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2021/02/09

古典籍の世界を旅する お宝発掘の目利きの力

 


 【書 名】古典籍の世界を旅する お宝発掘の目利きの力
 【著 者】八木正自
 【発行所】平凡社新書
 【発行日】2021/01/15
 【ISBN 】978-4-582-85964-5
 【価 格】860円


長屋王願経など様々な古典籍を発掘してきた安土堂書店の代表が「日本古書通信」に連載した記事をまとめた一冊です。天武15年(686年)の「金剛場陀羅尼経」が年代がわかっている一番古い古典籍です。


■反町茂雄
販売目録「弘文荘待賈古書目」は幕末の古書業者「達磨屋五一」の屋号「待賈堂」にちなんで名づけられましたが、1号から50号まで揃っていると200万円という値がついたそうです。


■かわら版大坂冬之陣図
冬の陣の戦況状況をかわら版として当時、出されましたが足軽が故郷に持ち帰る土産や大坂の町民が全貌を知るための需要があったそうです。これが今のところ最古のかわら版です。


■青木昆陽
吉宗に見いだされた大岡忠助は伊勢の山田奉行でしたが町奉行になって江戸に出た時に加藤枝直も大岡に従って江戸に出ました。歌人で賀茂真淵の門弟でもあり、大岡忠助の吟味役でもありました。大家でもあり住んでいたのが青木昆陽で、大岡忠助に推挙します。


■幕末の海外派遣
咸臨丸によるアメリカ渡航、榎本武揚らのオランダ渡航など幕府派遣でないと海外渡航できなかったので薩摩藩などはイギリスに密航させていました。やがて慶応2年に幕府は海外渡航差許布告を出します。これをいち早く使ったのが旅芸人でした。旅券第一号は手品・綱渡りの隅田川浪五郎、コマ回しの松井菊次郎など27号まで旅芸人が占めています。アメリカ人プロモーターに雇われて欧米に向かいます。

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