なぜ地形と地理がわかると古代史がこんなに面白くなるのか
【書 名】なぜ地形と地理がわかると古代史がこんなに面白くなるのか
【著 者】千田 稔
【発行所】洋泉社
【発行日】2015/07/22
【ISBN 】978-4-8003-0656-2
【価 格】800円
古代史を地形と地理から考える面白い視点の本です。
■なぜ飛鳥に古代都市がおかれたのか
奈良盆地は低湿地だったからと思っていましたが、この本によると神奈備山(カムナビ)があるのが条件の一つになっています。中ツ道の延長線で石舞台古墳よりもさらに奥にあるミハ山。この山を起点にして中ツ道が作られたようです。
■なぜ平安貴族は左京に住んだのか
内裏を中心に右京と左京がありましたが、右京はだんだんすたれて左京(鴨川のある側)が中心になります。平坦にみえますが40メートルもの高低差があり、左京はいわば山の手。また右京は低湿地でしたが、なかには才覚をもって再開発し大儲けした話が今昔物語にでてきます。
■なぜ反乱のたびに鈴鹿の関所はとじられるのか
鈴鹿関、不破関、愛発関の3関がありますが、都で天皇の交代や反乱がおきると使者が派遣され関所が閉じられました。これを固関といいます。外からではなく都側から外へ出ないようにするのが目的だったようで、各関とも京都側の守りを中心にしています。壬申の乱で大海人皇子が関を突破し、東国で軍隊を集めたのが教訓になっているようです。実際、恵美押勝の乱では愛発関が閉じられたために琵琶湖で戦い、討ち取られています。
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