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2014/07/25

日本史の謎は地形で解ける 環境・民族篇

 【書 名】日本史の謎は地形で解ける 環境・民族篇
 【著 者】竹村 公太郎
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】2014/07/17
 【ISBN 】978-4-569-76205-0
 【価 格】780円

■二段構えの堤防で治水
「日本史の謎は地形で解ける」シリーズの3作目。治水の話が面白く、決という字には「堤防が崩れる」という意味があり、堤防が崩れることを「欠壊」と書かず「決壊」と書くのはこういう意味があるんですね。「決定」も堤防の決壊場所が決まったに由来しています。

江戸の堤防は二段構えになっていて、川に近い堤防には田畑を作り、その向こうに堅固なもう一つの堤防を作ります。この田畑には税金をかけませんでした。一つ目の堤防が切れると田畑はめちゃくちゃになるので洪水の時は各村が一生懸命防ぎました。ところが明治政府はこの田畑に税金をかけてしまい、これを勝海舟が批判しています。課税された村人はもう一つの堤防と同じ安全の権利を主張し、二番目の堤も撤去されてしまいました。2重化した堤防で治水するというのは、すごく理にかなっています。

■廃藩置県がうまくいった背景
明治になって廃藩置県が行われますが、それほど混乱はありませんでした。参勤交代制度によって家族は江戸にすみ、2年に1度領地に行きますが、いわば単身赴任。大名も江戸生まれがほとんどで、諸大名のアイデンティティがもともと江戸なので混乱のしようがなかったというのは面白い視点です。

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