そして、メディアは日本を戦争に導いた
【書 名】そして、メディアは日本を戦争に導いた
【著 者】半藤一利/保阪正康
【発行所】東洋経済新報社
【発行日】2013/10/11
【ISBN 】978-4492061916
【価 格】1,620円
原題通りにメディアが日本を太平洋戦争に導きましたが、そもそもは日露戦争などで反戦の記事を書いたらどんどん部数を減らし、背に腹はかえらずと戦争の記事を書いたら部数が伸びた経験があったからです。国際連盟脱退や真珠湾攻撃を大々的に盛り上げると新聞の部数が伸びました。朝日新聞にしろ皆、イケイケドンドンで煽っていました。
ただし少数ですが本当のジャーナリストもいて桐生悠々は「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」という記事を書き、防災演習なんか必要なく、そもそも帝都に空襲がないように軍が戦うべきで空襲があった時点でアウトだろうと至極まっとうなことを書きましたが在郷軍人会が新聞の不買運動を始めたため退社させられます。もう一人は東洋経済新報の石橋湛山でした。
明治の初めころは佐幕派がジャーナリストでしたので政府に対して健全な批判をしていましたが、付和雷同的な日本人の資質もあってどんそん商業主義になっていきます。本質的に今も変っていません。
本にも書かれていますが、最近の記者もひどいもので、「石橋湛山が好きです」「石橋湛山のどの本に感銘を受けたの?」「...」、ネットかなにかで石橋湛山について調べただけで本の1つも読んでいない
。5.15事件について予備知識もないのに昭和史の取材をしている記者など、あきれる例が出てきます。なかにはしっかり勉強している記者もいるのでしょうが、なさけない記者も多いようです。
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