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2021/03/29

パーツから考える戦国期城郭論

 【書 名】パーツから考える戦国期城郭論
 【著 者】西股総生
 【発行所】ワン・パブリッシング
 【発行日】2021/03/06
 【ISBN 】978-4-651-20089-7
 【価 格】1800円

■畝状竪堀群
かっては越後地域特有とみられていましたが全国で発見され地域や時代を問わず一定の条件があれば、選択されるパーツだったようです。横堀を造るよりもコスパがよく、少ない動員数で工事をする時に採用されたようです。ただし縄張り図を作る時は難敵で藪をかきわけて斜面を上り下りしないといけません。

■兵種別部隊
もともとは領主別部隊でしたが戦国時代がすすむと領主がめいめい連れてきた兵をばらして弓、鉄砲などの兵種別に再編成したようです。非正規の足軽・雑兵を採用するようになったこともあり変わっていったようです。

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2021/03/27

「失敗」の日本史

 【書 名】「失敗」の日本史
 【著 者】本郷和人
 【発行所】中公新書ラクレ
 【発行日】2021/03/10
 【ISBN 】978-4-12-150719-8
 【価 格】860円


■播磨守
国司で一番格が高いのが播磨守。武士は地方官しかなれず清盛も播磨守まで昇りつめましたが、さらに功績をつんだのですが中央にいれたくないので太宰大弐(大宰府長官)に任じられます。この後に平治の乱が起き、武士を取り込まないといけないという動きから中央で位をあげていくことになります。


■北畠顕家
関ケ原まで進軍した時に北陸の新田義貞が弟である脇屋義助を援軍として派遣し美濃まで進軍していました。ところが援軍をまたずに青野ヶ原で足利軍と戦ってしまい負けてしまいます。新田に手柄を渡してなるものかと考えたのかもしれません。


鎌倉時代、天皇家は大覚寺統、持明院統に分かれていましたが貴族は、その時の天皇に仕えていました。ただし北畠は大覚寺統にだけ仕えていました。同じように持明院統にだけ仕えていたのが日野家です。


■応仁の乱
当時は「畠山一家の乱」という認識で畠山義就、畠山政長の後継者争いが発端
尊氏ー貨幣経済となるため京都に幕府ー足利義満・細川頼之グループ-細川
直義-幕府は幕府、朝廷は朝廷で鎌倉で政権を運営-斯波義将グループー山名、土岐、大内(義満時代につぶされ復活したグループ)


■武田水軍
駿河へ出て江尻の港(静岡港)を狙うことを計画。伊勢で船を扱える武士をヘッドハンティングし武田水軍を創設します。後に家康に仕え旗本になります。

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2021/03/23

武田信玄 500年目の真実

 【書 名】武田信玄 500年目の真実
 【著 者】井沢元彦
 【発行所】宝島社新書
 【発行日】2021/03/24
 【ISBN 】978-4-299-01342-2
 【価 格】880円

江戸時代、軍師というと山本勘助というイメージでした。諸葛孔明のような人物といえば竹中半兵衛ですが徳川が敵とした豊臣でしたので、信玄を尊敬していた家康でもあり武田の山本勘助が取り上げられることになります。

■甲陽軍鑑
甲陽軍鑑ー武田4将の一人、高坂昌信(農民出身だが武田四名臣に)が書いたか家来に口述させたものを小幡景憲(父親が24将の一人、小幡昌盛)が完成させたもの。長く偽書といわれてていたが、使われている言葉が戦国時代のものと判明。

山本勘助は武田家と関係がないが足軽大将にまで昇進し、武田家では、かなり異質な存在。他に信虎時代から仕えた外様4人が24将に入っているが足軽大将どまり。武田家では能力が高くても大幹部になれませんでした。信玄の父親である信虎は実力主義だったようで、地元出身者を中心としたなかによそ者をいれたくないと考えた甘利虎泰や板垣信方が中心になって信虎を追放したと考えられます。

■星谷
信玄が天下をとった時に中心にしようとしていたのが相模国星谷。江戸や大坂のような海に面したところではない内陸部で、信玄の限界だったようです。

■天下布武
他の大名は天下を畿内と考えていましたが、ひょっとすると信長は最初から全国制覇を考えていたかもしれません。桶狭間の戦いの後、家康と同盟して後顧の憂いをたち、美濃から京都への西への道を作っていきます。また京都を抑えた信長は兵の乱暴狼藉を禁止。京都には1万人の消費者ができて経済が活性化します。

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2021/03/22

まちづくり幻想

 【書 名】まちづくり幻想
 【著 者】木下斉
 【発行所】SB新書
 【発行日】2021/03/15
 【ISBN 】978-4-8156-0912-2
 【価 格】900円

■労働者協同組合(バスク自治州)
自分たちでお金を出している会社で働く方式の組織。モンドラゴンという巨大な組合もあり1.6兆円の連結売上と10万人を雇用している。生協とのハイブリッド型で地元消費によって生まれる利益が地元に戻る仕組みになっている。

■値付け
生産者は生産物を購入したことがないので都会向けに正しい値付けをするのが実は難しい。岩手の一番いいウニを瓶にいれて販売する時に1個1万円で提案したところ地元では無理だという意見が多かったのが、ふたをあけてみれば完売に。

■全員が同じ事業をすると失敗する
成功事例を横展開すればみんなで幸せになれるのは幻想。また営業が重要で例えば富裕層観光を狙うならプロジェクトに富裕層がいなければ顧客志向もわからず営業ツールもない。

■女性が地域から都会へ出る理由
企業経営者などの理解がすすまず、やりがいが感じられない環境となっているで地域に性差への偏見が根強く存在しているところにあります。東京へ出る理由で大きいのは治安と家賃。地方で女性が一人暮らしできるマンションは、ほとんどなく高い家賃になってしまいます。

■宮城県女川町
還暦以上は復興事業に口出ししない、未来を生きる世代に地域内の様々な上役を譲ったうえで必要な資金も集めるし批判されたら弾除けになるが基本方針。20年先、30年先に生きていないやつが意思決定するべきではない。

■地域が衰退しているからなにをやっても失敗する
成果を出す人間が出てくると、地域のせいで苦労しているという理屈が通らなくなって困ることになります。地域で成功した人は地元の勉強会には呼ばれないことになります。

■みんなで頑張ろう
私は責任をとらないという意味になる。「みんな」は明確な責任やリスクを霧散霧消してしまう。
・百人の合意より一人の覚悟
・大事なことは、だいたい面倒くさい(宮崎駿)
・早く行きたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。(アフリカのことわざ)

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2021/03/20

文豪と借金

 【書 名】文豪と借金
 【著 者】文豪と借金・編集部
 【発行所】方丈社
 【発行日】2020/04/29
 【ISBN 】978-4-908925-62-7
 【価 格】1400円

■薄田泣菫「天文学者」
居酒屋で飲んでいた天文学者が女将さんに「2500万年経つと、また元通りに還ってくるという事になっている。そこで物は相談だが、この勘定をそれまで掛けにしておいてもらえないか」「よござんすよ。ちょうど今から2500万年前以前にも掛けにしていた分を今日、払ってもらうのなら今日のは、この次まで待ちましょう。」

太宰治の「ふざけたことに使うお金ではございません。たのみます。」など文豪59人の借金名言集。

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2021/03/17

違和感の日本史

 【書 名】違和感の日本史
 【著 者】本郷和人
 【発行所】産経新聞社
 【発行日】2021/3/66
 【ISBN 】978-4-8191-1396-0
 【価 格】880円


■ヘボン
明治学院大学の創設者でヘボン式ローマ字で有名。医者でもありました。ヘボンは明治の言い方で現在の言い方ではヘプバーン。キャサリン・ヘプバーンはヘボン博士の同族だそうです。明治学院大学の前身となったのがヘボン塾で高橋是清や益田孝が学んでいました。また丸善の創始者である早矢仕有的(ハヤシライスの創始者説)もヘボンの弟子でした。当時は外国人の版権所有が許可されなかったのでヘボンが編纂した「和英語林集成」(辞典)の版権は丸善に譲渡されます。利益は明治学院に寄付されていました。


■勧学院の雀は蒙求をさえずる
勧学院は平安時代、藤原氏が一族の子弟のために作った学校。勧学院の周辺で遊ぶ雀は学生の音読する蒙求の文章のリズムに親しんでいるので学生の声にあわせてさえずる。


■蒙求
丁公遽戮 雍歯先侯ー劉邦が助けてくれたが項羽を裏切った丁公を処刑し、憎いが功績をあげている雍歯を取り立てる
あの雍歯にさえ取り立てられるから忠節をつくしている自分は大丈夫だと思わせました。家康は読んでいたようで関ケ原の合戦で裏切った脇坂、朽木、赤座、小川に対し事前に内通していた脇坂には褒美を与えましたが、他は領地を減らしたり取りつぶしにあいました。


蒙求には漱石枕流という言葉があり夏目漱石の雅号はこの書物から取られました。


■源氏
八幡太郎(義家)ー石清水八幡宮で元服
加茂次郎(義綱)ー加茂社で元服
新羅三郎(義光)ー新羅明神(三井寺)で元服

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2021/03/13

ゲンロン戦記 知の観客をつくる

 【書 名】ゲンロン戦記 知の観客をつくる
 【著 者】東浩紀
 【発行所】中公新書ラクレ
 【発行日】2020/12/10
 【ISBN 】978-4-12-150709-9
 【価 格】860円


■仕事を人にまかせる
経営者は現場で一度経験しておかないと、なにを任せているのかよく分からないまま、ただ任せているだけになる。単純に見たくないものを見ないようにしているだけで本当に任せていることではない。


■ジャック・デリダ
フランスの哲学者。言葉は単なる記号ではなく、つねにエタリチュール(文字)という身体をもっている。書籍は物体で買うときは物体に対価を払っているが、本の話をするときはなぜか中身の情報ばかりになる。


■配信はわずかでも有料にする
発言の揚げ足取りをするネットユーザーは一銭も払う気がないので少額でも十分に排除でき、しかも有料にすると公の場ではなく私的な空間という印象になる。

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2021/03/09

プロデュースの基本

 【書 名】プロデュースの基本
 【著 者】木崎賢治
 【発行所】集英社インターナショナル
 【発行日】2020/12/12
 【ISBN 】978-4-7976-8062-1
 【価 格】880円


■柔軟な発想
博報堂の関西支社の社員はレストランSABARと組むなどサバを流行らせることに奔走。日本さば文化協会を立ちあげ話題作り、サバが流行るとサバを食べに福井へ行こうなど自治体が観光PRを作ったり、JRがCMをつくるかもしれないと新たな需要を生み出す仕掛けを考えていたそうです。


■ストーリーの重要性
大リーグにはじめて黒人として選手となり優秀な成績を残したのがジャッキー・ロビンソン。背番号42番は全球団で永久欠番になっていて、毎年4月15日は「ジャッキー・ロビンソン・デー」として全球団で42番をつけます。子供たちが質問した時に大リーグの歴史の一齣を教えることになります。


■アグネスチャンの「ポケットいっぱいの秘密」(1974年)
演奏ーキャラメル・ママ(細野晴臣、鈴木茂、松任谷正隆、林立夫) 無名でしたがカッコいいサウンドが作れると起用


■好みの注文
会議で近くの喫茶店からコーヒー12杯と注文しようとした社員を渡辺音楽出版の社長が「ひとりひとり飲みたいものが違うのだから全員に聞きなさい」とたしなめます。
BUMP OF CHICKENが初めて事務所へ行った時に社員がひとりひとりに「なにが飲みたい」と尋ねたので、ここはクリエイティブな場所だと思い一緒に仕事をすることになります。

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2021/03/06

最新研究 新説の日本史

 【書 名】最新研究 新説の日本史
 【著 者】河内春人、亀田俊和、矢部健太郎、高尾善希、町田明広、舟橋正真
 【発行所】SB新書
 【発行日】2021/02/15
 【ISBN 】978-4-8156-0905-4
 【価 格】900円


■上洛しなかった朝倉義景
朝倉を頼った足利義昭ですが、結局は織田信長に乗り換えます。朝倉義景が足利義昭を奉じて上洛すると、もう一人の将軍候補である足利義栄と後ろ盾である三好氏と対立することになり応仁の乱の二の舞になってしまうと考えたようです。幕政に参画していたため危惧したわけですが、織田信長は幕政についてはよく知らなかったで上洛したようです。


■お江戸
川柳に「御の字の ついたところは 江戸ばかり」とあり、御は将軍けの敬称でもあったので御江戸になったようです。


■百姓
百姓(ひゃくせい)-古代は一般民衆という意味で江戸時代は身分呼称となり村で年貢役を支払う人々を百姓と呼びます。農民とイコールではなく武蔵国入間郡赤尾村で調査したところ百姓のほとんどが農間渡世と称して酒造、養蚕、煙草栽培などの商工業者でした。天保14年(1843年)に150軒の百姓で農間渡世は36軒(24%)でした。


■坂本龍馬は薩摩藩士
薩長同盟の裏書を坂本龍馬に依頼したのは中立ではなく薩摩藩士と長州で認識していたからです。薩摩がイギリスに派遣した留学生に大石団蔵が入っていてもと土佐藩士でしたが、留学時は薩摩藩に転籍していました。


■不平等条約
改税約書-輸入税が20%から5%に下がりました。もともとハリスがけっこう日本のことを考えていたようで20%が妥当だろうと設定しました。自国を保護していたアメリカは30%、イギリスは5%でした。


慶応2年5月に5%になりましたが原因は長州藩の下関戦争で賠償金の請求が長州藩ではなく幕府にまわってきました。交渉して2/3にしてもらう代わりに担保として関税を差し出しました。長州藩が原因で不平等条約になりましたが明治になって長州藩が政治を握ると、そんな不都合な歴史は幕府の責任にしてしまいます。


■岩瀬忠震
安政の大獄で亡くなる幕臣で日米修好通商条約を締結した当事者の一人。不平等条約にならないよう香港へ調査に行かせろと申し出た人物で幕府内では、けっこう真剣に議論されましたが将軍・家定が時期尚早と裁可したため実現しませんでした。岩倉使節団がアメリカに渡航した時、ハリスは「岩瀬はすごいやつだった」と外交官としてすごく評価していました。岩瀬は現場の判断で5ケ国と調印したため左遷されます。横浜を開港させたのは岩瀬のおかげでした。


幕臣の水野忠徳に「仮に江戸幕府がなくなったとしても日本が残ればいいじゃないか」と言っていた人物で弟子の勝海舟に伝えられ、坂本龍馬へと引き継がれます。

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