語源に隠された日本史
【書 名】語源に隠された日本史
【著 者】武光誠
【発行所】河出書房新社
【発行日】2014/02/15
【ISBN 】978-4-309-02264-2
【価 格】1400円
昔からよく使われている言葉の語源に迫ると日本の歴史にいきつきます。
■六甲
阪神タイガースの六甲おろしで有名な六甲ですが、もともとは古代の天皇領をあらわす「御子代(みこしろ)」が語源。「みこ」がなまって「むこ」になり、武庫川と同じ「ムコの山」。このムコに六甲の字をあて音読みしたため「ロッコウ」になりました。
■相撲
【関取】
古代の相撲節会で諸国から相撲に腕におぼえがあるものが集められました。彼らが都にいる間、朝廷の関所の番兵である関守に準じた給与を受けていました。そこで「相撲をとる関守」を意味する関取の言葉が生まれたそうです。鈴鹿の関、不破の関、愛発の関の関と同じです。
【年寄】
相撲節会の準備をする幹事役は「年預(ねんよ)」と呼ばれ、その年の行事を預かるという意味でした。この「年預」が「としょ」と呼ばれるようになり、やがて「年寄」の字があてられ、現在の「年寄」になったようです。
【幕の内】
関取の別名。将軍が相撲見物する時に一人前の力士は将軍のいる幕の内に入れたところから生まれました。入れないのは幕下になります。
■打合せ
雅楽の予行演習でる打物あわせが打合せになりました。
■挙句の果て
次々と句を読んでいく連歌。後鳥羽院が100句で止める慣習を作りましたので参加者は100句がくると安心しました。連歌の終わりに七七を挙句と言い。本当の終わりという意味で「挙句の果て」という言葉ができました。また最後の歌が「~けり」で終わることが多いため「けりがついた」という言葉も生まれました。
■鯖をよむ
鯖の数かなと思ったら「いさば」の「い」が落ちて「さば」になったそうで、「いさば」とは魚市場のこと。魚市場での魚の数え方に「いさばよみ」とあり、よく魚の数をごまかしたそうで、「いさばよみ」が「さばをよむ」に変わりました。
■もとをとる
江戸時代の商人にとって資本は大切で、投資して元が回収できることを言いました。「もとも子もない」の子は利息をあらわしています。
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