江戸始図でわかった江戸城の真実
【書 名】江戸始図でわかった江戸城の真実
【著 者】千田 嘉博、森岡 知範
【発行所】宝島社新書
【発行日】2017/06/09
【ISBN 】978-4-8002-7129-7
【価 格】740円
家康が造った江戸城については資料が残っておらず謎でしたが真田丸が独立した城だったことがわかった「極秘諸国城図」に創建当時の江戸城の絵図が入っていました。家康が入封した頃は太田道灌が造った江戸城を整備し使っていましたが関ケ原の合戦の後、ようやく余裕ができた家康は整備していきます。当時の天守閣は姫路城や和歌山城と同じ連郭式天守閣。5連続の枡形虎口や3重の丸馬出まであり高い防御力がありました。
二の丸などが突破されたら本丸だけで持ちこたえるのは難しいのですが、今川氏直と掛川城での戦いでの経験が影響しているようです。今川義元亡き後、9年間、今川を支えてきましたが、最後は掛川城で家康軍に包囲されます。裏切りも多く出ましたが朝比奈泰朝のように最後まで付き従う武将もいます。絶望的な籠城戦でしたが半年間持ちこたえている間に状況が変化し家康は北条と武田と相手することになり、今川氏直に武田信玄を駿河から追い出したら駿河を与えるという条件で和睦します。
後詰めがなくても状況変化で生き残れることを家康は学びました。もう一つ、和睦の条件を守らなくてもよいことは、のちの大坂の陣でまた使うことになります。
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