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2019/04/27

ザ日本史推理

 【書 名】ザ日本史推理
 【著 者】井沢元彦
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】2019/04/09
 【ISBN 】978-4-569-76890-8
 【価 格】760円

壬申の乱は新羅派、反新羅派といった半島情勢が大きな影をおとしていました。また天智天皇がなくなった後に異母弟といわれる大海人皇子が近江に攻め込み大友皇子を滅ぼし天武天皇となります。

まず大友皇子ではなく、天智天皇がなくなったらすぐに即位したはず。さすがに天皇を殺したのはまずいので日本書紀を改ざんしたのではという疑いがあります。編纂を命じたのは当の天武天皇です。実は天智天皇の弟ではなく反新羅派の中心人物だったのではという説もあり、これは昔からよく言われています。もう一つ天智天皇は日本書紀では病死になっていますが、扶桑略記では山科へ出かけて行方不明(暗殺)となったと書かれています。不思議なことに天智天皇陵は近江ではなく山科にあります。

天武天皇の後、妃で天智天皇の娘である持統天皇が即位し、しばらく天武天皇の系譜が続きますが光仁天皇、桓武天皇と天智天皇の系譜に戻るのはそんな理由があったからかもしれません。

■石とは
1石=10斗=100升=1000合
1食1合で1日3合-一年では1080合で石は1年間に一人の人間が食べる米の量
1石の米をとるには1反が必要で昔は360坪。一人の人間が一日の量を食べる広さが一坪になる。
1貫文4つで1両となり1石の米が買える。

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乱と変の日本史

 【書 名】乱と変の日本史
 【著 者】本郷和人
 【発行所】祥伝社新書
 【発行日】2019/03/10
 【ISBN 】978-4-396-11565-4
 【価 格】840円


桓武天皇は常備軍を持とうと健児の制(こんでいのせい)を始めましたがコストがかかりすぎて、結局は武士に丸投げ。最初は命令すればよかったのが武士が力を持ち始め平治の乱あたりから貴族が恐れる存在となります。やがて源頼朝が登場。御家人には土地を本領安堵し代わりとして命がけで戦う御恩を求めました。土地の所有権を守ってくれない朝廷ではなく、新しいリーダーの登場です。危険性を見抜いていた後鳥羽上皇が起こしたのが承久の乱。朝敵となった北条泰時ですがひるまずに京都を攻め勝利します。この後、天皇を任命するのが鎌倉幕府となってしまいます。


ところが鎌倉幕府は御家人ファーストだったため御家人ではない悪党などは不満を抱きます。そこに後醍醐天皇が出てきて討幕の動きになりますが、動いたのは足利尊氏が鎌倉幕府に反旗を翻したことから、皆、北条にかわる足利尊氏を中心とした新しい武家政権ができると思ったら建武新政がはじまってしまい、武士の支持がえられず崩壊します。
などなど面白い日本史を学べる一冊です。


上級貴族である公卿には大納言以下の卿と内大臣以上の公があり、水戸黄門(権中納言の中国よみ)は水戸光圀公ではなく水戸光圀卿が本当。


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2019/04/18

気候で読む日本史

 【書 名】気候で読む日本史
 【著 者】田家 康
 【発行所】日経ビジネス人文庫
 【発行日】2019/01/07
 【ISBN 】978-4-532-19884-8
 【価 格】800円


「地震の日本史」(中公新書)という地震から見た日本史がありますが、これは気候から見た日本史で、冷夏などの異常気象による飢饉などで歴史が大きく動いていきます。冬になる前に上杉謙信は関東へ出兵していましたが口減らしの意味と関東での食糧確保が背景にあったようです。


承久の乱で後鳥羽上皇と戦い勝利した北条泰時ですが、飢饉の前兆があると即座に反応します。京都の公家社会が、飢饉なんか下々のことと関与しない間に贅沢禁止令を出し、種もみの貸し渋りが起きないように北条泰時自身が保証して供給もしました。奴隷制は平安時代には禁止になっていたようですが、北条泰時は飢饉の緊急事態と期限を区切って認めるなど現実的な対応で乗り切っていきます。


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大マスコミが絶対書かない事この本読んだらええねん

 【書 名】大マスコミが絶対書かない事この本読んだらええねん
 【著 者】辛坊治郎
 【発行所】光文社
 【発行日】2019/03/30
 【ISBN 】978-4-334-95085-9
 【価 格】1000円

参議院で問題となるのが一票の格差問題。地域代表なので各都道府県から2名づつ選出しようと決めてもよいのですが、そのためには憲法第34条を変更しなければなりません。確かに新聞報道などで、こういう論点は出てこないですね。

ユネスコの世界遺産に登録されたのが長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産で、隠れキリシタンではありません。明治6年に禁教令がとかれるまでは皆、隠れキリシタンでした。そしてカソリック信者として生き始めたるなか、昔から伝わる信仰を続ける人がいて、こちらが新しい隠れキリシタンになります。ですのでカソリック信者となった側を潜伏キリシタンと区別するようになったそうです。

などなど、面白い視点が書かれています。

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2019/04/14

阪神・淡路島「高低差」地形散歩

 【書 名】阪神・淡路島「高低差」地形散歩
 【著 者】新之介
 【発行所】洋泉社
 【発行日】2019/04/10
 【ISBN 】978-4-8003-1629-5
 【価 格】1980円


「凹凸を楽しむ 大阪高低差地形散歩」に続く、阪神・淡路島編です。西宮、甲山、芦屋、住吉、六甲、神戸、兵庫、須磨、明石城、有馬温泉、宝塚、岩屋、由良・成ケ島、沼島、三原平野が紹介されていますが芦屋の鷹尾山城、神戸の瀧山城跡やブラタモリでも紹介された宝塚の環濠集落である小浜宿など、ちょっと変わった場所も紹介されています。


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2019/04/11

江戸の不動産

 【書 名】江戸の不動産
 【著 者】安藤優一郎
 【発行所】文春新書
 【発行日】2019/03/20
 【ISBN 】978-4-16-661210-9
 【価 格】820円


江戸時代の不動産という面白いところに目をつけた一冊です。当時は武士も町人も不動産ビジネスに邁進していたことがよく分かります。各藩や御家人には幕府から土地が与えられ無税でした。ところが江戸は火事が多く、藩屋敷もよく燃えました。そこで郊外に避難用の下屋敷を確保するために農民から土地を買うことになりますが、幕府としては年貢が入らなくなると困ります。そこで年貢率をアップを条件にして認めるようになります。


武家地は幕府から拝領されたものなので自由に売買できませんが、そこに等価交換の形で抜け道が作られます。相対だったはずが三藩にまたがったり、ひどい場合は21もの交換取引になってしまいます。老中までかかわるので抜け道だらけになります。経済力のある町人や農民も同じで土地取引に邁進します。メリットは貸して地代や賃貸収入を得ること、また不動産をもっていることが信用になりました。ただ火事などになると再建もしなければならずリスクも大きいビジネスでした。


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2019/04/08

天皇の思想 戦う貴族 北畠親房の思惑

 【書 名】天皇の思想 戦う貴族 北畠親房の思惑
 【著 者】本郷和人
 【発行所】山川出版社
 【発行日】2010/01/31
 【ISBN 】978-4-634-15004-1
 【価 格】1800円


丸善・四日市店の三重コーナーにあったので全編、北畠親房の話かと思ったら最初の一章と最後の八章が北畠親房で鎌倉時代から南北朝にかけての天皇や上皇の扱いや変遷の話が中心でした。北畠親房は南朝をよくまとめ戦っていました。貴族でありながら武人であり、足利尊氏が京都を留守にした時に南朝に残っていた戦力を集め京都を占拠。ただ足利の反撃によって追われ吉野の奥の賀名生(あのう)で病没します。ただ逃れる時に北朝側の上皇や天皇、三種の神器を持ち去ったのがすごく、これには足利も困り果て、いろいろな対策をうたざるをえませんでした。なかなかの策士ですねえ。


鎌倉幕府をゆるがしたのが後鳥羽上皇の承久の乱。朝廷は六波羅探題の監視をうけるようになり改革が必要となります。この時に登場したのが九条道家で、世間を見ようとしない朝廷の中で人を見ようと言い出し、訴訟などに積極的に取り組むようになります。九条道家が失脚した後もこの路線は継続します。


幕府の訴訟についても書かれていて証言よりも客観的な文章の証拠を重視していました。現在の自白を重視するやり方よりも先進的だったようです。


南北朝時代となりましたが南朝を残していたのは幕府の意思のようで北朝が何かしたら、すぐ南朝に替えるぞという意思表明でもあったようです。そんな必要がなくなった時に南北朝統一となります。後醍醐天皇によって鎌倉幕府が倒れた話になっていますが鎌倉幕府は自壊寸前できっかけさえあればなんでもよかったようです。


討幕の理論ともなった水戸徳川家の大日本史ですが南朝を正統な天皇家の血統にしています。本当は南朝が滅び、代わりに武家政権がとってかわったという理論展開のためだったようです。


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