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2021/02/05

江戸の備忘録

 【書 名】江戸の備忘録
 【著 者】磯田道史
 【発行所】文文庫
 【発行日】2013/11/10
 【ISBN 】978-4-16-785802-5
 【価 格】620円

■本能寺の変
襲撃の特務部隊が天野源右衛門、明智秀満、斎藤利三の子息らで、昭和になってから特務部隊に参加していた本城惣右衛門の覚書が見つかり、襲撃の様子が分かってきました。門番は一人だけで殺して中に入るともぬけの殻。天野源右衛門は御座所に突入し、森蘭丸に外股をつかれましたが障子ごしに人影が見えたので槍をつき、これが信長だったようです。

■秀吉の手紙
養女・豪姫にキツネが取り付いたと、石田三成を呼んで、伏見稲荷を即時に破却し、日本国中で狐狩りを行うと書状を書かせましたが、どうも本当だったようで書状は現存しているそうです。小田原攻めの時に遠州灘の駒形という場所では難破が多いので、俺の船を安全に通せと竜宮城の乙姫宛に通行手形まで書いていました。

■岩槻城の太田資正
太田道灌のひ孫で、犬100匹を飼い岩槻城で50匹、出城の松山城で50匹を飼いました。松山城が包囲されて援軍を呼べなくなった時に手紙をつけた犬が一斉に話され飼い主の岩槻城へ駆けて伝書犬の役目をはたしました。

■八百長の語源
七代目伊勢ノ海親方が囲碁好きで相手になったのが八百屋の根本長造。囲碁で取り入って野菜を相撲部屋に売って商売していました。伊勢ノ海が碁会所を開いた時に本因坊がやってきて八百屋の根本長造と囲碁の対戦をしましたが、日ごろと違って見事な囲碁をとっていました。いつもは手を抜いていたなと分かり、これが八百長の語源となります。

■十二支の猪
本来は豚で豚年生まれは金運に恵まれるとされています。十二支が日本に伝わってきたときに豚を飼っていなかったので本来は豚なのに猪にしてしまいました。タイ、ベトナム、チベットではウサギの代わりに猫が入っています。

■年貢率
長州藩の租税負担率は21.6%。藩の借金を含めると30%ほど。ただし税金がとられるのは農業で税率は32.7%。サービス業や製造業は1.3%でとりやすいところから税をとるのは昔からです。

■隠鉄砲
江戸時代、銃は厳重に管理されていましたが隠鉄砲もたくさんありました。幕末に関東一円で取り締まったところ1,666丁も出てきました。最終的に第二次世界大戦後の占領軍によって家庭の武器が供出されて家庭から武器がなくなりました。秀吉の刀狩りはほとんど効果がなかったことになります。

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