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2023/09/30

動乱の日本戦国史

 【書 名】動乱の日本戦国史
 【著 者】呉座勇一
 【発行所】朝日新書
 【発行日】2023/09/30
 【ISBN 】978-4-02-295234-9
 【価 格】810円


■桶狭間の戦い
今川義元は織田方の5つの砦を攻略することにありました。信長の主力部隊と遭遇することはなさそうという前提で作戦を進めていたところに信長が出現したために対応が遅れた面がありそうです。前線部隊は背後の義元に伺いをたてたはずなので、その時間などが敗因になったようです。


■大坂の陣
德川側の条件は惣堀を埋め、牢人の追放で豊臣側も納得していました。籠城しても寝返ってくれる大名は出ず、武器・弾薬が不足し木製の銃まで使っていたギリギリの状況のようでした。牢人も堀がなくなったので、これ以上は無理と退散すると考えていましたが、行き場のない牢人が居座ったため夏の陣となりました。


牢人は実戦経験が豊富でしたが徳川側は世代交代していて初陣も多い状況でした。天王寺口の戦いでは紀伊の浅野が大坂城に今宮から向かうために松平忠直の西側に出ようとしたところ浅野が裏切ったという流言が流れ陣形が崩れます。この時に真田信繁が家康本陣へ突撃します。家康にとっても戦いはしたくないと思っていたため牢人が立ち退いたら豊臣家は存続する可能性はありました。

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平治の乱の謎を解く

 【書 名】平治の乱の謎を解く
 【著 者】百崎有一郎
 【発行所】文春新書
 【発行日】2023/07/20
 【ISBN 】978-4-16-661405-9
 【価 格】1150円


平治の乱を首謀していたのは誰か、ほとんどミステリーの謎解きのようにすすんでいく一冊。皇位継承問題での争いだったのが結局は清盛に頼らないと国家を支えられない事態になっていきます。


■国府津駅
東海道線で小田原駅の2つ横浜よりの駅です。国府の港があったところで、二宮駅ちかくに六所神社があり、国司が国内の神々を国府に集めた神社です。ここに相模国府があった模様です。信西の息子たちが流刑となり、このまでまとまって護送されてから別行動になりました。安房へ行く場合は国府津から船で向かったようです。


■湯浅宗重
熊野詣でに向かっていた清盛の異変が伝えられた時、手持ちの兵が少ない状態でした。田辺宿で清盛に湯浅宗重が合流してあわせて50騎となり京都へ向かうことになります。


■源頼朝
源義朝と熱田大宮司・藤原季範の娘との間に生まれたのが頼朝で藤原季範は信西の父である実兼の従兄弟で、頼朝と信西は同じ血をひいていました。建久元年(1190)に平治の乱で京都を追われてから30年ぶりに上洛した頼朝は後白河法皇と会見。その後、摂政である九条兼実と会談。義朝が反逆したのは王命に従ったまでだと平治の乱の真相を語ります。頼朝は坂東を拠点にして全国の武士を統括するが朝廷には奉仕すると明言します。内裏の再建は幕府が行い、これが明治維新まで内裏の再建は幕府の仕事になります。


■源氏と平家
平家は源平合戦で源氏と戦いましたが、一の谷で敗れ四国に逃げた平宗盛は後白河法皇に「源氏と平家はそもそも恨みあっていない。平治の乱で信頼の追討がでたため信頼の一味だった義朝と戦ったが、個人的な怨恨ではない」と返答しています。


■天体の異常
平治の乱の年に希代の天変があり、最新の天文学をおさめていた信西は自分の宿命が終わったことを悟ったようです。事変が起きることを予想しており、捕縛などをうけることを恥と思っていたのでいち早く逃亡して自殺したようです。また息子たちは捕らえられても流罪ですむので、息子たちをおいて自分だけ逃亡し、死ぬのは自分だけで充分と考えていたようです。


■黒幕は誰か
後白河院が二条の異母弟を次の天皇にしようと画策し、信西も同意したため不安になった二条天皇が源義朝などに命じ、清盛が熊野詣で留守の間に後白河院の御所を襲って破壊し、信西一派を追い落とします。クーデタは成功しましたが後先考えずに院政を止めたため、政務がとん挫。三条公教が中心になって二条天皇の政治がたちゆくように立て直しますが、二条天皇が御所をおそった暴挙を隠蔽する必要がありました。。これで源義朝などが二条天皇に裏切られ反逆者扱いとなります。二条天皇が若死にしたこともあり後白河院が皇位継承のトラブルから解放されますが、天皇が反逆したという暴挙を隠す後始末をします。


■朝の大将軍
朝廷は平治の乱による二条天皇の暴挙で義朝一家に借りをつくってしまいました。30年ぶりに上洛した頼朝は朝の将軍という地位をもらい、これが征夷大将軍になっていきます。頼朝の子孫が世襲する正統性などを後白河に追認させます。いわば貸しの清算で鎌倉幕府が登場することになります。

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2023/09/23

巨大古墳の古代史

 【書 名】巨大古墳の古代史
 【著 者】瀧音能之
 【発行所】宝島社新書
 【発行日】2023/09/22
 【ISBN 】978-4-299-04720-5
 【価 格】1100円


■帥升
後漢書東夷伝に登場する王の名前で西暦107年に後漢に朝貢。岡山にある楯築墳丘墓が、その墓ではないかという説があります。


■ニサンザイ古墳の木橋
濠に水をいれた後に柱穴をあけて後円部から木橋をかけ、墳丘に並べられていた埴輪などが崩落する以前には柱穴は埋まっていました。木橋を使って葬送儀礼が行われたと考えられますが、今までそんなものがあると考えて発掘していなかったため他の古墳で見つかる可能性もあります。

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地図バカ

 【書 名】地図バカ
 【著 者】今尾恵介
 【発行所】中公新書ラクレ
 【発行日】2023/09/10
 【ISBN 】978-4-12-150801-0
 【価 格】900円


■トーマスクック
英国の旅行会社で赤い表紙のコンチネンタル・タイムテーブルにはヨーロッパの主要な列車が網羅されていました。作ったトーマスクックが生まれたのが1808年で伊能忠敬が四国から九州を測量してまわっていた頃になります。


■山手急行電鉄
塹壕列車という名前で計画されましたが大恐慌が起きて計画で終了してしまいました。当時は第一次世界大戦が終わってまだ9年目で塹壕戦での戦いによく耐えた上着がトレンチ(塹壕)コートと呼ばれるようになります。


■新聞電車
大正12年(1923)頃、南海電車には新聞電車が難波を深夜2時半、3時15分発で出ていて朝刊を届けていたようです。一般客も乗車できたようです。


■大日本地名辞書
読売新聞・特派員だった吉田東伍が一念発起して作った辞書で出版を引き受けたのが神保町の冨山房。7冊揃いで大字までが網羅されています。


■日本で初めての電線
明治2年(1869)横浜の灯台から横浜裁判所までの800mを電信線がひかれました。


■沓掛
全国にある地名で峠越えする前に宿場で草鞋を新調し、今まで履いていた草鞋を掛けて安全祈願したことから沓掛という地名になっていきます。

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2023/09/20

座右の寓話

 【書 名】座右の寓話
 【著 者】戸田智弘
 【発行所】ディスカヴァー携書
 【発行日】2023/05/26
 【ISBN 】978-4-7933-2947-4
 【価 格】1200円


古今東西語り継がれる教え77


■よい質問 ピーター・ドラッカー
重要なことは正しい答えろ見つけることではない。正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えなど危険とはいえないまでも役に立たないものはない。


■違っているのは素敵なこと
アメリカの田舎の駅に2つの時計があり、いつも別々の時刻を示していた。乗客がなぜ合わせておかないのか駅長に聞くと、「2つとも同じ時刻をさすのであれば、時計は2つもいりません」


■知恵ある者に怒りなし
中東アジアのことわざ「犬が吠えてもキャラバンは進む」 エゴサーチしても「百害あって一利なし」です



「整理整頓は人生の半分である」ドイツの格言


■100歳まで生きる方法 良寛和尚
80歳の人に100歳まで生きたいと言われた時の返事
「もう100歳まで生きたと思いなさい。そうすれば100歳まで生きたことになるのだ。そう思って一日生きれば、一日儲かったことになる。こんなうまい話はない」


■やりたいことには旬がある
楽しみを先送りばかりしていると、その人は結局のところ何もしたいことをせずに人生を終えることになってしまう

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アフターChatGPT

 【書 名】アフターChatGPT
 【著 者】山本康正
 【発行所】PHPビジネス新書
 【発行日】2023/07/14
 【ISBN 】978-4-569-85512-7
 【価 格】850円


2022年11月に登場したのがChatGPT、2023年1月にユーザー数は1億人を超えました。生成AIが世界を変えていきますが、我々はどう生き残っていけばよいのでしょうか


■Bard
Googleが2021年にトランスフォーマをベースにして大規模言語モデルLaMDAを発表。2023年2月にLaMDAのスモールモデルを使った対話型AI「Bard」をテスト公開。ChatGPTが2021年9月以前のデータベースなのに対してBardは最新の情報で回答する。


■Stable Diffusion
イギリスのスタートアップStable AIがドイツ・ミュンヘン大学のグループと共同開発したのがStable Diffusionでオープンソースで商業利用OKだったため画像生成AIが一気に広がりました。ただ知財侵害で訴えられてもいます。


■AI時代に生き残るには
AIをうまく活用して、自ら価値を生み出せる人や組織が生き残る

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2023/09/19

三重の街道をゆく

 【書 名】三重の街道をゆく
 【著 者】千枝大志
 【発行所】風媒社
 【発行日】2023/08/10
 【ISBN 】978-4-8331-4312-7
 【価 格】1800円


三重県内のいろいろな街道を解説しています。


■伊勢街道
日永の追分 鳥居が建てられたのが安永3年(1774)6月で目的は東海道を往来する人々が伊勢神宮を遥拝するためです。
関の追分 東の追分で伊勢別街道に分かれますが元禄5年(1692)の地図には鳥居が描かれておらず、それ以降の100年間に建てられたようです。


■ヲハライ丁
宇治橋を渡った神苑と呼ばれ何もない地域にかっては神主、御師などの屋敷が立ち並んでいました。ここが江戸期にヲハライ丁と呼ばれた地域になります。


■山田羽書(地域通貨)
桑名、四日市など街道筋でも使えましたが宮川より東では伊勢神宮の直轄地(神領)でしか使えなませんでした。購入者は不用品購入に走る浪費効果があり経済効果が高くありました。


■私幣禁断
天皇以外のものが幣帛を捧げて祈願することを禁じていました。天皇の権威が衰えた室町時代に足利義満が伊勢神宮n祈願。これが契機となり武士などが参宮をはじめ拡がっていきます。神宮では祈祷できないので御師の館で神楽が催されます。


■若戎酒造
俵屋儀左衛門は宿舎でしたが嘉永6(1853)年に酒造に転業。もともとは重藤酒造という名前で若戎酒造に社名変更し、儀左衛門という酒銘で販売。

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もしも戦国時代に生きていたら

 【書 名】もしも戦国時代に生きていたら
 【著 者】小和田哲男・辻明人
 【発行所】ワニブックスplus新書
 【発行日】2023/09/10
 【ISBN 】978-4-8470-6688-7
 【価 格】990円


天正十年(1582)といえば6月2日に本能寺の変が起きた年です。その年の1月から6月までに何かが起きていたのかを記載しています。信長周辺だけでなく武田の村などについても記載されています。


■1月1日 安土城
信長自らが見物人から見学料100文をとったいうことで有名ですが、あまりにたくさんの見学客だったため総見寺へ登る途中の石垣が崩れ死者まで出る事故が発生していました。


■1月4日 岐阜城
織田信忠による酒宴で近習が能楽のまねごとをしているのを見て信忠だけは苦笑いしていました。能楽に熱中していたのを信長に怒られ道具を取り上げられていました。


■弥助
相撲で負けた弥助が負けた青地与右衛門の屋敷に通って相撲の技を習い始めます。めきめき実力をつけて勝てる相手はいなくなりました。


■鷹狩
天正5年に京の東山で鷹狩を行ったところ鷹が行方不明になります。翌日、大和の越智玄蕃が鷹をつかまえて信長に返したので現場に衣服と名馬を与えます。


■1月25日
伊勢神宮から式年遷宮を復活したいので千貫を寄進してほしいと言われたところ信長は3千貫を寄進するよう命じます。信長は「神仏を騙り私欲を満たさんとする者は許せぬが、神仏を軽んじて民百姓のうらみを買うのもつまらぬ」と述べます。


■2月14日(1582年3月8日)
浅間山が48年ぶりに大噴火。武田家では不吉の予兆と思われ飯田城では動揺した武田方の城兵が逃げ出しています。また3月8日は赤光(オーロラ)が安土城や京都で目撃されます。あた5月14日には彗星があらわれ数日にわたって目撃されました。


■3月23日
武田勝頼を滅ぼし滝川一益に上野と信濃内の2郡をまかせます。関東管領の役割を期待したようで当時58歳。「年をとってから遠国につかわすのは心苦しいが、もうひと働き頼む」と声をかけています。


■5月26日
安土でもてなしを受けた徳川家康と穴山梅雪は京都に入り清水で能をみています。この後、堺へ向かいますが最初は信忠もついていく予定でした。信長が上洛するという話が入り京都に留まることになります。

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2023/09/16

いまなら間に合うデジタルの常識

 【書 名】いまなら間に合うデジタルの常識
 【著 者】岡嶋裕史
 【発行所】日経文庫
 【発行日】2023/07/14
 【ISBN 】978-4-296-11807-6
 【価 格】1000円


AIから仮想通貨、DXなどIT分野の動向やどう付き合っていけばよいかリスクも含めて分かりやすく解説された一冊。


■魔法(AI)の原理はよく分からない
ディープラーニングなどを駆使して組み立てたモデルは人が可視化できないほど複雑な作りになっていてブラックボックスになる。
特定の呪文(プロンプト)を唱えれば自分にとって有益な結果を導くことができる


■尤もらしさ
LLMの根底にあるのが尤度(ゆうど)
この文の近くにこの文があると人が書いた文章として尤もな感じがする 確率モデルが使われている 正しいかどうかは別


■ハイパーテキスト
位置透過性ードキュメントを納めたサーバーが隣の部屋にあっても地球の裏側にあってもワンクリックで目の前のディスプレイに表示される


■取引所
ブロックチェーンとレガシーシステムは水と油の関係
仮想通貨で結線点になるのが取引所で事故が起きる
NFTも同様でURLはNFTに書き込まれているがリンクされている絵画や音楽は外部サーバーになっている。ブロックチェーンは大きなデータが保存できないためで外部サーバーがハッキングされるとアウト


■イーサリアム
ビットコインーブロック追加 10分に1回
イーサリアム-ブロック追加 15秒に1回
送金なら15秒で終わる


■4G
VoLTE
3Gまでは音声用の回線交換網とデータ通信用のパケット交換網が別だったが4Gでパケット通信に統合された

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2023/09/14

桓武天皇

 【書 名】桓武天皇
 【著 者】瀧浪貞子
 【発行所】岩波新書
 【発行日】2023/08/18
 【ISBN 】978-4-00-431983-2
 【価 格】1060円


本来は天皇になるはずがなかったが藤原氏の内紛から藤川百川によって帝位につくことになったのが桓武天皇です。井上皇后、他戸皇太子、早良親王などが葬られることになります。


■平安京遷都
延暦元年(782)ー造宮省の廃止 平城京にこれ以上、手をかけないという宣言
続日本紀ー2万匹のガマガエルが難波の市から列をなし南へ行って四天王寺に入り走り去る
延暦2年(783)ー和気清麻呂を摂津大夫に任命ー難波京の解体
延暦3年(784)ー長岡京遷都


■続日本紀
祟道天皇の部分を桓武天皇が破棄
藤原種継の子供である仲成・薬子が復元
嵯峨天皇が再度、破棄


■長岡京
条坊や四方の境界も明確に定まっていないなかで着手したようで藤原種継が暗殺されるとうまくいかなくなった
延31万4千人を金は払ったが強制労働で確保


■大津
平安京を作った時にさびれていた古津を大津と改称 平安京の外港とする


■遣唐使
延暦24年 長安で朝賀の儀があり参加していたところ皇帝得宗が急逝することに、大使たちは城の喪服で儀式に参加することになる。

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2023/09/12

ChatGPTの頭の中

 【書 名】ChatGPTの頭の中
 【著 者】スティーヴン・ウルフラム
 【発行所】ハヤカワ新書
 【発行日】2023/07/20
 【ISBN 】978-4-15-340009-2
 【価 格】920円


数学ソフトMathematicaや質問応答ソフトWolframeAlphaの開発で知られるスティーヴン・ウルフラムのChatGptの解説書。GPTとトWolframeAlphaを組み合わせる事例も紹介されている。


手書き数字を認識するにしても実際に、どうやってニューラルネットワークが識別しているか数学的に説明できない。ただニューラルネットワークなりのことを実行しているとはいえるが、これが人間がやっている識別処理とかなり合致しているらしい。

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2023/09/09

まるわかりChatGPT&生成AI

 【書 名】まるわかりChatGPT&生成AI
 【著 者】野村総合研究所
 【発行所】日経文庫
 【発行日】2023/08/10
 【ISBN 】978-4-296-11847-2
 【価 格】900円


■生成AIの業務での利用
テキスト-挨拶文などの原稿作成、記事やシナリオの作成、ドキュメントの要約、マニュアルの作成、議事録の作成
メール-返信などの下書き、問い合わせ対応
プログラム-作成、チェック
画像ー挿絵やイラスト、POP・広告、
動画ー動画作成、音楽作成


■ChatGPTでできる自然言語処理タスク
文章作成、機械翻訳、情報検索、質問応答、チャットボット、文章要約、感情分析、情報抽出、意味解析、概念超出、テキスト分類(スパムの検出など)、文章校正


Chat-GPTへの関心が高いのが日本でAIやロボットに対する受容性が高い国民性がある


■生成AIのアプリケーション
文章-ChatGPT Bard AI-Writer CharSonic
プログラム-CodeWP GitHub Codex Tabnine
画像-StableDiffusion、Dall-e、Craiyon Midjourney AdobeFilefly
音声-AmazonPolly MusicLM Amper Dadabots Harmonai
動画-Make-A-Video Gen-2


■データバイアス問題
サンプリングの偏りー台風の状況をTwitterから把握 スマホの所有率、ツイッター利用率が高い地域に偏る
マイクロソフトのチャットボット Tay ユーザとの会話で学習するAIを2016年に発表され1日ほどで公開停止

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柴田勝家

 【書 名】柴田勝家
 【著 者】和田裕弘
 【発行所】中公新書
 【発行日】2023/06/25
 【ISBN 】978-4-12-102758-0
 【価 格】860円


■賤ケ岳の戦い
秀吉にとって最大の敵は柴田勝家で、天下分け目の戦いと認識していました。勝家に不利だったのが与力の不破光治、佐々成政、前田利家で特に佐々成政、前田利家は尾張時代からの知り合いで信長の部下となり、強大な与力で掌握が難しかった点と対していた上杉景勝は御館の乱でも勝ち上がった武将と一向一揆に気が抜けない事情もありました。


■前田利家
利家が信長の同朋衆を殺して信長の勘気を被った時に助力してくれたのが勝家で恩義を感じていました。


■長光寺城
岐阜と京都の間を確保するために永原城に佐久間信盛、長光寺城に柴田勝家、安土には中川重政兄弟を在番させます。


■近江の一向一揆
信長は佐和山城、肥田城に泊まりながら志村城への攻撃を視察。攻撃したのは佐久間信盛、中川重政、丹羽長秀、柴田勝家軍。さらに南下して守山まで陣をすすめて金森を包囲し一揆勢は降伏。


■蘭奢待
信長が蘭奢待を切り取りする時に多聞山城につめていたのが柴田勝家で、十一遠長を伴って上洛し、信長と相談。勅許をえてから多聞山城に入り準備をします。


■本能寺の変
毛利氏と対していた秀吉が捕虜となり助けにいったものの秀吉が殺された。信長が退去したところ甥の織田信澄が謀反を起こして信長が切腹したなどの誤報が伝わっていたそうです。柴田勝家は本能寺の変の情報を宮崎城で得たようで北庄城までの約200kmを強行軍で戻ります。これは秀吉の中国大返しよりも速く。秀吉が戦っていた備中高松城から京都までの距離に比べて1.5倍ほどあったのが明暗を分けました。

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2023/09/04

教養としての生成AI

 【書 名】教養としての生成AI
 【著 者】清水亮
 【発行所】幻冬舎新書
 【発行日】2023/07/25
 【ISBN 】978-4-344-98699-2
 【価 格】940円


GPTシリーズとはOpenAIが開発した生成系AIモデル。OpenAIはイーロン・マスクなどからの出資によって作られた非営利組織でしたが出資が打ち切られたためマイクロソフトから資金を得て営利企業に転換しています。2018年に大規模言語モデルであるGPT-1を発表し、現在はGPT-4になっているが、GPT-3からが悪用されるのを防ぐためにオープンしないことに変更されています。またGPTには2021年9月までのデータしかなく、これ以降は生成AIが造り出したデータがインターネット上にあふれている(汚染されている?)ための措置になっています。ただインターネット全体である種のバイアスがあれば、GPTもそのバイアスの影響を受けることになります。世間で話題になっているChatGPTは2022年11月に発表されたGPTを使うためのチャット型インターフェースになります。

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2023/09/03

まるわかり日本史

 【書 名】まるわかり日本史
 【著 者】相澤理
 【発行所】文春新書
 【発行日】2023/08/20
 【ISBN 】978-4-16-661420-2
 【価 格】900円


■遣隋使
600年に第一回を送るが隋書にはあって日本書紀に記載がない
607年に小野妹子が「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す」という書を煬帝に渡します。隋が高句麗と交戦中というタイミングでした。翌608年には裴世清を答礼使として送ってきます。


■桓武天皇
国司の交替時に解由状(引渡状)を検査する勘解由使をおき、国司の不正に対処
格式ー格が律令を補正・改正した法令、式が律令の施行細則


■土地政策
三世一身の法、墾田永年私財法は土地の私有化ではなく班田制の不備を補い、墾田の掌握を可能という評価に変わっています。墾田永年私財法は政府の掌握する田地を墾田にまで拡大することで土地支配の強化をはかる積極的な政策であった。


国司ー制度改革でノルマ制になりノルマを達成すれば私腹をこやしてもよいになってしまいます。


■武士の登用
上皇は先例にとらわれないため武士を登用し上皇と結びついたのが桓武平氏です。


■末期養子の禁
家康~家光 改易が105で46が継嗣がないことによる御家断絶 由井正雪の乱が発生し方針転換をしていきます


■南鐐二朱銀
田沼意次が作った金貨は壱両と刻まれた日本初の計数貨幣でした。それまでは1枚づつ数えるしかありません。
銀遣いの大坂、金遣いの江戸で二分されており田沼意次は基軸貨幣を作ることになります。南鐐二朱銀で朱という金貨の単位が与えられた計数貨幣として発行。

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2023/09/02

足利将軍たちの戦国乱世

 【書 名】足利将軍たちの戦国乱世
 【著 者】山田康弘
 【発行所】中公新書
 【発行日】2023/08/25
 【ISBN 】978-4-12-102767-2
 【価 格】840円


■直轄軍
足利将軍には強大な直轄軍がなく、有事には守護たちが各国の武士を引率して駆けつけていた。幕府発足時は守護は任国に権力基盤をもっておらず、将軍の後ろ盾がないと任国の武士たちを統率できなかった背景がある。将軍にとっては巨大な官僚機構をもつ必要がなかった。ところが守護が世襲となり任国で自立できるようになっていく。


■9代将軍 足利義尚
従わなかった六角高頼を攻めるために近江まで進出。坂本に本陣を置き、近江八幡にあった金剛寺城を攻撃。六角は甲賀に落ち延びていく。坂本から鈎に進んで、ここを本拠にする。ところが、ここで病没してしまいます。


■10代将軍 足利義稙
足利義視の息子で美濃の暮らしが長かったが日野富子の後押しで将軍に就任。諸大名を参陣させ六角高頼を攻めたところまではよかったが、この後に畠山氏の氏族内争いに介入したことから厭戦気分が広がり明応の政変で京都に幽閉されることになります。新たに足利義澄が擁立されたが、足利義稙は嵐に脱出して北陸に逃れます。朝倉などが支援したため二人の将軍がいる状態に陥ります。大名を巻き込んでの戦争になりますが義澄が若くして死んでしまったため、足利義稙は船岡山の戦いで勝利し将軍に返り咲きます。10年以上にわたって安定しましたが細川澄元と細川高国の戦いで連携していた細川高国を見捨てたところ、高国が勝って阿波に逃れることになります。


■山科本願寺
細川晴元と三好元長との争いで晴元は山科本願寺に協力要請。門徒衆が挙兵し堺にいた三好元長は攻められて自刃してしまいます。ここから歯止めがきかなくなり暴徒化した一部の門徒衆が奈良へ進んで寺々を焼いて略奪を働きます。恐れた晴元は今度は本願寺討伐側にまわり、門徒衆が多く手を焼いていた六角定頼と連携し、京都の法華衆が加わって山科本願寺を攻めます。本願寺は武家同士の争いに介入すると危険かを悟り、信長に対する挙兵まで40年間、中立を保つようにします。


■足利義昭
信長がいない京都で足利義昭の仮御所だった本国寺を三好三人衆が攻めます。新たに堅牢な御所を作ることになり義輝の御所跡地に派手な演出(藤戸石の搬入など)をしながら行います。信長は畿内に権力基盤がないため信長には勢いがあると「見せる」ことにこだわります。

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