考える日本人
【書 名】考える日本人
【著 者】本郷和人
【発行所】河出新書
【発行日】2018/11/20
【ISBN 】978-4-309-63102-8
【価 格】840円
信、血、恨、法、貧、戦、拠、知、三、異をテーマに日本史を語る一冊です。いろいろと考えされられる1冊です。
■世襲文化
遣隋使、遣唐使などを通じて大陸の最新文化を導入しましたが、導入しないものもありました。それが科挙制度。今でいえば公務員試験を突破しないと官僚になれないという制度です。家として、ずっと合格者を出し続けることは無理なので貴族が選んだのが世襲制です。アホでも血統さえよければ家をつなぐことができる制度です。こうなると前例主義、形式主義的になっていきます。ただ明治時代にこれが崩れましたが国を主導したエリートが突き進んだのが太平洋戦争でした。
■日本軍は弾を打てた
この太平洋戦争の時、兵站を考えずに大東亜共栄圏などの精神主義が横行しました。今、考えると何でエリートがコスト計算せずに戦争をしていたのか、よく分かりませんが作られたのは命令に従う軍隊でした。日本の軍隊は相手に弾を打てたそうで、これは当たり前ではなくアメリカの南北戦争の時には兵士の半分は弾を打っていませんでした。上司に命令されても相手の上に向かって打っていました。生きている人間に弾を打つのは、ふつうの市民にはなかなかできませんでした。これは面白い視点ですねえ。
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