勘違いだらけの日本文化史
【書 名】勘違いだらけの日本文化史
【著 者】八條忠基
【発行所】淡交社
【発行日】2021/06/10
【ISBN 】978-4-473-04472-3
【価 格】1600円
■十二単
蚕品種「小石丸」の絹糸の太さは35デニールほど、一般的な絹糸の太さは84デニールで江戸時代以前の十二単は現在の1/3ほどの5kgでした。また十二単は女房装束でいわゆるOL服。偉い人の前に出るために衣装で偉いお姫様はラフな袴姿で御付の女房が十二単でした。
■紙屋川(天神川)
平安時代に紙屋院があり紙漉きをしていたことに由来します。使用した紙は100%リサイクルされ、漉き直したものを「紙屋紙」と呼びました。だんだんとグレーになったものを薄墨紙と呼んでいました。
■忠臣蔵
綱吉の母である桂昌院は身分が低かったのですが吉良上野介が従一位を任官されるように朝廷へ働きかけをしている所に起きたのが松の廊下事件。綱吉は激怒し、翌年無事に従一位が任官されます。また近衛基熙と吉良上野介が対立していました。近衛基熙の娘婿の徳川家宣を綱吉の跡目に考えていましたが、吉良上野介が反対していました。近衛基熙の家臣の親戚に赤穂藩士がいたこともあり近衛家の領地である山科に大石内蔵助は隠棲できました。摂家の領地ですので幕府も入れません。
■色の表現
あか(明るい)、くろ(暗い)、しろ(明瞭)しかなく、それ以外は全て「あお(曖昧)」でした。この4色と黄色、茶色だけが末尾に「い」がつけらえます。また色名を重ねた副詞は「黒々」、「赤々」、「青々」、「白々しい」のつしかありません。
■日本酒の政宗
灘の酒造りで「薪水」と銘柄をつけていましたがダメで隠元和尚が自らの宗派名を「臨済政宗」と呼んでいたことから「政宗」が「せいしゅ」につながると銘柄にします。こうして櫻政宗、菊正宗という名前がついていきます。
■おいしい
女房言葉で「いし」とは美味のこと、さらに丁寧にした言葉が「おいしい」です。
■波銭
物価があがったため寛永通宝4枚で通じる4文銭(波銭)が作られます。これで団子が4個1串になっていきます。また、そば十六文など波銭で払いやすいように4の倍数の値段になります。そして登場するのが四文屋(しもんや)で串おでん、するめなどを醤油で煮しめて売っていました。波銭ワンコインえ買える屋台です。
■羽栗翼
日本後紀に登場する名前で羽栗吉麻呂の息子。吉麻呂は阿倍仲麻呂の従者として唐に渡り現地で唐の女性と結婚。生まれたのが翼と翔(かける)。羽栗翼は16歳の時に父親とともに帰国。桓武天皇の侍医にまで出世します。
| 固定リンク
コメント