武士の絵日記
【書 名】武士の絵日記
【著 者】大岡 敏昭
【発行所】角川ソフィア文庫
【発行日】2014/11/25
【ISBN 】978-4-04-409217-7
【価 格】920円
「のぼうの城」で有名な忍城。幕末は松平氏の所領で、忍藩の下級武士に尾崎石城という人物がいました。この人が残した日記なんですが提灯や屏風の絵を頼まれるぐらい絵がうまいために残したのが絵日記。よく分かっていない武士の生活などがわかる資料になっています。
石城は下級武士なんですが町人や上級武士、またお寺などにもよく行って和気藹々とやっています。藩に意見をして降格され、妹夫婦のところへ居候している人物です。またよく飲んでいてエンゲル係数が高いのですが宵越しの金はもたない生活。下級武士の仕事は週に1回登城して番を勤めるぐらいで、金はないけど、なんともうらやましいですね。女性が夜中にひとりで帰っても大丈夫なようで治安もよかったようです。
幕末なんですが、あんまり悲壮感のようなものはなく、皇女和宮が江戸へ向かう時に近くに通ることになったため、居候していた妹夫婦の義弟が警護に出かけたぐらいです。明治維新後、石城は藩校の教頭に任ぜられました。日記でもよく本を読んでいたので、ようやくその才能が認められたようです。
| 固定リンク
コメント