天皇陵の謎を追う
【書 名】天皇陵の謎を追う
【著 者】矢澤高太郎
【発行所】中央公論新社
【発行日】2016/04/25
【ISBN 】978-4-12-206249-8
【価 格】1000円
筆者は読売新聞文化部の古代史、考古学担当記者で天皇陵をテーマにした一冊です。
■宮内庁の天皇陵比定
比定通り確実なのは用明天皇陵など、わずか6人。なかには城跡を古墳にしてしまった安康天皇陵のような事例もあります。ただし宮内庁が否定した古墳は発掘できませんが、守られるという効果はあります。堺にあった百舌鳥大塚山古墳のように墳丘長168メートルもある前方後円墳が宅地造成で跡形もなく消えるようなことを防ぐ効果はあります。
■陵に葬られたのは誰か
継体天皇は継体天皇陵ではなく今城塚古墳が確実視されていますが、古墳の被葬者には、いろいろな説があります。
高松塚古墳の被葬者で有力なのが石上朝臣麻呂。物部氏の一族で平城京遷都の時、藤原京留守司として現地に残ります。ただ星宿が天井に描かれており皇族ではないかという説をとなえる学者もいます。
網干善教や末永雅雄が「被葬者の名を推測で口にしないのが学者の良心」という信念をもっていました。
| 固定リンク
コメント