奪われた三種の神器
【書 名】奪われた三種の神器
【著 者】渡邊大門
【発行所】草思社文庫
【発行日】2019/02/08
【ISBN 】978-4-7942-2374-6
【価 格】800円
天皇家に伝わる三種の神器(八咫鏡、草薙剣、八尺瓊勾玉)は天孫降臨に際して天照大神が授けたものです。天皇即位で使われますが八咫鏡は伊勢神宮に、草薙剣は熱田神宮に納められ崇神天皇の時代に鏡と剣のレプリカが作られた、勾玉と共に宮中に伝わったとされています。
ところが源平の戦いで平氏が逃げる時に安徳天皇とともに三種の神器が持ち出されてしまいます。壇ノ浦の戦いで入水する時に三種の神器も海に沈みます。なんとか鏡と勾玉は救い出されましたが剣は見つかりませんでした。後鳥羽天皇は発見の祈祷と捜索を命じますがダメでした。この時にいろいろと理屈をつけて別の剣をレプリカとします。
次に起きるのが南北朝の戦いで南朝方が三種の神器を持ち出してしまいます。この頃から天皇自体が徳であり三種の神器は必要ないとう論理が展開されだします。ただ南北朝統一で三種の神器が宮中に返ってきます。ところが南朝の残党によって勾玉が持ち出されてしまいます。勾玉だけは天孫降臨時代から伝わったとされていました。嘉吉の乱で没落した赤松氏の残党に命じて潜入させ取り返させる長禄の変が起きます。赤松氏は功績で復活しますが、この時に活躍した家来の浦上氏によって戦国時代に滅ぼされてしまいます。
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