行商列車
【書 名】行商列車
【著 者】山本 志及
【発行所】創元社
【発行日】2015/12/10
【ISBN 】978-4-422-23036-8
【価 格】1800円
今や近鉄だけになった行商列車「鮮魚列車」。カンカン部隊と呼ばれた行商人のレポートです。昔は日本全国にありましたが、京成電鉄を走っていた野菜列車もなくなり、このままでは鮮魚列車もなくなってしまうのでタイムリーな本になっています。
鮮魚列車だけでなく朝一番に松阪駅を出る列車にも行商人が乗っており、5:22発の名張行き普通で名張へ出て、急行に乗り換えます。慣行として一番最後列車に乗って大阪へ向かいます。これが「一番組」。
鮮魚列車は貸切で鳥羽から上本町まで運行しています。借主は伊勢志摩魚行商組合連合会。もともとは一般乗客がクレームが出るため、行商人を分けるために昭和38年から始められました。定期代などを含め1ケ月の経費は3万3千円ほどかかります。平成になった頃の会員数は300人ほどいましたが平成21年で115人に減少。猟師町(猟師漁港)の会員が多く松阪駅から乗り込む行商人が多いようです。
多くの行商人は大阪の商店街に自分の店を持っており、店で近所の人に売ります。市場を通さないので鮮度がよく、おいしいので固定客がついています。猟師町の会員の店の名前は全て「伊勢屋」になっています。
他にも鳥取の行商人のレポートもあり、すごい民俗誌になっています。
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