なぜ日本経済は後手に回るのか
【書 名】なぜ日本経済は後手に回るのか
【著 者】森永卓郎
【発行所】角川新書
【発行日】2020/10/10
【ISBN 】978-4-04-082379-9
【価 格】880円
新型コロナウイルスに対して官僚が大規模なPCR検査をしない理由や思考プロセスなど、いろいろと記載されています。
■10万円給付
所得制限なしで国民1人あたりに一律10万円を給付する施策ですが当初から検討していて野党も国会も動いていましたが、所得制限と複雑な手続きを伴う1世帯30万円の案にいきなり変えてしまったのが総理秘書官、つまり官僚だったようです。経産省、財務省、外務省、防衛省、警察庁から5人送り込まれており、経済産業省出身の今井政務秘書官の6名体制です。結局、猛烈な反対にあって元の10万円に戻ります。
■復活折衝
大蔵省の査定で毎年12月20日頃に大蔵原案が決まることになっていますが10日ほど前に内々示が出ます。これが本当の予算で各省庁では10日ほどの間にこの内々示から一定額を減額したものを予算請求します。これをまとめたものが大蔵原案で発表されます。減額した額が復活折衝の財源で、復活折衝とはもともとの予算に戻すだけのセレモニーです。民主党、社民党、国民新党による三党連立政権になった2010年予算では復活折衝なしに政府案が決まりました。藤井財務大臣は大蔵省主計局の出身で「復活折衝はセレモニー」だと意義を強調していました。
■グルーンベルト構想
1924年アムステルダムの国際都市計画会議で提唱され、大都市をグリーンベルトで封鎖する考え方。日本では1932年に東京緑地計画協議会が設置されスタート。ところが戦時中に食糧不足から農地として活用されたため戦後、GHQが農地解放してしまいます。現在は小金井公園、神代植物公園、砧公園、舎人公園、水元公園などが名残として残っています。
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