行動経済学の逆襲 下
【書 名】行動経済学の逆襲 下
【著 者】リチャード・セイラー
【発行所】ハヤカワ・ノンフィクション文庫
【発行日】2019/10/20
【ISBN 】978-4-15-050548-6
【価 格】860円
ノーベル経済学者であるリチャード・セイラーによる行動経済学全史です。
■リスクをとっても報われないインセンティブ・システム
50%の確率で200万ドル儲かるか50%の確率で100万ドル損する投資機会が複数あった時、一連の投資についてCEOの判断は全部に投資ですが、事業部長の判断では投資判断が分かれます。リスクをとりたがらない根性無しの管理職を雇ってしまったか、この種のリスクをとっても報われないインセンティブ・システムを採用したかに原因があります。
■表が出たら200ドルをもらい裏が出たら100ドルを支払う賭
1回なら拒否するが100回ならOK-大数の誤信 大数の法則では十分な回数を行うと結果は期待値に近づくが、ずっと負け続けて1万ドルを失う確率がある。100回の賭を受け入れるのは1回の賭も受け入れるのが基本で、断るのは近視眼的な損失回避である。
■ナッジ
ナッジとは選択構造を利用した行動経済学にもとづく戦略で、選択構造とは選択肢を提示する形のこと。代表例はアムステルダムのスキポール空港のトイレ。男性の小便器にハエの絵をつけ、飛び散りを減らしました。年金の選択でもデフォルトで「明日はもっと貯めよう」プランを選べるようにすることの事例などが紹介されています。
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