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2019/12/29

行動経済学の逆襲 下

 【書 名】行動経済学の逆襲 下
 【著 者】リチャード・セイラー
 【発行所】ハヤカワ・ノンフィクション文庫
 【発行日】2019/10/20
 【ISBN 】978-4-15-050548-6
 【価 格】860円


ノーベル経済学者であるリチャード・セイラーによる行動経済学全史です。


■リスクをとっても報われないインセンティブ・システム
50%の確率で200万ドル儲かるか50%の確率で100万ドル損する投資機会が複数あった時、一連の投資についてCEOの判断は全部に投資ですが、事業部長の判断では投資判断が分かれます。リスクをとりたがらない根性無しの管理職を雇ってしまったか、この種のリスクをとっても報われないインセンティブ・システムを採用したかに原因があります。


■表が出たら200ドルをもらい裏が出たら100ドルを支払う賭
1回なら拒否するが100回ならOK-大数の誤信 大数の法則では十分な回数を行うと結果は期待値に近づくが、ずっと負け続けて1万ドルを失う確率がある。100回の賭を受け入れるのは1回の賭も受け入れるのが基本で、断るのは近視眼的な損失回避である。


■ナッジ
ナッジとは選択構造を利用した行動経済学にもとづく戦略で、選択構造とは選択肢を提示する形のこと。代表例はアムステルダムのスキポール空港のトイレ。男性の小便器にハエの絵をつけ、飛び散りを減らしました。年金の選択でもデフォルトで「明日はもっと貯めよう」プランを選べるようにすることの事例などが紹介されています。


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2019/12/25

行動経済学の逆襲(上)

 【書 名】行動経済学の逆襲 上
 【著 者】リチャード・セイラー
 【発行所】ハヤカワ・ノンフィクション文庫
 【発行日】2019/10/20
 【ISBN 】978-4-15-050547-9
 【価 格】840円


ノーベル経済学者であるリチャード・セイラーによる行動経済学全史です。経済学では完全に合理的な人間(ホモエコノミカス)を想定しましたが、実際の人間はそんな行動をとりません。そこに着目した経済学です。


■機会起用と保有効果
経済学部長はワイン好きで以前10ドルで買ったワインが今では100ドルを超えるワインがワインセラーに並んでいます。特別な日にそのなかの1本を楽しんでいます。地元のワイン屋が時価で引き取るといいながら一本も売っていません。経済学的に合理的な行動ではありませんがやめませんでした。


機会費用-ある活動をすることで失われる利益 この場合、ワイン屋に売らなかった100ドルが機会費用となります。
保有効果-既に保有しているものは、いつでも手に入れられても、まだ保有していないものより高い価値を感じる


■サンクコストは無視しろ(経済学者の金言)
サンクコスト-既に支払ってしまって取り戻せないお金 猛吹雪の中を運転してバスケットの試合を見に行くのはチケットを買ったサンクコストを無視できないから
筆者自身も膨大な労力をつぎ込んだ研究テーマを変えた方がよいので、結局はずるずるしてしまい。分かってはいるけど、実際には難しい


■プロスペクト理論
人は損失についてリスク追求型
・確実に100ドルを失う
・50%の確率で200ドルを失うが50%の確率で何も失わない - ほとんどこちらが選ばれる


・確実に100ドルをもらう - ほとんどこちらが選ばれる
・50%の確率で200ドルもらい50%の確率で何ももらえない


■見えざる手
アダムスミスの「国富論」に出てきますが「見えざる手」は本では一度しか出てこない


■スキー場のリフト券の値段
年に1、2回来る客 交通費、食費、宿泊費を含めたスキー旅行の総費用の一部がリフト券として認識される
地元客(リピーター) 値上げにシビア そこで作ったのがテンパック(平日5枚、休日5枚)で販売価格の4割引で事前購入
事前購入するとお金を節約する「投資」となる。実際に販売したところリフト券の60%が使われていることが判明。4割引にしても何も影響がなかった。使い切らなかった人はスキー場に行かなかった自分が悪かったと考えました。テンパックは有効期限が1年でしたが、新しいテンパックを買えば以前の残った分も使えるようにすると「公正」な異形という評価につながります。


初滑りの時はベストコンディションではないので割引するのが常でしたが、シークレット・セールで行いました。レジに正規料金を支払いにやってきた客に「今、セールなんで次回、使える50%オフ差し上げます」と伝えます。これで顧客満足をあげられます。そしたら会話を聞いていたテンパックで乗ろうとした地元客がテンパックを使うのをやめて、正規料金を払って、このクーポンをゲットしたそうです。


■公正
ハリケーンの後にベニヤ合板の価格が和少なるのは被害が一番多かった地域が多くなります。これは同じ顧客と長期にわたって取引する企業には「公正」が求められるからです。MBAコースの教え子は猛吹雪の後の雪かき用シャベルを値上げすべきと信じていますが、これで実際に経営するとえらい目にあうことになります。


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2019/12/20

中国人は見ている

 【書 名】中国人は見ている
 【著 者】中島 恵
 【発行所】日経プレミアシリーズ
 【発行日】2019/12/09
 【ISBN 】978-4-532-26417-8
 【価 格】850円


インバウンドなどで、たくさんの中国人が来日したり日本で働いたりしていますが、けっこう常識が違っています。


■ホイコーロ(回鍋肉)
もう一回、鍋に肉を戻すという意味で、材料は豚バラ肉とニンニクの葉。キャベツではないそうで、調味料は豆板醤。四川人が日本のホイコーロを食べた時に衝撃を受けたそうで、中国人にとって苦手なのが日本式の中華料理だそうです。ただ日本で進化を遂げた焼き餃子とラーメンは大好評です。


■ラーメン模様
ラーメンをいれるドンブリといえば独特の雷紋と呼ばれるラーメン模様のものが有名ですが日本発祥なんだそうです。1910年に浅草で日本初のラーメン屋「来々軒」がオープンした時にできたものでした。


■給湯器
中国人は漢方医学の観点もあって、お湯をよく飲みます。中部国際空港で中国人によく聞かれるのが給湯器の場所だそうです。


■「お手すきの際に」は伝わらない
中国人にとって日本人とのメールのやりとりは大変。推測+期待+テレパシーが必要で、例えば「お手すきの際に返信してください」は一体、いつ返信するんだになります。


■日本から中国へ逆輸入された漢語
人気、居酒屋、刺身、違和感、社畜、森女(森ガール)などがあり、最近の中国の若者は日本由来と知らずに使っているそうです。


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2019/12/17

大論争 日本人の起源

 【書 名】大論争 日本人の起源
 【著 者】斎藤成也、関野吉晴、片山一道、武光誠ほか
 【発行所】宝島社新書
 【発行日】2019/11/11
 【ISBN 】978-4-8002-9929-1
 【価 格】1000円


■渡来人
縄文人で魅力ある場所は森や川がある複数の生態系が交わるところで、水田に適した下流域は誰も利用していませんでした。ここに渡来人がきて稲作をはじめます。渡来人と縄文人の間は友好的で交易も行っていました。水田耕作を持ち込んだ人は難民ではなくアメリカに新しい理想郷を作ろうとしたピルグリム・ファーザーズのような人だったかもしれません。


■環濠集落
前方後円墳は北は仙台まで南は大隅半島で薩摩半島にはありません。環濠集落も薩摩半島にはありません。環濠集落では東は太平洋側が利根川、日本海側は新潟県村上市までになります。


縄文時代は多種多様なものを食べるので飢餓はありませんが、水田耕作のように米だけに頼るようになると採れなくなると飢餓となります。弥生となり縄文人が生活していた森を切り開かないと水田耕作はできません。ただし森の霊たちの怒りを乗り越える必要があり精神的には高いハードルでした。また弥生時代は環境破壊、格差、戦争を巻き起こすことになります。縄文時代は匠の時代でしたが弥生時代は大量生産の時代となります。


アマゾンでは集団が150人以上になると緊張関係が激しくなり200人になると分裂して近親憎悪から敵対関係になります。


■台与の墓
卑弥呼の墓が箸墓古墳とすると台与の墓は西殿塚古墳ではないかと言われています。後円部と前方部に1ケ所ずつ2人が埋葬されているようで、一人が台与でもう一人が台与を補佐した男性ではないかもしれません。西殿塚古墳の次の世代が行燈山古墳になります。


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2019/12/13

権力の日本史

 【書 名】権力の日本史
 【著 者】本郷和人
 【発行所】文春新書
 【発行日】2019/11/20
 【ISBN 】978-4-16-661239-0
 【価 格】850円


権力は実力か、それとも血か家かについて考えさせられる本です。


■エマニュエル・トッド(フランスの歴史人口学者)の家族理論
中心部の中国、ロシア、中東など古代に文明が発達した地域から核家族→直系家族→共同体(家父長)家族へと推移。同心円状に拡がるため日本や朝鮮半島やローマからみて周辺にあたるドイツなどが遅れて直系家族になります。さらに遠いイギリスやアメリカでは一番古い核家族が今も続いている。


直系家族ー日本、朝鮮半島、ドイツ
共同体家族-中国、イタリア


■秀才
科挙の予備試験にあたる科試を受験する資格を取得した者が秀才
科試に合格すると挙子となり、ようやく本番の科挙試験に臨めます。


■判官
源義経が任じられたのが検非違使少尉。長官、次官につぐ三等官である判官だったので源九郎判官の名前が生まれます。


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権力の日本史

 【書 名】権力の日本史
 【著 者】本郷和人
 【発行所】文春新書
 【発行日】2019/11/20
 【ISBN 】978-4-16-661239-0
 【価 格】850円


権力は実力か、それとも血か家かについて考えさせられる本です。


■エマニュエル・トッド(フランスの歴史人口学者)の家族理論
中心部の中国、ロシア、中東など古代に文明が発達した地域から核家族→直系家族→共同体(家父長)家族へと推移。同心円状に拡がるため日本や朝鮮半島やローマからみて周辺にあたるドイツなどが遅れて直系家族になります。さらに遠いイギリスやアメリカでは一番古い核家族が今も続いている。


直系家族ー日本、朝鮮半島、ドイツ
共同体家族-中国、イタリア


■秀才
科挙の予備試験にあたる科試を受験する資格を取得した者が秀才
科試に合格すると挙子となり、ようやく本番の科挙試験に臨めます。


■判官
源義経が任じられたのが検非違使少尉。長官、次官につぐ三等官である判官だったので源九郎判官の名前が生まれます。


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2019/12/08

会社を良くする最高のレシピ

 【書 名】会社を良くする最高のレシピ
 【著 者】安田勝也
 【発行所】同友館
 【発行日】2015/10/08
 【ISBN 】978-4-496-05157-9
 【価 格】1,800円


■付加価値潜在力
著者オリジナルの指標で「労働生産性×従業員数×(退職年齢ー平均年齢)」で計算します。企業が将来何年にわたって、付加価値額を提供できるかを簡易的に表すことができます。増やすには
・労働生産性の向上(競争力を強化)
・従業員数を増やす
・退職年齢を引き上げる
・平均年齢を下げる


■ピンチはチャンス
学生に東南アジアの建設現場を見せて、この国の建設関係の人たちに建設資材や工法を技術指導する事業は考えられないかという質問をすると、反応は「楽しそう」と「難しそう」の2つ。
楽しそう-難しそうだけど何だか楽しい
難しそう-理屈有線で壁にぶつかる前から、できないと決めつける傾向が強い


■回覧の工夫
佐藤さん  □熟読 □確認 □不要
こうすると、よく読んでいませんでしたという言い訳がきかなくなります。


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2019/12/07

東大教授の忠臣蔵講座

 【書 名】東大教授の忠臣蔵講座
 【著 者】山本博文
 【発行所】角川新書
 【発行日】2017/12/10
 【ISBN 】978-4-04-082216-7
 【価 格】880円


■人前(ひとまえ)
大石内蔵助は浅野大学による浅野家再興を目指していましたが、再興ではなく「人前がなる」ことが大切でした。人前がなるは面目がたつというニュアンスで吉良に何らかの処分が申し渡される必要がありました。ただ綱吉の裁定を否定することになるので、できない相談だった。


■山崎
祇園で遊蕩したと歌舞伎などで出てきますが実際は息子の大石主税を連れての物見遊山が本当だったようです。


■堀部安兵衛
「ほりべやすべえ」と言われていますが「ほりべやすびょうえ」と呼ばれたようです。


■討ち入り
討ち入りになった時、隣の本田孫太郎、土屋主税の屋敷から高提灯が掲げられたのは史実のようで表立って味方はできないが浪士たちが戦いやすいように配慮したようです。


■死ぬ覚悟
討ち入り後、浪士はケガはしましたが皆、無事でした。しかし討死を覚悟していたようで大石内蔵助も「浅野内匠頭家来大石内蔵助 十二月十四日討死」という名札を持っていました。吉田忠左衛門も辞世を書いて甲の裏につけていました。


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2019/12/05

督促OL指導日記

 【書 名】督促OL指導日記
 【著 者】榎本まみ
 【発行所】文春文庫
 【発行日】2019/10/10
 【ISBN 】978-4-16-791376-2
 【価 格】600円


コールセンターの裏側について書かれています。皆が答えられるようにマニュアルが電子化されています。ところがシステムダウンすると、電話は繋がってもマニュアルが見られないので答えるのが大変になります。


応答率-コールセンターにかかってきた電話のうち、どれぐらい電話に出られたかの数字
待ち呼-お客さんが待っている数
呼損(こそん)-取り切れないまま切れた電話


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本バスめぐりん

 【書 名】本バスめぐりん
 【著 者】大崎梢
 【発行所】創元推理文庫
 【発行日】2019/10/25
 【ISBN 】978-4-488-48707-2
 【価 格】660円


「配達あかずきん」という書店を舞台としたミステリーで有名な作者ですが、今回は移動図書館「本バスめぐりん」を舞台とした物語です。定年退職し、知り合いから頼まれて移動図書館の運転手をすることに、同僚の司書は若い女性。「いっぱい借りて、いっぱい買って、いっぱい読む、これですよ。私も買ってますから。本屋さん、大好きですし」図書館で借りてもよいし、買ってもよい。本は読むことが大切です。

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