日本中世の民衆世界
【書 名】日本中世の民衆世界
【著 者】三枝暁子
【発行所】岩波新書
【発行日】2022/9/21
【ISBN 】978-4-00-431942-9
【価 格】880円
■京都の市政権
朝廷の検非違使庁が担当していたが室町幕府が担うことになります。市政権とは住人に対する警察権、民事裁判権、商業課税権などです。北野天満宮は西京の領主として支配しており公家や自社が分割支配していました。
■西京神人
麹業の独占の代わりに北野天満宮に神役とし利益の一部を納め、北野祭りなどの人夫役を負担します。北野天満宮は延暦寺の組織の一部でしたが、同じ延暦寺配下の酒屋や土倉から麹業の独占権の廃止訴えが長年続き、幕府を巻き込んだ騒動になります。最終的には成長の徳政一揆となり、独占権を失うことを恐れた西京神人が北野天満宮に立て籠って戦となり社殿が燃える文安の麹騒動へとなります。西京も焼け野原となりましたが、やがて戻り、現在にまで至っています。
■保
神社が領民を神人として組織し、神人に様々な役を賦課するために設定した領域。西京の場合は一保~七保までありました。一保は安楽寺天満宮として残っています。
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