東国武将たちの戦国史
【書 名】東国武将たちの戦国史
【著 者】西股総生
【発行所】河出文庫
【発行日】2021/02/10
【ISBN 】978-4-309-41796-7
【価 格】900円
■石神井城、練馬城、小沢城
長尾景春の乱の頃から出てきたのが一時的な城。敵の分断や連携の遮断、後詰の阻止、味方連絡線の確保に基づいて運用されるようになり小磯城、平塚城、溝呂木要害など陽動目的で、目的が達せられれば簡単に放棄されました。
■足軽の活用
応仁の乱で非正規兵(足軽)の有効性が知られることになり、戦国時代につながります。北条早雲の軍事行動は旧暦の8月前後(現在の9~10月)に集中していて収穫期なので略奪をエサに軍勢をかき集めていました。
■河越夜戦
闇の中で何が起きたかは永遠の謎。実際の戦いでは全ての状況が分からず誰がどこで何をしているかは分からないのが普通。上杉憲政は北条氏康が出てくる前に河越城を攻略する方法がありましたが、失敗すると寄りあい所帯の大軍が維持できなくなることを怖れた可能性があります。公方を擁する大軍が関東平野の中心に存在し上杉憲政が正式な関東管領であることを関東の諸勢力に印象づけるのが目的でした。
■山本管助
川中島の戦いで山本菅助は討死しますが、子供も同じ菅助を名乗り勝頼に仕え、長篠の合戦で戦死したようです。山本家は武田が滅んでからは家康に仕えることになり最終的には高崎松平家に仕官しています。
■小田原の役
箱根の屏風山に大部隊の布陣が可能で陣城が造られていました。山中城で数日間、秀吉軍を拘束している間に小田原を出撃した主力が屏風山を中心に展開して箱根で食い止めるのが北条側の作戦だったようです。ところが秀吉軍が多大な犠牲を払って一日で山中城を落としたため箱根防衛が崩壊することになります。
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