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2020/01/16

江戸の災害

 【書 名】江戸の災害
 【著 者】フレデリック・クレインス
 【発行所】講談社現代新書
 【発行日】2019/12/20
 【ISBN 】978-4-06-518179-9
 【価 格】960円


地震や大火など歴代のオランダ商館長の日記に江戸時代の災害の記録が残っていて貴重な資料になっています。


■車長持の禁止
車長持というのは、いざという時に荷物を持ち出せるように長方形の木箱に車輪がついていました。大火となると江戸の庶民はこの車長持を持ち出したので避難経路が大混雑することになります。五代将軍綱吉の時には車長持の避難を禁止しましたが完全にはなくならなかったようで次の家宣の時代に車長持の製造自体が禁止となります。


明暦の大火では商館長ワーヘナールが将軍謁見のために江戸に来ており、この大火に巻き込まれて泊まっていた長崎屋も燃え九死に一生を得ます。江戸城の天守閣まで燃える大火でした。


■粥施行
明暦の大火が鎮まった翌日から江戸6ケ所で粥を提供する救済措置が行われていました。商館長も非カトリックの世界でこんな福祉事業があるのだと感動して記録しています。


■下賜金
阪神大震災で家を失った人達などへの公的支援がなかったことから、できたのが被災者生活再建支援法です。江戸時代は幕府から町屋の間口の間数に応じて下賜金が出て、これが再建資金となりました。長崎屋の場合、3500匁(700万円ほど)が出たようです。江戸復興に20年はかかるとワーヘナールは思っていましたが、次の商館長ブヘリヨンが江戸へ来た時には主要な通りの建物はだいぶ復興されていました。


■光格天皇
京都天明の大火では御所も焼けて光格天皇は聖護院に避難せざるをえませんでした。庶民が食べる米を食べないといけないなど、この経験が貧民救済への強い思いを持つ君主になるきっかけだったようです。


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