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2019/05/29

内裏襲撃 禁闕の変異聞

 【書 名】内裏襲撃 禁闕の変異聞
 【著 者】原田隆之
 【発行所】叢文社
 【発行日】2019/4/15
 【ISBN 】978-4-7947-0795-6
 【価 格】1500円


中小企業診断士である原田さんの歴史小説。嘉吉の乱という播磨守護の赤松氏が足利義教を暗殺する一大時間が発生します。南朝勢力(楠氏、越智氏、湯浅氏など)を巻き込んで、やがて内裏を襲撃する禁闕の変が起きますが、実は影で暗躍していたのは...。


物流をになっていた馬借や徳政令の要求など、混とんとし戦国時代へ向かうことになる時代の雰囲気がよく描かれています。


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2019/05/24

今川義元 知られざる実像

 【書 名】今川義元 知られざる実像
 【著 者】小和田哲男
 【発行所】静岡新聞社
 【発行日】2019/3/20
 【ISBN 】978-4-7838-1089-6
 【価 格】1400円


桶狭間の合戦で信長に討ち取られた今川義元です。輿に乗っていてやられたため凡将、公家かぶれと言った印象が多いですが、実像は名将でした。


今川家の本貫は三河国今川荘。中先代の乱で今川家4兄弟のうちの3人が討ち死にしたこともあり、遠江守護はそのまま安堵されたようです。北畠顕家が足利尊氏を討つために西に向かい青野ヶ原の戦いになった時に背後から攻めたのが今川で、北畠顕家は青野ヶ原を突破できず、今川は論功行賞で駿河守護もまかされます。


戦国期になりお家騒動となった時に、関東から攻めてきたのが太田道灌。危機感をもった今川氏親の母親が幕府に仕えていた弟の伊勢新九郎に頼みます。伊勢新九郎(北条早雲)は甥っ子(今川氏親)を助けます。東を守るために興国寺城に入り、ここから伊豆から関東へ侵攻していきます。


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2019/05/23

三度目の日本

 【書 名】三度目の日本
 【著 者】堺屋太一
 【発行所】祥伝社新書
 【発行日】2019/5/10
 【ISBN 】978-4-396-11571-5
 【価 格】800円


2019年2月に亡くなった堺屋太一氏の遺作です。


■東京一極集中
首都圏の地震や富士山噴火で大きな影響を受ける東京で、一極集中は危ないと言われていますが、もともと官僚が仕向けた背景があります。まずやったのが業界団体の東京移転。しかも千代田区、港区、中央区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区の7区でないとダメとします。繊維の街だった大阪には紡績協会やアパレル協会などがありましたが、当時、起きていた日米繊維交渉を人質に東京へ団体を移さなければ交渉しないとやって集めます。他にも出版社なども東京へ集めます。


■部品組立方式
考えたのがサミュエル・コルト。拳銃を設計し労働者に部品別に作らせて集め組み立てました。同じ品質の拳銃がたくさん出来上がります。日本には名刀がありますが、名拳銃というものはありません。


■日米開戦
開戦前に陸軍、海軍、大蔵省のメンバーが集まって作っていたのが日米諒解案。アメリカとも話をして近衛首相とルーズベルト大統領が会談し、この日米諒解案をもとに対立案件を解決しようとしていました。これをひっくら返したのが外務大臣の松岡洋右。ヨーロッパから松岡洋右が戻った時に外部官僚の誰かが外務省が入っていないと言ったようで、外務省が入らず、陸軍、海軍、大蔵省だけで決めるのは何事かで日米諒解案をつぶしてしまったそうです。


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三河吉田藩・お国入り道中記

 【書 名】三河吉田藩・お国入り道中記
 【著 者】久住祐一郎
 【発行所】インターナショナル新書
 【発行日】2019/4/10
 【ISBN 】978-4-7976-8036-2
 【価 格】840円


豊橋にあった三河吉田藩に江戸生まれの若殿が参勤交代することになり、その古文書をもとにした記録です。


■参勤交代は人材派遣でなりたっていた
もともと米屋だったのが米屋久右衛門。稼業を変更して人材派遣業を行っていました。派遣するのは全工程を通して従事する通日雇で、桑名藩の11泊12日の参勤交代は一式773両で請け負っていました。この時はうまくいって支出が419両で354両の利益を得ました。この米屋久右衛門は三河屋久右衛門ともいい、先祖は吉田藩に仕えた足軽で島原の乱にも従軍していました。通日雇は参勤交代が終わると江戸へ戻ります。


戦争がなくなった武士の時代に島原の乱に参加したということが、けっこう意味をもつようになり、その子孫は江戸時代の終わりまで島原の乱を記念した行事で藩主とお目見えすることになります。三河屋久右衛門は武士ではないので家臣とは違う席ですが藩主から声をかけられていました。このためか吉田藩では入札ではなく随意契約を獲得します。


■参勤交代の朝は早かった
支度触-九つ時(午前0時)、お供触-八つ時(午前1時)、発駕ー七つ時(午前2時) 毎日40kmほど進み、日没前に本陣に入るスケジュールでした。


参勤交代には江戸詰めのものもいて三河屋の通日雇と同じで江戸へ帰ることになりますが3日の休息をもらってから帰っていました。用事があると5~20日間の延長休暇を申請できて羽根をのばしたようです。


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まちの本屋

 【書 名】まちの本屋
 【著 者】田口幹人
 【発行所】ポプラ文庫
 【発行日】2019/5/5
 【ISBN 】978-4-591-16300-9
 【価 格】660円


盛岡に行った時に、拙著『バグは本当に虫だった』(ペンコム)を店頭においてもらおうとジュンク堂などを回ったのですが町の本屋もがんばっていました。それが「さわや書店」。盛岡駅構内にもあり置いてもらうように頼んできました。この、さわや書店の名物書店員だった田口幹人という方が書かれた本です。どんな想いや工夫で地域の本屋を守っているのかについて書かれていますが、またそれをバックアップしている経営者もすごいですね。


日経新聞土曜版(2019年5月18日)の「活字の海で」には、さわや書店で活躍した長江貴士が取次会社である大阪屋粟田に入った記事が掲載されており、名物書店員を輩出するすごい本屋なんですね。


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2019/05/17

古代豪族と大王の謎

 【書 名】古代豪族と大王の謎
 【著 者】水谷千秋
 【発行所】宝島新社
 【発行日】2019/4/24
 【ISBN 】978-4-8002-8722-9
 【価 格】830円


纏向遺跡時代から律令にかけて豪族を焦点にした古代史です。


■マエツギミ
大夫、群卿、群臣など表記はいろいろありますが、読みは「マエツギミ」です。朝廷権力の主要部にいた豪族達のことで大連、大臣につらなる地位となります。基本的に機内の豪族になります。東は名張の横河、南は紀伊の兄山(せやま)、西は明石の櫛淵、北は近江の逢坂山です。


大和の東側にあったオオヤマト古墳群から北の佐紀古墳群へと推移し、西の馬見古墳群が作られ、やがて百舌鳥・古市古墳群となります。王権のなかで主流派・反主流派などのいろいろな動きから分裂していったようです。


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夢をかなえるゾウ3

 【書 名】夢をかなえるゾウ3
 【著 者】水野敬也
 【発行所】飛鳥新社
 【発行日】2019/5/1
 【ISBN 】978-4-86410-696-2
 【価 格】720円


3作目は初の女性が主人公。パワーストーンなどを買い込み運気があがらないかなと他力本願のOLが主人公。またまたガネーシャがちょっかいをだし、前作と同様に抱腹絶倒のドタバタの中で、主人公が成長していく物語です。今回は日本の神様も登場してのドタバタになっていますがドタバタで学べる教訓はなるほどという内容です。それにしても著者の筆力はすごいですね。


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2019/05/12

そろそろ本当の忍者の話をしよう

 【書 名】そろそろ本当の忍者の話をしよう
 【著 者】山田雄司(監修)
 【発行所】株式会社ギャンビット
 【発行日】2018/10/01
 【ISBN 】978-4-907462-37-6
 【価 格】1,500円


■鈎の陣
忍者が知られるようになったのが鈎の陣。1487年、近江守護の六角高頼による横領がすすんでいたため将軍・足利義尚によって六角征伐が行われましたが六角側についたのが甲賀と伊賀忍者。義尚の死によって中止となりましたが実質的に六角側の勝利でした。


■和田惟政
甲賀出身で一条院覚慶の奈良脱出を手引きして甲賀に匿いました。この後、織田信長に引き合わせ一条院覚慶は足利義昭となります。甲賀町の和田には公方屋敷跡が残っていて油日神社にも詣でていたようです。甲賀は家康にも味方をしていて関ケ原の前哨戦となった伏見城の戦いでは守将・鳥居元忠とともに討ち死にしています。甲賀53家の一つが大原家で滝川一益はこの大原一族出身でした。


■神君・伊賀越え
甲賀の信楽に多羅尾氏がいて織田信長と松永久秀の仲介などをしていました。当時の当主は光俊で子供が宇治田原の城に養子で入っており逃亡している徳川家康を宇治田原で迎え入れ伊勢へ送り出したようです。家康は多羅尾氏居城の小川城ではなく八幡社観音堂に宿泊しました。多羅尾氏は豊臣秀次事件に連座して所領を没収されますが江戸時代に代官として復活します。


家康と甲賀は昔から関係があったようで三河で鵜殿合戦を起こした時に甲賀が味方していました。鵜殿城は忍者が攻めた城として名前が残りました。


弘前藩・津軽為信の家臣に杉山源吾という人物がいて本名は石田重成。石田三成の次男でした。この杉山の地は石田三成から重成が幼少時にもらった甲賀の土地の名前でもともとは多羅尾氏の所領地でした。


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2019/05/11

災害と生きる日本人

 【書 名】災害と生きる日本人
 【著 者】磯田道史&中西進
 【発行所】潮新書
 【発行日】2019/03/20
 【ISBN 】978-4-267-02168-8
 【価 格】815円


対談の相手は令和の考案者ではないかと騒がれた中西進名誉教授。この本でも万葉集の話題がたくさん出てきます。


■白須賀宿
1707年の宝永地震と津波によって白須賀宿が流されてしまった時、公金を出して藩が高台へ宿場ごと移転させました。江戸時代にこんな英断をした藩があったんですね。


■薩摩に抽象なし具体のみあり
孝明天皇も島津久光も幕府をつぶすつもりはなくソフトランディングを狙っていましたが西郷隆盛は幕府軍に大砲を撃ち、錦の御旗を出して幕府の権威をつぶしました。尊皇攘夷という抽象論ではなく具体論に変えたのが西郷でした。この西郷隆盛の従者に熊吉がいて、西郷が亡くなってから熊吉から聞き取った話があり、例えば勝海舟と西郷隆盛が会談した時に勝海舟が懐から出したのはピストルではなく江戸前寿司。けっこうリラックスした会談だったようです。


■徳川家康
三方ヶ原で敗れ逃げる時、真っ暗な中ついてくる家臣の刀の鞘にツバを吐きます。浜松城まで無事に帰りついた時にツバを確認して、おまえは負け戦で命がけで守ってくれたと褒美を渡します。こういう話はすぐに伝わるので家康がどんな戦場に出ても家臣が周りに集まるようになります。負け戦でも死ぬことはありませんでした。


■二宮尊徳の減価償却
屋敷の中にホウキが何本あるかまで計算し、1本がどれだけ使えるかと減価償却の考え方まで導入していたのが二宮尊徳です。1年あたりにどれだけコストがかかるまで意識をしていました。


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2019/05/07

戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」

 【書 名】戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」
 【著 者】斉藤光政
 【発行所】集英社文庫
 【発行日】2019/03/25
 【ISBN 】978-4-08-745852-7
 【価 格】800円


学研からムーというオカルト雑誌が出ていますが、よく超古代史特集をやっていました。その時に竹内文書などとともに名前があがっていたのが東日流(つがる)外三郡誌です。津軽を中心とした東北地方に日本書紀や古事記以前に政権があったという壮大な内容ですが、結局は一人の人間が作った偽書でした。裁判取材を担当することとなった地方紙・東奥日報の記者がずっと追っかけたルポルタージュで最終的に偽書だったことが判明します。


新聞でいろいろな報道が出ますが、続報が出ることはほとんどありません。それをずっと追っかけた記者もすごいですが、掲載し続けた新聞社もすごいですね。


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2019/05/06

東大流教養としての戦国・江戸講義

 【書 名】東大流教養としての戦国・江戸講義
 【著 者】山本博之
 【発行所】PHP
 【発行日】2019/04/03
 【ISBN 】978-4-569-84234-9
 【価 格】1,700円

鉄砲伝来というとポルトガル人から種子島への伝来となりますが、当時普及した火縄銃は東南アジアの火縄銃が多く、ヨーロッパから直に伝わったものではないようです。

真田信繁の名前が源次郎、兄と言われる真田信之が源三郎です。大坂の陣の後、真田信之が真田家を伝えていきますが本流が真田信繁だとまずいので弟と偽った可能性があります。

銭の中心的な生産地が足尾銅山で、足尾銅山で作られた寛永通宝には裏側に「足」と書かれていて、銭のことを「お足」というのは、ここからきています。1貫文は100文のはずが実際は96文で4文は手数料にようです。一両が10万円とすると一文は25円。手数料4文は100円でATM手数料とかわりません。蕎麦が16文で400円ほどになります。

大井川などは橋がないため、おぶってもらったり台で運んでもらわないといけないといけず費用がかかります。平和な時代になってので橋を架ける話が持ち上がりますが人足や宿場町の反対などで結局は作られませんでした。

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