戦国合戦通説を覆す
【書 名】戦国合戦通説を覆す
【著 者】工藤 健策
【発行所】草思社
【発行日】2015/02/26
【ISBN 】978-4-7942-2111-7
【価 格】1700円
武田信玄と上杉謙信が戦った「川中島の戦い」
織田信長が今川義元を倒した「桶狭間の戦い」
織田信長と武田勝頼の「長篠の戦い」
徳川家康と武田信玄が激突し大敗した「三方ケ原の戦い」
秀吉が見せた「高松城水攻めと中国大返し」
同じく秀吉の「賤ヶ岳の戦いと美濃大返しのトリック」
家康vs三成の「関ヶ原の戦い」
伊達正宗と真田幸村の不思議な行動があった「大坂夏の陣と真田幸村」
の通説がいろいろと語られていますが、実際はどうだったかを説明していますが、説得力がありますね。
面白かったのが「賤ヶ岳の戦い」で、岐阜城の織田信孝が裏切ったと秀吉は美濃攻めへ向かいますが、ワズと隙を作るための陽動という説明。長浜に母親や娘などを人質に出していた織田信孝が、そう簡単に秀吉に謀反を起こすわけがなく、そんな噂を流して岐阜に向かったのなら納得です。秀吉が美濃から兵を引き連れて大返しをしたというのが通説ですが、米原など拠点、拠点に兵を残し、木ノ本へも岐阜にも行けるよう両面で考えていたのでしょう。
実際は揖斐川が氾濫して、岐阜へ行くのは無理でしたので、柴田勝家側が動いたらすぐに駆けつける公算だったようです。秀吉が小田原攻めをする口実が、名胡桃城を後北条氏側が攻めたことにありますが、これが実はでっち上げだったという説があり、織田信孝も同じだったのでしょう。
| 固定リンク
« 日本史の森をゆく | トップページ | 三重のおきて »
コメント