まちづくり幻想
【書 名】まちづくり幻想
【著 者】木下斉
【発行所】SB新書
【発行日】2021/03/15
【ISBN 】978-4-8156-0912-2
【価 格】900円
■労働者協同組合(バスク自治州)
自分たちでお金を出している会社で働く方式の組織。モンドラゴンという巨大な組合もあり1.6兆円の連結売上と10万人を雇用している。生協とのハイブリッド型で地元消費によって生まれる利益が地元に戻る仕組みになっている。
■値付け
生産者は生産物を購入したことがないので都会向けに正しい値付けをするのが実は難しい。岩手の一番いいウニを瓶にいれて販売する時に1個1万円で提案したところ地元では無理だという意見が多かったのが、ふたをあけてみれば完売に。
■全員が同じ事業をすると失敗する
成功事例を横展開すればみんなで幸せになれるのは幻想。また営業が重要で例えば富裕層観光を狙うならプロジェクトに富裕層がいなければ顧客志向もわからず営業ツールもない。
■女性が地域から都会へ出る理由
企業経営者などの理解がすすまず、やりがいが感じられない環境となっているで地域に性差への偏見が根強く存在しているところにあります。東京へ出る理由で大きいのは治安と家賃。地方で女性が一人暮らしできるマンションは、ほとんどなく高い家賃になってしまいます。
■宮城県女川町
還暦以上は復興事業に口出ししない、未来を生きる世代に地域内の様々な上役を譲ったうえで必要な資金も集めるし批判されたら弾除けになるが基本方針。20年先、30年先に生きていないやつが意思決定するべきではない。
■地域が衰退しているからなにをやっても失敗する
成果を出す人間が出てくると、地域のせいで苦労しているという理屈が通らなくなって困ることになります。地域で成功した人は地元の勉強会には呼ばれないことになります。
■みんなで頑張ろう
私は責任をとらないという意味になる。「みんな」は明確な責任やリスクを霧散霧消してしまう。
・百人の合意より一人の覚悟
・大事なことは、だいたい面倒くさい(宮崎駿)
・早く行きたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。(アフリカのことわざ)
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