« 書店ガール5 ラノベとブンガク | トップページ | ジブリの仲間たち »

2016/06/26

「本能寺の変」は変だ!

 【書 名】「本能寺の変」は変だ!
 【著 者】明智憲三郎
 【発行所】文芸社
 【発行日】2016/05/30
 【ISBN 】978-4-286-17627-7
 【価 格】1000円

「本能寺の変 431年目の真実」が面白かったので、買ってきました。

明智光秀の謀反の理由について、信長に足蹴にされたからとかハゲと呼ばれたからとか敵方に人質にしていた母親を殺されたからとかいろいろな説がありますが、初出は講談本など後世の書からとられていることを明確に示しています。森蘭丸も蘭丸ではなく乱丸が本当のようです。

では、謀反の理由はなんだったのか、謀反を起こして失敗すれば土岐氏一族の滅亡になりますので、それ以上の合理性がなければなりません。長曽我部氏が織田信孝の軍勢によって滅ぼされようとした時に前々から計画した謀反の時期を少し早めたようです。謀反を歌にこめたと言われる愛宕百韻の原本は秀吉が没収したと寺では伝わっているようです。秀吉はなにを隠したかったのでしょうね。

この本では信長の唐入りの阻止が目的だったようです。国内は自らの子息に分け与えて、諸侯は日本から遠ざけ一族の安泰をはかるのが目的で、光秀も出陣させられ土岐家の繁栄は望めません。秀吉は唐入りを実行しましたが自らの死去で頓挫してしまいました。ただ秀吉の唐入りでは加藤清正や福島正則などが攻め入っていますので、親族が少ない秀吉が国内で納めるべき人材を外へ出すのはどうですかねえ。また織田信長は弟の信行を殺していますし、信長亡き後は息子の信孝と信雄が争っていますからどうでしょうか。ただ家康と秀忠が江戸幕府というシステムを作り上げたのは、信長、秀吉に学んだからでしょう。

いろいろと考えさせられる一冊です。


|

« 書店ガール5 ラノベとブンガク | トップページ | ジブリの仲間たち »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「本能寺の変」は変だ!:

« 書店ガール5 ラノベとブンガク | トップページ | ジブリの仲間たち »