日本史のミカタ
【書 名】日本史のミカタ
【著 者】井上章一、本郷和人
【発行所】祥伝社新書
【発行日】2018/09/10
【ISBN 】978-4-396-11545-6
【価 格】840円
日本史に関する対談集ですが、朝廷と歴代幕府との関係の見方などが面白いですね。特に京都の見方。常備軍を持つのは金がかかるので京都をピカピカに光らせることで文化でも経済でも京都に集まる仕組みを作ります。虫が街灯に吸い寄せられて集まるのと同じです。そんな京都の魅力の一つが女官による「おねえさん力」。新田義貞はこの力で後醍醐天皇側につくことになります。
朝廷の建前は公地公民ですので自分が荘園領主になるわけにはいきません。そこで上皇は御願寺を建て、荘園を寺の領地にしてしまって利益をとるシステムとなります。御家人の借金を棒引きにする徳政令対策のために土倉・借上などの商人は担保になる土地を寺に寄進することを条件に融資をします。これなら徳政令がおよびません。ペーパーカンパニーを作るようなもので、当時はお寺はタックスヘイブンでもありました。
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