世界を動かした日本の銀
【書 名】世界を動かした日本の銀
【著 者】磯田道史、近藤誠一、伊藤謙
【発行所】祥伝社新書
【発行日】2023/05/10
【ISBN 】978-4-396-11675-0
【価 格】920円
■貨幣経済
和同開珎など銅銭を作っていたが958年の乾元大宝以降に鋳造されなくなります。清盛は宋銭をたくさん輸入しはじめます。元が建国されると銅銭は重いので元では紙幣を発行しました。宋の時代に作った銅銭が余るので、これがどんどん日本に入ってきます。元の後は明になり交易に不便な小銭の銅銭より銀銭を使い始めます。この時に発見されたのが石見銀山になります。記録では1526年に博多商人・神屋寿禎によって発見され1533年に灰吹法が伝わります。銀を輸出でき、国内にも流通するので貨幣経済化がすすみます。また文字を読めないとお金を使えないので識字率も向上します。これで最貧国から抜け出せました。
大内義隆、陶晴賢、毛利元就、秀吉などが石見銀山の支配権を争います。石見城、矢滝城、矢筈城などの山城が造られました。最後におさえたのが徳川家康で関ケ原の戦いの10日後には石見に禁制を出しています。江戸時代、朝鮮などに比べて貨幣量が段違いに多く貨幣経済でまわっていました。明治維新で西洋型にキャッチアップできたのも商品経済化がすすんでいた点があります。
■動的平衡
生命体のなかでは絶えず合成と分解が進んでいて、ただ同じ速度で進むために一見、変化が起きていないようにみえません。
■石見銀山
石見銀山街道(銀の道)ー鞆ヶ浦道、温泉津沖泊道
灰吹法ではたくさんの木を使いますが、切った木の後は植林を行う持続可能な採掘を行っていました。これも評価されて世界遺産となります。
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