戦国武将の収支決算書
【書 名】戦国武将の収支決算書
【著 者】跡部 蛮
【発行所】ビジネス社
【発行日】2015/04/01
【ISBN 】978-4-8284-1808-7
【価 格】1000円
戦国時代の台所事情に焦点をあてていて、なかなか面白い歴史の視点が学べる本です。
■利休切腹
秀吉がすすめていたのが太閤検地。実はとんでもない仕掛けで戦国時代の土地には3つの領主的存在があり、秀吉は地主による中間搾取をなくそうとしました。これによって武士は土地と切り離され、別の土地に赴任するサラリーマン化がすすみます。ところが利休はいろいろな土地を手に入れていた地主の親分のような存在。当然、対立することになりますが、重しとなっていた豊臣秀長が病没し、一気に対立が顕在化したのではという説です。
■優秀だった織田信雄
評判がよくないのが織田信雄ですが、経済的にはなかなかの人物だったようです。清州会議の後に尾張と伊勢の領主となりますが、土地制度改革を行っています。家臣にはこま切れして分散した土地を与えます。管理が難しくなるので知行地の管理は主君である織田信雄にまかせなければならず、家臣や領民の支配がしやすくなります。また検知も行っており、これは父である信長でもできなかったことでした。意外な歴史の一面です。
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