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2020/01/26

土地と財産を読み解く日本史

 【書 名】土地と財産を読み解く日本史
 【著 者】大村大次郎
 【発行所】PHP研究所
 【発行日】2019/12/11
 【ISBN 】978-4-569-84396-4
 【価 格】1500円


■墾田永年私財法
開墾した田は永久に私有できることにしましたが税金は必要でしたが税収が増える目論見でした。奈良の大仏や国分寺はできましたが長い目で見ると大きな減収となりました。


■直轄領が少ないのが室町幕府
公方御料所(足利幕府の所領)は大体200万石ぐらい。山名家や細川家の所領の方が大きく政権としては脆弱でした。


■比叡山
荘園の数は分かっているだけで285ケ所あり、信長の叡山焼き討ちで古文書が燃えているので実際はこれ以上の荘園がありました。京都の五条町にも3ヘクタールの土地があり地子銭(地代)だけでもすごい額だったでしょう。


■年貢
織田信長が永禄11(1568)年に六角氏の所領を手に入れた時に収穫量の1/3を年貢と定めたので他の地も同様だったようです。江戸時代の年貢は五公五民といわれますが実際は隠れ田などももあり三公七民ぐらいでした。


■信長の三職
信長については最後の三職で何を狙っていたのか話題になりますが記録では太政大臣になっていたようです。秀吉が毛利に送った書状に大相国(太政大臣)と書いてあり、朝廷が信長の死後に太政大臣を送る時に「重ねて太政大臣を与える」になっていました。


■家康
ケチで有名ですが大法馬金126個を子孫に残し、徳川家を脅かす戦争に備えました。それが財政の穴埋めに使われ幕末に残ったのは1つだけ。勝海舟が持ち出して徳川家の再興のために使われました。秀吉の家臣だった細川忠興は徳川家康に助けられていました。豊臣秀次事件で秀次から細川忠興は黄金100枚を借りていましたが返還が大変でした。家康は黙って100枚を貸しました。細川忠興は大きな恩義をうけたと思っていたでしょう。


■秩禄処分
明治維新の本質は武士のリストラで、維新後も秩禄を武士に渡しましたが6年分の報酬を一度支払うから武士をやめなさいという秩禄奉還を行います。当時の新聞に士族は「平民の厄介」「無為徒食」などと書かれていたので武士も覚悟はしていたようです。一部は旧士族の反乱となりましたが、原因の一つとなります。


■兵庫商社
年末で生糸を輸出していましたが外国人に買いたたかれていました。幕臣の小栗上野介が考えたのが貿易商社を作って一手に引き受けること。これが兵庫商社で計画だけで後に三井物産などに引き継がれます。この兵庫商社の話を聞いて作ったのが坂本龍馬の海援隊。兵庫商社なんかできたら幕府が力をもってしまうと危惧したからです。


■戦争へ
昭和初期は貧富の差が多く、日清、日露、第一次世界大戦で好景気となったため庶民にも恩恵がありました。満州事変が起きた時に国中がお祭り騒ぎになります。


■1989年アメリカの対日要求
バブルでアメリカの土地などを買いまくった日本に対して対日要求が出ます。土地保有税を引き上げ、都心部の農地を宅地並みに課税することの2つで、これで土地高騰がおさえられる方策でした。ところが日本は票を失いたくないため銀行に対して総量規制という中途半端なことをして長く続く不況を生み出すことになります。

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