名されます。


■進々堂
黒田辰秋が作ったオーク材の大きな机と椅子が特徴で昭和5年にカルチェラタンに感動したオーナーが作った喫茶店。


■漬物(香の物)
鼻腔や口中を爽やかにするため香道で用いられたのが香の物で沢庵をさします。京では沢庵を「おこう」と呼んでいます。


■サッカーの神様
堀川今出川に白峯神社があります。


白峯神社がある場所は、平安時代から代々蹴鞠の家元とされてきた、飛鳥井家の邸宅があった場所で蹴鞠の神様でもあります。それがどこでどうなったのか蹴鞠もサッカーも似たものということで地元京都パーブルサンガの必勝祈願の場所になります。


■円山応挙
亀岡の出身。四条の金運寺境内に借家住まいをしている時に薄物をひきづって墓参する病弱ま寺の女房を見て、足がない幽霊画を思いつきます。


■送り火
市原野「い」、鳴滝「一」、西山「竹の先に鈴」、北嵯峨「蛇」、観音寺村「長刀」がありました。はじまった時期は分かりませんが、おそらく中世です。


■京都ってどこまで?
京都人の京都という感覚は独特のもののようで、あの世とつながっていると思われるところが境界のようです。北は幽霊で有名な深泥池あたり、昔この近くの上賀茂に住んでおりました。夜は不気味でしたね。タクシーで乗せた女が消えてシートがぐっしゃりは深泥池発祥といわれていますが宝ヶ池トンネル手前の狐坂だそうです。


西は心霊ゾーンである老ノ坂トンネルで、亀岡は近いのですが老ノ坂トンネルの向こうですので京都ではなく彼岸なんだそうで(笑)船岡山、東山遊歩道、持越峠、東山トンネル、清滝トンネルという心霊スポットとして有名なところが京都人が此岸つまり京都と感じているところです。

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2023/11/05

秀吉と海賊大名

 【書 名】秀吉と海賊大名
 【著 者】藤田達生
 【発行所】中公新書
 【発行日】2012/01/25
 【ISBN 】978-4-12-102146-5
 【価 格】760円


■河野氏
道後温泉のすぐ近くに湯築城があり、本拠においていたのが瀬戸内海の海賊大名だった河野氏。長宗我部、毛利、秀吉などに翻弄されて最後は滅びます。四国出身の大名で生き残ったのは来島氏(豊後森藩)だけでした。本貫は風早郡河野郷(松山市)で伊予を代表する名門武士。被官だったのが村上氏です。


■真鍋氏
本貫は備中にある小田郡真鍋島で備中守護である細川氏の被官でしたが細川氏の分郡がある和泉や伊予にも進出します。淡輪にも移住し円墳がある真鍋山として地名が残っています。淡輪付近に海関を設けていました。細川氏が没落すると三好氏に従い、織田信長が入京すると和泉国衆は織田に従うことになります。真鍋貞友は木津川の戦いにも参加し討死しています。


■湯川氏
信長に敗れた足利義昭は紀伊に移ります。幕府奉行衆だった湯川氏を頼ることになります。長篠の合戦で武田勝頼が破れ、信長と石山本願寺が和睦することもあり、次に毛利をたのむことになります。毛利輝元は副将軍という立場となり家格があがります。単なる戦国大名ではなく公儀の一翼として諸大名と交わることができるようになります。


■鞆の浦
豊後水道から伊予灘へ向かう海流と紀伊水道から播磨灘に向かう海流がぶつかる中心地。干満差を利用して船が集散するため情報が集まりました。足利義昭が鞆幕府を作った時、北畠具親(伊勢国司)、仁木義政(伊賀守護)、武田信景(若狭守護)、内藤如安(丹波守護代)、六角義治(近江守護)が亡命してきています。



■本能寺の変の遠因
織田政権で中国・四国政策の中心だったのが光秀で信長自身も毛利との和平を考えていたようです。光秀は長宗我部とも結んでいました。秀吉といつ裏切るか分からない宇喜田をはずして直接、毛利と交渉していました。毛利と戦うという主戦派の秀吉と宇喜多直家は織田政権では少し浮いた存在です。まずいと思った秀吉が目をつけたのが四国、三好康長と結んで長宗我部と戦い東瀬戸内地域を織田政権側にします。これで織田信長の政策が変わります。光秀は秀吉に破れた形になります。


■高松城の水攻め
信長は毛利との直接決戦を考えていましたが長宗我部の後詰をおそれて中止しました。長宗我部を攻める時に毛利の後詰が問題になります。そこで水攻めにして高松城に毛利軍を引き付けて長宗我部への援軍をできないようにした背景があります。


■国替え
信長、秀吉が考えたのが預治(よち)思想。鎌倉武士いらいの一所懸命ではなく天下人から領地、領民、城郭を預かる形になります。本領を守り抜くという中世武士の価値観こそ戦国動乱を長期化させ泥沼化させた原因だと考えていました。信長は海外から植民地化されないよう適材適所の統一国家をつくらなければと思っていたようです。本格化するのは江戸時代で隣の大名との戦争は起らなくなりました。

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2023/11/04

検証 平城京の政変と内乱

 【書 名】検証 平城京の政変と内乱
 【著 者】遠山美都男
 【発行所】学研新書
 【発行日】2010/02/01
 【ISBN 】978-4-05-404440-1
 【価 格】790円


■長屋王の変
聖武天皇が後継者を亡くして悲しんでいるところに長屋王が呪詛したという情報がもたらされ、十分に詮議せずに怒りにまかせて死を命じてしまった。いさめる立場にあった藤原氏も止めなかったのが実態の模様。冤罪ということは当時から分かっていたが公になったのは聖武天皇の後継者だった称徳天皇が亡くなってからで誣告した中臣宮処東人殺害事件が発生し、続日本記に事件について記載されることになります。


■聖武天皇 東国行幸
藤原広嗣の乱が鎮圧されたことを確認してから平城京を出立。最終的に恭仁京に移ります。壬申の乱を想起させるだけでなく天智天皇の後継でもあることをアピールしたのが東国行幸にようです。唐で西の都「長安」に対して東の都「洛陽」があったものにならったもので洛陽近くに龍門があり、廬舎那仏を安置した奉先寺がったことを参考に甲賀寺の造営し、廬舎那仏を作ることを考えます。留学帰りの玄昉や吉備真備から得た知識でしょう。


■桜井頓宮
聖武天皇が難波京に出立した時に息子である安積皇子(あさかのみこ 17歳)も同行していましたが桜井頓宮(東大阪市六万寺の梶無神社?)で脚気で具合が悪くなり恭仁京に帰ります。2日後に亡くなります。

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2023/11/03

家康の誤算

 【書 名】家康の誤算
 【著 者】磯田道史
 【発行所】PHP新書
 【発行日】2023/11/09
 【ISBN 】978-4-569-85541-7
 【価 格】900円


■瀬名
当代記によると家康が信長と同盟を結ぶ前に妻と娘は岡崎に帰りましたが、嫡男の信康は駿府にいた状態だったようです。上ノ郷城を甲賀忍者を使って攻め鵜殿長照の子供を確保し人質交換します。


■神君伊賀越え
家忠日記に襲ってきた雑兵200人余りを討たせたとあり、一説には数千人の護衛がいたのではという説もあります。


■寛永通宝
家光の時代に永楽通宝の流通を停止して寛永通宝を鋳造して流通させます。まずかったのは幕府から許可をえれば各藩でも鋳造できるようにしたことです。結局、贋金が作られることになります。天保通宝は原価50円ぐらいで5千円ぐらいの価値があったので儲かりました。


■大名行列は京都に寄れない
松平一族でも格式が高い津山藩松平家は京都へ寄れましたが、それ以外は京都所司代の許可がいりました


■蛤御門の変
御所への道の半分を開けて行儀よく長州軍は進軍し、後ろには戦見物がぞろぞろついていました。そこに襲い掛かったのが薩摩藩です。敗れた長州藩が逃げ込めないように会津藩が町屋に放火します。これで民心は会津藩から離れるようになりますが、長州藩が残した兵糧を薩摩藩がおさえ、焼け出されてた人に配給し評判をあげます。


■孝明天皇
孝明天皇は将軍ありきで考えていたため公家のなかには反対派がたくさんいます。慶喜が将軍に就任した20日後に亡くなりますが真相はやぶの中です。


■慶喜の逃亡
西郷隆盛はパークスに戦いが長引けば局外対立が守れなくなると文章を書いてもらい慶喜に届けます。イギリス海軍が大阪湾を封鎖すれば退路がなくなります。大坂城を抜け出して江戸へ出ることになります。


■並
人材登用のため陸軍奉行並のようなポジションが考え出せれます。奉行ではないが同等の指揮権をもつという見立てになります。能力主義にするための苦肉の策でした。


■山岡鉄舟
胃がんとなり医者から「いかん」と言われると「お医者さん 胃癌胃癌と 申せども いかん中にも よいととこもあり」と言う和歌をよんでます


■帝の姓
隋書に「倭王、姓は阿毎(あめ)」と出ているので隋に対しては「天」と名乗ったようです。


■輪王寺宮
日光山輪王寺に親王を迎えています。戊辰戦争の時に輪王寺宮を東で即位するのではと西洋の新聞で噂されました。東に朝廷を作れるように考えていたようです。

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