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2014/11/18

司馬遼太郎が描かなかった幕末

 【書 名】司馬遼太郎が描かなかった幕末
 【著 者】一坂 太郎
 【発行所】集英社新書
 【発行日】2013/09/13
 【ISBN 】978-4087207057
 【価 格】821円

司馬遼太郎が「竜馬がゆく」で描いた坂本龍馬、「世に棲む日日」の高杉晋作は、あくまでも小説で、創作部分や描かなかった部分も多く、実際はどうだっかを述べています。司馬遼太郎は躍動感をもって小説を書いたので、小説に描かれた坂本龍馬や高杉晋作を実像だと誤解している読者も多いことが背景にあります。

高杉晋作を助けた政商として白石正一郎の名前がよく上がりますが、実際はそれほどでもなく入江和作が幕末の志士たちを援助し、高杉晋作の住居の世話や「おうの」の面倒もみていましたが小説には出てきません。

高杉晋作の辞世の句といえば「おもしろき こともなく世に おもしろく すみなすものは 心なりけり」が出てきますが、これも司馬遼太郎の影響です。実際は死の前年にいくつかよまれた句の一つでした。ただ、この句を辞世の句とした司馬遼太郎はすごいとも本に出ています。吉田松陰は現在でいえばテロリストのような存在だった、高杉晋作が行った英国公使館焼き討ちは反対に幕府を助けることになったなど、とても面白い幕末史になっています。


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